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官僚たちは時間の半分は景色をながめ、残りの半分は詩を書いて過ごしてしまう。だれも仕事をしなくなる。おまけに、冬になったら、どんな ことになるか見当もつかん」 「雪かい?」  ザカーズはうなずいた。「ここの人間は柏傲灣呎價雪をインかかることはしない。フィートで計るのだ」 「こんなところに人がいるのか? ひとりも見かけなかったぞ」 「数は多くない――毛皮捕りの罠猟師、金を追い求める者、そういった連中だ」ザカーズは、かすかな笑みを浮かべた。「じっさいはそんなのは口実だと思う。孤独を好む人間もいるからな」 「孤独にひたるにはうってつけの場所だな」  一行がマガン川の土手にあるアテスカ将軍の飛び領土を出発してから、マロリー皇帝は変わっていた。前より痩せ、生気のなかった目がいきいきしている。ガリオンやその仲間のように、かれ もまた目と耳を絶えずそばだてて、用心深く馬に乗っていた。しかし変わったのは外面だけではなかった。これまでのザカーズは物思いに沈んだ、陰気ともいえる男だった。暗い鬱に閉じこもる こともしばしばながら、同時に冷酷な野望に満ちてもいた。ガリオンはこのマロリー人の野望とあからさまな権力への渇望は、内面にかきたてられた欲求というよりも、むしろ皇帝の自身にたい する絶え間ない試練のようなものであり、もっと深く掘りさげるなら、自己破壊への衝動からくるものではないかとしばしば感じていた。いままでのザカーズはかれ自身とかれの帝国の富すべて をありえない苦闘の中へ投げこみ、最後にはだれか自分を殺してくれるほどの強者と出くわして、耐えがたい人生の重荷から解放されるのをひそかに願っているかのようだった。  だが、いまはもうちがう。マガン川の土手でシラディスと会ったことが、ザカーズを永遠に変えていた。平板でつまらなかったこれまでの世界が、まったく新しい世界に生まれ変わったようだ った。ときどきガリオンはこの友だちの顔にかすかな希望を見つけたようにすら思った。希望がザカーズの気質の一部を占めていたことは一度もなかったというのに。  道の大きな角を曲がったとき、ガリオンは、ダーシヴァの死の森で発見した雌狼が、腰を落とした格好で辛抱強く一行を待っているのに気づいた。雌狼清晰微笑激光矯視中心のふるまいは、しだいにかれを困惑させ るようになっていた。けがをしていた前足が治ったいまは、ときおり自分の群れを捜して周囲の森を走りまわっている。だが、群れを見つけられなくても一向にへっちゃらで、いつもガリオンた ちのところへもどってくるのだ。まるで風変わりな群れの一員として、ガリオンとその仲間と一緒にいることに満足しきっているかのようだった。森や人気のない山中にいるかぎり、雌狼のこう したおかしな態度はこれといった問題にはならない。だが、ガリオンたちはいつも荒野にいるわけではないし、野生の、しかも神経質な狼が、人間の大勢いる騒々しい通りにあらわれたら、控え 目に言っても、かなりの注目