しあわせな読書時間 ―北欧スウェーデンの絵本・児童書めぐり―

スウェーデン・フィンランド・ノルウェー・デンマーク・アイスランドにゆかりのある作家の書いた絵本・児童書、むかし話を中心に紹介します。小学校や図書館での「読み聞かせ」の記録も。

カテゴリ:スウェーデンゆかりの作家 >  オロフ・ランドストローム

ベニーはおにいちゃんベニーはおにいちゃん
著者:バルブロ リンドグレーン
ラトルズ(2009-09)
販売元:Amazon.co.jp
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こぶたのベニーくんがお兄ちゃんになりました。弟のおしゃぶりが欲しくてたまらないベニーくん。さあ、どうするのかな。

お兄ちゃんになり複雑に揺れる気持ちが、いじらしくも切なくもあります。弟妹ができるって、幼い子にとっての最初の試練かもしれませんね。

ベニーの得意そうな顔、不安げな顔、うらやましげな顔、うれしい顔。シンプルな絵なのに表情豊かで、思わずベニーを抱きしめたくなるほどのかわいさです。

加えてこの絵本からはユーモアとあたたかさが漂ってきます。子どもの心に寄り添う道しるべのような存在として、きっと時折読みたくなる本になるような気がします。


前作『ベニーいえでする』に比べて判型が小さくなっていてショック! よく見ると出版社も違います。売れていないんですね。幼い子どもの気持ちがよく表現された佳作だと思うのですけどね。

ベニーいえでするベニーいえでする
著者:バルブロ・リンドグレン
販売元:徳間書店
発売日:2001-03
おすすめ度:5.0
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ニッセの あたらしいぼうし
著者:オロフ ランドストローム
販売元:偕成社
発売日:1993-11
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ニッセは買ってもらったばかりの帽子をかぶって新聞を買いにいきます。でも雨がざんざん降ってきて、あわてたニッセは転んで膝をすりむいてしまいます。帽子も当然びしょびしょ。家に帰ってお母さんはアイロンをかけて帽子を乾かしますが、なんと……。

「とこやさんにいったニッセ」と同じ作者の絵本です。「とこやさん」ではニッセの新しい髪形も、ニッセを迎える周りの人たちも素敵な絵本でしたが、こちらも素敵。

小3の長男は「日本のおはなしと違うね」と感想を言っていました。どのあたりが違うのか、もう少し聞かせてほしかったけれど、うまく言葉にできないようです。

失敗しても、ごく当たり前のように、失敗の中に価値を見つけ出す、前向きな姿勢が日本のおはなしと違うのかな、なんて勝手に想像しますが、どうなんでしょうか。

大きくなって思いをまとめることができたら、話してほしいな。

とこやさんにいったニッセ
著者:オロフ ランドストローム
販売元:偕成社
発売日:1993-11
おすすめ度:4.5
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オルソンさんのパイ工場
著者:ペーテル コーエン
販売元:偕成社
発売日:1992-04
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30年以上も毎日遅くまで働いて、おいしいミートパイを作り続けてきたオルソンさん。町のみんなもオルソンさんの作ったミートパイが大好き。でも会計係がパイ工場のお金を持ち逃げしてしまい、オルソンさんはいい材料を買うことができなくなります。品質を落としてパイ作りを続けるオルソンさんは気分もすさんで……。

会計係が帰ってきてくれて、以前よりももっとおいしいミートパイを作るようになったので、お話としてはハッピーエンドです。

でも、5歳の息子はどうしても納得ができない様子。どうして仲間である会計係がお金を持って逃げてしまったのか理解できないようです。何度も何度も「どうしてお金を持っていっちゃったの?」と尋ねてきました。そういえばこれまでに読んだ中には仲間に裏切られる、という話はなかったかな。

お金がないときのオルソンさんの行動は悲しくておかしいものですし、ちょっと大人なお話なのかな。

ムーやんメーやんのけったいなおそうじムーやんメーやんのけったいなおそうじ
著者:オロフ ランドストローム
販売元:文化出版局
発売日:1998-04
おすすめ度:5.0
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部屋が汚れてきたので掃除を始めるひつじのムーやんとメーやん。くつ下が掃除機に吸い込まれてしまったので、中をあけてくつ下を取り出しますが、あたりはほこりだらけに。二人が風呂で体を洗っていると……。

タイトルどおり、「けったいな」お話です。関西弁に翻訳されているせいか、力の抜けた二人が、なんだかとってもいい感じです。

ムーやんとメーやんの部屋にはいい風が入ってきました。でも我が家はいつも窓を開け放しているけど、ほこりは減りませんね〜。

とこやさんにいったニッセ
著者:オロフ ランドストローム
販売元:偕成社
発売日:1993-11
おすすめ度:4.5
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小学校の修了式の前に、ニッセはお母さんに連れられて床屋さんに行きます。そこにおいてあった雑誌に出ていたあるスタイルをニッセは気に入り、それをオーダーします。出来上がった髪型は……。

あまりに奇抜で、笑っちゃいます。でも息子たちは整え終わったヘアスタイルのニッセが現れる前に、わかってしまって「○○○!」と叫んでいました。子どもの考えることがわかっている作者、すごいです。

個性的であること、人と違うことが当たり前。ユーモラスな絵と展開に、どんな子どもたちも受け入れられる、安心感、そんなものが感じられて、大人も子どもも何度も読み返しました。

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ベニーいえでするベニーいえでする
著者:バルブロ・リンドグレン
販売元:徳間書店
発売日:2001-03
おすすめ度:5.0
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「だめよ」「まちなさい」「こらっ」。こぶたのベニーはママに怒られてばかり。おもしろくないベニーは大事なぶたのぬいぐるみのぶうちゃんを連れて家出。でも、行くあてもなく、行った先々でもいやなことがあって……。

小さい子どもが誰でも経験するような感情をあたたかく描いていて、子どもへの愛情が感じられる作品です。不安になったり、悲しくなったり、さびしくなったり、うれしくなったり、得意げだったりする、ベニーの表情やしぐさはとてもユーモラス。

「おかあさんとおなじ」。これを読んだ息子はベニーに共感していました。大人の勝手さにつき合わされて腹が立つことがあっても、小さな子どもは親が大好き。でも、いつか離れていってしまうんですよね。そんなとき、この本を読んで、子どもが小さかったときのことを思い出してみよう。

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スンカンそらをとぶ!
著者:バルブロ リンドグレン
販売元:偕成社
発売日:1993-01
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何もかもうまくいかなくて、スンカンは、いつもしょんぼり。ネコのキッセもサッカーボールもどこかに行ってしまって、ママは怒ってばかり。パパも車をくず鉄屋に売ってしまいました。スンカンは願います。「つばさがあったらなあ」。ある晩、本当につばさがはえてきました。そして……。

ママもスンカンの背中につばさがはえてきて驚くのですが、「服を全部縫い直さなきゃ」という反応が、いかにも忙しいワーキングマザーらしく、私に共通するところがあって苦笑いしてしまいました。

つばさは大きくなるまでスンカンの背中にありました。つばさがなくなること、それは成長の証なのです。

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