つながろう北の保健・医療・介護・福祉~北海道地域医療研究会~

北海道地域医療研究会の運営委員一同が交代執筆します。 日々の診療やケアの中で感じていること 医療と離れた生活での一コマなど  北の暮らしと 医療福祉保健に関することならなんでも・・

2013年10月

バンクーバーでの遅い夏休み

9月29日バンクーバー交響楽団の秋のシーズンのオープニングコンサートがあり、

参加してきました。義理の兄が終身名誉コンサートマスターで、彼の家に滞在させてもらいました。前半は女流の打楽器奏者による新作の協奏曲、後半は運命の力序曲、ヒンデミットの交響作品、そしてラベルのボレロ。

日本のホールではあじわえない音響に感激。

 

往路の機内では「対米隷属というしゅくあ」植草、孫崎、鳩山著を読みました。

また「図書館戦争」という映画もとても面白く帰路でももう一度見てしまいました。

 

国家秘密保全法、とても心配です。たぶん成立してしまうでしょう。見ざる聞かざる言わざる生活が賢い生き方になってしまうのでしょうか、、、、、。

うつ病の改善の兆しは、、、、もはや絶望的です。

「精神保健の新しい形~地域で暮らすをあたりまえに」

今年の十勝は春から一足飛びに秋になってしまいました。

桜の葉っぱも黄色になり、ところどころ赤みがさしています。

「時間(とき)」というのは不思議なものだとつくづく思う。

忙しさに流されてしまえば、やらなければいけないと思っていても後回しとなるし、時間がなくても、やらなければいけないことは何とか出来ている。

人間の行動は「役割認識」と「物事の優先順位」と「興味」で決まる。

これは一般論でなくて私の場合ですが(^^)

ひょっとしたら、「時間」は自分ので無限なのかもしれないと思う∞


さて、今回は平成25年8月31日(土)十勝精神保健福祉協会が開催した

「第57回精神保健北海道大会」を紹介します。

協会の事務局長である私は、実行委員会の面々と1年前から準備をしてきました。

「再び帯広・十勝発! 精神保健の新しい形~地域で暮らすをあたりまえに」

をテーマに、当日は460名の関係者、当事者、家族が集いました。


十勝地域の精神科病床は1984年(S59)1,006床とピークとなりましたが、

現在は511床と約半分となっています。脱病院化の取り組みは1980年代、

精神科病院に働く精神保健福祉士(PSW)の方の取り組みから始まりました。

入院により家族から長い間離れていた精神障がい者は、家族の元へはすんなりと帰れませんでした。居場所がないのです。

当時、住民の方の精神障害への理解が乏しい中、それを支えたのが民間の支援下宿の世話人でした。支援下宿の世話人をPSWの面々は支えたのです。

パワフルなPSWの面々は保健所や市町村の保健師へもアプローチを重ね、地域で精神障がい者を支える体制が出来ていきました。

そして、暮らす場、つどえる場、働く場、相談する場などの社会資源づくりを進めていったのです。

 

そんな時、2000年(H12)にアメリカ合衆国マディソン市が実践する、精神障がい者の地域支援モデル「マディソンモデル」に出会いました。

マディソンモデルとは、リカバリーの理念を基盤に、当事者が地域で自分らしく暮らせるように個々のニーズに応じた包括的サービスを提供するものです。

そして、13年間の帯広十勝の取り組みから見えてきたことを、十勝へ、北海道へ発信しようとした大会でした。


講演1はマディソン市からデイビッド・ルコントさんが、「マディソンモデル:地域に根ざした支援をとおして、人間の潜在的な可能性を最大限に伸ばすこと」として、地域が精神障がい者を支えるサービスの他、当事者によるピアサポートの重要性について話された。

講演2は厚生労働省事務次官村木厚子さんが、「私の貴重な体験 深淵からのリカバリー」として、事件の経験から「支える側」「支えられる側」はある日、誰でも逆転することを学んだ。その上で、障がい者は一方的な福祉の受け手ではなく、地域の支え手でもあるという思想が共生社会の実現につながると、話された。

そして、最後に十勝精神保健福祉協会副会長門屋充郎さんが「十勝のこれから」として、13年間の十勝の変化を話し、訪問型の医療と、地域の相談支援専門員を中心とするケアマネジメントチームによる支援と、ピアサポート専門職という当事者による支援の連携により、医療を受けながらの本人中心の生活が可能となるだろうと話された。


この大会をとおして、それまで少し距離をおいていた、保健・医療・福祉関係者が一体となれたような気がします。私はそのことが一番嬉かった!

それぞれの果たすべき役割を果たしながら、連帯していく。そんな、地道な活動が未来を切り開くのだと確信しました。

大会の報告集は年末までは作成予定ですが、十勝毎日新聞には講演の概要が掲載されていますので、そちらをご覧いただければと思います。

                   
             北海道帯広保健所 金正 修子

                






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