2006年07月30日

129 アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎

今日は、アレルギー性結膜炎で強いかゆみを訴えて受診された中年男性の患者さんが見えました。そこでこの疾患をお祖母ちゃん(私の母のことです)にもわかる様に説明してみましょう

ヤケヒョウダニ


アレルギー性結膜炎は目の結膜に付着したダニの体の成分(ヤケヒョウダニの図の出展)やハウスダストなどの一年中家の周りに存在する物質、またはスギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉によって引き起こされる眼のアレルギー性疾患の総称です。


濾胞Mag's sign
ハードコンタクトレンズや一年以上使う従来型のソフトコンタクトレンズの装用をしている患者さんには、レンズの汚れに対して引き起こされる特有なアレルギー性結膜炎がみられます。(下瞼の濾胞Mag's sign出典)この件は“コンタクトレンズと結膜炎の項を参照”(リンク)なさってください。

また、ダニの体の成分やその糞を中心とする住まいのほこりの成分が原因で一年中起こる可能性のあるものを『通年性アレルギー性結膜炎』と呼びます。


季節性結膜炎
また、花粉などによって起こり、季節性のあるものを『季節性アレルギー性結膜炎』(上図)と言い、特にスギ花粉などの花粉の飛散に伴って起きるものを“花粉症”と呼んでいます。(花粉症の項参照 (リンク))

アレルギー性結膜炎の症状では、まず、目やまぶたがかゆくなります。目をこすったり、かいたりしていると次第に痛みが起こり、目の異物感(ゴロゴロするような感じ)が現れます。

さらに重症な例では、球結膜(白目)の充血、浮腫や眼脂(目やに)も出てきます。

不思議なことに、私の実感では眼のかゆみは結膜濾胞と呼ばれる眼瞼結膜のブツブツした変化や、乳頭形成と呼ばれるもっと大きな隆起性の炎症反応の程度とはあまり対応していません。

つまり、少し結膜が少し赤いと思う程度の変化なのに非常に強いかゆみを訴えることがあります。

その症状を引き起こす原因となる物質には、ダニ、ハウスダストなどによる一年を通して起こる通年性のものと、花粉などによるある季節にだけ起こす季節性のものがあります。

IgE

それがアレルギーに因るかゆみであることを証明するためにはRISTテストといって血液を採血して調べるIgEの測定が役にたちます。(IgE図の出展

またそのかゆみが何によって起きているかを知り、かゆみを減少させるには何を避けるべきかを知るためには、特異的な抗原物質が何かを調べるRASTテスト(これも採血して検査施設に分析を依頼するものです)が役に立ちます。

アレルギー性結膜炎のアレルギー性鼻炎との合併率は6〜7割と非常に高く、その外にも蕁麻疹、アトピー性皮膚炎(その項にリンク)、気管支喘息との合併率は高いものです。
通年性のアレルギーに対する対策は、ダニ対策を中心に考えます。そのためには、

”枌弔鬚覆襪戮天日干ししましょう。
∩歃はこまめに行い、廊下、机、棚の上などもきれいに雑巾がけを行いましょう。
板敷きカーペット
D滅性アレルギーの患者さんが家族にいる場合、床は板の間(フローリング)が理想的で、ダニの住み家になるじゅうたんは好ましくありません。
じ彊を患者さんの血液検査で原因を調べることができますが、(もし陽性の結果が出てしまったならば)犬、猫、小鳥などの毛の飛散を伴う動物を飼うことはやめることを検討する必要があるかもしれません。 (しかし、愛する犬を手放すなんてそう簡単では有りませんよね。)

花粉に対する対策としては
_嵎瓦飛散しやすい時期(毎年症状が出る時期)の特に風のある日には外出を控えましょう。
眼鏡やマスクで花粉を遠ざけましょう。
3綾仞茲ら帰宅した時などに上着を払うなどして、なるべく花粉を家の中に持ち込まないようにしましょう。(花粉症の対策の項にリンク

アレルギー性結膜炎の治療には:点眼薬を使った治療が一般的です。
効果は徐々に現れるものもあるのでしばらくお続けください。
私は、かゆみの強い症例ではまず受診時にステロイド軟膏を塗布します。
その上で、0,1%フルメトロンやネオメドロールEE軟膏などを処方して、まずかゆみを抑えていきます。
それからかゆみの程度によって非ステロイド系の抗非スタミン剤や、リザベンやインタールなどの抗アレルギー剤などにつないで行くようにしています。
経口の薬剤はひどい花粉症で鼻閉などの眼外症状がある例でのみ併用します。
点眼のステロイド薬には眼圧の上昇などの副作用もあるので、それを使う場合には医師の指導によって診察を2週間くらいの間隔で定期的に受けながら正しく使用なさってください。
さて、このアレルギー性結膜炎の説明、多少はお役にたちましたでしょうか?

慢性の目のかゆみが有る患者さんでは、この疾患の可能性も考えて早めに御受診ください。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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kiyosawaganka at 00:20│Comments(1)TrackBack(1)全身疾患と眼、健康一般 | 角結膜、前眼部

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この記事へのコメント

1. Posted by S   2013年04月11日 00:42
一年中目が充血していて目が痛いです(ノ_・。)
お答え:年中赤く痛いとすれば、ドライアイを考えます。点眼で抑えられないならば、る移転プラグも考えると良いでしょう。もしコンタクトレンズ使用中なら中止をお考えください。

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プロフィール
院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜午後の神経眼科外来を担当)、2006年国際神経眼科学会副会長。日本眼科医会学術部委員
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