令和2年度夏季北海道高校野球大会北北海道大会(北海道高野連主催)は11日、旭川スタルヒン球場で決勝戦を行い、空知支部代表のクラーク記念国際が10―0で旭川支部代表の旭川龍谷を下し、優勝した。クラークの北大会制覇は、甲子園に出場した2016年以来。18、19年といずれも夏の選手権北大会決勝で涙を飲んだクラークが、新型コロナウイルスの影響で中止となった第102回大会の代替で開かれた今大会で、見事、過去2年の悔しさを晴らした。
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 優勝を決め、マウンド付近で歓喜の輪を作るクラークの選手たち

▽決勝戦(11日)
【旭川龍谷】長谷、後藤、長谷、山岸―齊藤
000000000=0
20301013×=10
【クラーク】辰巳、浦崎―小濱、村上

佐藤
 クラークは3回、佐藤=写真=の適時打などで3点をあげた

 準々決勝、準決勝とコールド勝ちのクラークは、この日も14安打で10得点。旭川龍谷を圧倒して、頂点に立った。
 クラークは初回、野坂の内野安打を足掛かりに、相手の失策にも乗じて2点を先取。3回には佐藤、辰巳の適時打で3点を加え、序盤で大きなリードを奪った。
 クラークの先発辰巳は、初回の1死一、二塁を無失点で切り抜けると、2回から6回まで相手打線に二塁を踏ませない好投。7回に2本の安打を打たれたが、後続を断った。
 クラークは5回と7回に1点、8回にも佐藤のこの日2本目の適時打などで3点を追加。投げては8回から登板した浦崎が、2イニングを無安打に抑えた。


浦崎
 最後の打者を三振に仕留め、両手を突き上げる浦崎

 勝っても、甲子園には出られない。そんな悔しさ、むなしさよりも、優勝した喜びの方が、はるかに大きかった。4年ぶりに北北海道の頂点に立ったクラーク。過去2年、決勝で敗れ去った先輩たちの分まで、18人の選手はマウンド付近で喜びを爆発させた。
 先発した辰巳京一郎(3年)は「後ろに浦崎がいるので、最初からギアを上げて、思い切り飛ばしていきました」。今大会3試合目の先発となるこの日も、右サイドからの直球、スライダーで相手打線を翻ろうした。
 夏の選手権の中止となり、「正直、(今も)悔しさはある」という辰巳だが、佐々木達也部長から「一生懸命やらないと悔いが残るぞ」と声を掛けられ、気持ちを切り替えた。「独自の大会を開いて下さったみなさんへの感謝の思いを持ってプレーをする」と。
 7回を投げて被安打3・無失点。「疲れはあったけど、力を出し切れた。(ベンチ入りしていた)去年は何もできなかったので、活躍できてよかった」と笑みを浮かべた背番号11は、「ライバルでもあり、心強い存在でもある」背番号1に後を託した。
 その辰巳から「たのむぞ」と声を掛けられ、マウンドに上がった浦崎翔(かける、3年)。「辰巳が頑張ってくれたので、自分は抑えという役割を果たそう」と、持ち前の140㌔を超える直球でグイグイ押しまくった。
 そして、優勝を決める最後の一球もこん身のストレートだった。昨年、初回降板の屈辱を味わった決勝戦のマウンドで、背番号1は雄たけびをあげ、高々と両手を突き上げた。「去年の悔しさは完全に晴れました。最高の形で終わることができた」
 スタンドには父の貴史さんの姿が。現役の競輪選手として活躍する貴史さんは、この日が49歳の誕生日。「お父さんの誕生日に、勝利をプレゼントできてよかった」と、孝行息子の口元から白い歯がこぼれた。
 高校生活最後の公式戦で、最高の投球を見せた右のダブルエースは、ともに大学進学を希望。甲子園のマウンドに立つことはかなわなかったが、「今回の経験を上のステージで生かしていきたい」と辰巳。浦崎も「大学に行って、神宮の舞台を目指します」と力強く語った。

辰巳
 この日も冷静な投球が光った先発の辰巳

クラーク・佐々木啓司監督
 (安どの表情を浮かべながら)「(新型コロナウイルスの影響で)私たち指導者も大変だったが、選手たちはもっと大変だったと思う。自分たちで考えながら、一丸となって練習に取り組み、試合でも工夫しながら打席に立っていた。決勝では、今年にかけていた(浦崎、辰巳の)2人がいい投球をしてくれた。最高の優勝です」


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 笑顔でインタビューに応じる佐々木監督

クラーク・野坂竜之介主将(攻守でチームを引っ張る)
 「最後、勝って終われて良かった。僕が出塁すれば、チームが勢いづくということは常に意識していた。主体的に、気持ちを切らさずに戦えたと思う。(今回の優勝を)大きな自信にして、頑張っていきたい」
     ◇
クラーク・金原塁選手(支部予選、北大会で計4本塁打)
 「(OBで、2016年夏の甲子園に出場した)兄(瑶さん)からは大会中、いろいろとアドバイスをもらっていた。優勝して、尊敬する兄に並べたことがうれしいし、自信にもなる。兄には『優勝したぞ!ありがとう!』と伝えたい」