2006年12月17日

アメリカのブルジョア・ボヘミアン

1990年代にはアメリカのIT産業は目覚しい発展を遂げた。この情報化時代の産業を支えたのがブルジョア・ボヘミアン(BOURGEOIS BOHEMIAN 略してBOBO)と呼ばれるニューエリート達である。ここでいうボヘミアンとは、1960年代のアメリカの自由な反体制文化を擁護したアーティストであり文化人のこと。ブルジョアは、所謂YUPPIESの流れを汲む1980年代以降のPROFESSIONALSで、グレイの背広をスマートに着こなした大企業の幹部候補エリート社員や若き実業家である。若きブルジョア達は、日曜日には教会に行き、家族と共に過ごすが、ウイークデイは事業意欲に燃えて猛烈に働く優秀な仕事人間である。ところが、1980年から1990年代にかけて、ブルジョアとボヘミアンがミックスされた新しいエリート層が誕生した。これをBOURGEOIS BOHEMIANと称している。

このニューエリート達は、高度な教育を受け知的レベルは極めて高く、既存の価値観や社会的なステータスにこだわらない。彼らの片足は創造性豊かでアーティスト的なボヘミアンの世界に立ち、一方の足は事業を起こし大成功を収めるブルジョアの領域に踏み入れている。彼らはアメリカのいたるところで活動しているのだが、多くはカリフォルニアのMILL VALLEY、PALO ALTO、そしてSILICON VALLEYに集中している。

ブルジョア・ボヘミアンは、仕事をゲームのように楽しみ、気がついたら億万長者になっていたというように、いかにもボヘミアン的で自由闊達、考え方は合理的で柔軟性がある。服装はカジュアル好みで、最高品質のトレッキングシューズは買うが、ブランド物の高級靴は好まない。車はロールスロイスではなく実用的なチェロキーを選ぶ。日常生活を豊かにする必需品であればデザインよりも実用性に惜しみなくお金を使い、自宅に業務用冷蔵庫とステンレスの大型キッチンを据付けたりする。合理主義に徹しているのである。

ブルジョア・ボヘミアンの代表格には、MICROSOFTのBILL GATES、APPLE COMPUTERのSTEVE JOBS、DELL COMPUTERのMICHAEL DELL、YAHOOのDAVID FILO、新しいところでは、GOOGLEのLARRY PAGE、SERGEY BRIN、そして学生結婚して奥さんのSANDY LERNERと共にCISCO SYSTEMSを立ち上げたLEN BOSACKなどがおり、枚挙に暇がない。シリコンバレーには、これらの先輩ブルジョア・ボヘミアンに続くWEB 2.0のアントレプレナーがわんさといるのだが、後輩達もブルジョア・ボヘミアンの影響を受けているに違いないし、その予備軍ともいえる。ともあれ、アメリカには新しい事業を立ち上げる活力がいまだみなぎっている。アメリカの力は、まだまだ衰えそうにない。



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この記事へのコメント
ボボスは自らの豊かな「創造性」に支えられた「感覚」でかってでは想像もできなかったような富を得ました、しかし過去に存在したいかなるエリート層よりも不安に満ちた存在、いつ競争に敗れて転落するかわからないエリート、資本主義社会の流動化の中で新しいかたちで上昇移動をなしとげた人々、しかし反面下降移動したダンビー(downwardly mobile profesionals)も増加してきたことに問題がある。 (社会学高原基彰氏 )てなこと「不安型ナショナリズムの時代」で云ってますね。
Posted by ike at 2006年12月19日 10:59
ブルジョア・ボヘミアンに該当する人種は、我が国には存在するのでしょうか。
日本で女優や女性歌手が婚約して、相手は青年実業家だと報じられ、どんな実業家かと思っていたら、パチンコ屋の二代目経営者だった、というケースが時々ありますね。ガッカリ!
Posted by capri at 2006年12月19日 13:10
そうですか、「不安型ナショナリズムの時代」にそう書いてありましたか。成功したBOBOsの影には大勢のダンピーがいるんですね。日本のブルジョア・ボヘミアン、しいて挙げれば稲盛和夫や孫正義など?しかし、BOBOs のニューエスタブリッシュメントと言えるかどうか?




Posted by KI at 2006年12月20日 13:34