2016年05月18日

歌集「羽虫群」が世に出ます。

 また更新の日にちが開いてしまいました。みなさまこんにちは。
 というか今年初めての記事ですね……あけましておめでとうございます(遅)


 さて、私の歌集についての商品情報が公開になりましたので、お知らせ致します。

http://www.kankanbou.com/kankan/?itemid=721

 おれの生きかたを、笑え。
 この歌集は、とかくしんどいこの世を生き抜くための、
 最も力弱く、最も魅力的な武器だ。
(石川美南)

 リンクだけ貼ってもなんだかなので、石川さん製の帯文を一緒に貼ってみました。自分だと「笑え」とはけして書けないと思うので、石川さんの目の確かさを感じます。

 だんだん実感が出てきて緊張してきましたが、また実際に店頭に並んでくるのを目の当たりにすると、実感が深まってくるのだと思います。みなさま、よろしくお願い致します。

kitakawachi at 11:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年11月10日

Bootleg(土岐友浩/書肆侃侃房)

「Bootleg」は土岐友浩の第一歌集。書肆侃侃房が展開する新鋭短歌シリーズの第二期のひとつとして刊行された。土岐は京大短歌出身で、卒業に前後して同人誌「町」に参加。解散ののち同人誌「一角」を立ち上げている。また先ごろ、同歌集で現代歌人集会賞を受賞した。

勧めようとしている本を読み返す傘とかばんを近くに置いて

 特徴として、いい意味で凹凸感がないことがあげられる。上の歌は監修の東直子が自身と土岐が初めて会った歌会の記憶として解説で取り上げているが、私も同じ歌会に参加していた。その歌会が人生二度目だったわけだが、当時の私にはこの歌はあまりピンとこなかったということを記憶している。
 それはいま振り返ると、当時の私がわかりやすく凹凸のある歌を好む傾向にあったからではないかと思う。
 上の歌は凹凸はないが、意味としてさらっとしているかというとそうではなく、「勧めようとしている」では対象性が、「読み返す」で対象に対する主体の意識が、「傘とかばんを近くに」で時間臨場性があらわれてくる。

遠くから見てもそれとはわからないけれど桜の木が立っている
やり方は知らないけれど春先のゲートボールをころがるひかり


 また、時間に関する感覚に少し特性がある。一首目は桜の木に対する認識において時相のずれがある。上の句は遠景写生なのだが、その木が桜だという認識が過去に見たことがあるか、上の句以降の時間に視認したかのいずれかしかない。同様に二首目ではゲートボールを把握しているように見える。

雨らしきものはけっきょく降らなくてスクールバスが県道を行く
ゆっくりと時は流れているけれどなにもできそうにない雨の日
肝心なことはともかく夏草を見てきたことを話してほしい
することはそれほどなくて図書館の利用カードの住所を変える


 少しだけもやっとしたところを話すと、おおまかな概念で捉えて読み手に手渡すというケースが気になった。「雨らしき」「肝心なこと」「すること」……なにかしらより重要なことがあるような感じがしつつ、それを見せないまま渡される。もちろんそれは魅力にもなっているのだけれど、私の好みとしてはもっとビッっとキメてもらったほうがうれしいときもあった。
 
本棚が足りなくなって生活のところどころに本はあふれる
生活というのはわからないけれどあなたと水を分かち合うこと


 最後に好きだった二首を。くしくも生活というワードが入った両歌となったが、水や本といったアイテムを通して生活の輪郭を見ようとする巧みさが光る。

kitakawachi at 16:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年10月01日

歌集が出ます。

 ながらく更新していませんでした。ご無沙汰しております。みなさまこんばんは。

 さて、本題から入りますが、このたび書肆侃侃房の新鋭短歌シリーズから歌集を出すことになりました。
 ……なりました、って断定的に書きましたけれど、現状まだ作業にかかっているわけではないので、ちょっと断定調を選ぶにもふわふわする感じです。
 監修は石川美南さんにいただくことになりました。全部順調に行けば来年6月に世に出る予定です。
 出す以上は変なものにするわけにはいかないので、これから自分のなかの信ずるところに従って、進めていく予定です。


 私が働きだしたのは「短歌サミット」で生身の短歌のかたたちと会って、そのかたたちとまた会うための資金作りって動機が大きかったんですよね。その長い延長線上に今回の話が繋がってくるのかなと思います。


 まず来年6月まで生き延びなくては、ですね。どうかみなさま、よろしくお願いいたします。

kitakawachi at 21:33|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2015年05月25日

2015,5,25

 とくに書くことが思いつかないまま更新しようとしています。みなさまこんばんは。

 仕事は落ち着き期でありますがもちろんいろんな面倒くさい事態もあって、ときどき胃腸が傷んだりしています。まあそれは無職時代だって傷んでいたんですが。ちょっとお金について意識せざるを得ないしばらくなりそうなので、このまま低空飛行で辞めずにいけるといいような気がします。当直という制度に慣れる感じはないですが……
 一勤務あたりの拘束が長いので、どうしても余計なことを考えがちです。結局この人生どうなるんだというか、なんのための今であるのかというか。生き延びるということは、そうでありたいと思うわけなんですが、それは生き延びれば好転するということをイノセントに信じすぎやしないかとか。勤務中も退勤後もひとりなのでとめどなくそんなことばっかり頭を過ぎていく。
 まあたぶん誰も答えを持っていないと思います。過去への後悔にまみれながら、その場その場でそれらしく選択して生きていくしかない。


 春期の新人賞はすべて不参加になりました。資格の勉強をしたり、作歌リズムがまだ無職基準から脱しきれていないことが原因です。寄せ集めなら数は揃いますけどね、賞に出すっていまの自分においてはそういうことではないと考えます。

 報告が遅れましたが、かばん5月号ゲストルームに7首寄稿しています。


期待とはこわれるまでの道すがら白いふくろをふわふわと踏む

kitakawachi at 18:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年04月15日

うたつかい2014年 1月号

「暮らさない街を数える指先に小さいものがそっと来ている」
冬ぐもり ひとりを好きになることの混沌(カオス)が骨のすき間を光る

つたなさとおさなさは似てかわいいと言われるたびに少しうつむく

しなくてはねえしなくてはハムスター飼いはじめたりまずしなくては

きらきら、と口にするとき砕け散るものをすんなり視野はとらえる

思うとき海辺にきみが立っていて不意にこの目にさざなみは来る


テーマ詠「本」
やるからには本気で来いと告げられてそれからかたく閉ざすくちびる

kitakawachi at 18:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)