清原コンサルの「中国労務 ホンマのはなし」

名南経営コンサルティング 清原学 公式ブログ

2014年03月

仕事の極意。それはいろいろとありますが、そのうちのひとつに、「バトンを相手に渡す」ということがあります。

仕事は、その相手が社内の人であれお客様であれ、とにかく関わる人とのキャッチボールです。
相手からバトンを渡される。そのままにしておけば、いつまでたっても自分がバトンを持ったままになる。
そうするとバトンばかり溜まってきて、両手に抱えきれないほど、バトンで埋め尽くされてしまいます。

ですから、できるだけ早く相手にバトンを渡してしまう。つまりどんどん自分の手から放してしまうことが肝心だと思います。
例えそれが不完全であっても、です。完全を求めて淀ませておくより、不完全でも流しておいた方がよい。
常に流れる状態にしておいた方が早く完全な姿にすることができます。
そうすると気持ち的にも時間的にも余裕ができて、精神的にも非常によい。

相手にバトンを渡すと相手も再びバトンを渡してきます。それをまた渡し返す。そういう繰り返しなんだと思います。
私はこのバトンをいつも、「導火線に火のついた爆弾」だと思っています。
自分のところで爆発しないよう、早く手放して相手に渡してしまう。
こういう気持ちでずっとやってきました。

私のメールの「受信ボックス」はいつも空っぽです。
そこにメールが溜まっているということは、相手から渡されたバトンが自分のところで処理できていないということ。
だからどんどん相手に渡して、自分はさっぱりとしてしまいたいのです。
もちろん「丸投げ」、これは論外ですけどね。

2014年3月21日 上海・ホテルオークラにて

私が大学を卒業し、新卒で入社した職場でのことです。
ある日、私がいた部署の会議の席で、
「みんなは毎日、『これだけはやり続ける』というものがあるか?」
問いかける上司。
みんな顔を見合わせたり、気まずそうに下を向いたり。
「社会人たる者、これだけはずっとやり続けるというものを持て。いいか。明日までにみんな考えて来い」

次の日です。また新入社員全員集められて、昨日の宿題の発表です。
「新聞を毎日読みます」
「朝、出社したら部長に挨拶します」
などなど、みんないいこというなあ、と思っていた矢先、
「清原は?」 上司からの指名です。
”来た!どうしよう・・・なんも考えてないよ・・・”

とっさに思い付いた言葉が、
「毎日ネクタイを締めたらゆるめません」
「電車の中で新聞や空き缶が落ちていたら、拾って次の駅でゴミ箱に捨てます」
「電車の中で人と目が合ったら、相手が目をそらすまで睨み続けます」
なんて、くだらないことを言ってしまった私。
すると上司はニヤリと笑って、
「清原、おまえ、それを一生続けられたら、たいした男になるよ」
「・・・へ?」

というわけで、実はこの3つは上司との約束。30年経った今でも続けていることです。
夏場でも必ずネクタイはしたまま。私にとってクールビズは無縁なものとなってしまいました。

でも最後の「睨みつける」。
これもまだ続けているのですが、何度知らない相手から「ガン飛ばしている」と一触即発の危機を向かえたことか。


2014年 社会人30年を向かえて。

中国の労働法上では、一か月の残業時間の上限が36時間と定められています。
36時間を超えて残業をさせている状態は違法なわけです。
それならば36時間までに抑えればいいじゃないか、と思いがちなのですが、
従業員、特にワーカーからみれば残業は多いほど実入りが増えるので、残業は大歓迎なわけです。

一般的に中国の労働環境では、「残業が20時間を切ると従業員は辞めるし、80時間を超えても辞める」
と言われています。
つまり残業が少なくても辞める。多すぎても身体が持たないから辞めるというわけです。

日系企業は比較的コンプライアンスに対して厳格に運用しようという姿勢が強いのですが、
競争相手である中国大陸企業、台湾企業、韓国企業は日系企業ほど法令遵守の意識は強くありません。
日系企業が36時間上限を守ろうとすればするほど従業員は辞めていき、
思う存分残業をさせてくれる大陸、台湾、韓国企業へと人が流れていってしまうのです。
そうすると人材確保の競争力はどんどん削がれていって、たちまち日系企業の経営は厳しくなってしまいます。

このような例はあらゆるところで目にすることができます。
グローバルな舞台で日系企業がどう振る舞えばよいのか、
コンプライアンスと競争力のバランスをどうとるのか、
これは非常に悩ましい問題です。

お客様と打合せをしているときに、口癖のように私がよく口にする言葉があります。
それは、
  「私なら、こうしますね」

テクニックでもなんでもなく、話し込んでいると自然に出て来る言葉ではあるのですが、
これが結構、お客様にとってはガツンと心を打たれる言葉のようでして、
自分と同じ目線で考えてくれているんだと感じてもらえるようです。

コンサルの仕事って、ともすれば上から目線、他人事のような言い回しになってしまいがちですけれど、
お客様が悩んでいることをどこまで自分の問題として捉えられるか、
どこまでお客様の目線で考えられ、感情移入ができるかだと思うんです。
少なくともお客様よりはその分野(私なら中国の人事労務)で経験も知識も持っている。
その上で「自分ならこうする」という言葉によってお客様と一体感を味わう。
これが私たちの仕事としては重要なことではないでしょうか?

お客様は本当に困って相談されているわけですから。

2014年3月20日 上海にて

「清原さん、『カズン』って知ってます?」
ある知人からこのような質問をされました。

カズン?誰、それ?
聞いてみると、男女2人のグループで、その名のとおり従姉弟による日本のポップデュオ。
人気が高まっているのもそうですが、アフガニスタンやアフリカの子供たちへ歌を届ける
チャリティコンサート活動も行っているようです。
いやはや、勉強不足でした。

「この『カズン』を上海に呼びたいんですよね」

以前、さだまさしさんの弟さんである佐田繁理さんの事務所から、
チキンガーリックステーキという6人のアカペラグループや、南里沙さんというクロマチックハーモニカの奏者を
さださんからの依頼で上海に招聘したことがありました。
上海音楽庁を借り切って、600人くらいの観客を集めましたね。
「さださん、コンサートの終わりに、うちの娘に花束を渡させたいんだけど、いいかな?」
「ああ、いいよいいよ」
と、少しだけ役得を味わせてもらったこともありました。
佐田繁理さんとは今でもときどき東京で飲んだりしてます。
「まさしさん、連れて来てくださいよ」と言っても、
「あいつは忙しいからどうかなあ」なんて話をしています。


そういう実績を買われたのか、カズンの歌声を上海にいる日中の子供たちに聞かせたいから手伝って欲しいということのようです。
ちょうど先日、上海総領事館の文化交流担当領事と飲んでたとき、
今、日本と中国がこういう関係だから、文化交流だけでもやりたいんですよね、と言われたことを思い出しました。

「わかりました。カズンを上海に呼びましょう」
二つ返事で答えたはいいけれど、さて、これからが大変です。
スポンサーはどこにお願いしようか。領事館はOKだろうな。一応、文科省にも言っておこうか。手弁当で手伝ってくれる実行委員は誰にお願いすればいいかなあ。
いろいろと思いは巡ります。
近々具体的な青写真についての打合せもしなければなりませんし、東京でカズンとも話をしなければなりません。

でも、国境を越えて純粋な子供たちのために一肌脱がせてもらうというのは、
なんとなく楽しみも多いものです。

カズン http://www.itsumo-music.jp/cousin/

2014年3月6日 上海・虹橋から

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