我が家には春子さんの他にもいくつか秘宝館から引き取ったのがあります。
ムキムキおじさん(体格と顔つきから往年のレスラーを想起させるため、ハルクと命名)
この人はFRPという素材でできています。遊園地やテーマパークの作りものはほとんどこれで出来ているといっても過言ではない、最も一般的な素材です。秘宝館も大部分の人形がこれです。
蝋人形より軽くて丈夫で扱いも楽です。
よく蝋人形と混同されてたりしますが、肌が不透明な場合はほぼ間違いなくFRPと考えて良いです。
……と、思ってました。最近まで。
先月、大往生された(泣)嬉野秘宝館より『風流回り舞台』の人形達をいただいてきたのですが…
都築響一様のメルマガより。
もう確実にFRPと信じて持ってきたんですが、家でクリーニングしようとしたら…
ちょっとぶつけた程度の衝撃で欠けました。FRPではこんなことありえません。
えええ~なにこれ??内側を見てもさっぱり見当がつきません。
匂いや爪でこすると傷がつくところから、おそらく蝋ではないかと考えられます(色や質感が造形作業で使うワックスシートに酷似している)。表面はパリパリしていて、蝋ではなく普通のラッカー塗装のように見えます。
わたくし奥村は一応造形業やってますが、今までこんなの見たことありません。
修復のときに杉本さんにも聞いてみましたが、やはりこんな作り方は見たことないそうです。
模造人体愛好家である兵頭喜貴氏によると、古いマネキンがこんな感じだそうですが、その流れを受けたものなんでしょうか。う~ん。
世の中にはまだまだ知らない素材があるんですね~。
どなたか、ご存知の方いらっしゃいましたら教えてください。そしてどう直せばよいのかも(泣)。
場所をとるので角度を変えて置いてみました。こうしてみるとなんだか楽しそうな二人。
持ってきたからにはうちの住人です。なんとなく「菊次郎とサキ」と命名。
コメント
コメント一覧 (4)
私、造形には詳しくないのですが化石からいろいろわかるように昔の造形物からもいろいろな
技術がわかったりするものなのですね。奥が深いです。
そして春子さんをはじめ、ネーミングセンス最高です!
名前は直感でテキトーにつけてます(笑)。
こんな感じで出発したブログですが、どうなることやら。
造形屋目線で秘宝館を取り巻く文化について切り込んでいけたらなと思います。
修復も仕事の合間ののんびりペースですので、まあ気長に見てやってください。
よろしくお願いします!