2012年04月08日

ふるさと

わたしの故郷は大分県宇佐市。高校卒業までの19年間を過ごしたこの街には、思い出がいっぱい残っている。 宇佐市は国東半島の左側に位置し、市の北部には周防灘が広がる。

 

宇佐市の地図駅館川の河口に位置する宇佐市長洲町(左)宇佐市の所在位置を

  示す地図

(右)宇佐市を流れる

  駅館川の河口を

  眺望 

 

 

宇佐市は記紀にも登場する。神武天皇が東征した際、菟沙(宇佐)に立ち寄り、在地の菟沙津彦、菟沙津比売から歓待を受けたと記されている。 7世紀から10世紀頃までの律令制下では、豊前国宇佐郡(ぶぜんのくに・うさごおり)と称されていた。戦国時代には、郡代を務めた佐田氏率いる武士団、『宇佐郡衆』が現れたが、この群(ごおり)に鎮座する宇佐神宮の勢力が強く、大きな武士団とはなり得なかった。江戸時代の宇佐は、松平領、中津領、島原領、旗本時枝領、幕府領、宇佐宮神領などに分割され領主が混在していた。宇佐八幡宮は八幡神を祀る総本社。 八幡神は応神天皇のことで、宇佐八幡宮には、応神天皇、神宮皇后、比売大神が祀られている。

 

宇佐神宮、上宮の回廊、この内側に本殿三棟が鎮座している

 

 

宇佐神宮の回廊。奥に本殿がある。

 

 

 

 

宇佐神宮本殿

 

宇佐神宮本殿

応神天皇、神宮皇后、比売大神を

祀っている。

 

 

宇佐神宮下宮

 

宇佐神宮下宮

下宮にも、応神天皇、神宮皇后、

比売大神を祀っている。

 

 

 

太平洋戦争の敗色が濃くなった頃のこと。当時わたしは国民学校一年生だったが、登校時には隊列を組んで、『いざ来いニミッツ、マッカーサー出てくりゃ、地獄へ逆落し・・・』と歌いながら学校まで行進したものだ。当市の柳ヶ浦地区には、海軍宇佐航空隊の基地があって、グラマン戦闘機が頻繁に襲来した。 映画『月光の夏』は、生還を期し得ぬ出撃を前にした特攻隊員が、もう一度ピアノが弾きたいと最寄りの国民学校に来て、ベートーベンのピアノソナタ『月光』を弾き、基地に帰っていった、という悲しい実話。宇佐市の国民学校にも海軍宇佐航空隊の特攻隊員が一人来られて、ピアノを弾かせて下さいと、『トロイメライ』や『海ゆかば』などたくさんの曲を弾き、名残を惜しんだとの言い伝えが残っている。

 

宇佐海軍航空隊の掩体濠跡

海軍宇佐航空隊の基地跡に残る

掩体壕(敵機襲撃に備えて戦闘機を

護る格納庫)

 

 

 

国民学校の頃のわたしは、悪がきグループの仲間で勉強嫌いだった。乱暴を働き、親父の拳固を何発も食らった記憶がある。 駅館川の河口が近かったのでよく泳ぎに行った。 海軍航空隊員のカッター(小舟艇)練習用の桟橋が泳ぎのスポットだった。

 

海軍桟橋

 

 

海軍桟橋。今でも残っている。

 

 

 

新制中学校に入り一変して、真面目グループに鞍替えした。そこそこ真面目に勉強もするようになり、成績も上がったけれど、元来の勉強嫌いは直らない。 今年で創立115年を迎える伝統校、県立宇佐高等学校に入学してからは、大学受験勉強に励んだ。同校は宇佐神宮に近く、下校途中、学友の M 君達数人と神宮境内に立ち寄り将来の夢をよく語り合った。 M 君は医者志望で志は清廉。わたしは実業家になりたと、その志は漠然としていて、世俗の名利を求める類のものだった。 同君の家にもよく遊びに行き、彼のお母さんが作ってくれたカレーライスを度々御馳走になった。田舎風のカレーだったが、その味は忘れられない。

 

結局、M 君の医者になる志は潰えて、大学を卒業して大手運輸会社に入った。私は総合商社に入社し、20年もの海外駐在で、外国での事業をいやというほど経験した。 M 君は、定年退職後、関連会社に暫らく勤めた後、今は宇佐の実家に戻り、築100年以上経つ家に96歳のご母堂の世話をしながら暮らしている。 一度彼の実家を訪ねてみようと思っている。

  
Posted by kiwahori at 11:38Comments(1)TrackBack(0)雑記

2012年03月02日

Eastman Kodak 社の倒産 (その1)

アメリカの名門巨大企業の象徴的な存在であった Eastman Kodak 社が倒産、 The Chapter 11(連邦破産法11条、日本の民事再生法に相当) の適用をニューヨーク州破産裁判所に申請した。 負債総額は$6.75 billion(約5,400億円)、資産 $5.1 billion(約4,080億円)、債権者総数約 10万社に上る大型倒産だ。

 

四十数年ほど前、ニューヨークに駐在していた頃、同社に高性能レンズを供給していた関係から、Kodak 本社へは度々訪れていた。 当時のKodak 社はフィルムと インスタマティック・カメラ市場のドミナント企業として君臨する超一流企業だった。 これ程の名門企業が、130年も続いたコア・ビジネスの破局を迎え倒産してしまったことに大きな衝撃を受けた。

 

Kodak Headquarters-2

Rochester NY地図左はNY州 Rochester市に

あるEastman Kodak社の

本社 。

Rochester市はNew York

から飛行機で約1時間の

ところにある。

 

 

 

(左クリックすると画像が拡大)

 

 

George Eastman がコダック社を創業したのは1880年。 その頃の写真機の顧客層はプロのフォトグラファーや町の写真屋さんに限られていた。 彼は、操作がいたって簡単で誰でも撮影できるカメラを開発し、“You press the button, we do the rest"(あなたはシャッターを押すだけ,あとは当社にお任せください) PRスローガンの下、カメラ市場に劇的な変革をもたらす。 新しい市場の創造をなし得た背景には、Rolled Photographic Film (リール巻にしたフィルム) の開発に成功したことが挙げられる。 Kodak 社のニューコンセプト・カメラである Rolled Film Camera の開発は、リール巻フィルムを使ってこそ実現したのである。 George Eastman には先見の明があった。 調べてみると、 Rolled Film Camera は、もとはと言えばウイスコンシン州の農夫だった Peter Houston が発明したものだという。 George Eastman は、この農夫から特許権を買い取り、さらに改良を重ね、Rolled Photographic Film と、これを使った Box Camera を商品化して、従来のカメラ市場を破壊的に拡大させたのである。 George Eastman は偉大な変革者だったといえる。

 

1888年kodakが発明したカメラ

 Kodak Instamatic Camera

左はKodak社が開発した

Rolled Film Camera(Box

Camera)

右はオリジナルの Box

Camera から進化した

Instamatic Camera。

 

 

 

 

 

  
Posted by kiwahori at 11:09Comments(1)TrackBack(0)

Eastman Kodak 社の倒産 (その2・完)

創業から131年後のKodak 社の倒産について、Reuters通信は言う、「Kodak failed to quickly embrace more modern technologies such as the digital camera -- ironically, a product it invented.」、Kodak 社は、デジタルカメラへの技術革新に乗り遅れ、しかも同社のコア・ビジネスも市場のデジタル化によって終焉を迎えてしまう。 誠に皮肉なことに、デジタルカメラはもともとKodak 社が発明したものだというのに、 あろうことか、そのデジタルカメラの出現によって倒産してしまうとは・・・。 1,100件ものデジタルカメラに関連するパテントを所有する Kodak 社は、これらの特許権を切り売りしつつ再建を図っていくことになりそうだ。

 

The Financial Times はコメントする、「Kodak fell victim to disruptive technology. When that disruptive technology gets you, the company is never the same again.」、 Kodak 社は破壊的技術の犠牲者となってしまった、 破壊的テクノロジーが出現すると、 変革を遂げない企業は生き残れないと・・・・。 このことは、富士フィルム社と対比すると一目瞭然。 フィルム事業が全収益の60%を占めていた同社は、「第2の創業」を宣言、 事業の多角化を強力に推進して Disruptive Technology による市場の激変に対応し、成功を収めた。

 

老舗企業にありがちなことだが、 2000年代の初頭以来 Kodak 社にはChange Agent が不在だったため、倒産の憂き目を見るに至ったと言えそうだ。 偉大な変革者であったGeorge Eastman は草葉の陰で悔しい思いをしているに違いない。

  
Posted by kiwahori at 10:59Comments(0)TrackBack(0)経済

2011年12月29日

Change Agent

今年の IT 業界で特筆すべき出来事の一つは、アップル社の会長で偉大な変革者であるSteve Jobs 氏が逝ってしまったことだろう。「死」は「生」の Change Agent (変革推進者)だと彼は言う。つまり古いものは破壊し、消滅させ、新しいものに置き換える働きをするのが Change Agent。ドラッカーも言う、「組織が生き残りかつ成功するためには、自らが Change Agent、すなわち変革推進者とならなければならない」と。

 

青年時代と50歳代のJobs氏

Steve Jobs 氏

 

 

 

 

 

 

Jobs 氏は、 パーソナルコンピュータのMacintosh、携帯音楽プレーヤーのiPod、スマートフォンのiPhone、タブレット型情報端末のiPad等革新的な製品を開発し市場に送り出してきた。これらは全て彼が中心になって開発したいわゆるDisruptive technology(破壊的技術)がもたらした新製品。Jobs 氏は言う、「Macintosh は当時のパーソナルコンピュータ産業を破壊的に変革したし、iPod はミュージック産業を根底から変えてしまった」。Disruptive technology は既存市場を破壊し、持続可能と思われた既存技術をも追放してしまう・・・極言すれば彼は既存の技術と市場の破壊者とも言えなくもない。

 

そんなJobs 氏にも表沙汰にされていない欠点があるという。それは、傲慢で、気難しく、短気で怒りっぽい彼の性格だ。アップル社内では彼の Bad-Temper は悪評高い。社内に限らず、取引先やマスコミにも評判は必ずしも良くない。偶然に出会ったある米国人のブログ「All About Steve Jobs.com」を読むと、Jobs 氏の暴君ぶりがよく分かる。部下の小さなミスも決して許さない、些細なことで従業員を解雇する、権力を笠に着て決断する、部下が成し遂げた成果を  ”Oh, that's just shitty(くだらない出来栄えだ)とけなしてしまう、面会の約束を頻繁に反故にする、彼の怒りっぽい性格は取引先との好関係を壊してしまう、等々、枚挙にいとまがないという。

 

2005年、Jobs 氏はスタンフォード大学の卒業式でスピーチを行った。その中で同氏は、「Stay Hungry, Stay Foolish」という言葉を紹介して、貪欲であれ、愚直であれ、世間の人が何と言おうと、自分の信じることをやり遂げる。自分の心が赴くまま直感に素直に従い、思うままに勇気を持って行動することが重要だ、と学生に説いている。「Stay Hungry, Stay Foolish」は彼オリジナルの言葉ではない。 これは、The Whole Earth Catalogue の発行者の言葉で、Jobs 氏は若い頃この名言に出会い感銘を受け、それ以来、彼は常にそのように行動してきた。彼の傲慢で、気難しく、短気で怒りっぽい性格はこの名言に根ざすものではないだろうか。

 

アップル社の元エグゼクティブ Jean-Louis Gassee 氏は、1985年、当時のアップル社から Jobs 氏を追放した人物だが、同氏は Jobs 氏を評してこう言うDemocracies don't make great products. You need a competent tyrant." (民主主義では市場を破壊するような革新的製品は生まれてこない。有能な暴君でなければ、それは達成できない)。Jobs 氏は有能な暴君だったからこそ、アップル社という巨大組織内で Change Agent たり得たということか。いずれにせよ、彼は偉大な変革者であったことは確かだ。

  
Posted by kiwahori at 16:27Comments(1)TrackBack(0)海外情報

2011年12月15日

チンチン電車と大学の街

博多は箱崎界隈、この街には明治から百年続く大学の歴史が息づいている。昭和30年代の半ば、学生時代を過ごしたこの街にはチンチン電車が乗り入れていた。網屋町の次の停留所が終点の「九大前」。チンチン電車は、ここで折り返して福岡市の中心街中洲、天神方面へと戻って行く。戦前、九州帝国大学と称されていた頃、この電停は「帝大前」と呼ばれていたが、戦後は「九大前」に変わった。新制大学になっても、箱崎に住むお年寄りは昔の名残からか「帝大前」と呼んでいた。過ぎ去りしあの頃、学生生活を謳歌した大学の街箱崎界隈、往時の情緒纏綿とした下町の佇まいが懐かしい。以来五十数年、キャンパスの移転が進むにつれ昔日の面影は薄れ、変わりゆくこの街に一抹の寂しさを覚える。

 

箱崎界隈の地図九大前電停 

 

 

 

左は箱崎界隈の地図(一度クリックして表示

された画像をもう一度クリックすると画像が

さらに拡大する)

 

上の写真は昭和40年代の電停「九大前」

 

網屋町界隈の中央商店街や茶屋小路には行きつけのラーメン屋や大衆食堂があった。日活と東映の映画館もあり、気晴らしにアクションドラマを観に行った。当時は大衆食堂の焼き魚定食が50円。筥崎宮の参道近くのパブではハイボールが一杯50円で、酒が弱かったわたしは2杯も飲めば心地よく酔いが回り常連客と話が弾んだものだ。大学へは下宿から歩いて通った。通称大学通りと呼ばれている目抜き通りに出て九大前電停を通り過ぎると、もうそこは箱崎キャンパスの正門前。キャンパスからほど近いところに下宿していたので、大学までは5分ほどの道のりだった。キャンパスの正門近くに建つ法文系本館の半地下通路に掲示板があり、登校すると先ずそれを覘いてアルバイト情報などを確かめる。そのあとは講義をサボって喫茶店で油を売ったこともしばしばだった。下宿屋では学友3人と二部屋をシェアーしていた。それから五十数年経った今でも、彼ら3人の悪友とは親交を温めている。

 

網屋町電停

箱崎キャンパス正門

法文系旧本館ー1

 

 

 

 

 

 

 

 

九大正門前通り

上左は昭和30年代の網屋町界隈

上中は九州大学箱崎キャンパスの正門

上右は旧法文系本館

下左の写真は九大正門前通り

(画像をクリックすると画面が拡大する)

 

大学でのゼミは故菊地勇夫先生の労働法。菊地先生は労働法の権威で、九大の総長も務められた。格調高い菊地先生の講義には真面目に出席したものだ。卒業式のあと、法文系本館の11番教室で菊地先生から祝辞をいただいた。はなむけのお言葉は「華年」。今でも折々このお言葉を思い出す。これは晩唐の詩人、李商隱の詩の一節「一絃一柱華年を思う」から引用されたもの。先生の祝辞は、「華年とは若く華やいでいる青年時代のことを云う。諸君は今や人生の中で若く華やいでいる華年の真っ只中にある。社会はこれから巣立ちゆく君たち若い世代の活躍に期待している」と云ったような内容のものだったと記憶している。

 

菊池先生贐の言葉華年

 

法文系本館11番教室にて菊池先生から

祝辞をいただいた際に先生が黒板に書かれた

はなむけのお言葉「華年」

 

 

時は移ろい大学は進化を遂げる。箱崎キャンパスから広大な伊都キャンパスに移転を開始し、国から「世界トップレベルの研究拠点」に指定されている。一方、大学の街の灯は箱崎から遠からず消えてしまう。変わりゆく時代の波には逆らえないことをしみじみと感じさせられる。

 

九大法学部 昭和37年卒の同期生は203名。物故者もいるので、存命の同輩は200人弱。現役時代は各界で活躍した同窓生も早や古希を過ぎ、今や悠々自適の日々を過ごしている。ところが、しぶとくも未だに要職にある同窓生がいるのを聞くにつけ、ご苦労さまと感心してしまう。同窓生数十名が参加してSNSSOCIAL NETWORK SYSTEM)を立ち上げ、徒然なるままに世相の論評や体験談、近況などを投稿し情報を交換している。先だって関東在住の会員から、法学部37年卒の同窓会を福岡でやってはとうかと提案があり、これに賛同したところ、早速幹事役を言いつかる羽目となった。来年は卒業してから50年となる節目だから、卒業50周年記念同窓会と称して来春に開催することとした。北海道から九州、沖縄まで、全国から参集してもらいたく、数人の幹事役と共に準備を始めたところ。来春の同窓会では、若く華やいでいた華年の思い出話や各界での往年の活躍ぶり、近況などを語らい、共に過ごしたチンチン電車が通る大学の街、箱崎界隈の昔日の風情を懐かしみながら旧交を温めてもらいたいと思っている。

  
Posted by kiwahori at 12:57Comments(2)TrackBack(0)

2011年06月15日

政治家凶作

首相がころころと代る日本政府のことをJapan’s leadership merry-go-round とか、Japan’s long-term ills (日本病)、Japan’s dysfunctional political system (機能不全の日本の政治)などと海外メディアから揶揄されている。辞任の約束を守らない首相をペテン師と罵る前総理。我々国民の目にも、くるくる代わる首相のメリーゴーランドは呆れるというよりも滑稽に映る。どの政党が政権をとっても、もう五十歩百歩という気がしてきたし、与野党の政治家を見回しても総理の器は誰もいない。侘しい限りだ。

 

総理がしょっちゅう代わるから、お国のトップの顔を外国のメディアにも憶えてもらえない。フランスで開かれた先のG8 首脳会議。報道したドイツの主要週刊誌ツァイトが掲載したイラストを見ていただきたい。お分かりの通り、麻生元首相が菅現首相として描かれている。フランスの主要紙フィガロも、4年前の自民党総裁選で福田氏優勢と報道した際、間違えて麻生氏の写真を載せている。事程左様に日本の首相は存在感が薄い。今の日本の首相は、だぁーれ? 顔ぐらいは憶えといてよね!

 

G8風刺画

福田首相と間違えられた麻生氏

 

左はドイツのツァイト誌のイラスト

右はフランスのフィガロ紙の写真

 

 

 

 

 

 

20年間続く経済停滞も重い日本病だが、近年の政治家凶作による年替わり政権も重篤な日本病の一つ。リーダーシップなき政党政治、政党内の抗争、党利党略と政治家の保身、国民のためとは口先ばかり。これが政治不信という国民病をも発症させている。

 

冗談じゃないよ、ほんとに・・・。

  
Posted by kiwahori at 14:26Comments(0)TrackBack(0)政治

2011年06月05日

今年の講義

今年も Q での講義をお引き受けした。対象は工学部応用化学部門の3回生で、毎年180名ほどの学生が聴講してくれる。講義科目は工業経営・工業倫理講座。わたしの担当は、その講座の一環として 「研究成果の実用化と起業」。I 教授の研究室で開発された技術を実用化した新製品が完成し、昨年

11月、これを事業化するためベンチャー企業が設立された。今年の講義では、大学発ベンチャー企業の動向、解決すべき問題点、大学のシーズの実用化研究のあり方、設立したI 研究室発ベンチャー企業の経営戦略と課題等についてお話することにしている。

 

講義の後半では、本ベンチャー企業の The CEO Agenda つまり経営課題と将来の展望について解説する。先導的先端技術を中核とする製品への Breakthrough を実現しなければ、本ベンチャー企業の将来の展望は開けないということ。

 

講義に使用するデータ・資料の収集、 PowerPoint 資料の作成にも結構時間を要するが、講義の後、180名ほどの聴講生のレポートを読み、採点するのも一苦労。でも、採点はついつい甘くなってしまう。

  
Posted by kiwahori at 16:22Comments(0)TrackBack(0)大学研究室

2011年05月30日

Veal と Lamb、そして Pork

先日、友人夫妻と我々夫婦の4人で夕食をともにした。場所は、さる有名ホテルの地下にあるレストラン、そこでイタリア料理を楽しみながら談笑した。料理はコースメニューから注文、Veal (仔牛の肉) がありますよとウエイターが言うので、肉料理はそれをオーダーした。ところが、出された肉料理は、Lamb Rib Chops (仔羊のリブ・チョップ)だった。帰り際に、 Veal を注文したのだが Lamb が出てきたよと言うと、ウエイターはキョトンとしている。多分、仔牛の肉と仔羊の肉とを間違えて調理場へ通したのだろうけれど、仔羊のリブ・チョップも結構いけたので、それ以上はなにも言わなかった。注文の取り違え方によっては、レストランの評価を落とす。

 

Lamb Rib Chops 

 

仔羊のリブ・チョップ

 

 

 

 

Veal といえば、Veal Marsala が美味しい。トロントで何度か食べたあの小さなレストランの Veal Marsala は格別だった。福岡ではあれだけのものをまだ味わったことがない。

 

Veal Marsala

 

 

ヴィール・マルサラ

 

 

 

三十数年前、ハンブルクに出張した折に食べた豚の骨付きスネ肉料理「アイスバイン(Eisbein)」は淡白な味で結構うまかった。これは、塩漬けしにした骨付き豚スネ肉をタマネギやセロリ、香辛料とともに煮込んだ料理で、肉はとても柔らかい。ザワークラウトやジャガイモとともにサーブされ、マスタードをつけて食べる。ポテトサラダもうまそうだった。これは食べたことがないのだが、ワインヴィネガとオリーブオイル、ペッパー、食塩と砂糖を少々加えたドレッシングをかけた甘酸っぱいポテトサラダだろうと想像している。今度、本場のものを食べるとしよう。

 

EisBein

Potato Salad

 

左は北部ドイツ料理

アイスバイン

 

右はポテトサラダ 

 

 

 

話は変わって当地のデパ地下の肉屋さんでのこと、牛ヒレによく似た「内もも肉」が陳列されていた。値段はヒレ肉の半分以下。試しに買って帰り、ステーキにして食べてみると、ヒレ肉には及ばないが、結構いける。美味しい部位の高級和牛肉はバカ高く、チルドケースを覘く度にいまいましく思ったりしたものだが、内モモ肉の値段はそこそこ頷ける。脂身もほとんどなく健康にもいい。

 

牛内モモ肉ブロック

牛肉の部位

左は内モモ肉のブロック

 

右は牛肉部位のイラスト

内モモ肉はヒレ肉の

後ろ部分

  
Posted by kiwahori at 19:46Comments(1)TrackBack(0)雑記

2011年05月26日

もう一度訪れたい街、プラハ

2004年の初秋にプラハを訪れた。百塔の街の街路樹はまだ緑が濃く、秋の日差しに揺れていた。6世紀の後半に、スラヴ民族がヴルタヴァ河畔に住みついたのがプラハの始まりという。日本の大都市は10年でその姿を変えるけれど、プラハは中世の面影をそのまま残している。建築博物館の街とも呼ばれるプラハは、街全体が世界遺産に登録されている。

 

ヴルタヴァ川に架かるカレル橋から撮ったこの写真、その左側にルドルフィヌム音楽堂が見える。この音楽堂の中にチェコが生んだ偉大な作曲家アントニン・ドヴォルザークを記念するドヴォルザーク・ホールがある。スラヴ舞曲第10番は、チェコ国民楽派と称されるドヴォルザークならではの憂愁が表現されていて、きらびやかだが、はかなさを感じさせる旋律は心に沁みる。プラハにはもう一度行ってみたい。

 

ドヴォルザーク ホール

 

(画像をクリックして拡大)

 

 

 

 

 

ドヴォルザーク スラヴ舞曲第10番

http://www.youtube.com/watch?v=hTZ1hOaZL7o

 

交響曲第9番 新世界より 第4楽章

http://www.youtube.com/watch?v=w43c0Xmh33Q&feature=related

 

 

今年は、いつもの学友夫妻のメンバーでドイツを旅することにしている。ハイデルベルクでは、ビヤホールでビールを楽しみたい。ジョッキでテーブルを叩いて飲んで歌う。戯曲 Alt Heidelberg  をもとにしたミュージカル 「The Student Prince」 のセレナーデを酔いに任せて歌いたい。騒がしいビアホールだから、声高らかに歌っても気にすることはない。

 

学生王子のセレナーデ

http://www.youtube.com/watch?v=jHpJRMnpgC0

  
Posted by kiwahori at 17:57Comments(3)TrackBack(0)旅行

2011年05月13日

起こるべくして起こった福島原発事故・・判断力、決断力の乏しさが要因

リーダーに求められるものは判断力と決断力、そして行動力。全体を見て判断する大局観も欠かせない。判断力とは本質を見抜く力。突発的事変では即座に決断する直観力も必要だ。豊かな感性がなければ、直観力は発揮できない。国政に携わる政治家や企業経営者にはこのような資質が求められる。

ところが、福島第一原発事故では、歴代の政府とその原発関連部門の要人、数代前から今日までの東電の首脳陣が犯した判断と決断の過ちが事故を引き起こし、更にその事故を悪化させてしまったといえるのではないだろうか。

 

三陸海岸を襲った過去の地震・大津波を調べてみると、以下に列挙している如く、これだけ多くの災害が繰り返されている。

 

869年貞観地震による大津波

1611年慶長三陸地震・津波

1677年延宝三陸地震・津波

1763年宝暦三陸地震・津波

1793年宮城沖地震・津波

1856年安政三陸地震・津波

1896年明治三陸地震・津波

1933年昭和三陸地震・津波

1960年チリ地震による津波

 

このように度重なり襲ってきた震災の歴史的事実を考慮すると、そもそも三陸海岸に近い福島を原発の立地とするべきではなかった。これは過去の震災の記録を全く無視した決断だ。このことから、福島原発は建設当初から安全に対する判断ミスを犯していたといえる。その上、福島原発は冷却水の取水をたやすくするため用地を掘削して海面からの高さを低くして設置されており、この点でも安全対策に重大な過失があったといわざるを得ない。

 

2009年6月、経産省の審議会で、869年三陸海岸を襲った貞観地震大津波を例に、福島第一原発の安全対策を訴えたが、政府と東電はこれを無視したという。これも極めて重大な判断ミス。英国法でいえば、”Negligence” と称する違法行為に相当する。

 

チェルノブイリ事故を教訓に、欧州の原発は法規制により過酷事故への対策が実施された。ところが日本では、行政指導と業者の自主対策に委ねられ、過酷事故に対する法規制がない。このため日本では、欧州並みの安全対策がとられず、福島原発事故を悪化させる結果となった。ここにも日本政府と電力業界の安全に対する認識・判断の甘さと優柔不断な思考様式がうかがえる。

 

フランスでは、政府と電力事業者が原子炉事故の最悪の事態を想定して模擬実験を繰り返した上で、マニュアルを整備しているという。東電にもマニュアルはあるようだが、事故という非常事態に直面すると、右往左往するばかりで効果を発揮していない。マネジメント不在で、模擬実験や定期的な演習がなおざりにされていたのではないか。そうだとすれば、安全性と経営リスクに対する経営者の意識、判断能力が問われることになる。

 

3月19日、米国原子力規制委員会は、福島原発の原子炉冷却機能を喪失した原子炉への窒素注入や格納容器を水で満たす「水棺」を提案したが、東電と原子力安全・保安院はこれを実施しなかった。結局、1ヶ月ほど遅れて漸く実施しようとしたが、時すでに遅く、燃料棒のメルトダウンで圧力容器に穴が開き、水棺は不可能となっている。非常時の判断の誤りが事故を悪化させてしまった。

 

3月11日午後11時過ぎ、官邸から東電に1号機のベント実施の指示が出されたが、原発周辺住民が被曝する恐れのあるベントは国内では前例がなく、東電の動きは鈍かった。3月12日午前10時20分ようやく東電がベントに着手したが、3月12日午後3時36分1号機水素爆。非常事態で、瞬時に状況を判断する直観力と決断力を東電の経営首脳陣が持ち合わせていたなら、建屋爆発は防げた可能性があった。

 

数万テラベクレルの放射性物質が数日間に亘り放出されていたことがレベル7宣言の判断根拠となっている。ところが、このことは1ヶ月前に既に分かっていたのだが、レベル7宣言のタイムリーな決断が政府、東電首脳にはできなかった。結果として、主要国の信頼を損なってしまった。

 

米戦略国際問題研究所のジョン・ハムレ所長は「東電と他の電力事業者に上限なしの賠償責任を負わせるとしたのは誤った政策だ。いかなる投資家も上限のない責任に伴うリスクには耐えられない。政治的にはいいかも知れないが、日本の電力事業者の信用が崩れ落ちるだけでなく、世界の電力事業者の信用格付けをも損なう。日本政府は考えを重ねた上で、包括的な計画を立案すべきだ。米国が導入したプライス・アンダーソン法も参考モデルとなるのではないか。」とコメントしている。ちなみに、米国の電力事業者の賠償責任額は、第1次損害賠償措置として責任保険による3億ドルと、第2次損害賠償措置として事業者間相互扶助制度による99億ドル、合計102億ドルを上限とする有限責任となっている。無限賠償責任は、電力事業者の信用力を低下させ、電力産業総崩れになる要因をはらんでいる。電力事業という日本の産業の根幹が崩壊の危機に直面したとき、政府は救済のため莫大な血税を注入せねばならなくなり、日本経済は大混乱に陥る。無限責任を負わせることは民主党の党略として国民の支持率アップに繋がるかも知れないが、電力産業全体、ひいては日本の全産業と日本経済という大局的な観点から判断すれば、有限責任とすべきではないか。ここでも判断を誤っている。

 

とにかく、福島原発事故は、天変地異や突発的な非常時に対処する瞬時の判断力と決断力に乏しい日本の政治家や企業経営者の姿を浮き彫りにした。こういった資質は天性のものだろうが、非常事態における対処法のマニュアル化と危機管理体制の完備で指導者の資質不足をある程度補うことは可能だ。有事のとっさの判断力と決断力に乏しい政府要人や経営首脳が多々見られる我が国では、欧米以上の危機管理体制の構築が急務だということを福島原発事故は知らしめてくれた。

 

社会学者、岩崎信彦氏は 「日本は地政学的にはイギリスと似ているが、イギリスのように世界的、大局的視野を持てない辺境性を持っている」という。

福島原発事故に関わる日本政府と電力事業者の判断力・決断力の乏しさを物語る上述の事例は、同氏がいう辺境性と重なる部分もある。要すれば、日本の政治家や経営者の辺境性に根差した思考方法、それを基盤とする判断力と優柔不断な決断様式が今回の福島原発事故を招いたといっても過言ではない。

  
Posted by kiwahori at 12:54Comments(1)TrackBack(0)社会問題

2011年04月19日

原子力発電と自然エネルギー発電

大学同期の学友で構成する SNS 、W君とわたしはそのメンバーである。先日、同君から飯田哲也氏の講演を収録した YouTube と彼のコメントがそのSNSに投稿された。講演の内容は福島原発事故とエネルギー政策転換についてであった。以下は、飯田氏の講演について、当SNSに寄せた私のコメント:

 

東電は原子炉の冷温停止に向けて、冷却、抑制、監視・除染の3分野からなる工程表を発表しました。冷却の分野では、格納容器に水を満たして原子炉を冷却し、更には、汚染水を除染し原子炉内に循環させる装置を原子炉建屋の外に設置して、原子炉と燃料プールを冷却する方策を探るとしています。

しかし飯田哲也氏は、最早こんな手は通用しない、チェルノブイリと同様の石棺化に踏み切る方向で出口戦略を速やかに進めるべきだといっているんですね。9ヶ月ほどでステップ2を達成したいとする東電の説明は、これまで後手を繰り返し事態を悪化させてきた彼らのまずい対応を考えると、正直言ってうまくいくのかどうか、不安が残りますね。その点、飯田氏の出口戦略の提案は説得力があると感じています。

 

原発新設はやるべきでないし、化石燃料発電も縮小すべきだ。これが飯田氏の基本的な考え方ですね。日本の原発は後期高齢者と言われるほど寿命がきているプラントが多いから、順次廃炉となり、新設がなければ10年後には原発の発電シェアーは10%に落ち込む。それを埋めるのは風力、太陽光、バイオの自然エネルギーだ、などとご自分に都合のいいことを言っています。なにせ、同氏は環境エネルギー政策研究所の所長さんですからね。更に曰く、自然エネルギー電力の2010年度のシェアーは10%、これを2020年度に30%まで伸ばすのは可能だし、原子力発電に取って代わり得ると。ところが、自然エネルギー電力の発電コストのことには一言も触れない。自然エネルギーによるエネルギー革命は小規模分散型になる、とご本人が言っているとおり、これはコストが高くつく。そんなコスト高の自然エネルギー電力のシェアーが30%になれば、原発廃炉に伴う巨額の負担も相俟って、日本の電力料金が跳ね上がることを知っているから、発電コストについてはノーコメントだったのでしょう。電力料金の大幅アップは産業界にとっては致命的です。日本の製造業の競争力は益々低下するでしょうし、止めどなく産業空洞化は進行してしまいますね。自然エネルギーによる持続可能なエネルギー革命が、環境エネルギー政策研究所の目指すところですから、原発事故をチャンスとばかりに、エネルギーコストなどはそっちのけで、政策の転換を訴えているという感じです。同氏の原子力・エネルキー政策の転換戦略は、経済合理性の裏付けのない構想に過ぎない、という印象を強くしました。被災地で、風力発電や太陽光発電の事業を推進し、それに投資を促すことは、被災地復興の一助にはなるでしょうが。

 

周波数が異なる東西の電力融通の促進と全国を網羅する送電会社の設立を訴えていましたが、送電会社と既存の電力会社との関わり合いや、電力会社に変革が求められるのであれば、その将来像についてどのように考えているのか、一切コメントなし。電力会社を地域独占といい、鎖国状態の電力市場を改革するなどと提唱はしているものの、具体策となると何も出てこない。これも単なる構想の域を出ていない提案です。特定非営利活動法人の提言など、責任は問われませんから、言いたいことが言えるわけで、あまり重みを感じません。

 

福島原発事故を天災であり人災だ、とはコメントしていましたが、欧州諸国のエネルギー政策に詳しい同氏は肝心なことに言及していません。つまり、欧米の原発危機管理には Thinking the unthinkable(想定外のことを想定する) が基本にあるが、日本では、想定外という言い訳が経営のトップや一部の政治家の口から漏れる。原発安全行政の原点はここにある、という訴えがなかったですね。

 

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これも W君から当SNSに紹介されたものだが、現在好評上映中の「10万年後の安全」と題するフィンランド発ドキュメンタリー。 これは、フィンランドで建設が進められている放射性廃棄物を貯蔵する地下施設についての実録映画で、地下500メートルに放射性廃棄物を封じ込め、10万年先まで人類に害を及ぼさないようにするプロジェクトの全容を紹介する作品。これこそが 「想定外を想定する」 という原発危機管理の原点となる考え方を実践しているものだと言えますね。日本の原発を自然エネルギー発電に転換してしまうまでには相当に長い年月を要することでしょうし、原発が続く限りは、Never say never (起こる筈がないとは決して言わせない)を基本とする安全策を実践してほしいものです。

 

原子力発電に比べ太陽光発電のコストは約9倍、風力発電で約3倍高く、天候によって出力不安定という問題もあります。自然エネルギー発電が原子力発電に取って代わるには、コスト低減の技術開発が必要ですし、発電規模の大型化・量産化と市場拡大のための政府の政策的な支援も欠かせません。ドイツの自然エネルギー電発政策を参考にするといいのではと思うのですが。

  
Posted by kiwahori at 12:15Comments(1)TrackBack(0)地球・環境問題

2011年04月04日

日本の奇跡はまだ終わっていない

東北地方を襲った大自然の猛威を目の当たりにして言葉を失った。3月11日、巨大地震が起きて間もなくのこと、避難する車で渋滞している道路の間近まで黒く濁った大津波が押し寄せてきている。そんな恐ろしい光景がテレビニュースで流されていた。そして、何時間か経って再び見たその町は、見る影もなく変り果て、瓦礫に埋め尽くされていた。今でもその映像が目に焼き付いて離れない。未曾有の大災害で命を落とされた犠牲者へ深い哀悼の意を表し、被災された方々に篤くお見舞いを申し上げたい。

 

人間の知恵や、営々と究めてきた科学の無力さをこれほど感じたことはなかった。そんな虚しさから、ブログを投稿する気持ちになれずにいたのだが、あの惨事から三週間あまりが経ち、今ようやく更新をしている。

 

巨大津波が引き起こした福島第一原発の事故は、日本の技術力への期待が裏切られ、更には科学への信頼を揺るがしている。これから事故の検証がなされるであろうが、東京電力の経営陣は、公益会社としての企業統治のあり方を含め、経営責任を適切に果たしてきたかどうかが問われることになる。原子力行政の見直しも求められるのは必至だ。東日本大震災は日本経済に大きな打撃を与え、世界の景気にも悪影響を及ぼしかねない。これからの日本は、経済の立て直しに向けた厳しい道のりを歩んで行かねばならないが、何はさておき、被災者の救済と被災地の復興が最優先だ。

 

9.11のアメリカ同時多発テロ事件以降、イラクやアフガンでの戦争、テロとの戦いを経て、世界のあり方が変わったように、3.11の東日本大震災は日本人のあり方を変える契機になるのではないだろうか、いや、そう期待したい。太平洋戦争に敗れた後の荒廃を乗り越えて、1980年代の経済繁栄を築いた日本人。今また未曾有の国難に直面して、国民の連帯感が高まっている。いい意味で、愛国心が目覚めつつあると言っていい。被災者は整然と行動し、救援を待っている。全国津々浦々に助け合いの輪が広がり、思いやりの心が通い合う。これこそ日本復興に欠かせない連帯意識であり、隣人愛だ。被災した人たちのために、その地域の復興のために、ひるがえって自分たちが住む地域社会の防災のために、更には我が国の経済復興のために、今ほど国民の心が一つになっているときはない。戦災から立ち直って以来、初めてのことだろう。

 

外国からの救援と励ましの言葉も沢山いただいている。有難いことだ。英国フィナンシャル・タイムズのコラムニスト David Pilling 氏が寄稿した「The Japanese miracle is not over (日本の奇跡はまだ終わっていない)」と題する特集記事で、「天然資源に乏しい国でありながら、戦後の経済繁栄という奇跡を成し遂げたのはこの国の国民であり、他の先進諸国が経済停滞でうんざりしていたときでさえも、この国の国民は経済発展を続けるという奇跡を守り通してきた。」、と称賛している。そして、「Make the best of a bad bargain (災い転じて福となす)」という諺の通り、この国は必ず立ち直る、なぜなら 「日本の奇跡はまだ終わっていない」 からだ、と日本国民にエールを送っていただいている。心強い限りだ。

 

日本は、より力強い国へと必ず立ち直る。それは、終戦直後の荒廃から立ち上がってきた歴史が物語っている。ドルショック、オイルショック、プラザ合意の逆境の経済情勢も乗り越えてきた。そこにはいつも国民の連帯感の高まりがあった。それが持続することが大切だし、これからは日本的経営のよき慣行を見直すことも重要だ。

 

大震災を契機に日米に信頼の絆が戻ってきそうな気配だし、この期に及んでは、我が国の政治も民主党だの自民党などと言ってはおれない。単独政党では何もやれず、互いにその程度の実力なのだから、国難を乗り切るまでは大連合しか選択肢はない。それをやらなければ、国の復興に向けて耐え忍ぼうと覚悟を決めようとする国民を裏切ることになる。

 

外国の人にとっては、来し方の日本の経済発展はミラクルに映ったのだろう。だから、「日本の奇跡はまだ終わっていない」と励ましてくれている。日本人として、このようなお心遣いは決して忘れてはいけない。世界からの励ましの言葉を背に受けて、はじめの一歩を踏み出そう。

 

オバマ大統領から天皇陛下に送られたお見舞いの手紙文の一部を紹介。

 

I speak for all Americans in expressing admiration for the courage, strength, and determination with which the people of Japan are responding to this crisis. Japan will rebound from this tragedy even stronger than before and set an example for other nations through your resilience.

 

(危機への対応で日本国民が見せた勇気、強さ、決意を、アメリカ国民を代表して心からたたえます。日本が惨禍から、より力のある国へと立ち直り、その回復力を通じて他国の手本となると確信しています。)

 

在アメリカ合衆国日本国大使館でオバマ大統領が弔意記帳された文面の紹介。

 

My heart goes out to the people of Japan during this enormous tragedy. Please know that America will always stand by one of its greatest allies during their time of need. Because of the strength and wisdom of its people, we know that Japan will recover and indeed will emerge stronger than ever. And as it recovers, the memory of those who have been lost will remain in our hearts and will serve only to strengthen the friendship between our two countries. May God bless the people of Japan.

  
Posted by kiwahori at 17:16Comments(3)TrackBack(0)東日本大震災

2011年02月28日

独裁者を倒すにゃ、刃物はいらぬ、インターネットさえあればいい。

アラブ産油国が民主化で揺れている。「独裁者を倒すにゃ、刃物はいらぬ、インターネットさえあればいい」・・・都々逸をもじったこんな言い回しも頷けるほどに、Twitter Facebook のネットワークが民衆を動かし、それが反政府運動の大きなうねりとなって、独裁政権を打倒している。ヨーロッパ文明の遺産である民主主義は普遍的真理だとアメリカ人は信じているし、我々日本人も同じ価値観を共有している。民主主義を世界に広めることは超大国アメリカの務めだと考えてきたアメリカ政府とTwitter Facebook が裏でつながっていて、独裁国家の民衆を扇動して民主化を促しているという陰謀説も囁かれているらしいが、それはともかくとして、インターネットがアラブ諸国の独裁政権を揺るがしていることは確かだ。

 

アメリカの CIA Google が共同で投資をしているベンチャー企業がある。その名を Recorded Future, Inc. という。同社は、全てのウエブサイト、Twitter Facebook の投稿をリアルタイムで監視し、個人や組織、行動や出来事の相互関係を分析して、将来を予測する技術を開発している。その分析エンジンは検索技術をはるかに超えた能力を持っているという。アメリカの諜報機関は、協力関係にある投資機関を通して、情報監視技術を持つ多くの企業に投資をしているというから、アラブ産油国のあと、民主化の嵐が吹き荒れる国々はどこなのか、その予測はもうついていることだろう。

 

The Middle Eastern Statue of LibertyJerry Holbert

Jerry Holbert 氏の諷刺画

右手に"Tweet"を掲げ、左手に"Facebook"を

持っている"Statue of Liberty"

自由の女神が次に降り立つ国は?

 

(画像をクリックすると拡大)

 

今や経済大国の仲間入りを果たした某国のみならず、Twitter Facebook は目の上のたんこぶのような存在で、まことに厄介な代物だと思っている国は結構多いに違いない。

  
Posted by kiwahori at 15:11Comments(1)TrackBack(0)国際問題

2011年02月20日

ウォール街の支配力が低下?

このところのニューヨーク株式市場は、アメリカの景気回復への期待からダウ平均は続伸し、1万2千ドル台につけている。そのニューヨーク証券取引所(NYSE)を運営するNYSEユーロネクストと、フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所との合併が先日発表された。規模を拡大して、世界的な取引所間の競争に勝ち抜くためだという。米国資本主義の象徴ともいえるニューヨーク証券取引所が、合併比率が上回るドイツ取引所に買収されたとして波紋を呼んでいる。常に世界の金融市場の主役だったウォール街だけに、この合併は「その支配力低下の象徴」と映るようだ、とウォール・ストリート・ジャーナルはコメントする。

 

以下は、両社合併についてのDanziger氏の風刺画。米国の市民感情の風刺が面白い。

 

(クリックすると画像が拡大)

NYSE買収される

 

 

 

 

 

 

ドイツ人:  『ウォール街はドイツの支配下になるけれど、アメリカにとっては、その方がよかったじゃないですか』

アメリカ人: 『どうして? 』

ドイツ人:    『中国企業だったらいやでしょう。中華人民共和国は異質だし、 中国人はお嫌いでしょうら』

アメリカ人: 『でも、あなた方にはナチス・ドイツという暗いイメージが残っていて、ハインリヒ・ヒムラーの親衛隊を思い出すんだよね〜』

 

アメリカの金融市場の心臓部がドイツ企業の傘下に入ってしまうなど、アメリカ人の自負心が許さない。ましてや、中国企業が先行きウォール街を牛耳るようなことになるなど論外。 そんな市民感情がよく伝わってくる風刺画だ。

  
Posted by kiwahori at 18:04Comments(0)TrackBack(0)海外情報

2011年02月08日

Ask What You Can Do For Your Country

表題は故ケネディー元大統領が就任演説で米国民に語りかけた言葉のひとつ。昨日、オバマ大統領はワシントンの米国商工会議所で企業経営者を前に演説を行った。下記はその抜粋だが、オバマ大統領が標記のケネディー元大統領のフレーズになぞらえた言い回しで、経営者の愛国心に訴えようとしているところが興味深い。

 

I want to be clear: Even as we make America the best place on earth to do business, businesses also have a responsibility to America. As we work with you to make America a better place to do business, ask yourselves what you can do for America. Ask yourselves what you can do to hire American workers, to support the American economy, and to invest in this nation.

(意訳)アメリカを、事業を営む世界最適の国にするべく政府も支援するが、そのようなアメリカを実現するにあたっては、企業にも責任を持って行動してもらう必要があるということをはっきりと申し上げておきたい。企業はアメリカのために何ができるか、もっとアメリカ国民を雇用し、アメリカの経済を支え、我が国への投資を促進するためには何をなすべきか、あなた方企業経営者自身で考えていただくことが求められている』

 

一方、日本の現総理は昨年10月の「国内投資促進円卓会議」に出席し、冒頭で演説を行ったが、下記はその一部分。日本国内の事業コストが高く、企業は生産の海外シフトを加速させており、産業空洞化が進んでいることから、企業の国内投資を経営者に促し、政府もこれを全面的に支援する、とアピールしている。

 

『企業の皆さんは財務体質を改善し、200兆円を超える預貯金を保有されているというデータが出ております。この資金を将来の競争力の強化のために国内でいろいろな形で使っていただけないかが必要な論点になっております。世界経済の悪化に伴い、輸出が足元で鈍化している中で需要を創造するためにも、元気のいい企業の皆さんには思い切って将来のための積極的な投資を是非検討していただきたいと思っております。企業経営者の皆さんが積極的な行動をとっていただくとすれば、政府としても全面的に支援をしていきたいと思います』

 

両首脳が企業経営者に要請していることは、図らずも詰まるところは似通ったものだが、国家というものを前面に押し出したオバマ大統領の演説は、愛国的な表現で迫力があるね。それに引き比べ、日本の総理の訴え方は、控えめで説得力に欠ける。演説もリーダー次第で、これだけ違ってくる。

 

今や世界はグローバル経済の時代、企業は市場経済原理で動くものだから、両国の産業界も政府の思惑通りにはいかない。特に米国では、オバマ政権と米国財界の総本山である商工会議所の関係は冷えていることもあり、オバマ大統領がいくら愛国心に訴えようとしても企業経営者は容易には動かない。

 

Bottom line, the most patriotic thing a company can do is ensure it is in business and take steps to stay in business; otherwise everyone loses and more people lose their jobs

 

とコメントする経営者もいて、財界との融和を図ろうとしたオバマ大領の演説に対する反応は芳しくなかったようだ。

  
Posted by kiwahori at 16:45Comments(0)TrackBack(0)経済

2011年01月20日

Blood Libel (血の中傷)

ご自身のウエブサイトで Don’t Retreat, instead-RELOAD ! (撤退するな、弾を込めよ)などと過激な表現で市民に訴えたり、照準のごときマークを付した対立議員の選挙区地図を掲載したりで、物議を呼んだ Sarah Palin 氏の言動。メディアからの非難に対して同氏は反論の声明を発表した。

 

(声明文からの抜粋)

 

Especially within hours of a tragedy unfolding, journalists and pundits should not manufacture a blood libel that serves only to incite the very hatred and violence that they purport to condemn. That is reprehensible.

 

Passover (過越し)はチャールトン・ヘストン主演の映画「十戒」にもでてくるけれども、「Blood Libel (血の中傷)」はPassover に由来している。Passoverの祭(過越祭)には、ユダヤ人はキリスト教徒の子供を殺し、その生き血を儀式に使うという根拠のない妄想が「Blood Libel 」という迷信を生む。古来より、このような事実無根のデマでユダヤ人は差別され迫害を受けてきた。「Blood Libel」という言葉には、ユダヤ人には耐えがたい悲惨な歴史的な背景があるのに、Palin 氏は声明文にこの言葉を無神経にも使ってしまった。乱射事件で重傷を負った Giffords 議員はユダヤ系アメリカ人であることは承知のことであろうに・・・このことがまたしても物議をかもしてしまった。

 

日本の前総理も平成の無責任男といわれるほど言葉の軽い政治家だが、Palin 氏もどうも同じようだ。次期大統領選への出馬も取りざたされている人物だけに、言葉を選ぶ深慮が肝要。このところ、その資質も云々されているようだから、これ以上の軽挙妄動は命取りになる。

  
Posted by kiwahori at 12:44Comments(1)TrackBack(0)海外事情

2011年01月16日

保守派の政治家 サラ・ルイーズ・ペイリン(Sarah Louise Palin)

共和党に所属する前アラスカ州知事。2008年の大統領選挙では副大統領候補となり、現在はティーパーティー運動に力を注ぐ。昨年同氏は、オバマ政権が推し進めた医療保険制度改革法案に賛成した政敵議員を倒すべく、語気を強めたメッセージを自身のウエブサイトに投稿した。加えて、これらの対立する議員をあたかも銃で狙い撃ちするが如く、それぞれの議員の選挙区に銃の照準らしきマークを付けた地図を掲載し、同氏の政治活動組織である SarahPAC がこれら議員の追い落としを図ると言明している。ターゲットとされている議員の一人が、先日の銃乱射事件で重傷を負った Gabrielle Giffords 議員であったことから、Palin 氏が投稿したこの選挙区地図が物議を呼んでいる。

 

Palin 氏の投稿文の一部抜粋)

 

“With the president signing this unwanted and “transformative” government takeover of our health care system today with promises impossible to keep, let’s not get discouraged. Don’t get demoralized. Get organized! We’re going to reclaim the power of the people from those who disregarded the will of the people. We’re going to fire them and send them back to the private sector, which has been shrinking thanks to their destructive government-growing policies. We’re paying particular attention to those House members who voted in favor of Obamacare and represent districts that Senator John McCain and I carried during the 2008 election.”

 

Sarah Palin氏

Sarah Palin氏の標的地図(左)はPalin 氏

(右)は対立議員の選挙区

   を示す全米マップ。

   銃の照準らしきマーク

   が対立議員の選挙区

   に付されている。      

 

乱射事件で重傷を負った

アリゾナ選出のGabrielle

Giffords 氏も対立議員

として名指しされている。 

 

 

 

アメリカは、銃を所持することは国民の基本的人権であるとしており、憲法修正第2条でこれを保障している国。ちなみに、Palin 氏は全米ライフル協会の終身会員で、銃を持つ権利を主張し銃規制に強硬に反対している政治家。勿論、Palin 氏が投稿した「銃の照準らしきマーク付きマップ」と先日の銃乱射事件とは全く関わりのないことだろうし、同氏は犠牲者への深い哀悼の意を表明している。とはいえ、このマップが乱射事件を起こした犯人に何らかの影響を及ぼしたのでは、と憶測する人がいても不思議ではない。

 

乱射事件が後を絶たないアメリカ、銃所持の権利については賛否両論あり、修正第2条の解釈にも二つの説がある。銃所持の規制を求める市民団体は民兵(州兵)や州警察の銃所持を認めたものとするのに対して、銃規制に反対するグループはすべての健全な市民の権利だと主張する。個人の安全は自分自身で守るという意識が強いアメリカならではのことだが、この国では銃は容易に入手できる。そのことを皮肉った風刺画をひとつ紹介:

 

GUNS

玩具専門量販店 TOYS"R"US (トイザらス)

もじって GUNS"R"US (ガンザらス)と皮肉り、

”おもちゃ”と同様、全米いたるところで銃が買える

と風刺している。

(Bill Day 氏の風刺画から)

 

  
Posted by kiwahori at 15:35Comments(1)TrackBack(0)海外事情

2011年01月09日

王殺し

新年のテレビ座談会で、“混迷する政局からの脱却・・・そのキーワードは”、と問われて「王殺し」を挙げた評論家がいた。「王殺し」とは、イギリスの社会人類学者ジェームズ・フレイザーが著した金枝篇で取り上げられている古代未開社会に始まる王暗殺の習俗のこと。統治能力を失った王様の治世が続くと、対抗する近隣の国に滅ぼされてしまうので、「王殺し」を決行して新しい王を迎え入れ国を守るのだという。王は神の力を備えていると信じられていて、自然災害が起きたり、部族社会が乱れたりした場合、それは王の霊力が弱まっているか、あるいは統治への怠慢や王が犯した罪に起因すると考えられ、王は死を以てその責任を取らねばならなかった。古代の日本でも、大王即位の儀式が執り行われる新嘗祭の頃に、王あるいは王に近い人物が殺された事例が古事記や日本書紀に語り継がれているという。つまり、「王殺し」の風習は古代国家の政権交代の理念と言えなくもない。

 

テレビ座談会に出演していたこの評論家が意図した「王殺し」は、現総理の交代を示唆したものではなく、政治とカネのスキャンダルで国民の批判を浴びているあの陰の実力者を葬り去るというものだった。国民に政治不信をもたらした古い体質の金権政治の実力者を排除すれば、政局に晴れ間が見えてくる、と同氏はコメントしていた。

 

A scandal-tainted powerbroker (スキャンダルで汚れた黒幕)と謗られ、アメリカでも風評がよろしくないこの陰の実力者は、いざとなったら民主党を割るかもしれないが、それはそれでやむを得ない。そうなれば、むしろすっきりした形での与野党連立の可能性が高まるだろうし、重要な緊急課題に絞って超党派で臨む態勢づくりも不可能ではなくなるのではないか、そのようにわたしは思っている。平成23年度予算の早期成立、持続可能な社会保障制度の確立を目指して消費税を含む税制の抜本改正、TPP 参加決定の問題、普天間基地移設の問題等の懸案事項について、超党派で取り組むという不退転の決意を現総理は年頭に表明した。是非そうあって欲しいものだ。

 

陰の実力者が与党内にいて権力掌握の画策をすると、政局の混迷は更に長引き、お国のためにならない。世論はこの実力者をもうとっくに見放しているわけだし、与党の主流派のみならず国政に携わる野党の先生方の多くも陰の実力者降ろしに異論はないところだ。だとすれば、社会人類学者ジェームズ・フレイザーのお説の「王殺し」にならい、陰の実力者を排除して政局を安定させることが、お国のためになるというものだ。  
Posted by kiwahori at 11:27Comments(1)TrackBack(0)政治

2010年12月31日

来年もよろしく

先日久しぶりにケンタッキー・フライド・チキン(KFCを買いに行ったところ、店舗前の歩道から店内まで長蛇の列。なぜだろうと思ったら、その日はクリスマスイヴだった。七面鳥ではなく、KFCで家族団らんのクリスマディナーを楽しもうというものらしく、大きなボックスに山盛りの KFC が飛ぶように売れている。仏教徒のクリスマスディナーならば、手抜きのクリスマス料理でもイエス様は微笑んでくださるに違いない。一頃は、クリスマスイヴの夜の盛り場にはトンガリ帽子をかぶった酔っ払いが溢れ、サラリーマンがクリスマスケーキを買って家路を急ぐ光景が年の瀬の風物詩だったが、最近は見かけない。クリスマス・デザートといえば、大英帝国のビクトリア朝の頃に食べられていたというイチジク・プリン(Figgy Pudding)を一度食してみたい。クリスマスキャロルの一節に「Oh, bring us a figgy pudding. We won't go until we get some, so bring some out here.」、とうたわれているほどだから、当時の英国人にはイチジク・プリンはクリスマスには欠かせないデザートだったのだろう。

 

Figgy Pudding

 

 

ブランディーの炎に包まれた

イチジク・プリン

 

 

 

 

今年もクリスマスが過ぎ、今日はもう大晦日、拙いブログですが、また来年もよろしく。

  
Posted by kiwahori at 10:07Comments(0)TrackBack(0)年末年始

2010年12月20日

新防衛大綱

米国の The U.S.-China Economic and Security Review Commission  がまとめた 2010 Report to Congress  が先月公表された。下記の文面は、その第二章「China’s Activities Directly Affecting U.S. Security Interests-China’s Growing Air and Conventional Missile Capabilities」からの抜粋。

 

The People's Liberation Army (PLA) currently has the capability to attack with its conventional missile capabilities five of the six main U.S. air bases in East Asia. In addition, improvements to the PLA Air Force’s bomber fleet soon could allow it to target Guam, where the sixth U.S. Air Force base is located.

 

「中国の人民解放軍は、在来のミサイルを使用して東アジアの6つの米空軍基地の内、5つを攻撃する能力を有している。加えて、爆撃機の改良が進めば、間もなくグアムの米軍基地も攻撃圏内となる」、とレポートしている。東アジアの5つの米軍基地とは、韓国のOsan Kunsan 空軍基地、日本の嘉手納、三沢、横田の空軍基地である。グアムを含むこれらの基地が急襲されると、反撃に転じるまで相当の時間を要し、極めて不利な事態を引き起こしてしまう可能性が高いことを米国は警戒している。そんな中で、日本の「新防衛大綱」が発表された。新大綱は、中国と北朝鮮の軍事行動を見据えたもので、国土防衛の意思表示としては、まずまずの評価はできる。

 

新防衛大綱の重要部分である「動的防衛力」の要点をまとめてみた(クリックすると画像が拡大、それをもう一度クリックすると画像が最大化する)。

 

新防衛大綱

  
Posted by kiwahori at 18:26Comments(1)TrackBack(0)国際問題

2010年12月10日

就職渇望

表題の「就職渇望」は、住友生命保険が昨日発表した2010年の世相を表す創作四字熟語の一つ。厳しい就職難で、まだ内定がとれていない学生が就活に奔走している姿を最近の報道でよく目にする。そんな中で、九州経済調査協会が希望する就職先について調査を実施した。調査の対象は、福岡、熊本両市にある大学、専門学校生440人。その結果、約半数の学生が地元企業への就職を希望したという。「九州は離れない、という地元愛の強さを証明した」、と調査機関はコメントしているが、実際のところはどうだろうか?

 

地元愛の気風はその地域にとって大切だが、学生の地元志向の奥に潜むものは何か? 能力不足で自信がない、従って志も低く、地元にいて熾烈な競争を避け、穏便に暮らしたい、と考えている若者が多いのではないだろうか。いわゆる内向世代の思考性向だ。これは、地元愛というよりもハングリー精神欠如の裏返しという見方もできる。

 

我々の頃は、地元、首都圏、関西圏、中京圏を問わず全国ネットの大手企業を目指したし、海外での活躍も夢見たものだ。産学連携の手伝いをしている K大の I-研究室では、中国、台湾、ベトナムなどの大学との国際共同研究にも携わった多くの学生が全国の大手企業に送り出されており、アメリカの有力大学の研究員を目指している学生もいる。このように、大学によって事情が異なるといえなくもない。

 

地元志向の学生が増えるのは、その地域にとっては歓迎すべきことだろうが、視点を変えると、そんな内向きな学生が将来地場企業にどれだけ貢献できるのか、疑問も残る。というのも、今やグローバル最適経営の時代、地元のローカル企業といえども経営の国際化は避けて通れないし、世界の市場に進出して事業を展開しないと企業の将来は開けない。嘗ての日本の国際競争力を取り戻すためにも、若者の意識改革を促す教育の充実が急務だ。わたしが地場企業の経営者だったら、地元志向の学生は採用しない。

  
Posted by kiwahori at 09:41Comments(1)TrackBack(0)独り言

2010年11月22日

アバクロンビー & フィッチ(Abercrombie & Fitch)

Abercrombie & Fitch はアメリカのカジュアル衣料品の老舗店で、若者向けに人気の有名ブランド。先日同社は、東京銀座店に次いでアジアで 2番目となる店舗を福岡市の天神西通りにオープンした。福岡はファッション トレンドに敏感な地域で、中国や韓国などアジアからの集客も期待されることが当地に出店した理由という。

 

Abercrombie & Fitch

Abercrombie & Fitch

 

天神西通りにオープンした

Abercrombie & Fitch の

ストア

 

 

 

Abercrombie & Fitch はニューヨーク・マンハッタンが発祥の地。もう三十数年も前になろうか、わたしが所属していた部門が、同社と提携してアメリカ市場でメール・オーダービジネスを展開するプロジェクトを企画したことがある。その事業は残念ながら実現しなかったけれど、そんな経緯から Abercrombie & Fitch の名前は懐かしく耳に残っている。一昨日、天神界隈に出かけたついでに新店舗に立ち寄ってみた。週末とあって、多くの若者達が集まって来ていて店内に入れそうもないので、店舗正面の写真を撮らせてもらった。当地への出店について幾つか質問をすると、店頭で入店案内をしていた外国人の店員が英語で応対してくれた。

 

英国の雑誌 Monocle は、「The compact shopping district of Tenjin in downtown Fukuoka features all the big labels and attracts visitors from South Korea and China」、と福岡市の天神界隈に集積する小売商業機能を高く評価し、’’Best Retail City Award” 福岡市に与えている。今月の福岡市長選挙で、現職を破って当選した若い新市長は、アジア ナンバーワンの福岡市を目指すという目標を示したが、具体性に欠けていた。一案だが、目指す方向を具体的に示して ”Best Retail City in Asia’’ を目標の一つとして掲げてもいいのではないかと思う。 Fukuoka City has all the advantages of a big city -- excellent shopping, outstanding food, good transport links -- with all the cosiness of a smaller, provincial town (お気に入りのショッピングや美食が楽しめ、交通の便がよいという大都市のいいところを福岡市は持ち合わせていながら、それでいて地方都市のコンパクトな居心地の良さがある)」、とMonocle 誌は続けてコメントする。同誌の評価を参考にして、”The Best Cosmopolitan City in Asia for Shopping and Cozy Urban Livability” を福岡市政が標榜するのも悪くはない。

 

Abercrombie & Fitch は昨年度の American Fashon Brands のトップだった。ちなみに、2位は衣料品、アクセサリー等の GAP、3位はファッション・デザイナー Tommy Hilfiger、4位はカジュアル・フォーマル・ウエア、アクセサリーの Ralph Lauren POLO、5位はカジュアル・ドレッシー・アパレルの Juicy and CoutureMonocle 誌がレポートしているように、American Fashon Brands も含め天神界隈には世界のビッグブランドが溢れている。

  
Posted by kiwahori at 14:57Comments(1)TrackBack(0)雑記

2010年11月02日

ブロードウェイ・ミュージカル

ニューヨークにはブロードウェイ・ミュージカルの下積みの俳優が五万といると聞く。そして、そのほんの一握りの俳優だけがブロードウェイの晴れやかな舞台に立てるチャンスを勝ち取ることができるのだという。才能が認められるまで過酷な競争を勝ち抜かねならない厳しい世界。それだけに、チャンスをものにしたスター達の舞台でのパフォーマンスは真剣そのものだ。運良く舞台に立てるようになるまでは食べて行けないから、レストランなどで給仕のアルバイトをして生計の足しにしている貧乏俳優も多い。以前にもこのブログで触れたと思うが、初めて立ち寄ったビレッジのとあるレストランでのこと、テーブルにドリンクや料理を運んでいた数人の給仕が、オペラ・アリアやカンツォーネ・ナポリターナ、ミュージカルの劇中歌などをいきなり次から次へと歌い始める。下積みとはいえミュージカルスターを志すプロのこと、しっかりと歌い込んだその張りのある美声に食事中のお客も酔いしれてしまう。ここは、ウエイター・ウエイトレスが歌う生の歌曲が聴けるレストラン。それ以来、このレストランにはよく通ったものだ。

 

                         ブロードウェイのミュージカル劇場

Booth Theatre

Hilton TheatreFoxwoods Theatre 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブロードウェイ界隈では、オフ・ブロードウェイ劇場と称する小規模劇場を含め、150を下らない劇場が興行を続けているのではないだろうか。ブロードウェイはまさしくミュージカル産業の集積地だ。劇作家や製作会社、投資家、劇場主、そしてトップスター達が興行の成功を目指し出し物を仕掛ける。下積みのミュージカル俳優達も、いつの日か晴れ舞台に立つことを夢見ながら芸を磨く地道な努力を続けている。しかし、興行にはリスクがつきもの、ことが思惑通りに運んで成功を収めるのは並大抵のことではないらしい。アメリカのミュージカル関連誌によると、ミュージカル興行の主たる利害関係者は製作会社と投資家。すぐには利益を上げられなくても、興行経費を稼いでいれば、先行きの利益を楽しみに興行を継続。興行経費を稼ぐに至らずとも、資金が続く間は製作会社も我慢するのだが、損失がかさむと、ロイヤルティーの減額または全額放棄を作者等に申し入れる。更に興行成績が悪化すると、劇場主は劇場使用料を割引したり、あるいは全額放棄、場合によっては劇場主が製作会社に興行運転資金を融通することもあるという。ミュージカルの出演者も組合の了承の下、出演料の減額に同意して興行継続に協力するそうだが、それでも改善の見込みが立たない場合は興行を中止、投資家は投資金の回収不能で全損となる。いわば、全ての当事者同士で興行リスクを相応に負担し合うというビジネスモデルが出来上がっているともいえる。それにしても、外見は華やかだが、内実は厳しい業界だ。

 

日本でも、劇団四季が専用劇場を持ってミュージカル興行を続けている。アメリカのように興行のビジネスモデルも構築されておらず、米欧からの輸入作品を、ミュージカル演技の経験も浅く、歌唱力もいまひとつの邦人俳優が演じるのだから、正直いって本場のミュージカルに比べて見劣りがする。だから、興行成績を上げるのもままならない状況だということは容易に想像がつく。それでも、ミュージカルを日本に根付かせようと努力している。不採算で一旦福岡市の専用劇場から撤退した劇団四季がまた福岡に戻ってくる。なんとか居ついてもらいたいものだ。

 

ミュージカルの劇中歌にもポピュラーなものが多い。好きな歌は、ショーボートで Paul Robeson (故人) が歌った Ol' Man Riverラマンチャの男で Brian Stokes Mitchell が歌う The Impossible Dreamオペラ座の怪人で Patrick Wilson と Emmy Rossum  がデュエットする All I Ask of You  など。それに、キャッツで Elaine Paige が熱唱する Memory は特にいい。先日のテレビで、例の スーザン・ボイルさん、彼女が憧れるアーティスト Elaine Paige Memory を一緒に歌っていたが、歌唱力は Elaine Paige に勝るとも劣らぬものだった。

わたしは、飲み会などで The Impossible Dream を歌うことがある。聴かされる相手にとっては迷惑なことだろうが、酔いに任せてのことだから、相手方への気遣いは消え失せている。先日は、准教授として栄転する大学研究室の U 君の送別会でご披露した。一昨年の旅先、ブリュッセルの気さくなレストランでも興に乗って歌ってしまい、隣のテーブルに居合わせた現地のお客さんからも拍手喝采をいただいたこともあった。わたしと同じテーブルで夕食を共にしていた友人夫妻と、わたしの女房もさぞかし気恥ずかしい思いをしたに違いない。最近は、キャッツの Memory を時折口ずさみ練習している。

 

昔よく出かけたマンハッタンの劇場街界隈が懐かしい。いずれその内に、ニューヨークに1ヶ月間ほど滞在して、Off-Off-Broadway までも観てやろうというくらいのミュージカル三昧の日々を過ごしてみたいと思ったりしているのだが・・・。

  

2010年10月23日

ちょっと一言

US Economy, Rob Rogers

US Jobs, Rob Rogers

 

 

Rob Rogers 氏の風刺画

(クリックして拡大)

 

 

 

アメリカも不況からなかなか立ち直れない。Rob Rogers 氏の風刺画がアメリカの深刻な不況を物語っている。「オバマ大統領がこの暗闇の穴からきっと救い出してくれるよ」なんて甘っちょろいことをいう旦那さんに向って、「チリの鉱山労働者じゃあるまいし・・・・」などと、なかば諦めたような返答が上さんから帰ってくる。テーブルには、支払期日が過ぎた未払い金の請求書や、借金取り立て屋からの督促状、はたまた差し押さえの通告書などが雑然と置かれている。切羽詰った家計なのに、身奇麗にしてコーヒーを飲んでいる上さんからは悲壮感が伝わってこない。さすがに、クレジットカードで借金漬けの生活に慣れっこになっているアメリカの肝っ玉主婦らしい。もう一方のコミックスも、チリ鉱山の救出劇にあやかってアメリカの哀れな失業者を風刺している。

 

今や世界では通貨安競争が繰り広げられている。アメリカ政府やEU の先進諸国の偉いさん達も、なりふりかまわず自国の通貨を安く誘導して輸出を伸ばし、風刺画のような惨めな不況から這い上がろうともがいている。日本をはじめアジアの国々が通貨安競争の標的にされ、自国の通貨高に歯止めがかからない。投資家の円買いも止まらず円高がどんどん進む。自国通貨安を誘導する米欧先進国の金融緩和政策に、中国をはじめとするアジアの新興国は反発を強めている。ところが、米欧の通貨安政策で一番被害を被っている日本は、一回の為替市場介入を試みただけで、その後はドル安誘導を控えてもらうようアメリカに求めることもなく、アメリカの顔色をうかがいながら、ただおとなしくしているだけだ。

 

ちょっと話は横道にそれるが、バブル崩壊後の限りなくゼロに近い預金金利で、貰い損なった利息の恨み辛みから、日本のメガバンクの悪口の一言もいいたくなったこともある。ところがそのメガバンク、最近は米国債へ積極的な投資を続けていて、それが円高の一因になっているというから、これまた聞き捨てならない。日経新聞によれば、最近のメガバンクは、これまでのように円売り・米ドル買いをやらず、米国でドルを調達して米国債に投資しているらしい。円売りが伴はないのだから、円安効果はないということか・・・。こうした邦銀の米国債投資に歩調を合わせて米長期金利も低下していて、これが円高の一因にもなっているという。邦銀もビジネスだから一概に非難もできないところだが、円高で苦しむ日本産業界に弓を引くようなことは止めて欲しいものだ。

 

さて、先週の G20 では、通貨安定策を巡り各国の駆け引きが飛び交ったという。米欧先進国の計略で日本も急激な円高に見舞われて、輸出関連の中小企業は倒産寸前に追い込まれている。そんな状況下での今回の会合で、日本代表の偉いさんは何を訴え、どんな仕掛けで臨んだのだろうか? ニュースでも、日本代表が Speak Up している報道はまったくなかったし、またしても蚊帳の外に置かれてしまっているという印象が強かった。アメリカが仕掛けた「経常収支の数値目標」を消極的に容認しただけなら、このお二人、お粗末もこの上ない。中小企業の経営者や従業員にしてみれば、日本代表の二人の偉いさんも、民主党政権も、もう頼りにならないとがっかりしたに違いない。

 

円高の話になると、最後はいつも私事になってしまう。最近の米ドル安で円の手取りが減って、その分毎月のお小遣いに少しばかりの悪影響を及ぼしている。円高株安の局面で、手持ちの電力株価も下落しているけれども、配当目当てに買った株だから、気長に持ち続けるとしよう。何といってもアメリカには世界経済を牽引する力がまだ残っている。風刺画のような不況からアメリカも早く立ち直って、強いドル政策に舵取りを戻してほしいものだ。そうすると、わたしの小遣いも少しは増えることになるのだが・・・。お終いは、手前勝手な 「ちょっと一言」 になってしまいました。

  
Posted by kiwahori at 13:28Comments(0)TrackBack(0)独り言

2010年10月07日

尖閣諸島奪還作戦・・・日米合同演習

先週の産経新聞の報道によれば、中国軍による尖閣諸島の不法占拠を想定して、尖閣奪還の日米合同軍事演習を本年12月に実施することが明らかになったという。これは、昨年来計画されていた日米軍事演習をオバマ大統領の訪日直後にタイミングを合わせて実施するというものらしいが、狙いは、先の尖閣諸島沖での中国漁船衝突問題で強硬姿勢を見せた中国に対して、強固な日米同盟を印象付け中国海軍の東シナ海での活動を牽制することにあるといわれている。日米両防衛当局には、「中国による不意の尖閣諸島占拠に、いつでも対処できる態勢を整えておく必要があること、日米同盟は尖閣諸島も適応対象としているが、あくまでも日本が個別的自衛権を行使し中国の違法占拠を排除せねばならず、米国は集団的自衛権を行使して日本を支援するものだ」、という共通の認識がある。そのような認識に基づく今回の演習は、日本には南西諸島を防衛する強い意思と軍事的能力があることを中国に示すためのものでもある、と日本の防衛省のある幹部はいう。ともかく尖閣紛争の直後だけに、日米合同演習に対する中国の出方が注目される。

 

新聞記事によると、合同演習のあらましは次の通り(産経新聞からの抜粋)。

  • 第1段階: あらゆる外交上の応酬を想定しながら、尖閣諸島が不法占拠された場合を想定。日米両軍で制空権、制海権を瞬時に確保後、尖閣諸島を包囲し中国軍の上陸部隊の補給路を断ち、兵糧攻めにする。
  • 第2段階: 圧倒的な航空戦力と海上戦力を背景に、日米両軍の援護射撃を受けながら、陸上自衛隊の空挺部隊が尖閣諸島に降下し、投降しない中国軍を殲滅する。
  • 演習は大分・日出生台演習場を尖閣諸島に見立てて実施するが、豊後水道が手狭なため、対潜水艦、洋上作戦は東シナ海で行う。

以下は、合同演習に参加する予定の日米両軍の艦船、戦闘機、哨戒機、偵察機、輸送機: (写真は左クリックすると拡大)

 

尖閣諸島海域地図

米第7艦隊所属空母ジョージ・ワシントン

米バージニア級原子力潜水艦

 

 

 

 

 

 

(左)は東シナ海・南シナ海域の地図(日経新聞より

引用)、(上中)は米第7艦隊所属空母ジョージ・

ワシントン、(上右)は米海軍バージニア級原子力

潜水艦

 

米原子力潜水艦ミシガン

レーダーに捕獲されないステルス戦闘機F-22 RAPTER

 

(左)米海軍原子力潜水艦ミシガン、(右)レーダーに探知されにくい米空軍の一騎当千最新鋭戦闘機F-22 Raptor

 

 

米軍E-2Cホークアイ早期警戒機

米軍無人偵察機グローバルホーク

 

(左)米軍E-2Cホークアイ早期警戒機、(右)米軍無人偵察機グローバルホーク

 

 

 

米海軍ミサイルイージス艦

日本航空自衛隊主力戦闘機F-15

 

 

(左)米海軍ミサイルイージス艦、(右)日本の航空自衛隊の主力戦闘機F-15

 

 

航空自衛隊支援戦闘機F-2

航空自衛隊対潜水艦哨戒機P3C

 

 

(左)航空自衛隊の支援戦闘機F-2、(右)航空自衛隊の対潜水艦哨戒機P3C

 

 

 

kokuu自衛隊輸送機C130

日本海上自衛隊イージス艦

 

 

(左)航空自衛隊の輸送機130C、(右)海上自衛隊のイージス艦

 

  
Posted by kiwahori at 15:14Comments(1)TrackBack(0)国際問題

2010年09月30日

外交力強化のすすめ

尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件でさらけ出した日本政府のお粗末な外交手法は、多くの日本国民をがっかりさせてしまった。「検察当局が日中関係を総合的に判断して、処分保留の上、中国人船長を釈放したものだ」と官房長官は説明する。この事件は既に領有権を巡る日中の外交問題に発展しているのだから、とっくに検察当局の裁量を超えているのは明白。にもかかわらず、表向きには政治不介入と取り繕い、中国の報復をかわそうとした政府の稚拙な戦術が見え透いてくる。「船長釈放で中国の反発は一気にしぼむ」と政府筋は楽観視していたものが、ものの見事に裏目に出て、中国は強硬姿勢を一層加速してしまった。日本政府は冷静な対応を呼びかけるだけで、手詰まり感から思考停止状態となり、判断の甘さを露呈した。

 

これほどに中国が威圧的な強硬報復措置をとる背景には、鳩山前首相の未熟な外交手法がある。前首相の幼稚な対米外交で日米同盟に亀裂を生じさせた日本とは、くみしやすいとの判断が中国側にあった。クローリー国務次官補は記者会見で、中国人船長の釈放を「適切な決定だ」と述べたが、ホワイトハウスの国家安全保障会議のベーダー・アジア上級部長は「米国は仲裁していないし、その役割を果たすつもりもない」と日本を突き放していることからして、米国との亀裂を引きずる今の日本を少々痛めつけても、米国は干渉してこないだろうという中国の読みは正しかったといえる。今回の中国がとった対日強硬姿勢は、日米同盟の重要性を日本に再認識させるための、いいお灸になったと米国は考えているのではないだろうか? そんな憶測もあながち的外れではあるまい。

 

東京都知事は「中国はやくざ」というが、やくざは中国だけではない。アメリカやロシアだってそうだし、世界の主権国家は時としてそんな形相を顕にする。国益が侵されると鬼になるということだ。国家間の外交とはそういうものだし、武力を行使しない戦争だ。今回の日中摩擦について、大阪府知事は「周到な戦略がなければ負ける。勝てない喧嘩はするな」という、全くその通り。国益をとことん主張できず、妥協して、いつも損をするのは、馬鹿がつくほどお人好しで、おとなしい弱腰外交の日本政府。このままじゃー、日本は沈没してしまう。

 

外交力は、政治力・経済力・軍事力を合わせた国力に比例するという。日本は経済力は一流だが、自衛隊は抑止力として使えそうにない。国際政治力には、情報収集力、大局観、それらに基づく外交戦略、そして資質のある指導者が欠かせない。どれも日本には無いものばかりだから、日本政府が独力で弱腰外交の軌道修正をするのは容易なことではない。東アジアでの日本の外交力を強化する早道は、アメリカの力を借りるのが一番現実的だ。

 

海軍力を増強してアジアにおける海洋権益の拡大を狙う中国。これに対抗して日本の海洋権益保全と島嶼防衛のため、我が国の対中国外交力を強化するには、日米同盟を深化する戦略しかあるまい。その上で我が国は、中国海軍の海洋進出に脅威を抱く東南アジア諸国、韓国、インド、オーストラリアと協力して、中国への抑止力の構築に積極的な役割を担うべきだ。これは、米国が描く対中国戦略に日本が乗っかり、米国政府と共同作業を進めるという構図だから、今の日本政府の心もとない指導者達でも役目を果たせるだろう。

  
Posted by kiwahori at 17:24Comments(1)TrackBack(0)国際政治

2010年09月11日

くるくる代わる日本のメリーゴーランド首相

先日のニューヨーク・タイムズ紙に、Japan’s Leadership Merry-Go-Round メリーゴーランドのようにくるくる代わる日本の指導者との見出しで日本民主党の代表選を揶揄する記事が掲載されていた。記事の冒頭、「Japan’s frequent leadership changes are dizzying and increasingly counterproductive 日本の指導者が頻繁に代わるのは目がくらむようだし、政権運営面でもますます逆効果だと一刀両断に切り捨てている。他の海外メディアにも皮肉たっぷりの報道が多い。ご参考までに、その一部を紹介しよう。

                                

ニューヨーク・タイムズ紙:

 

His comment last month that Americans are simple “single-celled organisms” doesn’t seem to be the best way to make new friends

 

A scandal-tainted powerbroker (スキャンダルで汚れた黒幕)とこき下ろされている民主党の陰の実力者の言動について、アメリカ人を単細胞などとけなすのはよくないね、あとのしっぺ返しが怖いよ、アメリカでの人脈確保が難しくなるから」 と脅しをかける。

 

Revolving-door leaders with constantly shifting agendas are not in Japan’s interest — or the rest of the world’s.

 

「回転ドアのようにくるくると指導者が代わり政策を転換するのは、日本のためにならず、世界にとっても好ましくない」 と苦言を呈し、日本の首相のことを「Revolving-door leadersと皮肉っている。

 

It needs a prime minister who can offer robust, principled leadership over a sustained period, win support for economic policies that would help pull the world out of recession and maintain a strong alliance with the United States.

 

目まぐるしく代わる日本の首相を揶揄する一方で、「確固たる倫理観に基づく政治理念の下にリーダーシップを持続させ、世界的不況からの脱却に役立つ経済政策に国民の支持を取り付け、更に米国との強い絆を堅持できる首相が日本には必要だ」 と一部政治家の倫理観の欠如を示唆し、経済大国日本の役割と日米同盟の極東における意義を再認識するよう促している。

 

英国エコノミスト紙:

 

The constant merry-go-round of prime ministers at a time of entrenched deflation is increasingly seen as a national disgrace.

 

「デフレの真っただ中に、メリーゴーランドのように首相が絶え間なくくるくると代わるのは日本の国家的恥辱だ。各国はそのような見方を強めている」 と批判し、日本の首相を 「Merry-go-round of prime ministersとあざけっている。

 

英国フィナンシャル・タイムズ紙:

 

With each prime minister comes a new direction. Permanent political revolution (in the washing machine, spin-cycle sense of the word)・・・・・

 

「首相が代わるたびに国の方針がころころと変わる。これは政治変革などと呼べるようなものではなく、洗濯機のドラムが回転するがごとき堂々巡りそのものだ」と嘲笑する。

 

Brazil’s president floundered as he tried to recall the name of Japan’s last-but one prime minister. (Answer: Yukio Hatoyama.) “You say ‘good morning’ to one prime minister and ‘good afternoon’ to a different one” was how he put it.

 

ブラジルの大統領は日本の前首相の名前を思い出すのにまごついてしまい、そして曰く 「今朝 ”おはよう” と現首相に挨拶したと思ったら、”こんにちは” と挨拶するのは別の首相なのだから」。日本人にとって、これは笑えない皮肉だ。

 

A loss of confidence in leadership can be extremely debilitating. Countries need a sense of direction. Japan’s politicians are merely going round in circles.

 

「指導者への信頼喪失は国をひどく弱体化させることがある。国には将来を見据える判断力が必要だ。ところが日本の政治家は、そんな判断力や国家ビジョンの構想力に乏しく、堂々巡りをするだけだ」 と日本の政治家を無能呼ばわりする。

 

The public is entitled to ask: “Why on earth would we want these idiots in charge?”

 

「何故こんな馬鹿どもに国政を任せたいと思うのだろうか、と日本国民は自問してみる必要があり、そして彼らを否認する権利がある」 。日本の政治家を無能と決めつけ、日本の有権者にも問題があることを示唆している。

 

来る14日の民主党代表選、どちらが勝っても、党内対立構造が存在する限り指導力の発揮は難しい。結局は、有権者人気取りのバラマキ政策が続く。英国病を克服したサッチャー元首相や、強いアメリカを復活させたレーガン元大統領のような政治家の出現が待たれるが、当分は期待薄のようだ。だとすれば、政界再編で安定基盤の政権を実現させ、日本再生の舵取りを委ねる以外にないのかも知れない。

 

日本の政治家が外国のメディアにこれだけ 「こけ」 にされると、日本人として不快きわまりないが、当を得たところもあるから是非もない。それにしても、このような海外メディアの嘲笑と寸評を日本の政治家はどのように受け止めているのだろうか、知りたいものだ。

  
Posted by kiwahori at 14:21Comments(0)TrackBack(0)政治

2010年09月04日

Out-of-Touch Democratic Party of Japan

国益と国民の生活を守るため、直面する内外の諸問題の緊急度、重要度を見極め、つぶさに優先順位を定めた上、政策を不退転の決意で迅速に実行する。これこそが政権を担当する与党の責務であるのに、国民の声は反映されず、期待を裏切り、党利党略を優先し、必要不可欠な政策の実行を先送りする与党。このような政権与党のことをアメリカでは、An Out-of-Touch Washingtonと呼ぶらしい。

 

日本の総理を選ぶことにもなる民主党の代表選、政策論争は上っ面だけで、国民を納得させる深まりがない。国民の期待を裏切り、政策よりも党内支持者をかき集める数の権力闘争の様相を呈している。これはまさしく国民の意識を無視したOut-of-Touch Democratic Party of Japanといえるのではないか。

 

両候補とも説得力のある具体的な経済対策を打ち出せていないし、景気浮上へ取り組む並々ならぬ決意も感じられない。例えば急激な円高による産業空洞化防止について、現首相は、「大企業は約200兆円の内部留保を持っている。これを思い切って新しい分野に投資してもらえば、雇用拡大につながる」と悠長なことをいう。新規分野への投資リスクを企業がそう簡単にとるはずがない。一方、陰の実力者は、「一国だけの市場介入では効果が上がらない今回の急激な円高、覚悟を決めて取り組むべきだ。例えば海外資源への投資を大幅に増やすなど、円高阻止の方策はある」などと、これまた企業頼みの対応策を云々するから心もとない。

 

陰の実力者は、マニフェストは完全履行が筋だという。そしてその財源について、「自治体向けの一括交付金を地方が自由に使えることにして半減、無利子国債の発行、国有財産の証券化によって確保できる」というが、それには異論もある。一括交付金の約21兆円の8割は医療・介護の社会保障と義務教育関係費だからカットは困難。無利子国債購入により相続税免除の特典を享受できる富裕層はごく一部の国民であり、効果は薄い。証券化して高い収益を生む国有財産は限られている。というようなことで、これも説得力に欠ける。

現首相は、マニフェスト完全履行の財源確保は困難だから、一部不履行は納得してもらう以外にないというスタンス。この点、正直でいい。消費税率は欧米先進国に比べ、日本は一番低い。財源確保に窮している状況下では、消費税率引き上げは緊急の課題なのに、両候補とも党略を優先してこの問題から逃げ腰なのはいただけない。次の世代にとって極めて重要な国の財政再建の問題、長期的な政策は明確に提示されていない。

 

普天間問題にしてもしかり、両候補とも対応策は無きに等しい。国家戦略としての防衛問題、両候補とも日米同盟が基軸というが、ひびが入りかけている日米同盟の再構築の具体策を示し得ていない。陰の実力者は、「軍事技術の進歩で、大兵力を前線にとどめおく意味はない。第7艦隊は米国の軍事的プレゼンスとして、極東に残ることが必要。奄美、沖縄は日本の領土・領海で、我々が自分たちで守る」といっている。目にあまる中国の海軍や北朝鮮の振る舞いを牽制するに足る防衛を日本独自でできると本気で考えているのだろうか。ちなみに、保安当局者の試算では、米駐留軍なしでの防衛には最低でも現予算の2倍以上、つまり約10兆円の軍事費が必要というのだが、どこから財源を捻出するつもりなのか。米国の軍事当局者も、陰の実力者らしからぬ甘っちょろさに呆れているらしい。日米同盟はアジア諸国の安全にも繋がる。日米同盟がきしめば、急拡大する中国の軍事力でアジア諸国の安全が脅かされる。現にアジア諸国のリーダーは日米関係の停滞を不安視しているという。不可解で頼りにならない日本をパスして、米国が新たな極東軍事戦略を打ち出したとき、日本は米国とアジア諸国から取り残され、世界からOut-of-Touch Japanと烙印を押されてしまう。両候補のテレビ討論を聴いていて、そんな予感を強くした。

 

どちらの候補が勝っても党内亀裂は残る。そんな状況下では、挙党一致内閣なんて望むべくもない。結局は妥協の政局運営が続き、日本の針路に道筋をつける重要案件は先送りされてしまう。陰の実力者が本当に日本の将来を思うなら、いさぎよく身を引いて引退してもらうのが一番だが、そうなりそうにもないから、この国の先行きが思いやられる。

  
Posted by kiwahori at 16:05Comments(0)TrackBack(0)政治

2010年08月25日

選挙、選挙で日本が沈む

表題は先日の日本経済新聞のコラム「風見鶏」の見出しの言葉。歴史的な勝利を収めた衆院選からもう一年が経過、資質を疑問視された前総理が何もかもぶち壊してしまった。おまけに、前幹事長と前総理の政治と金の問題で国民から見放され、参院選で民主党は惨敗、新総理がねじれ国会の難しい政局運営に振り回されている。

 

内外に難問が山積しているのもかかわらず、問題は先送り、これといった経済政策も打ち出せず、円高局面にも無策でいる現内閣。自国の通貨安を容認し、輸出振興で景気を押し上げる戦略をとる米欧、片や「何も戦略のない日本が円高で狙い撃ちされている(湯元健治氏)」のに、日本政府は危機意識が希薄。「アメリカに気を遣って為替市場介入の手が打てない」という人もいるが、そんなことはない、策はあるのに政府と日銀の動きが鈍いだけだ。

 

それよりも与党は代表選の方が大事。党内の政策論争は進まず、代表選を巡って今や党内権力抗争の様相を呈している。何事にも選挙が優先、次は衆院選に向けた党略に精魂を注ぐ。これじゃ〜日本の国力が低下するのも無理からぬこと、選挙、選挙で日本が沈んでしまう。

 

政治とカネで国民の信任を失った陰の実力者が代表選を前に裏で画策する。そんな実力者には国民はもう嫌気がさしているのに、当人は国政の頂点の座にいまだ執着心を抱いている。黒幕としての実力は十分だが、総理となって国政を委ねるには空恐ろしい人物。現総理を押すグループと黒幕の実力者にへつらう勢力へと、党は大まかにいって二分。挙党一致を働きかけ、二分されたグループの橋渡しをしようと舞台裏でアミーバのように動く前総理、何をしでかすことやら。亀裂が生じようとしている民主党の挙党妥協内閣にいい仕事ができるわけがない。そんな民主党以外に委ねられる政党があるかといえば、残念ながら今は選択肢がないのだから、この国の先行きが思いやられる。

 

民主党が国民の信任を再び取り戻すためにまずやるべきことは、陰の実力者が牛耳る政党から脱却して、新しいイメージの政権樹立を実現することだ。その上で、内外の緊急課題に真の挙党一致体制で取り組み、米国、EU、BRICs など諸外国とも堂々と渡り合って、日本の存在感を高めていくとこが重要。一方、自民党には、国政を再び担える政党に生まれ変わり、民主党と切磋琢磨して欲しい。そうなれば、この国の将来に希望が持てるようになる。

  
Posted by kiwahori at 14:24Comments(1)TrackBack(0)政治

2010年08月20日

カリブ海のリゾート地、Belize City

アメリカの雑誌 U.S. News & World Report How to Retire Comfortably for Under $1,500 a Monthという記事が掲載されていた。毎月1,500米ドルの生活費で退職後の優雅な生活など、日本では考えられないことなのだが、カリブ海に面した小さな国 Belize(ベリーズ) では、そんな暮らしがかなえられるという。

 

Belizs map

 Belize のMap

(クリックして拡大)

 

 

Belize は1981年に英国から独立した人口35万人ほどの小さな国。色とりどりの花や樹木が美しい自然公園、そこに棲む幾百種もの野鳥、紺碧の空と透き通った海、真っ白な砂浜とさんご礁の海岸、まさに楽園だ。

 

コンドミニアムの家賃、光熱費、電話・インターネット等通信費、食費、医療保険、娯楽費、自動車維持費など一切を含めて月1,500米ドルで余裕のある生活が楽しめるというのだから、米国やカナダのリタイアメント・エイジの注目を集めているのも頷ける。

 

豊かな森と、海と、太陽がいっぱいのパラダイスではあるけれど、日本を離れてそこに住みつく気にはなれない。毎年1~2ヶ月間そんな楽園でゆったりと過ごし、海や森で遊び疲れたら、砂浜の木陰で読書と昼寝を楽しむ。Belizeはそんな過ごし方にぴったりなリゾート地。日本からだと、ロサンゼルスまで飛んで、そこから乗り継ぎのフライトがBelize まで何本も出ているから往きやすい。一度、長期滞在のプランでも立ててみたい。

 

Belize フォトギャラリー

 

    Belize City                                  Belize のビーチ

Belize City

Belizeのbeach

Belize Beach

 

 

 

 

 

 

 

              ビーチ                ヨットハーバー

Belize

Belize

Belizeのヨットハーバー

 

 

 

 

 

 

 

 

           Belize のホテル              ビーチバー                                                 

Belizeのホテルプール

Belizeのホテルプール

Beachbar, Belize

 

 

 

 

 

 

 

 

           日の出のビーチ          Belize に生息するオオハシ            Belize の日の出

Belizeの日の出

南米産オオハシ

  
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2010年08月11日

Tea Party Movement

オバマ政権の医療保険改革や景気対策に反対する集会が全米に広まっている。保守派によるこの草の根運動は、アメリカの独立につながったボストン茶会事件にちなんで、「Tea Party」 と名付けられたという。今年の2月にテネシー州のナッシュビルで開かれたこの保守派運動の全米集会で、前アラスカ州知事のペイリン氏は、大げさにも 「Tea Party Movement」 を英国からの独立に次ぐ「もう一つの革命」と呼んでいる。

 

オバマ政権が成し遂げた歴史的ともいえる医療保険改革、保守派の反発はとりわけ強い。Tea Party Movementは、巨額の税金を投入して医療保険を買えない低所得層を救済する「大きな政府」を批判し、オバマ政権の景気対策も国の財政を破綻させ国民生活を不安定にするだけだ、と反オバマ色を強める。

 

ペイリン氏が基調演説をしたナッシュビルでのTea Party 、参加したのは殆んどが白人だったというから、この草の根運動は、アメリカが抱える人種問題、格差社会を浮き彫りにしている。

 

Bill Day氏のTeapublican

 

共和党が扇動する Tea Party Teapublican と茶化している

Bill Day 氏の風刺画(クリックすると画像が拡大)

 

 

 

Robert Ariail氏のRe-election

 

念願の医療保険改革が命取りになって、11月の中間選挙は

オバマ政権の苦戦が予想されている。Robert Ariail 氏の風刺画

  
Posted by kiwahori at 07:09Comments(0)TrackBack(0)海外事情

2010年07月29日

バーリッツ語学スクール

アメリカのニュージャージー州に Berlitz Languages, Inc.という語学スクールがある。

今から40年ほど前、初めてニューヨークに赴任した折のこと、終業後にマンハッタンにある同校の分校に通ったことがある。米国人の講師と一対一でビジネス英語の特訓を受けるためで、レッスンは、毎回トピックスを決めて講師と自由にディスカッションをする方式だった。年のころは30歳半ば過ぎと見受けられたが、八頭身の美人講師がわたしの担当になった。そんな美人インストラクターと個室で90分間、コーヒーなど飲みながら話し込むのだから、時間の経つのも速く感じられたものだ。この美人講師は、短めのスカートに長いブーツがよくお似合いで、椅子に腰掛けて足組みをするものだから、目のやりどころに困ったことも度々あった。そんなことで、週二回 Berlitz に通うのが楽しくてしようがなかったし、今では懐かしい思い出の一つとなっている。

 

話は変わって、先日の日本経済新聞の記事のこと。Berlitz Languages, Inc. の日本法人が取り組んでいる新しい講座のことが紹介されていた。それは、語学学校のBerlitz が、日本企業の経営幹部や幹部候補生を対象にして、古今東西の歴史、哲学、文化、芸術を日本語で講義し、世界に通用する人材を育成する講座を始めたという記事だった。グローバル最適経営に役立つビジネスマンの要件としては、語学力もさることながら、むしろ哲学や芸術などの古典を通して異文化についての見識を深めることがより重要な要素になると Berlitz は考えて、この講座を企画したという。つまり、異文化の人々と価値観を共有し、自然体で対等に付き合える人材が欠かせないということだ。これは、先に投稿した「グローバル企業に欠かせない人材」とも通じるところがある。グローバル最適経営を目指して英語を社内の公用語とした例の日本企業、Berlitz と提携して人材育成を進めれば、効果が期待できるのではないだろうか。余談だが、日本の政治屋にもかような講義を聴講させてグローバル思考を身につけさせれば、世界の中の日本を語れる政治家の養成にも役立つのでは・・・と思ったりもする。

  
Posted by kiwahori at 10:46Comments(1)TrackBack(0)雑記

2010年07月11日

目指すグローバル企業に欠かせない人材

仕事を終えて退社するとき、「お先に」というと、「お疲れさま」という言葉が返ってくる。日本の職場ではお馴染みの光景だ。「お疲れさま」という言葉には、お互いに労をねぎらう気持ちも含まれているのだろうが、通常は、「じゃあまた明日」とか「じゃあね」といった意味合いで使っている。「お疲れ様」を英語に直訳すれば、「You worked so hard. You must be tired」となるのだが、英語ではこんな言い方はしない。「See you tomorrow」とか「Have a good one」などと声を掛けるのが普通だ。後者の場合、相手方は「The same to you」と言葉を返す。

 

日本人は外国語を苦手にする人が多い。英語もしかりで、読解力は結構あるのだが、会話と書くことが不得意だ。そんな実情も承知の上で、英語を社内の公用語とすることを決めた会社がある。ベンチャー企業からインターネット総合サービスを提供する大企業に急成長した楽天株式会社がそれだ。

 

気の向くままに社内で、「Have a good one」、「The same to you」なんて興味本位で英語のやりとりをするのなら、英会話の練習にもなるが、社内の一切の書類作成や会議を英語でやるとなれば、これまた大変なことだし、全社員にそれだけ余計なワークロードがのしかかってくることになる。それでも英語化しようというのだから、それだけの理由があっての決定だ。同社のトップマネジメントは、「世界で事業を成功させるには、スタッフレベルの英語のコミュニケーションが重要になってくる。海外の優秀な人材を得るためにも必要。場合によっては本社機能の一部の海外移転もあり得る。」、とその理由を説明する。多分、この経営者はグローバル最適経営を意識して、英語の社内公用語化を決断したのだろう。

 

企業業務のグローバル標準化を図ることにより経営効率を高めつつ、海外オペレーションでは、その市場での最適な組織・マネジメント体制を並行的に構築する。これをグローバル最適経営というらしい。平たく言えば、「グローバルに考えて、地域的に行動する経営」だ。世界からの人材登用もグローバル最適経営の一環。ところが、日本企業の海外進出拠点は単独のローカル事業という域を未だに出ておらず、企業のグローバルな戦略的方向性に則った地域最適の経営ができていないといわれている。この点、欧米の企業は、グローバル最適を着実に進めていて、企業グループ全体の相乗効果を最大化しているという。このままだと、欧米企業に対する日本企業の競争力は益々低下するという警告もある。日本には、内向きで閉鎖的な慣習が残っており、一方欧米先進国は、歴史的に植民地政策に長けていて、グローバル戦略は得意とするところだ。

 

日本企業がグローバル最適経営を実現するためには、日本人社員の英語力や論理構築力、説得能力の向上が欠かせないと指摘する人が多い。楽天のトップマネジメントもそう考えているから、まずは手始めに英語を社内公用語とする決断をしたのだろう。しかし、グローバル最適の経営システムを作るだけで、その仕組みが機能し、欧米企業とわたり合い競争していけるようになるのだろうか。わたしはそうは思わない。一番大切なのはそのグローバル最適経営組織を構成するスタッフの資質だろう。英語ができて、論理構築力があり、説得能力を備えているだけでは十分ではない。最も大切な資質は、異文化ととことん付き合える「たくましさ」であり、異文化の相手方と堂々と議論し、自己主張ができる「強かさ」であり、相手をひきつける「人間性」だろう。こういう人材をグローバル最適の組織に配置しなければ、その組織は魂の入っていない仕組みにすぎず、大きな効果は期待できない。だからまずは、そんな人材の発掘、育成から始めるべきだろう。

 

英語は下手でも互いに解り合うことはできる。下手だと思って引っ込み思案になり、小声で話すから解ってもらえないし、誤解される。声を上げて話せば必ず異文化の相手方と意思は通じる。グローバル企業を目指して英語を会社の公用語とするのなら、「Speak up をモットーとすることを推奨したい。

  
Posted by kiwahori at 16:16Comments(1)TrackBack(0)ビジネス

2010年07月04日

参議院選挙と国防政策

参議院選挙戦の真っただ中、街中は候補者の街頭演説や宣伝カーの往来で慌しい。党首の政見放送や候補者の街頭演説を聴いてみると、国民の生活に係わる政策が中心で、外交・国防問題などはつけたし程度。選挙戦だから、国民の目線で関心の高い問題に力点を置く意図は理解できるが、「世界の中の日本」を語る候補者や党の首脳陣がいないのには、なにやら寂しい気持ちになってしまう。

 

先だって中国は、南シナ海を領土保全のための「核心的利益」海域に指定し、これを米国高官に公式に表明した。これに先立ち中国は、九州、沖縄、台湾、フィリピン、カリマンタン島に至るラインを第一列島線と称して、同海域内の制海権の確保を狙う動きを見せている。更には、小笠原諸島、北マリアナ諸島、パプアニューギニアを結ぶラインを第二列島線として、その海域内にも支配の手を伸ばそうと目論む。また東シナ海域においては、海洋資源問題が日本と中国との係争事案に発展しかねない火種となってくすぶっている。北朝鮮の無頼ぶりも我が国にとって大きな脅威だ。

 

参院選に勝利することが各党の先ずは第一の目的だから、国民に訴えるのは暮らしに係わることが主体で、国防の問題は二の次。上述のように日本列島を取り巻く情勢は予断を許さないというのに、与野党のマニフェストの外交・防衛政策は場当たり的なものがほとんどで、長期的な戦略は示されていない。その中で唯一「たちあがれ日本」が掲げている下記の防衛政策が注目に値する。防衛問題だけをとってみれば、「たちあがれ日本」に投票したくなるのだが、各党のマニフェストの全容や党の総合力を基準に判断しようとすると、一票を投じる政党を決めるのはなかなか難しい。

 

「たちあがれ日本」の安全保障政策

  • 日米関係を早期に正常化することが緊急課題
  • 普天間基地の解決を図る
  • 北東アジア情勢の緊迫化に対応して、国際法に基づく自衛隊法改正を実施
  • ミサイル防衛、海洋権益保全、島嶼防衛を目的とした防衛体制の改編など日米を基軸とした安全保障政策を進める

海洋資源の権益の確保に向けて着々とその作戦計画を実践していく中国。そのような中国の中核的利益戦略に中途半端な政策で対抗していたのでは、我が国の国益が損なわれてしまうことは明らかだ。我が国の海洋権益の擁護や、北朝鮮の脅威への対応を含めた列島防衛の長期的な戦略の早期構築が欠かせない。国政を委ねられている政党には、国防問題に真正面から取り組んで欲しいと思う。

  
Posted by kiwahori at 14:14Comments(1)TrackBack(0)政治

2010年06月25日

VUVUZELA

サッカーワールドカップ、岡田ジャパンやりましたね。デンマークを 3-1 で破って決勝進出、

おめでとう!!

 

それにしても、あのノイズ、耳ざわりで何やら異様。でもブブゼラは、日本のJ1、J2の試合でもサポーターが使うようになり、大はやりになるかも・・・?

 

 Drew Litton 氏の

  風刺画を紹介

Drew Litton

”おじいさん、孫達にブブゼラを買ってあげたら

だめだよと言ったでしょ、まったく、あんたときたら、

わたしの言うことを聞かないんだから”

(クリックして拡大)

 

 

Jeff Stahler氏の

  風刺画を紹介

Jeff Stahler

 

 

 

 

 

 

 

  
Posted by kiwahori at 07:38Comments(0)TrackBack(0)スポーツ

2010年06月16日

ちょっと、ちぐはぐだよ

ミニブログ Twitter を利用して政治活動をする議員をTwitter議員と呼んでいるらしい。インターネットを活用した選挙運動は、先進主要国では規制はなく原則的に自由だ。2008年のアメリカの大統領選挙では、オバマ候補もインターネットを存分に活用して選挙運動を展開している。ところが、おかしなことに日本の公職選挙法はネットを使った選挙運動を禁止している。その理由は、ネットが公職選挙法で認められている文書図画として挙げられていないことと、公正を期すためだという。「公正を期す」というのはどういうことなのか、ちょっと解りにくいが、ネットを使わない有権者を不利に扱うことになるとか、ネットでは誹謗中傷が広まりやすくなり、選挙結果に悪影響を及ぼす恐れがある、などが不公正だといっているようだ。 しかし考えてみると、ネットを通した選挙運動を禁ずることは、表現の自由や政治活動の自由を保障している憲法に反することになるんじゃないの? このことについて、この国の総務省はどう言い訳をするんだろうか。やってること、ちょっと、ちぐはぐだね〜。

 

日本は人命を尊ぶいい国だ。だけれども、本当に人命尊重の国なのかと、頭を傾げたくなることもある。新薬や新しい医療機器の認可がそれだ。他国で開発され発売されている新薬や医療機器に、日本での販売の認可が下りるまでには長い年月がかかる。このことをドラッグ・ラグとかデバイス・ラグなどと称しているらしい。人の命を尊ぶあまりに、安全を期して臨床試験に長い年月をかけているのだろうから、その倫理観は立派だよ。だが反面、その倫理観が、最先端の治療を待ち望んでいる患者さんからその機会を奪い取り、死にいたらしめていることもあるのだと思うと、日本の厚生労働省のやってること、まったく、ちぐはぐだね〜といいたくなる。

 

都会のメインストリートからちょっと裏道に入ってごらん、歩道のない道路がたくさんあるから。そんな狭い道を自動車が我がもの顔に走っている。路上に駐車している自動車をよけて歩くときなんぞは、行き交う車で危険がいっぱい。にもかかわらず対策は何も施されていない。人命尊重を云々するけれど、これは人命軽視型社会じゃないの? 何年か前、福岡市で乗用車が追突されて橋から転落、幼い子供さんが溺死する痛ましい事故があった。追突された乗用車が衝突したくらいで壊れ落ちる欄干、十分な強度があったなら、惨事は回避されたかもしれない。これなんぞも、人命尊重の国の人命軽視の建築基準法と疑いたくなる。国土交通省のやってることや、地方自治体のやってることは、やっぱり、ちぐはぐだょ。

 

この国の憲法9条に関わることについても、ちぐはぐ解釈がまかり通っている。このことはブログで何度も投稿しているので、ここで重ねて物申すのはやめておこう。

  
Posted by kiwahori at 14:22Comments(3)TrackBack(0)独り言

2010年06月04日

夢を語ろう、そして挑戦しよう!!・・・今年の講義

今年も講義の一こまをお引き受けすることにした。講義は工業経営講座の一環で、K 大の応用化学部門の3回生が対象。毎年180名ほどの学生が聴講してくれる。わたしは文系出身なので、先端技術の研究については I 教授がお話になり、わたしの受け持ちは研究成果の事業化の部分。今年は少し趣を変えてみようと思う。講義の後半で、「夢を語ろう、そして挑戦しよう!!」と題して、アメリカのシリコンバレーの企業と共同で実用化研究を進める話をすることにしている。I 研究室発の技術をシリコンバレーを舞台にして事業化しようというプランだ。

 

昔、サンフランシスコのベイエリアで、新製品のデモンストレーションをやりながら Dealer Development に精を出していた若かりし頃のことを思い起こしながら、講義の準備を進めている。シリコンバレー地域だけでなく、車でサンフランシスコ・ベイのサンマテオ・ブリッジを渡り、対岸のヘイワードやユニオンシティー、ニューアークの販売代理店候補にも繁く足を運んだものだ。

 

シリコンバレー

 

 

サンフランシスコのベイエリア

赤線で囲んだ地域がシリコンバレー

 

 

 

シリコンバレーには、志を持つ優秀な技術者が世界から集まってくる。意固地で、めげず、

それでいて楽天的な熱中人。毎年1,000社ほどのベンチャーが立ち上がるけれど、その殆んどは消えてしまう。それでも夢とロマンを追いかける。クリエイティブ思考、ポジティブ思考、即応性、協調性が豊かでハングリー精神旺盛な起業家がわんさといるシリコンバレー。そんなボーダレスな起業のメッカで、夢を語り、挑戦するアントレプレナーが本学の応用化学部門からも育って欲しいと思う。

  
Posted by kiwahori at 12:18Comments(1)TrackBack(0)大学研究室

2010年05月28日

政治家と政治屋

1800年代のアメリカの牧師で作家、James Freeman Clarke の名言:

 

A politician thinks of the next election; a statesman of the next generation. A politician looks for the success of his party; a statesman for that of the country. The statesman wished to steer, while the politician was satisfied to drift

 

意訳すると、「政治屋は選挙のことを考え、政治家は次の世代のことを考える。政治屋は党利を求め党略をめぐらし、政治家は国益を追求する。政治家は懸命に国の舵取りをしようとしてきたが、政治屋は平気でぶれていた」

 

どこかの国の政治屋にそっくりだね。与党の幹事長なんぞは選挙のことしか考えてねぇーし、政務も党務も両方ダメな御仁が総理ときているから、もう何をかいわんや、

この国もお先暗いっすねぇ〜。

  
Posted by kiwahori at 12:54Comments(0)TrackBack(0)雑記

2010年05月21日

日本流と米国流

日本流と米国流の違い、言われてみるとなるほどと頷けるところもある。これは、ある社団法人が纏めた先端産業の日米連携強化の報告書のなかで触れられていたものだ。

 

日本では、「賢い日本人」で戦い国際競争力を高めようとする。女性を十分に活かしきれていないから、ポテンシャル人口は減り6千万人ほどか?一方アメリカでは、「賢い人間」を世界中から集めてくる。だからポテンシャルは60億人で、日本の百倍。日本は平均レベルが高いが、アメリカはトップのレベルがもっと高い。日本人はタコツボを深く深く掘り、この道一筋というタイプが多いが、アメリカ人はタコツボ同士をうまく組み合わせる。アメリカには、何が起きてもタイプの異なる人材が次々に現れるという強かさがある。この点今の日本は淋しい。日本人は今ある製品に磨きをかけ進化させるのが得意だが、アメリカ人は世の中に無い製品やサービスを創りだすのが上手・・・新しいものへの挑戦は苦手で、大事をとって他人と同じ道を行く日本人、一方、他人と違う道を好むアメリカ人、とも言えるのかな?日本人は拠点死守型・・・太平洋戦争でのアッツ島やサイパン島などの玉砕で説明がつく? アメリカ人は領地開拓型・・・メイフラワー号と西部開拓で頷ける。

 

上記には、わたしのコメントも多少付け加えてはいるが、こんな風な較べ方をされると、米欧人には到底かなわない民族という烙印を押されているみたいで、日本人としてはまっこといい気はしない。「お手々繋いで皆でゴールイン」などと、そもそも日教組の教育方針がよくない。こんな具合だから、個性が死んでしまう。「友愛」だけでは競争には勝てない。文部科学省はアメリカの教育をしっかり勉強して参考にしなきゃいけないよ。日本経済が欧米に脅威を与えていた頃のこと、アメリカは日本の教育にいいところがあれば取り入れようと盛んに研究をしていたようだが、今はもう日本の教育制度など見向きもしない。

  
Posted by kiwahori at 09:19Comments(1)TrackBack(0)雑記

2010年05月15日

トヨタ車リコール問題、民事訴訟へ進展

米国でのトヨタ車のリコール問題は、議会や当局の喚問のあと、舞台はいよいよ民事訴訟の法廷へと進展した、と今朝の日経新聞に報道されている。それによると、訴訟はカリフォルニア州で始まったのだが、今後の焦点は原告がどのような広がりを見せるかということと、集団訴訟と認定されるかどうかになりそうだという。訴訟の争点の一つは、一連のリコール問題で保有するトヨタ社の価値が落ちたとする経済的な補償。一台当たりの補償額は数百ドルと小さくても、集団訴訟となれば、カリフォルニア州だけでも数百万人が原告として名乗りを上げてくる恐れもある。訴訟は全米に広がることは目に見えており、更には欧州はじめ中国などのアジア諸国から世界に拡大することが危惧される。一定期間内にトヨタ社を購入した人の大半が原告になると思われ、仮に全世界で2千万台、つまり 2千万人が原告になるとすれば、一人当たり 400ドルとしても、80億ドル(およそ7,400 億円)という莫大な金額となる。

 

下請け泣かせとの批判もあるが、日本の誇りともいえる超一流会社のトヨタがこれだけ叩かれるのを見るのは忍びないし、原告に対して怒りすら覚えてくる。それにしても、好訴妄想の国と揶揄されるアメリカ、この国でのビジネスは本当に怖い。頑張れトヨタと声援を送りたい。

  
Posted by kiwahori at 09:28Comments(0)TrackBack(0)ビジネス

2010年05月08日

株安・円高

ウォール街で騒ぎがあると、いつも株安・円高になる。“なんでやねん”、といいたくなるねぇ。米証券取引委員会(SECがゴールドマン・サックスを詐欺の罪状で提訴したときもそうだった。ゴールドマン・サックスが売り出したサブ・プライム関連の証券化商品は、実はポールソン・マネジメントというヘッジファンドがゴールドマンに頼み込んで作らせたもので、その商品が値下がりすればポールソンが儲かる仕組みだったという。不動産バブルが終わりに近づいていた頃、ウォール街のヘッジファンドの連中はバブルの崩壊が利益をもたらすようなデリバティブ商品の開発を手がけていたというし、ポールソン・マネジメントもその一社だった。こんな具合だからウォール街の金融ビジネスはまっこと恐ろしい。ところが今朝の新聞では、SEC とゴールドマンは手を打って和解するらしい。ゴールドマンが支払う和解金はおよそ50億ドルというから半端な金じゃないし、ゴールドマンもそれなりの痛手を被ることになるのだろうが、見せしめにSECにはゴールドマンをとことん叩いてほしかったのにねぇ。ここで風刺画を紹介。

 

Goldman Sachs Robert Ariail

 

Goldman Sachs

やはりサイコロをごまかしている

(Robert Ariail氏の風刺画を引用)

 

 

Investment Banker Jeff Stahler

 

やり手の投資銀行家をスカウト

普通の人間じゃ勤まらないからねぇ

面接する人事部長

(Jeff Stahler氏の風刺画)

 

 

ウォール街 Ben Sargent

 

ウォール街の投資銀行

暴走は止められない

(Ben Sargent氏の風刺画)

 

 

 

ギリシャの財政危機も株安・円高を招いていて、迷惑なことこの上なしだ。リーマンショックのあと、欧州の銀行が貸し出しを渋りだしたものだから、投資家はギリシャの国債の売りに走ってしまった。ここでもまたまたヘッジファンドがギリシャ国債の債務不履行に賭けて儲ける仕組みを作っているという。ヘッジファンドという怪物退治もままならないようで、この先も彼らにかき回されてしまいそうだし、困ったものだ。ここでまた風刺画の紹介。

 

Greece  Tony Auth

 

ギリシャの危機

こっぴどくやられているが何とか救おう

(Tony Auth氏の風刺画)

 

 

ギリシャの財政危機が欧州連合を揺さぶり、世界的な株安、ユーロ安を引き起こす。そうすると投資家は、株安・ユーロ安のリスクを回避して円買いに走る。“そんなに強くもない円をなんで買うんや、他にリスクヘッジの方法はないんかいな” と言いたくもなるし、投資家のそんな動きが苛立たしい。欧米の金融市場でなにか騒ぎが起きると、決まってこのパターンとなるから処置なしだ。大した金額ではないけれども、外貨と株を多少なりとも持っているわが身としては、グローバル経済の仕組みは有難迷惑というものだ。世界の市場が敏感に相互作用しすぎる・・・などと詮ない愚痴の一つもこぼしたくなる。

  
Posted by kiwahori at 17:39Comments(0)TrackBack(0)独り言

2010年05月04日

憲法記念日

ゴールデンウイーク真っただ中の5月3日は憲法記念日。その定義は「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する日」ということらしい。ところで最近は、憲法改正の議論をとんと聞かなくなった。政界は今や憲法云々どころじゃなさそうだ。このところの政界のキーワードは、普天間問題、政治家と金、首相退陣論、民主党幹事長の進退問題、夏の参議院選挙、子供手当、事業仕分などであり、国造りの議論なぞそっちのけだから、今はなんとも国政のレベルが低い。これからの国造りと日本国憲法九条は切り離せない関係にあるというのに、憲法改正論者の現首相や与党幹事長、与党議員、はたまた野党の政治家達も党利党略の目先のことに奔走していて、大所高所からお国の将来を論ずる余裕がない。玉石混交ならまだしも、石ばかりの政治家だらけとすれば、この国の先行きが怖くなる。

 

憲法九条の戦力不保持なんて夢のまた夢、現に自衛隊という軍隊を保持しているのに、これをどう説明する? 解釈改憲では最早取り繕えないことは分かっていて、ごまかし続ける。世界には同類の国もあるようだ。非武装中立を憲法に謳うコスタリカ、実はこの国も国家警備隊という名称で軍隊を持っている。表向き非武装同盟策をとるアイスランドだって120人の兵隊さんがいる。120人の軍隊なんて無きに等しいというかも知れないが、さにあらず、こんな小さな軍隊といえども国家の主権たる独立をいかなる国にも侵させないという強い意思表示をしているということだ。いざとなれば牙をむく怖い国が多い中で、非武装中立なぞと人のいいことをいってちゃ、それこそ鴨にされてしまう。  
Posted by kiwahori at 10:20Comments(0)TrackBack(0)憲法

2010年04月30日

二つのアメリカ

金融危機を乗り越えてアメリカの IT 産業が急回復している。かたや、政府の支援を受けても思わしくないアメリカの自動車産業。世界をリードして変化を続ける IT 産業のメッカはシリコンバレー、昔ながらの価値観が色濃く残るアメリカの自動車産業の発祥の地はデトロイト。躍進する IT のメッカと色あせる自動車の街、まことに対照的な二つのアメリカの顔である。思うに、日本の自動車産業の将来像を見せつけられている気がしてならない。

 

スマートグリッド(人工知能で制御する電力網)やスマートフォン(情報端末を融合させた携帯電話)、クラウド・コンピューティング(インターネットという雲全体を活用するコンピューティング・サービス)などのイノベーションはアメリカのIT 企業が手掛けてきたもの。ひるがえって

日本はどうかといえば、次を担う新しい先端事業は見えてこない。昔ながらの産業のアメリカは衰退しても、世界をリードする先端 IT産業というもう一つのアメリカが台頭してくる。この国の底力を思い知らされる。

 

話は変わってアメリカの政治の世界、そこにも顔が二つある。リベラルの民主党と保守の共和党が二つのアメリカだ。日本はアメリカの民主党政権には泣かされてきた。クリントン政権時代もしかりで、日本は叩かれっぱなしだった。日本経済を崩壊させ、日本政府が保有しているアメリカ国債を只同然で買い戻し、アメリカの財政赤字の改善をクリントン政権は企んでいた、などとまことしやかに語る人もいる。事実、当時のクリントン大統領は日本のことを敵国だと公言してはばからなかったとか。クリントンのあと、ネオコンのブッシュ大統領の共和党政権になって、日米蜜月時代がやって来る。

 

更に遡って太平洋戦争前のこと、日本がとうてい受け入れることができそうもない厳しい条件を意図的に盛り込んだハルノートを突きつけ、対日戦争を主導したのはルーズベルト大統領の民主党だった。対日戦争に反対し、終戦後も日本の分割占領に異議を唱えたのは共和党だ。民主党のトルーマン大統領は北海道と九州をソ連と中国にそれぞれ領有させることを認めていたとも言われている。

 

二つのアメリカの政党のいずれが付き合い難いかといえば、やはり民主党の方だろう。オバマ政権も民主党クリントン政権と同様に日本よりも中国を重視する。日本の民主党政権もアメリカの二つの顔の一つである民主党オバマ政権のアメリカとは重々心して当たるが肝要。

  
Posted by kiwahori at 13:13Comments(0)TrackBack(0)政治・経済

2010年04月21日

Can you follow through ?

Can you follow through ?・・・・「鳩山総理、あなた、そんないい加減なことで、やり遂げられるのですか?」、これは、核安全保障サミットの夕食会でオバマ大統領が普天間基地移設のことで鳩山首相に問いただした厳しい言葉だ。 少し補足した意訳になっているが、オバマ大統領はこんな気持ちで言ったに違いない。あの穏かなオバマ大統領がこれだけきつい言い方をするのだから、二人の間には、最早、信頼関係などありゃーしないということだ。トップ間のみならず、日米二国間の信頼関係に亀裂を生じさせてしまった。鳩山さんよ、あんたの責任は重いですぞ。Trust me などとアメリカの意に沿うようなことを言いながら、国外移設に傾いたり、掴み所がなくふらふらするから、信用を無くす。駄目でもいいからグアムへの全面移設を押し通すという捨て身の作戦で臨んだ方がよかった。結果的にそれが実現しなくても、国民の納得が得られるような落しどころの見通しがつく可能性もあった。この人には、そんな勇気も決断力もない。はなっから分っていたことだが、もうこの人物にこの国の舵取りは任せられない。

 

Al Kamen という人物が、先日開催された核安全保障サミットについてのコラムをワシントン・ポストに載せ、鳩山総理をこき下ろしている。一国の総理がこれほどまでに侮辱されている記事は前代未聞だろう。リーダーの器ではないとはいえ、一国の総理がこれだけこけにされると、国民としても気分が悪い。このコラムニストとコラムを載せたワシントン・ポストは無礼千万だ。ちなみに、Al Kamen という男、ニューヨークはブルックリン生まれのロシア系ユダヤ人。「Kamen とはロシアン・ジューイッシュの言葉で 「石っころ」を意味するらしい。

 

以下は同コラムの抜粋で、下線部分を意訳したものである:

 

By far the biggest loser of the extravaganza was the hapless and (in the opinion of some Obama administration officials) increasingly loopy Japanese Prime Minister Yukio Hatoyama. He reportedly requested but got no bilat. The only consolation prize was that he got an "unofficial" meeting during Monday night's working dinner. Maybe somewhere between the main course and dessert?

 

不運で、いよいよ愚かさをさらけ出してきている日本の鳩山由紀夫首相、オバマ大統領に二国間の会談を何度も申し込んできたけれども相手にもされず、お情けでようやく夕食会での非公式な会談が受け入れられた。

 

A rich man's son, Hatoyama has impressed Obama administration officials with his unreliability on a major issue dividing Japan and the United States: the future of a Marine Corps air station in Okinawa. Hatoyama promised Obama twice that he'd solve the issue. According to a long-standing agreement with Japan, the Futenma air base is supposed to be moved to an isolated part of Okinawa. (It now sits in the middle of a city of more than 80,000.)

 

鳩山首相は、オバマ大統領に2度に亘り普天間基地移設問題の解決を約束したけれども、日米間のこのような重要問題の解決については、鳩山首相は信頼できないとの印象をオバマ政権の幹部は抱いている。

 

But Hatoyama's party, the Democratic Party of Japan, said it wanted to reexamine the agreement and to propose a different plan. It is supposed to do that by May. So far, nothing has come in over the transom. Uh, Yukio, you're supposed to be an ally, remember? Saved you countless billions with that expensive U.S. nuclear umbrella? Still buy Toyotas and such?

 

普天間基地移設の新しいプランは何も進展が見えてこない。由紀夫よ、あんたは同盟国の首相ではないのか?核の傘で日本は計り知れない節約ができたはずだよ。その上、トヨタまで買ってくれと言うのかい?

 

Meanwhile, who did give Hatoyama some love at the nuclear summit? Hu did. Yes, China's president met privately with the Japanese prime minister on Monday.

 

サミットで鳩山首相を相手にしたのは誰だと思う? 胡錦濤主席だよ・・・。

  
Posted by kiwahori at 13:03Comments(2)TrackBack(0)国際政治

2010年04月15日

The Masters

ディープサウスの4月初旬はもう初夏で、日差しがさわやかだ。ジョージア州はディープサウス5州の一つ。その州都アトランタ市からハイウエー20で東へ車で2時間ほど走ったところに

オーガスタ市がある。マスターズが催される4月初旬のオーガスタ・ナショナル・ゴルフコースには、ドッグウッドとアゼリアが咲き乱れてとても美しい。特に13番ホールのグリーンは、緑と純白のバンカー、そして満開の赤と白の花々が絶妙なコントラストをなし、観客の目を楽しませてくれる。マスターズが開かれる4日間、初夏の日差しが降り注ぐオーガスタ・ナショナルのコースはTシャツとショートパンツ姿のギャラリーで埋め尽くされる。

 

Augustaへの地図

 

アトランタから

オーガスタへ

(クリックして地図を拡大)

 

 

マスターズを観戦するときは、13番ホールのグリーン近くをいつもお決まりの場所としていた。グリーンを目掛けて飛んでくるボールを目で追いかけ、アンジュレーションがきつく早いグリーン上でのパティングをじっと息を殺して見つめ、そしてプレイヤーの技量に盛大な拍手を送る。大半の時間はこの場所で過ごした。13番グリーンをまだホールアウトしていないプレイヤーが10組ほどになった頃を見はからって、次は15番ホールのフェアウエイへ移動し、ツーオンを狙うセカンドショットを暫らく観たあと、16番ショートホールへ向う。そこで数組のティーショットとパティングを観戦、それから18番のティーグラウンド近辺に移動して、豪快なティーショットを最後のペアーまで堪能する。これがわたしのマスターズ観戦のパターンであった。

ティケットはオーガスタ・ナショナルのPatron でなければ買えないので、毎年、取引先や友人のご好意にあまえて無償でティケットをお借りして観に行った。聞くところによると、最近はダフ屋からティケットを手に入れようとすると法外に高く、一日観戦で1,000ドルほども払わねばならないらしい。

 

  Augusta National Golf Course 13th Green

13th Hole

Augusta 13th Hole Azalea 

 

 

 

 

 

今年はフィル・ミケルソンが三度目の優勝を果たした。日本選手はふるわず、片山晋呉、石川遼の両選手は予選落ちし、世界の一流プレイヤーとの力の差をまざまざと見せ付けられた。それでも池田勇太選手は決勝ラウンドに進出、29位と健闘した。

 

わたしにとってマスターズで記憶に残る名場面といえば、それはなんといっても 『1975 Nicklaus’ famed 40Ft puttだ。つまり、1975年のマスターズで、ジャック・二クラスが演じた16番ショートホールのバーディーパットのシーン。40フィートほどもある長いバーディーパットを二クラスが沈め、パターをかざしてグリーンを駆け回る。片や、二クラスと同スコアーで競り合ってきたトム・ワイスコフとジョニー・ミラーは、18番グリーンで『Makeable Birdie』をともにミスして、プレイ・オフに持ち込むチャンスを逸してしまう。後で二コラスは、『One-shot victory over Tom Weiskopf and Johnny Miller is more memorable』、と回想している。

ちなみに、この年のマスターズでの日本選手の成績は、尾崎将司は42位、青木功は予選落ちした。

 

     Augusta National Golf Course 16th Hole

16th Hole

16rth Hole

 

 

 

 

 

 

 The Masters 1975、16番グリーン上の二コラス

   右下の写真は40FTのバーディーパットを

    沈めてパターをかざして駆ける二コラス 

Nicklaus on the 16th Green 1975

1975 Nicklaus’ famed 40Ft putt

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

The Masters 2010 Highlights

CBS Sports.com Masters Live Video Player より引用)

 

http://www.cbssports.com/video/player/masters-live

 

■ 画面下部のHighlights より画像を選択できます。

   コマーシャル AD のあと Highlights動画が映写されます。

■ 画像にマウスポイントをあて、下部に出てくる「FULLSCREEN」を

   クリックすると、画面が拡大します(元に戻すには「ESC」キーを押す)。

  
Posted by kiwahori at 12:39Comments(1)TrackBack(0)スポーツ

2010年04月08日

広場協議

1985年の米欧と日本のプラザ合意のことを中国では広場協議と言うらしい。米欧に日本が “はめられた” プラザ合意。人民元切り上げを迫られている中国は、プラザ合意を契機にした日本経済の凋落振りを目の当りにしているから、米欧がどのような仕掛けをして中国に圧力をかけてくるか、神経をとがらせている。

 

表向きは米国の双子の赤字を是正するために、主要先進国が通貨政策を介して犠牲になるというのがプラザ合意のはずだったのだが、結果的にはお人よしの日本が標的にされてしまった。日本は対米貿易で大幅黒字国だから、円高誘導でドル高を是正し、米国の貿易赤字を解消するという筋書きを丸のみにした日本は、爾後、多大な犠牲を払うことになる。

 

プラザ合意は日本に内需拡大をも約束させた。このため日銀が推し進めた超低金利政策は通貨の供給量を異常なまでに膨らませ、バブル経済を引き起こす。急激な円高は産業空洞化をもたらし、バブル経済崩壊後の失われた10年は日本経済の活力を消失させてしまう。

日本と違ってしっかり者のドイツは、米国の金利引下げ圧力を撥ねつけたので、愛想よく米国の要求を受け入れた日本のようなバブル経済とその破綻を経験せずにすんだ。日本は経済では大国だが、国際政治では独り立ちができず、外交音痴。このことが日本を誤らせてしまったと言えそうだ。

 

振り返ってみれば、今の中国は25年前の日本の立場にある。一人勝ちの中国は米欧に大きな懸念を抱かせている。ところが、中国は日本ほど軟弱ではないから、御し難く手に余ると米欧は思っている。特に米国は、膨大な対中貿易赤字をなんとかせねばならず、人民元の対米ドル固定相場政策を継続する中国に対して、元切り上げを促しているけれども、一向に埒が明かない。米欧の言いなりになって、日本経済が辿った衰退のストーリーを中国は繰り返してはならないと、「中国版広場協議」を拒絶する強い姿勢を中国は崩さない。プラザ合意では日本は米欧の罠に軽々しくはまってしまったが、外圧には決して屈しない強かな中国はそうは問屋が卸さない。このことを承知している米欧がどんな手を打って出るか、新しい通貨秩序に向けた中国と米欧の攻防がいよいよ始まる。

 

台頭する人民元の改革と新通貨秩序の成行き次第では日本の経済にも大きく影響を及ぼすだろうに、日本はこれを傍観していてよいのだろうか。プラザ合意の当事者としての苦い経験に基づき、新通貨秩序に対する国の指針を明らかにして、調整の場に積極的に参画すべきではないか。

  
Posted by kiwahori at 12:43Comments(0)TrackBack(0)経済

2010年03月29日

Don't be evil

Google Investor Relations(投資家情報)には社是として Don't be evil が謳われている。「悪事をはたらくことなかれ」ということだが、裏を返せば、悪事をはたらかなくても金儲けはできる、と諭しているのである。至極当たり前の行動規範だが、はたして Google はこの社是を貫いてきたかと問えば、そうとは言い切れないところもある。図書電子化を巡る著作権の取り扱いの問題で、Google は批判にさらされ、「悪いことはしない」という社是が笑いものにされた経緯があるからだ。創業者の強い思いが込められた社是が嘲笑の的となり、Google は評判を落としてしまったのである。

 

中国政府のネット検閲やサイバー攻撃を批判して、Google は中国市場からの撤退を表明した。同社が今ここで中国の人権問題を批判して撤退を宣言することは、図書電子化の著作権問題で失った道義的信用を挽回するに打って付けのチャンスだと創業者であるプリン氏は考えたのかも知れない。Googleの売上高に占める中国市場のシェアは現時点ではほんの数パーセントに過ぎないから、容易に撤退の決断をなし得たのだろう。一方、CEO のシュミット氏はメディアのインタビューで、「China would become a dominant market for online businesses in five years, and the Internet will be more non-English. It will be Chinese.」、とコメントしていて、中国政府と妥協して中国市場に残るべきだと主張していたらしいが、創業者の Don't be evil という社是への強い思い入れを覆すことはできなかった。

 

中国市場からの撤退を宣言した Google は「よくやった」と絶賛され、道義的評価を取り戻すことはできた。しかし、シュミット氏の判断は正しく、Google は中国という巨大市場を永遠に失う結果となるのではないだろうか。そのことが将来の Google の世界戦略に大きく影響し、取り返しのつかない負の遺産になる恐れもある。大きな決断にはそれだけのリスクを覚悟せねばならないし、プリン氏もそれは承知ずみのことであったに違いない。ロシア生まれで共産主義独裁体制に嫌悪感を持つ創業者らしい決断ではある。

  
Posted by kiwahori at 17:21Comments(0)TrackBack(0)雑記

2010年03月14日

強かなゴールドマン・サックス

財政赤字に苦しむギリシャ政府にクロス・カレンシー・スワップの話を持ちかけて、資金を貸し付け、有利な金利で莫大な資金調達をさせるというビジネスをやってのけたゴールドマン・サックス。ギリシャ政府がゴールドマン・サックスから借り入れた債務を隠して危機的な財政難を取り繕い、欧州連合統計局をごまかしたことにもゴールマン・サックスが手を貸したと報道されていたが、どうやらこれはギリシャ政府の当局が単独でやったことらしい。それにしても、

財政危機に見舞われている一国の政府に狙いを定め顧客として取り込み、金融技術を駆使したビジネスをやってのける同社は、まさしく世界の金融ビジネスを牛耳る怪物だ。

 

次はどの国が狙われるのか。目下、厳しい財政難に陥っている国名の頭文字をとって、英語の「豚」を意味する「PIGS」をもじって侮蔑的に「PIIGS」と称されている諸国。PortugalItalyIrelandGreeceSpain がそれらの国々だが、ギリシャは攻略済みだから、次に狙われるのは、ポルトガル、イタリア、アイルランド、スペインあたりだろうか。

 

欧州連合の小国の財政難がユーロ安を誘発し、落ち目の米ドルはやり過ごして消去法的に円が買われ、円高を引き起こす。ひと頃の強い円をもたらした日本経済は最早どこかに消えてしまっているのに、円高で日本の製造業の収益はなかなか回復しない、困ったものだ。我が国の借金は世界ワーストナンバーワン。税収減でどんどん国の借金は膨らんでいる。

借金の金利だけでも年間25兆円払っているらしい。もうそろそろ、国民のお金で国債を賄う余力はなくなってきている。先行き国債は下落するだろうし、この国の財政の破綻は目の前に迫っている。ゴールドマン・サックスは、この大きな獲物を見逃しやしない。虎視眈々と狙っていることだろう。

  
Posted by kiwahori at 11:53Comments(0)TrackBack(0)独り言

2010年03月01日

諷刺漫画(自分流解説)・・・一番になると叩かれる

Toyota-Tom Toles

 

Tom Toles 氏の風刺漫画から引用

(クリックすると画像が拡大)

『フローアマットが原因だとか、ペダルの不具合かも知れない、電子制御は悪くない、多分ドライバーの感覚の問題だ、などと無責任なことを言いおって、誠実さが欠如しているよ。』

 

Toyota-Rob Rogers

 

Rob Rogers 氏の風刺漫画から引用

『利益に貪欲で、あまりにも速く会社が大きくなり過ぎ、安全性確保に抜かりがあった。このような企業体質となったことの責任は私にあり、お詫びいたします。』

 

 

Toyota-Henry Payne

 

 

Henry Payne 氏の風刺漫画から引用

『さあー飛び込め、そして係争の餌食となるがいい。』

 

 

 

Toyota-Robert Ariail

 

 

Robert Ariail 氏の風刺漫画から引用

『ちょっと、やり過ぎましたかな?』

 

 

信じ難いことだが、あのトヨタがリコール問題で後手に回り窮地に陥っている。先の米議会下院の公聴会で、豊田社長は「人や組織が成長するスピードを超えた成長を追い求めてきた。そして、お客様の目線で品質問題を考えるという視点が足りなかった」ことを認めた。

 

トヨタを筆頭に日欧の自動車企業との競争に敗れたビッグスリーの経営が破綻し、目下、米政府の支援のもとに再生中というその時に、トヨタのリコール問題を米議会の公聴会がとりあげ、トヨタを非難・攻撃のターゲットにして責め立てている。偏った見方かも知れないが、これはどうも単に安全性の問題だけでなく、再建中のビッグスリーにもプラスになる保護主義的な臭いがするバッシングと受けとめられなくもない。そして、秋には米国の中間選挙が控えている。これを見据えた議員たちのパフォーマンスとも思える。

 

Japan as number one と騒がれたあの時代もそうだったが、日本が一番になると、米欧ではこっぴどく叩かれた。このようなジャパンバッシングを経験して今日のトヨタがある。早期に信頼を回復して Toyota as number one として世界の自動車産業に君臨し続けて欲しい。

  
Posted by kiwahori at 15:38Comments(0)TrackBack(0)国際問題

2010年01月30日

風刺漫画・・・自分流解説

オバマさんのソフトパワー外交Henry Payne

 

 

 

Henry Payne 氏の風刺画から

引用(クリックすると画像が拡大)

 

 

神風特攻機の捕虜にさえも、「貴方には黙秘権と弁護士を呼ぶ権利があります」、なーんて優しいことを言い出しそうなオバマさんはソフトパワー外交。でも、甘く見て、アメリカに甘えちゃーいけませんよ、総理。 このアメリカの風刺画は、「オバマ政権をなめたらいかんぞよ」、と総理、あなたの内閣に警告を発しているのです。

 

リコールでつまずき信用失墜の苦境を引きずるトヨタに追い討ちをかけて、アメ車への買い替えを勧誘する特別値引きとローン金利の免除など、大々的なキャンペーンを打って日本車を蹴落とそうとする強かなビッグスリー。日米政府間の交渉ごとだってこれと同じだよ〜。普天間移設問題でアメリカを甘く見ると、痛い目に合いますぞ、総理。

 

ヒラリー・クリントンさんをはじめ米政府の要人や、アーミテージさん、知日派のマイケル・グリーンさんらは、5月までは待ちましょうと様子見をしているが、総理、あなたの決断がこれ以上遅れると、日米同盟に修復不能な亀裂が生じてしまう恐れがある。あんたが退陣したぐらいじゃすまされんぞよ、総理殿・・・。

  
Posted by kiwahori at 12:18Comments(0)TrackBack(0)国際政治