2005年12月03日

32 2006年の杉花粉症5

自己管理などに関する注意点はこのページの方が詳細ですが、恐れ入りますが、2007年の花粉症情報を新たに掲載いたしました。2007年の杉花粉は少なめとの事ですが。ここをクリックしてそちらをご覧ください。⇒リンク

花粉症allergicallerg




前半に短縮版、後半にフルバージョンを掲載します。
短縮版
少し気が早いといわれそうですが、今回は花粉症についてまとめて見ましょう。実はこの話を始めるのに、この季節はもうそんなに早くはないのです。最近のテレビニュースでは来春の花粉はやや少なめで発生も遅れぎみとか言ってはいますが。

花粉症の位置づけ
季節性アレルギーのうちアレルギーが植物の花粉で起きるものを特に花粉症と呼びます。この花粉症のうち95%が強い眼症状を示します。

花粉症の症状
花粉症のアレルギー性結膜炎としての症状としては、まず目のまわりがかゆくなり、まぶたがはれぼったくなり、結膜がはれてきます。重症になると結膜にも浮腫が生じます。

花粉症の血液検査
IgE抗体を多く作りだす体質の人がアトピー体質、あるいはアレルギー体質と呼ばれます。

この体内での量は採血で調べるリストテスト(RIST)で測定できます。また、杉花粉など特異的IgEの量はRASTテストで調べます。この結果は棒グラフで示され、その人のアレルギーの原因が何かを明らかにしてくれます。

花粉症の治療
初期療法: 具体的対策としては、初期療法といってスギ花粉が本格的に飛散しはじめる1月前からケミカルメディエーター遊離抑制薬である抗アレルギー点眼薬使用を開始する治療法が注目されています。

この薬剤にはリザベン、インタール、ケタス、アイビナールなどの点眼薬が含まれています。

花粉症を激しく起こす量での飛散は、東京では例年2月10日頃です。ですから治療開始をその1月前とすれば新年早々に治療を開始すべきだということになります。

実際の眼のかゆみが強いときには、リボスチンなど抗ヒスタミン作用を有する抗アレルギー内服薬のヒスタミンH1受容体拮抗薬を併用するのも良いでしょう。

更に症状が強い時期にはフルメトロンなどの副腎皮質ステロイドの追加投与も可能です。

また、鼻咽頭の炎症症状が強い際には、アレロックやアレグラなどの抗アレルギー薬の経口剤の併用も有効であるとされています。

新たな研究の方向としては「免疫制御システムを利用したスギ花粉症ワクチンの開発」石井 保之(理化学研究所)なども進んでいる模様です

花粉症を回避するセルフケア
花粉症の症状を軽く済ませるためには薬剤の使用のほかに次のような工夫が有効です。
○ 飛散の多い時間での外出を避ける。
○ 洗濯物を外に干さない。
○ 眼鏡、ゴーグル眼鏡、モイスチャーエイド等の利用。
○ 花粉防止マスク、帽子、マフラーを着用し花粉の付着を避ける。
○ コンタクトレンズを避け、この期間は眼鏡使用にする。
○ 花粉を家の中に入れないように、室内に入るときには花粉を払う。
○ 防腐剤無添加の点眼で流す。
○ ファーストフードや加工食品の摂りすぎに注意し、バランスのとれた食生活に改善する
○ たばこやお酒、刺激性の強い香辛料などの摂取は控え目にする。

杉花粉症は夏の気象条件が翌年の飛散量を左右するといわれています。すなわち暑い夏の翌年は花粉が多いということで、今年も花粉症は少なくは無いと予想されます。
花粉症をお持ちの患者さんは早めに今年の花粉に対する準備をお初めください。

更に詳しい説明を用意いたしました。興味のある方はご覧ください。
参考文献:キッセイ薬品カレイドスコープ26号、参天製薬ホームページ他


今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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清澤眼科医院通信最新ページへ(リンク)します

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フルサイズ バージョン
◎ 花粉症
少し気が早いといわれそうですが、今回は花粉症についてまとめて見ましょう。実はこの話を始めるのに、この季節はもうそんなに早くはないのです。

花粉症の位置づけ
季節性アレルギーのうちアレルギーが植物の花粉で起きるものを特に花粉症と呼びます。この花粉症のうち95%が強い眼症状を示します。その主な症状はアレルギー性結膜炎です。花粉症のなかで最も多いスギ花粉症の患者は、全国で1300万人もいて、人口の10‐20%に及び、季節性のアレルギー性結膜炎患者の中でも圧倒的に多く、全体の約80%を占めています。

花粉症の症状
花粉症のアレルギー性結膜炎としての症状としては、まず目のまわりがかゆくなり、まぶたがはれぼったくなり、結膜がはれてきます。重症になると結膜にも浮腫が生じます。

 かゆいのでこすったり、かいたりするとさらに悪化し、異物感、かすみ、まぶしさ、痛み、流涙を訴えます。

このほか鼻、のど、気管支、胃腸にも症状が現われ、全身の倦怠感や発熱が出る場合もあります。

この場合には耳鼻科や内科の治療対象ともなります。

花粉症の血液検査
従来は抗原物質を擦り込んで皮膚の反応を見るスクラッチテストなども行なわれていましたが、最近は採血した血液を分析して診断に役立てる検査が盛んに行なわれます。

抗体の1つであるIgE抗体(アイジーイーこうたい)は、普通の人には全く害のない花粉などに対して過敏に反応し、アレルギーを起こす悪役です。

IgE抗体を多く作りだす体質の人がアトピー体質、あるいはアレルギー体質と呼ばれます。
この体内での量は採血で調べるリストテスト(RIST)で測定できます。この値によってその結膜炎が1型アレルギー、つまり花粉症であることを確認することができます。

また、杉花粉やヒノキ花粉そしてハウスダストやダニなど特定のアレルゲンに対する特異的IgEの量はRASTテストで調べます。

この結果は棒グラフで示され、その人のアレルギーの原因が何かを明らかにしてくれます。

杉花粉症であっても、スギ花粉だけではなく、ハウスダストなどに対しても同時に反応し、交差抗体を持つ患者さんがしばしば見られます。

これらのテストは、原因を明らかにし、その抗原を避ければよいということを教えてくれるので有用ですが、検査の値段が高いのが難点です。

花粉症の治療
花粉症はアレルギー疾患なので、早期に完全に治すことは難しいのですが、花粉を回避しながら薬剤を上手に使って治療すれば、症状を軽くすることができます。

初期療法: 具体的対策としては、初期療法といってスギ花粉が本格的に飛散しはじめる3週間前ないし花粉飛散がピークになる1月前からケミカルメディエーター遊離抑制薬である抗アレルギー点眼薬使用を開始する治療法が注目されています。

この薬剤にはリザベン、インタール、ケタス、アイビナールなどの点眼薬が含まれています。

杉花粉の飛散は1月に始まりますが、1平方センチ当たり15個以上という花粉症を激しく起こす量での飛散は、東京では例年2月10日頃です。ですから治療開始をその3週間前とすれば1月15日頃に、一月前とすれば新年早々に治療を開始すべきだということになります。

この初期療法で炎症を起こす肥満細胞からのヒスタミン放出が抑制され、結膜上皮内の炎症細胞の浸潤とヒスタミン濃度が抑制されることによって炎症が軽くて済むとされています。

この治療は症状が出ていない患者さんを治療の対象にしていますから、目薬がしみないものであることが望ましく、リザベンはこの初期治療に用いやすいものとして勧める人がいます。

実際の眼のかゆみが強いときには、リボスチンなど抗ヒスタミン作用を有する抗アレルギー内服薬のヒスタミンH1受容体拮抗薬を併用するのも良いでしょう。

更に症状が強い時期にはフルメトロンなどの副腎皮質ステロイドの追加投与も可能です。

しかしこの副腎皮質ステロイドは眼圧の上昇などの副作用が現れることもあるので、その使用に当たっては慎重な医師による観察が必要です。

また、鼻咽頭の炎症症状が強い際には、アレロックやアレグラなどの抗アレルギー薬の経口剤の併用も有効であるとされています。

 アレルギーのIgEと並ぶもうひとつの鍵がヒスタミンです。患者が抗原である花粉に触れると、IgE抗体が作り出されます。

侵入したアレルゲンと作り出されたIgE抗体とが反応して次の段階としてヒスタミンなどの化学伝達物質が肥満細胞という免疫に関連する炎症性の細胞から吐き出され、実際のアレルギー症状が引き起こされます。

ヒスタミンは、結膜表面に存在する神経を刺激してかゆみを引き起こします。さらに血管に作用して血管壁をゆるめ、血液中の水分や白血球を血管の外へ滲出させます。アレルギー体質の人では普通の人に比べ、ヒスタミンに対してもはるかに敏感だといわれています。

新たな研究の方向としては「免疫制御システムを利用したスギ花粉症ワクチンの開発」石井 保之(理化学研究所)なども進んでいる模様です

花粉症を回避するセルフケア
花粉症の症状を軽く済ませるためには薬剤の使用のほかに次のような工夫が有効です。

○ 飛散の多い時間での外出を避ける。
○ 洗濯物を外に干さない。
○ 眼鏡、ゴーグル眼鏡、モイスチャーエイド(眼鏡の横につけるサイドパネル)等の利用。
○ 花粉防止マスク、帽子、マフラーを着用し花粉の付着を避ける。
○ コンタクトレンズを避け、この期間は眼鏡使用にする。
○ 花粉を家の中に入れないように、室内に入るときには花粉を払う。
○ 防腐剤無添加の点眼で流すというのも有効です。
このほか
○ ファーストフードや加工食品の摂りすぎに注意し、バランスのとれた食生活に改善する
とか
○たばこやお酒、刺激性の強い香辛料などの摂取は控え目にする。
などの対応が推奨されていますが、それがどの程度直接の効果があるかは私には分かりません。

杉花粉症は夏の気象条件が翌年の飛散量を左右するといわれています。すなわち暑い夏の翌年は花粉が多いということで、今年も花粉症は少なくは無いと予想されます。

花粉症をお持ちの患者さんは早めに2006年の花粉に対する準備をお初めください。



kiyosawaganka at 08:00│Comments(0)TrackBack(0)全身疾患と眼、健康一般 

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プロフィール
院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜午後の神経眼科外来を担当)、2006年国際神経眼科学会副会長。日本眼科医会学術部委員
診療案内
◎診療時間◎
【月・火・木・金】
・9:00〜12:30 
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【水・土】
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【休診日】
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