2009年03月06日

九字−Kuji

九字とは「臨・兵・闘・者・皆・陣(陳)・列・在・前」の9字で呪文を唱えながら手印を結んだり指を刀剣に見立てて空を四縦五横に切る護身法である

身を守るという意味で城の屋根瓦などにも描かれることがある

遠山氏の家紋として「丸に九字直違」などが有名だ
時にどのような理由で遠山氏が九字紋を用いたのかを聞かれることがあるのだが、この質問には簡単に答えが出せないのである

それは九字紋は遠山氏が始めから用いた家紋ではないからだ
遠山氏は藤原利仁流加藤氏から分かれた氏族で加藤氏の家紋は弦巻(蛇の目)紋である

弦巻 
弦巻(蛇の目)


『見聞諸家紋』には、遠山氏の家紋が二種類載っているが、その一つは「合子箸」である

合子箸 
『見聞諸家紋』に載る遠山氏の合子箸(丸に二引)


これはおそらく本来は加藤氏の弦巻紋に、足利家から譲り受けた二引両を下に加えたものだったのであろう
この紋形は「合子箸(ごうすはし)」と呼ばれている
合子とは蓋付きの器で、それに箸を添えた図柄に見立てられている
合子
合子


やがて「ごうす」は「こうし」となり格子模様に変化した

格子付き円窓2


格子に二つ引2
『見聞諸家紋』に載る遠山氏の格子に二つ引


この「格子」の形がさらに格子状の呪文である「九字」になったのである
したがって遠山氏は元々「九字」の意味で用いた家紋ではなかったはずである
丸に九字直違2
遠山氏が用いる丸に九字直違


家紋は時に様々な要因で変化する
事故で変化することもあれば
また意図的に変化を生ずることもあるのだろう


九字

  細輪に九字   石持ち地抜き九字    九字菱   


加藤氏、遠山氏、伊丹氏など藤原利仁流の諸氏が多く使用する。



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高澤 等
TAKASAWA HITOSHI
埼玉県飯能市在住
日本家紋研究会会長
著書に「家紋の事典」「家紋歳時記」「新・信長公記」「戦国武将 敗者の子孫たち」ほか


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