商品先物取引@
先物取引用語集
先物取引…オプションと共に代表的なデリバティブ取引である先物取引とは、将来の売買についてあらかじめ現時点で約束をする取引のことです。現時点では売買の価格や数量などを約束だけしておいて、将来の約束の日が来た時点で、売買を行います。前もって売買の価格を決めておくことができるので、価格変動する商品の売買につきものの価格変動リスクを回避できるという利点があります。英語ではFutures(フューチャーズ)と言います。
先物取引を用いたヘッジ方法…先物取引を用いたヘッジには、買いヘッジと売りヘッジがあります。
買いヘッジ…将来、商品を購入する予定があるけれども、価格が値上がりする恐れがある場合、先物取引で現時点において価格を決めて買う約束をします。このように、先物取引で買う値段をあらかじめ確定し、その商品の値上がりリスクをヘッジすることが、買いヘッジです。その商品の市場価格が、予期したとおり購入時点で値上がりしていたとしても、先物取引によって約束した価格で購入できます。
売りヘッジ…将来、商品を売却する予定があるけれども、価格が値下がりする恐れがある場合、あるいは、市場価格の下落とともに現在保有している資産の価値が目減りしてしまう恐れがある場合、先物取引で現時点において価格を決めて売る約束をして、値下がりのリスクをヘッジします。これが売りヘッジです。
寄り付き(よりつき)…取引所の売買は午前9時から始まりますが、最初の売買のことを「寄り付き」といい、その時の値段を「始値」と呼んでいます。 また、昼休みをはさんで開始される後場の最初の取引を「後場寄り」と呼ぶこともあります。
引け・大引け(ひけ・おおびけ)…取引所の売買立会は、午前立会(前場・ぜんば)と午後立会(後場・ごば)に分かれています。前場、後場の最後の売買のことを「引け」といい、特に後場の引けを「大引け」といいます。
始値(はじめね)・終値(おわりね)…取引所では取引の時間が決まっています。「始値」はその日の最初の値段のことです。「終値」はその日の最後の値段のことです。「前場」の「終値」、「後場」の「始値」という言い方もしますが特に断りがなければ、「始値」は前場の最初の値段、「終値」は後場の最後の値段のことです。「始値」は「寄り(寄り付き)」、「終値」は「引け」とも言います。
限月(げんげつ)…先物市場では、ひとつの銘柄ごとに決済期限が異なる複数の取引が並行しておこなわれています。銘柄によっても違いますが、決済期限は1カ月ないし2カ月間隔でずれており、一定の間隔で決済期限が決められた取引を限月(げんげつ)取引と言います。注文などの際には「金の2月限(がつぎり)」という言い方で、限月を区別します。このほか、その月に決済期限を迎える限月を当限(とうぎり)、以降の限月を決済の早いものから順に二番限(にばんぎり)、三番限(さんばんぎり)・・・と呼ぶこともあります。
先限(さきぎり)…最も遠い限月のこと。
納会(のうかい)…最終日の立会のことをいい、当月限の最後の立会を「当限納会」、年末の最終営業日の最後の立会を「大納会」または「年末納会」といいます。また、納会のときの相場が全般より高かった場合を「高納会」、安かった場合を「安納会」といいます。
発会(はっかい)…取引所における新甫(しんぽ)限月の最初の立会いのことで、「初会」ともいいます。また、新年最初の営業日の立会いを「大発会」といいます。
新甫(しんぽ)…発会日に新たに生まれる限月のこと、またはこれについてできた値段のことをいいます。また、この限月の最初の立会を「新甫発会」といいます。
ストップ高・ストップ安…取引所では、1日の値動きの幅を前日の終値または最終気配値段などを基準として、価格の水準に応じて一定に制限していますが、この制限値段を「ストップ値段」といい、そこまで価格が上がることを「ストップ高」、下がることを「ストップ安」といいます。
ストップアウト…ストップ(逆指値)注文に引っかかって強制的に仕切られてしまった状態。
ドテン(途転)…買い持ち→売り持ち、または売り持ち→買い持ちに一瞬でポジションをチェンジすること。
ギャップアップ(GU)…前日終値よりも本日始値の方が高いこと。
ギャップダウン(GD)…前日終値よりも本日始値の方が安いこと。
揉み合い(もみあい)…価格が小さな値動きのなかに収まっている状態のこと。
スリッページ…ストップ(逆指値)注文の成立時などに生じる、指定したレートと実際に約定したレートとの差のことを言います。相場の急落/急騰など、市場状況や流動性の低さにより、このスリッページが大きくなる場合もあります。
流動性リスク(りゅうどうせいりすく)…流動性リスクとは、思うように売却できないリスクのことです。売買が極端に少ない銘柄を取引しようとする場合、希望の金額で売却できないことがあります。売却できたとしても、希望の金額を大幅に下回った金額での約定(やくじょう)となってしまう可能性があります。
スキャルピング(Scalping)…元の意味は「薄く頭皮を剥ぐ」。ディーリングで薄く利鞘を剥ぐように稼ごうとする売買手法。短時間(数秒〜数分程度)で、1、2ポイントから数ポイント程度の利益を狙って、売り逃げるような売買のやり方。
トレイリングストップ…トレイリングは追いかけるという意味を持ち、相場が利益が出る方向に動いた場合にその値動きに合わせてストップロスオーダー(逆指値による損切り注文)の水準を変化させていくこと。
ロング…買い持ちのポジションの事。買い持ちにする事をロングにする、もしくはロングポジションを持っていると言う。英語ではLongという。
ショート…売り持ちのポジションの事。売り持ちのポジションにする事をショートにする、もしくはショートポジションを持っていると言う。英語ではShortという。
空売り(カラ売り)…信用取引の1つ。株券を証券会社から借りてきて、株式を売り付けること。基本的には6ヶ月以内に決済されるまでは、売却代金は証券会社の預かりとなる。
オプション取引…ある銘柄(為替、株式、債券などの原資産)を将来の一定期日(あるいは一定期間内)に、特定の価格で買う(または売る)ことができる権利の売買です。
オプションの権利には、(1)コール(ある銘柄を買う権利)、(2)プット(ある銘柄を売る権利)、の2種類があります。オプションの売買には、(1)コールの買い、(2)コールの売り、(3)プットの買い、(4)プットの売り、の4種類があります。
コールの買い手は、買う権利の保有者です。権利を行使するのか放棄するのか、自由に選択できます。コールの売り手は、買う権利を与えている者です。買い手が権利を行使した場合に、売る義務を負っています。プットの買い手は、売る権利の保有者です。権利を行使するのか放棄するのか、自由に選択できます。プットの売り手は、売る権利を与えている者です。買い手が権利を行使した場合に、買う義務を負っています。
コールオプション/Call Option【オプション用語】…コールオプションは、ある銘柄を一定の価格で買う権利です。コールオプションは、銘柄の値上がりリスクに対する保険の役目をします。コールオプションを買うことで、ある一定の価格(権利行使価格)以下で銘柄を買う保証が得られます。銘柄が値上がりした場合には、オプションを行使して権利行使価格で銘柄を買います。逆に、銘柄が値下がりしたら、オプションを放棄して市場の時価で銘柄を買えるからです。
プットオプション/Put Option【オプション用語】…プットオプションは、ある銘柄を一定の価格で売る権利です。プットオプションは、保有する銘柄の値下がりリスクに対する保険の役目をします。プットオプションを買うことで、ある一定の価格(権利行使価格)以上で銘柄を売る保証が得られます。銘柄が値下がりした場合には、オプションを行使して権利行使価格で銘柄を売ります。逆に、銘柄が値上がりしたら、オプションを放棄して市場の時価で銘柄を売れるからです。
イン・ザ・マネー/in the money【オプション用語】 略称=ITM…権利行使価格と銘柄の価格との関係において、オプション取引の買い方が権利行使した時に、利益が生じる状態のことをいいます。コール・オプションでは、権利行使価格が銘柄の価格を下回る場合、プット・オプションでは、権利行使価格が銘柄の価格を上回る場合となります。
アウト・オブ・ザ・マネー/out of the money【オプション用語】 略称=OTM…権利行使価格と銘柄の価格との関係において、オプション取引の買い方が権利行使した時に、損失が発生する状態のことをいいます。コール・オプションでは、権利行使価格が銘柄の価格を上回る場合、プット・オプションでは、権利行使価格が銘柄の価格を下回る場合となります。
アット・ザ・マネー/at the money【オプション用語】 略称=ATM…権利行使価格と銘柄の価格との関係において、オプション取引の買い方が権利行使した時に、損益が生じない状態のことをいいます。コール・オプション、プット・オプションとも権利行使価格と銘柄の価格が等しい場合となります。
タイム・ディケイ/Time Decay【オプション用語】…プレミアム(オプションの価格)は、「本質的価値」と「時間価値」をプラスした価格となります。時間価値とは、将来の原資産の価格が変動することで、オプションに本質的価値が出てくるかもしれない、と期待された価格であるといえます。オプションの期日までの期間が長ければ長いほど、時間価値は大きくなります。また、オプションの満期が近づいてくると同時に、時間価値は減少していきます。そして、最後にはゼロになります。時間価値は、はじめのうちはゆっくりと減少していき、満期直前には急激に減少していく、という傾向があります。上記のように、オプションの時間価値が、時間が経過するのと共に小さくなることを、「タイム・ディケイ(Time Decay)」と呼ばれます。つまり、オプションの満期日には、本質的価値だけが残るということなので、イン・ザ・マネーではない場合は、価格が0円になることを意味します。たとえば、アウト・オブ・ザ・マネーのオプションを購入し、相場が自分の思うように変動しない場合には、リスクに対して、時間価値がゼロになる前に転売するという考えも必要な時があります。また反対に、オプションを売却した場合は、オプションの期日が近づくほど、その価格がどんどん下がっていくことになります。つまり、タイム・ディケイがチャンスになります。ということは、タイム・ディケイ(時間価値の減少)は、オプションの買い手に対しては不利な要素となり、逆に売り手に対しては有利な要素になるのです。