しあわせな読書時間 ―北欧スウェーデンの絵本・児童書めぐり―

スウェーデン・フィンランド・ノルウェー・デンマーク・アイスランドにゆかりのある作家の書いた絵本・児童書、むかし話を中心に紹介します。小学校や図書館での「読み聞かせ」の記録も。

April 2015

図書館で読み聞かせをしてきました。

142

6組の親子が聞きにきてくれました。

4月はこれまで来てくれていたお子さんが入園などで来なくなるので、3月よりも意識的に小さなお子さん向けの絵本を選びました。

【プログラム】

ひげじいさん(手遊び歌)
『たまごのあかちゃん』神沢 利子/福音館書店
『おっぱい』みやにし たつや/鈴木出版
『おおきくおおきくおおきくなあれ』まつい のりこ/童心社(紙芝居)
『みんなでんしゃ』薫 くみこ/ひさかたチャイルド(大型絵本)
『だるまさんと』かがくい ひろし/ブロンズ新社
『おやゆびさん』風木 一人/鈴木出版
『はらぺこあおむし』エリック=カール/偕成社(大型絵本)
『どうすればいいのかな?』わたなべ しげお/福音館書店
『ごぶごぶ ごぼごぼ』駒形 克己/福音館書店
『かお かお どんなかお』柳原 良平/こぐま社


『たまごのあかちゃん』神沢 利子/福音館書店
たまごのなかからさまざまな動物の赤ちゃんが生まれてきて、「こんにちは」と言う絵本。
私の担当する読み聞かせ会のオープニングでは、すっかり定番となりました。
大型絵本で読みました。


『おっぱい』みやにし たつや/鈴木出版
人間のおっぱいってふたつだけど、動物によってはもっとたくさんあるんだってこと、気が付いた子がいました。
素敵な発見のお手伝いができたかな。
大型絵本で読みました。


『おおきくおおきくおおきくなあれ』まつい のりこ/童心社
みんなでいっしょに「おおきくおおきくおおきくなあれ」と声をかける参加型紙芝居。
みんなで紙芝居の世界を作っている、という気持ちになってくれたんじゃないかな。


『みんなでんしゃ』薫 くみこ/ひさかたチャイルド
窓の外にはおかしな電車。
動物たちがおかしな電車に扮するのですが、子どもたち、いったい何の動物が登場するのか、真剣に考えているようでした。
大型絵本で読みました。


『だるまさんと』かがくい ひろし/ブロンズ新社
今回、みんなが一番喜んでくれた絵本です。
だるまさんのシリーズは3冊ありますが、その中では、お母さんと一緒に絵と同じことをする、という点で、親子参加の読み聞かせに一番向いているのかなあ、という気がします。
大型絵本で読みました。


『おやゆびさん』風木 一人/鈴木出版
小さなお子さんたちでしたが、指を動かす姿はいつもほほえましいですね。


『はらぺこあおむし』エリック=カール/偕成社
春になると読みたくなる(一年中読んでもいいのですが)絵本です。
これは子どもたちが釘付けです。
大型絵本で読みました。


『どうすればいいのかな?』わたなべ しげお/福音館書店
シャツを履いたり、パンツをかぶったり、とくまくんが間違った着方をする姿に笑いが起こることもあります。
でも、今回の反応は薄めでした。
おはなし会の後半で、そろそろ飽きてきたのかもしれません。


『ごぶごぶ ごぼごぼ』駒形 克己/福音館書店
色と形と音。
イメージを広げる絵本ですね。
間の取り方は、いつも難しいと感じます。
でも、またチャレンジします。


『かお かお どんなかお』柳原 良平/こぐま社
「この絵本を見ながら真似してみて」と声をかけると、多くのお子さんがまねしてくれます。
ところが、成長するにつれ、だんだんしなくなるります。
恥ずかしくなったりするのかな?
いろんな表情をしてくれるなんて、ほんの短い期間なんですよね。



読み聞かせが終わったら、「いい雰囲気でしたね」と図書館員の方が声をかけてくれました。
うれしいですね。

でも、ブログを書くために振り返ってみると、ちょっとテイストの似通っているものが続いたりしているのがわかります。
次回はその点に気をつけつつ、大型絵本を増やせたらいいな、と思っています。
やっぱり大型絵本は喜んでくれるので。
 

わんわん丘のゆかいな昔話
マウリ クンナス
猫の言葉社
2014-10-01



「ぐっすりメーメさん」でおなじみ、マウリ・クンナスの「わんわん丘」シリーズの1冊。

このシリーズはフィンランドの歴史を楽しく紹介する絵本として、フィンランドで人気があるそうです。

全4冊の中のこの絵本は、人間と力比べをした妖怪、納屋に住み着いた女おばけ、森で釣りをする泥棒、復活祭に牛小屋へ忍び込む魔女、ドンチャン騒ぎをする森の精、湖の中から飛び出したおかしな水の精など、フィンランドに伝わる9つの昔話を集めたもの。

ユーモアたっぷり笑えるお話ばかりです。
各ページにぐっすりメーメさんも登場していますので、そちらもお見逃しなく。


ちなみにフィンランドのタンペレにはクンナスの「わんわん丘」を再現した遊び場があるそうで、人気のほどがうかがえますね。





昔々、雨がやむ気配もなく降り続けました。
そこでノアという男が大きな箱舟を作り、あらゆる生き物を舟に乗せました。
最後に乗りこんだのは、風変わりな一匹のイヌ。
舟は大海原を進みますが、海のまんなかで、舟に穴があいてしまい、水浸しになってしまいました。
ノアはどうしたらよいのか考え、やがてひらめきました。
ノアは「おまえの力を貸してくれ」とイヌを抱き上げると・・・・・・。



イヌの鼻が濡れているのは「ノアの箱舟」が大いに関係ある、というナンセンスなお話です。

イラストもすっとぼけた味わい。

しかも舟の中での動物たちの生活は現代風でユーモアと皮肉がちりばめられていて、くすっと笑えます。

だけどね、イヌの鼻が濡れているって、犬を飼うなど犬と親しむ機会がなければ、意外と知らないもの。

イヌの鼻が濡れているのを知らなければ、そもそもタイトルが「?」な感じです(次男がそうでした)。

中身はそれなりに楽しめるようですが(それから『ノアの箱舟』を知らなくても楽しめます)。



ノルウェー文化省最優良絵本賞受賞だそうです。

ふしぎなよる
セルマ ラーゲルレーヴ
女子パウロ会
2013-09



クリスマスの夜、おばあちゃんが話してくれたふしぎなお話。
ある真っ暗な夜、ひとりのおじさんが「赤ん坊が生まれたのです」と火をくださいと一軒一軒お願いしました。
でも、誰も起きてきません。
遠くの野原にかがり火を囲んで眠っている羊の群れを見つけました。
火をもらおうと走っていくと、番犬がとびかかろうとしてきました。
でも犬はほえもとびかかることもしません。
気が付いた羊飼いが目を覚まし、杖を投げつけてきましたが、おじさんを避けて横に飛んでいきました。
火がほしいというおじさんに、羊飼いは好きなだけ持っていっていいと言うと、おじさんは火をマントに包んで持っていきました。
でもやけどもしないし、マントも焦げません。
ふしぎに思って羊飼いが後をつけていくと・・・・・・。



これも先日紹介した『ラーゲルレーブのおばあちゃん』同様、作者が祖母から聞いた話をもとに書いたクリスマス物語が原作になっています。

神様が喜ぶような優しい目を持つことができたら、羊飼いが見た光景を私たちも見ることができる、とのこと。

今からでもそのような目を持つことができるでしょうか・・・・・・。

このページのトップヘ