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ここしばらくはアライグマが現れる日が多く、寝ても覚めても「どうやって捕獲したものか?」と悩み続けていた。

そんなことを知ってか知らずか、Tsukiが夜に現れる回数が減り、アライグマが現れる日にはTsukiは現れないのかもしれないと考えるようになっていた。

そんな中、見事アライグマを捕獲したものの、夜だったため役所への連絡を翌日にしようと、箱罠の中のアライグマをそのままにしておいた。

夜中になって、「ギャーギャー」と、キタキツネの悲鳴が何度も庭から聞こえた。

近所迷惑になると思い慌てて外に出て見ると、居るはずの無いアライグマに驚いて叫ぶTsukiの声だった。

急いでアライグマの入っている箱罠にトタンをかけて、Tsukiから見えないようにし、「大丈夫大丈夫。ちょっと待ってて」と興奮したTsukiを宥め、上着を着て改めて外に出てみると、Tsukiはいつものように玄関前で座って待っていた。

「びっくりしたよなぁ」そう言いながらTsukiに歩み寄り、「さぁ、遊ぶか!」と、アライグマから離れた雪原へとTsukiを誘い、いつものように小一時間ほども遊ぶと、Tsukiは裏山へと帰って行った。

居るはずの無いアライグマが、行きつけの遊び場に居たのだから、さぞ驚いたことだろう。

自分の遊び相手を奪われたと思ったのかもしれない。

そして昨夜、Tsukiはいつもより随分早い8時少し前に現れ、アライグマが居ないことを確認しに来たのか、遊ぶでもなく家の周りを少しうろつき、外に出た私の姿を確認すると、何か納得できなかったのか、すぐに裏山へと帰って行った。

夜が明けて、今日の午後3時過ぎにTsukiは、リビング前の雪山の上に座り、窓越しに家の中を覗きこんでいた。

私がTsukiに気付き窓に近寄ると、私の存在を確認したTsukiが雪山を降り、いつものように玄関前に座った。

身支度をし、カメラを持って外に出て見ると、「ぇ?またカメラなの?嫌だなぁ・・・」とでも言いたげに、Tsukiは腰を上げて少し距離を取った。

装着しているレンズは50-500mmだったので、焦点距離を考えれば私にはむしろ好都合だった。

それでも何枚か撮影すると、すぐに所在無さ気にうろうろし始めたので、「はいはい、もう写真は終わりだよ」そう言ってカメラを玄関に置き、手ぶらで外に出ると、Tsukiが足元まで寄ってきて座った。

「お前、本当に写真嫌いなんだねw」そう言いながら、雪原の方に歩きだすと後ろをついてくる。

写真が嫌いなわけではなく、おそらくカメラやレンズが怖いのだろう。

撮影した写真を確認してみると、以前のメイプルファミリーたちほど美人ではない。

目つきは悪いし、鼻が曲がっている。

よく見ると、鼻の左側に黒いしみのようなものもある。

これらのことから、かつて、人間から危害を加えられたか、それとも、幼いときの兄弟喧嘩で怪我をしたのかと想像できる。

しかし、先日のアライグマに対する異常なほどの反応から考えると、幼い時に襲われ食われそうになり、そのときの傷がTsukiの顔を歪め、目つきを悪くしてしまったのかもしれない。

夜にキツネの悲鳴が響くことがよくあるが、あれは、アライグマと遭遇してしまったからなのかもしれない。

キタキツネやエゾタヌキなどの在来種にとってもアライグマは厄介者でしかないとわかる。

気温が上がるにつれ、Tsukiが昼間に現れる機会が増えてきたが、過疎地であっても日中は人間や車との遭遇も増えてしまうため心配でもある。