インドから日本に帰国して、早くも１０日が経った。
帰国前からいろいろな予定を決めていたため、帰国してからの十日間はそれなりに忙しいものだった。そのため、もうすっかり日本の生活にも順応できた。
だがその過程で、帰ってきたばかりの初々しい気持ちがどんどんと少なくなってきているのを感じ、悲しい気持ちにもなる。インドという新しい眼鏡を通して見えていた新しい風景が、どんどんと曇っていってしまっているようだ。日本の生活が当たり前になってきてしまっている。
しかしいつまでも後ろを見るわけにも行かないので、今日ここでインド滞在のまとめをし、新しい年のスタートに備えようと思う。
インドに行って良かったこと、得られた事を、以下箇条書きにする。
�．ぅ鵐匹了�を身近に感じることができた。
実際に住んで、友達を作って、そんなリアルな生活の中で、インドという渡航前には全く遠く感じられた異国を、今はとても近くに感じることができる。人との繋がりを得ることができたお陰で、インドという国に自分が帰国後も繋がっているような気がする。
また、インドを自分の中の新しい世界自分の内に取り込むことができた。自分の世界がまた一層深められたような気分だ。日本、アメリカに加えて、「インド的視点」を自分のものの見方として少しは吸収できたんじゃないかと思っている。
�◆崚咯綛顱廚函峽从冏�展」 が何たるかを知ることができた。
今まで本で読んだり自分で考えていたこと以上に、現地での生活を通して、体で学んだ部分が大きい。
基本的インフラが整っていないとはどういうことか、便利な家電用品が無い生活とはどういうものか、逆に、そんな途上国が経済成長をするということはどういうことなのか、それに対して人々はどのような態度を取っているのか、こういったことを知ることができた。
インドに住むことで、「途上国」で「貧しい」イメージのインドが、これから経済的に台頭する未来を簡単にイメージできるようにもなった。
また、途上国に住んでみたい、という自分の小さな夢を叶える事ができた。
途上国に住むことの利点の一つは、貨幣価値（物価）の違いを利用して、（現地人と比べ、相対的に）いい暮らしを堪能することであると思う。やはり物価が安くて、バンバン消費するのは気持ちがいい。
しかし何より意味があると思うのが、日本の生活の中で当たり前だと思っているさまざまなことの価値をもう一度見つめなおし、その意味を味わいなおすことができるという点であると思う。物に乏しい環境の中で、「食べ物に感謝すること」、「便利な機械の恩恵にあずかること」、そして「人と人のつながりを大切にすること」など、人間の幸せの、基本的なところを再確認することができるのだと思う。
ただ、この点は、途上国だから、という理由よりも、田舎だから、という理由も大きい。インドの中でもボンベイは都市で、お金があれば日本のような生活も不可能ではない。しかし大気汚染や街の汚れはひどく、将来に住んでみたいとは決して思うことは無かった。
�３�発の現場を知ることができた。
大学二年生の夏に初めて東南アジアに旅に出た時、日本との経済格差の大きさを目の当たりにして、自然と、「貧しい人たちの生活をなんとかしたい」、とか、「こんな魅力的な、この国の人たちのために貢献したい」と、途上国の開発の仕事に興味を持つようになった。
だから、実際にＮＧＯのインターンを通して、開発の現場の仕事がどういったものかということを知れてよかった。
結論から言うと、自分が今後将来ＮＧＯで開発の仕事をしたいとは思わなくなった。なぜなら現場レベルの仕事には、地元の文化や言語をを知っている必要があり、特になんの特殊スキルの無い自分が草の根の仕事に貢献することはとても難しいと思うからだ。それに、そんなアウトプットの少なさに、自分が自分自身に到底満足することができない。無給で、ボランティアワーカーとして働く分には問題ないのではあるが、やはりこれを仕事として生きていくのは難しいと思った。
そして今はもっと自分の力を試したいし、伸ばしたいという気持ちが正直なところでもある。
ただし、開発のシステムを作る立場の人間になって途上国のために働くことは、依然として可能であり、そしてとても魅力の多い仕事であるとも思った。
現場レベルの仕事も大事だが、大きな視野を持って、たくさんの人に効率よく開発の恩恵を与えられるようなシステム作りが大事だと思うし、その立場になってこそ、自分の強みや（就職後に得られるであろう）スキルを最大限に活かして貢献することができるのだ。
なにより、貧しい人の生活を改善し、国を豊かにするというミッションはとても意味のあるものだと思うし、開発はやりがいのある仕事だと思う。それに、好きな異文化、すきな途上国と仕事を通じて繋がっていられるのも、やはりいい。
ただ、途上国は、自分にとって幸せとは何かを改めて考えさせてくれる貴重な存在ではあるものの、その幸せを実践する場は、やはり故郷である日本なんじゃないかな、とも思っている。途上国だけに、長く住むことはできないとも思う。
以上三つの点が、インド滞在から得たことで、最も大切なことだ。
しかしそれ以外にも、。
�に擦靴�なる就職前に、ゆっくりと、余計な事を考えずに、自由に思索にふける時間を持てた。
�ニ椶鬚燭�さん読むことができた。
��幸せのハードルが低くなった。（食事や、電化製品や、整備されたインフラに感謝をするようになった。）
�О枩こΔ鮹里襪海箸如∩瓦討里海箸紡个垢觚把蟯冉阿世辰燭衢招廚淵丱ぅ▲垢鮠�し捨て去ることができた。多文化共生の思想により一歩近づいた。
など、とても有意義だと思うことがたくさんある。
仕事はうまくいかなかった。仕事に達成感を感じることができなかったこと、自分で変革を起こす力が欠如していたことに気づいたこと、そこは残念でもあるが、とにかく、インドに行って良かった。
また一つ、世界を知った。また一つ（いやそれ以上に）、大きくなった。学びを通して、今までと違う価値観を獲得できたことが本当に良かった。
