2011年04月

こんにちは。大阪市中央区の税理士事務所 北浜総合会計事務所 所長の松本です
今日はおすすめ本を紹介します。

従業員50名弱の中小企業ながら、「絶対にゆるまないネジ」ハードロックナットで、国内外の高速鉄道、原子力発電所、橋梁、高層建築物などあらゆる構造物・機械を支えているハードロック工業株式会社の創業者の話です。

普通のネジというのは物理的に「絶対にゆるむ」ものだそうです。
普通なら「絶対にゆるむのだから仕方がない。ゆるんだら締め直せばよい」と考えてしまいそうですが、「お客様が求めているもの」を追い続けた結果、生まれたものが「絶対にゆるまないネジ」ハードロックナットです。
しかし、よい商品でもそれだけで売れることはありません。そこには、営業の問題、資金の問題、特許の問題などさまざまな問題が立ちはだかります。中小企業がそれらを解決していくためのヒントが書かれています。そして一度、画期的な商品が生まれたらそれで終わりではありません。ハードロックナットも常に改良が行われ、開発から37年を経た現在でも世界一の品質を維持し、売れ続けているのです。中小企業のお手本とも言えます。

後書きにこの本の伝えたいことが集約されているように思います。

すべての物事には「完成品」は存在しません。すべて未完成であって、60~70%のできに過ぎませんから、そこにさまざまなアイデアを付加すれば、間違いなくよくなるんです。たとえ失敗しても、それを捨てずに置いておく。そこに、新たなアイデアやヒントを加えることで、付加価値が大きくなる。そのように考えて、日々、前向きな努力を積み重ねていくことが大切だと私は思うんです。
アイデアは無料、お金がまったくかからない。常にメモ帳をそばに置いて、何か思いついたら必ず書き留める。それを中途半端でも形にしてしまう。そしてストックしておけばそこからさらにアイデアが湧いてくるものです。
そして、よいアイデアを生み出す源泉は「利他の精神」。どうすればお客さまに喜んでいただけるか、どうすれば世間のみなさんに喜んでいただけるか。自社の利益、自分の利益を追うのではなく、どうやってまわりのみなさんを幸せにするのか。そこに私は個々人の存在価値があると考えています。
そうして諦めずにやっていれば、誰でも世界一になれる。私は本気でそう思うんです。


絶対にゆるまないネジ―小さな会社が「世界一」になる方法絶対にゆるまないネジ―小さな会社が「世界一」になる方法
著者:若林 克彦
販売元:中経出版
(2011-03-01)
販売元:Amazon.co.jp
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こんにちは。大阪市中央区の税理士事務所 北浜総合会計事務所 所長の松本です

先日、韓国のソウルを訪問し、駐在している大手監査法人の日本人マネジャーと意見交換を行いました。現地のビジネス事業を知ることができ、非常に有意義な出張となりました。ビジネスの話はなかなか書くことができないので、それ以外の話を書くことにします。

何より驚かされたのは韓国は「超超競争社会」なのです。

マネジャーの知人の韓国人の弁護士は、まだ小学生の子どもの教育費に毎月50万円をかけているとか。高所得者でないとそこまではできないが、毎月10万円程度の教育費を使っている家庭は多く、有名な塾があるような地域はそれだけで住宅相場が高くなるそうです。幼児からの英語教育は当たり前。

学校に入る前から競争が始まり、卒業後もまた競争なのだそうです。
韓国の若者は在学中や卒業後に留学することが多く、また、兵役につかないといけないため、社会人になるのが日本の場合よりも数年遅いのが一般的です。そこからまた猛烈な競争が始まります。日本だと、大卒の場合は22歳で就職し30歳過ぎで一通りの仕事をこなし一人前、というようなイメージですが、韓国はそこから数年遅いのでそんなスピードでは全然ダメなんだそうです。結果を出していないと脱落してしまう。とある上場企業の経営者は、四半期で赤字を計上したことに対して責任を問われ辞任した、とか。

帰りに仁川空港を利用しましたが、出発地の羽田、到着地の関空とは比べ物にならない規模ですね。成田と比べても使い勝手、路線数で負けていると思います。人口は日本よりも遥かに少ないのですから、空港も港湾も計画的にやれば日本が負けるはずはないと思うのですが、日本は資源の逐次投入という「負けの鉄則」をやってしまっているような気がします。新しい大阪駅ではハングル語表記も少ないし、「簡単にできることもやっていない」のではないでしょうか。

韓国のスタイルが良いか悪いかは別として、隣国にもの凄いスピード感のある国があることを意識しておかないといけないですね。

こんにちは。大阪市中央区の税理士事務所 北浜総合会計事務所 所長の松本です

突然ですが、あなたの会社に事業継続計画(BCP)はありますか?

事業継続計画(Business Continuti Plan)とは、企業が自然災害等の緊急事態に遭遇した際に事業の継続を図るための事前の取組のことをいいます。

先日、有限責任あずさ監査法人が行った調査によれば、東日本大震災発生前に3割強の企業が地震対応のBCPを策定していなかった、という結果となりました。回答企業の大半の年間売上高が100億円以上となっていますので、中小企業で調査をすると、BCPを策定していない割合はもっと高くなることでしょう。
今回の震災は、就業中に発生したにも関わらず、役職員の安否確認を1日未満で完了した企業は半数にとどまったそうです。

PRESIDENT 2011年5/2号には、BCPに沿って、いち早く災害対策チームを立ち上げ、「グローバルからのサポート確立」「在庫確保」「トラック確保」「被災地のニーズと受け入れ態勢の確認」「行政当局との折衝」を経て、わずか3日後に緊急支援物資を発送したP&Gジャパンの記事が掲載されています。
素早く的確な対応のポイントは「少人数・短時間の緊急会議」「日ごろからの行政との付き合い」「上司はでしゃばらず権限移譲」にあるとか。ただ、「緊急時の素早い対応は、平時から権限移譲が進められ、現場の判断力と行動力が鍛えられていたから実現できた」ということです。

緊急時に備えた計画と日々の取組みはどんな企業にも必要なことです。
まずは、BCPの策定を考えてみてはいかがでしょうか?その際には、下記の中小企業庁のサイトが参考になります。

[中小企業庁]中小企業BCP策定運用指針

PRESIDENT (プレジデント) 2011年 5/2号 [雑誌]PRESIDENT (プレジデント) 2011年 5/2号 [雑誌]
販売元:プレジデント社
(2011-04-11)
販売元:Amazon.co.jp
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▲5/2号はよい記事が盛りだくさんです。

大阪市中央区の税理士事務所 北浜総合会計事務所です。

本日、東日本大震災の被災者支援措置等を盛り込んだ「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律案」が国会に提出されました。この法案が成立すると、主に次のような税制上の措置を受けることができるようになります。

【個人の税金】
1.震災により住宅や家財等に損失を受けたとき
・平成22年分の所得で雑損控除、災害減免法による所得税の減免措置を受けることができます。雑損控除で損失額が大きくてその所得金額から控除しきれない場合は、翌年以降5年間を限度(現行:3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができるようになります。

・住宅ローン控除の適用住宅が、大震災により滅失等しても、平成24年分以降の残存期間の継続適用が可能となります。

2.震災により財形住宅・年金貯蓄を取崩すとき
・震災を原因として、平成23年3月11日から平成24年3月10日までに財形住宅・年金貯蓄の払戻しを行った場合、利子等による遡及課税は行われません。

3.震災により事業用資産に損失を受けたとき
・平成22年分所得の計算上、被災事業用資産の損失の必要経費への算入が可能となります。

4.震災により自動車が滅失・損壊したとき
・平成25年3月31日までの間、車検残存期間に相当する納付済み自動車重量税の還付を受けることができます。

5.震災により自動車を買替えるとき
・平成23年3月11日から平成26年4月30日までの間に買替えた自動車について、新規車検等の際の自動車重量税が免除されます。

6.震災に関して寄附をしたとき
・平成23年から平成25年までの所得税において、震災関連の寄附についての寄付金控除の控除可能限度枠が総所得の80%(現行:40%)に拡大されます。

7.震災前に被災地域の土地等を相続・贈与で取得していたとき
・大震災前に取得した財産に係る相続税・贈与税で大震災後に申告期限が到来するものについて、指定地域内の土地等及び一定の非上場株式等の価額を大震災後を基準とした評価額とすることができます。また、申告期限が延長されます。

【法人の税金】
1.震災により損失を受けたとき
・平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する事業年度において、法人の欠損金額のうちに震災損失金額がある場合には、その震災損失金額について2年間まで遡って繰戻し還付が可能となります。また、平成23年3月11日から9月30日までの間に中間期間が終了する場合、仮決算の中間申告により、同様の繰戻し還付が可能となります。

・平成23年3月11日から9月30日までの間に中間期間が終了する場合、仮決算の中間申告により、震災損失金額の範囲内で、法人税額から控除しきれない利子・配当等に係る源泉所得税額の還付を受けることができます。

2.被災した資産の代替資産を取得するとき
・平成23年3月11日から平成28年3月31日までに取得する次の資産について、特別償却をすることができます。
(a)被災した資産(建物、構築物、機械装置、船舶、航空機、車両)の代替として取得する資産
(b)被災区域内において取得する資産(建物、構築物、機械装置)

3.被災地域内の土地等を買替えるとき、買換えで被災地域内の土地等を取得するとき
・平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に一定の買換えを行う場合、圧縮記帳による課税の繰延べ(課税繰延割合100%)ができます。

4.消費税の課税事業者選択届出等を行うとき(個人事業主も共通)
・大震災により消費税の課税事業者選択届出書等の提出が遅れた場合でも、国税庁長官が定める日までに提出した場合には、本来の提出時期までに提出された場合と同様の効果が生じることとなります。

大阪市中央区の税理士事務所 北浜総合会計事務所です。

東北地方太平洋沖地震で相当な損害を受けた場合には、国税の納税の
猶予などを受けることができます。
国税庁はこの取扱いをまとめた「災害等を受けた場合の緩和制度」を公表しました。

主な内容は次のとおりです。

1.納税の猶予
(1)納税の期限前である場合
家屋等の財産に相当な損失を受けた場合(災害により全積極財産のおおむね20%以上の損失を受けた場合など)には、その損失を受けた日以後1年以内に納付すべき国税について、納税の猶予を受けることができます。
この納税の猶予を受けるためには、災害のやんだ日から2か月以内に「納税の猶予申請書」及び「被災明細書」を税務署長に提出し、承認を受ける必要があります。
なお、猶予を受けた場合には、延滞税は免除されます。

(2)納税の期限を経過している場合
災害等を受けたことにより納税できない場合や(1)納税の期限前である場合の納税の猶予を受けてもなお納税することができない場合には、税務署長に申請をすることにより、1年以内の期間、納税の猶予を受けることができます。また、この猶予期間内にやむを得ない理由によって納税できない場合には、さらに1年間、猶予期間の延長を受けることができます。この制度を利用する場合には、原則として猶予を受けようとする金額相当額の担保提供が必要です。
この納税の猶予を受けるためには、すみやかに「納税の猶予申請書」を税務署長に提出し、承認を受ける必要があります。
なお、猶予を受けた場合には、延滞税は免除されます。

2.換価の猶予
「1.納税の猶予」の適用を受けることができない場合や、納税の猶予(延長)を受けてもなお納税することができない場合で、その財産を直ちに換価することにより事業の継続や生活の維持を困難にするおそれがあるときには、税務署長は、1年以内の期間、その財産の換価を猶予することができることとされています。税務署長は、さらに1年間の猶予期間の延長をすることができます。

3.滞納処分の停止
国税を滞納している納税者が震災により財産を喪失し、他に滞納処分を執行することができる財産がないと認められるなど一定の場合には、税務署長は、滞納処分の執行を停止することができるとされています。
滞納処分の停止が3年間継続した場合は、延滞税を含め、納税義務は消滅します。なお、滞納処分の停止後、3年以内に納付資力が回復したなどの場合は滞納処分の停止が取り消されます。

こんにちは。大阪市中央区の税理士事務所 北浜総合会計事務所 所長の松本です

東北地方太平洋沖地震で被災された地域の方々に対しては、寄附をしたり、物資を送ったり、献血したり、など様々な方法での支援が考えられます。
私もまず寄附をしましたが、こんな支援プロジェクトがあるようです。

三陸牡蠣再生を目指すプロジェクト「三陸牡蠣オーナー制度」

三陸地域は国内で有数の牡蠣の生産地でしたが、今回の災害により、壊滅的な被害を受けました。
この牡蠣の生産者の復興を金銭的に支援し、再び牡蠣の生産ができるようになったときにはその見返りとして牡蠣を届けてもらうことができる、というのが「三陸牡蠣オーナー制度」です。一口1万円ですが、100万人の賛同があれば、三陸の産地復興が実現できるようです。ただし、再び牡蠣が出荷できるようになるのは数年単位の時間がかかります。

このプロジェクトに参加すると、まず、おいしい牡蠣が届くのをを待つ楽しみが得られます。
そして、数年後、牡蠣が届いたときに、今回の地震を再び思い出し、災害への備えや普通の生活の有難さを思い起こすことができるでしょう。
おいしい牡蠣であれば、その生産者の方から継続して牡蠣を買うことになるはずです。

寄附はもちろんすごく大切ですが、お金だけを拠出するには限界があります。このような支援者も被支援者もともに何かを得られるようなプロジェクトも、継続して支援していくためには大切だと思います。

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