2009年03月27日

落下の王国


落ちる人生・堕ちる愛


★★★★☆


監督:ターセム
原題:The Fall
脚本:ダン・ギルロイ ニコ・ソウルタナキス ターセム
製作年と国:2005/印・英・米
鑑賞日:2009.3.26(レンタルDVD)
キャスト:リー・ペイス カティンカ・アンタルー ジャスティン・ワデル ダニエル・カルタジローン
ジャンル:ファンタジードラマ
年齢制限:なし




撮影中に大怪我を負い半身不随となった映画のスタントマンをしていたロイ(リー・ペイス)。恋人も奪われたことで、自殺を図り病院に運ばれた。そんな中、同じように入院していたのがオレンジの収穫中に腕を負傷した少女、アレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)だった。フとしたことで出会った2人。ロイはアレクサンドリアに、動けない自分の代わりに薬をもってこさせようと、【愛と復讐の物語】を聞かせることにした…。



これは、・・・・映画館で見れば良かったと激しく後悔…。
やっちゃったな〜…。期末考査なんて放っといて映画館で観るんだったぁ…。

それほどまでに、本当に美しい映像だった…。
それがほぼCGを使ってないというのだから驚きである。13の世界遺産と24カ国以上のロケーションで撮影された、"本物の美的映像"だ。


どのシーンを切り取っても絵になり、
どのシーンを見ても心を洗浄されるような刺激的な美しさ。


多分、私が今まで観た映画のなかで1番映像にこだわり抜いた作品だ。

こういう世界、頭の中ではいくらでも想像できるけど、
人間の手によって映像の具現化されたというのは本当に素晴らしい技術。
これは、ぜひともターセム監督の前作品「ザ・セル」も観たくなってしまった。
この人の作品はいつも巷で高評はされてないにせよ、個人的には大好きだ。

なんだか、上質な絵本でも読んだような気分になる。
物語の内容を深く考える必要はない。ただひたすらに映像を観て、この物語を感じれば、楽しく本作を観ることができよう。
「考えるのではない。感じるのだッ!」という言葉とは、まさにこのことである。

動く絵画のようなこの映像自体は、理屈抜きで、心身共々に堪能すれば良いと思います。


物語自体は…、だんだん分からなくなってくるんだけどね(汗)

この圧倒的な映像に飲み込まれてしまうように、内容自体はボヤけたような、かすむような現象を起こしてしまう。でも、なぜか深い…。なぜか泣きそうになる…。
抽象的な美しい映像から、薄っぺらな台詞よりももっとダイレクトに登場人物の心情が読み取れるからなのか。
私はこの内容自体までとても深く感じた。


この物語のキーワードは「落ちる」だ。
オレンジの木から落ちて、右腕の骨を折った少女アレクサンドリア。
心身ともに落ちて、病院送りを食らった青年ロイ。

彼は生きる希望もなくし、さらに落ちるしかなかったのだ。
少女はただ単純に、彼が静かに語る物語を聞きたかった。

物語には徐々にロイ自身の人生が投影される。心身ともに傷つき、絶望しているロイは、自分の人生を混ぜ込んだ物語をどんどん最悪な展開へと持ち込もうとするのだ。
それを阻止しようとするのが、聞き手の少女アレクサンドリア。

少女がこの物語を変えようとすると同時に、男の人生にまで変化を起こすのだ。



それにしても、この物語の登場人物はみんなイイ感じだ。
少女のロイはぽっちゃりぷくぷくしてて愛嬌たっぷりだし、
青年ロイも、絶望した虚無感たっぷりの脱力した感じがとても好みだし(笑)、
死んでしまった入れ歯のお爺さんもなんだか憎めなかった。

他の、奇怪な衣装を身に纏った登場人物もみんなみんな素敵!

この物語は映像が素晴らしいからなのか、
そこに佇んでいるだけで登場人物は皆引き立って見えたなぁ。


えっと、
ホント、物語の内容自体を一生懸命に理解しようとしないほうがいいです。ワケ分かんなくなります(笑)
映像から、内容と心情を感じ取っていく形で楽しんでくださいな。

観て損するってことは、まずありません。



kiteletsu9girl at 20:11│Comments(0)TrackBack(0)【映画】ラ行 

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