2006年07月31日

130, 子供の近視の治療について

子供の近視治療についての質問を戴きました。

バンダイのミドリンなっちゃんママさんからの相談  [子供の視力治療について]


現在8才の息子ですが、昨年学校の視力検査で両眼とも0.7以下と指摘され、眼科にて治療のため通院しております。

1ヶ月ほどで1.0近くまで回復しましたが、その後低下して、現在0.3前後の状態です。

ミドリンM
この1年1〜2週間に一度望遠訓練に通い、毎晩ミドリンMを点眼しております。
1年以上も薬を点眼していても良いのでしょうか?

また他にも治療法などがありましたら教えていただきたいです。両親とも近視ですが、それも関係しておりますでしょうか。


wasurenausa
清澤源弘の お答え

ご相談頂ありがとうございます。学童の近視の治療は難しいですね。

私もいろいろと調査しておりますが、ミドリンMを毎晩つけていただく以外の積極的な手段を見つけられないで居ます。

近視は、近くを見る作業が重なると眼内の毛様体筋が度重なる収縮になれてしまい、調節緊張と呼ばれる(仮の)近視に陥る状態から始まります。

この調節緊張(仮性近視)に対して使われるのが調節麻痺剤であるミドリンMです。

まあ1-2年の連用は特に害を残すことは無いと考えています。

これ以外に一応有効性が受け入れられている点眼薬としては、希釈したサイプレジンを点眼させる方法があって、これもミドリンMと同系統の薬として主に成人の点眼治療に使う先生(田町の梶田眼科、梶田先生など)が居ります。

文献では、東京医科歯科大学の所名誉教授のグループの上川床先生から筋肉を休ませる(ツムラ五令散など)漢方系統ののみ薬の有効性が以前報告されたことがありますが、一般化してはいません。

遠くを見る訓練はワックという装置を用いて少しでも眼の緊張を緩めようとするもので、”子供のためにまず出来ることをしましょう”という意図はよく理解できますし、其の原理も理解できますが、其の効果は大変よく効くというほどのものではなさそうです。

なお、眼科以外の施設(視力回復センターなど)で行われる訓練にはいかがわしいものもあるとされますのでご注意ください(公正取引委員会からの警告文参照)。

最近、やや注目を集めたのがオルソケラトロジーで、夜間特殊なハードコンタクトレンズをつけて眠り、眼の表面の(角膜上皮)細胞を中心から周辺に押しやることで2-3日続く近視軽減効果を得ようとする方法です。(当ブログのオルソケラトロジーの記事にリンク)
これは、まだ国民健康保険には取り入れられては居ませんし、眼の安定しない学童にはあまり薦めないというのが今月行われた日本医科大学眼科教室主催の千駄木フォーラムのオルソケラトロジー特集の会場での雰囲気でした。



レーシック
この他、レーシックやイントラレーシックなど角膜をレーザー光線で削って近視を減らす超積極的な治療法や、最近ではフェイキックIOL(水晶体がある眼に人工水晶体を加えて入れるもの)治療までがあります。

しかし、もちろんこれらの手術も今後も近視が進むと予想される学童の眼には薦められるものではありません。

なお、遺伝については明らかに子供の目に影響がありますが、網膜色素変性や色覚異常ほどはっきりした遺伝形式で遺伝するようなものではありません。

ゲームとか長時間のテレビ鑑賞、暗い部屋での悪い姿勢での読書は避けられるものなら避けたほうがよいです。

タマゴッチの様な液晶のぼけて小さな画像は人間の眼の調節を過剰に強め、調節緊張に導く典型的な刺激です。

暗い部屋での読書は眼を文字に近づけたくなりますので、これも調節緊張を強め、ひいては近視を強化します。

眼内の毛様体筋の緊張状態が続くとやがて眼球の長さが延長を始め、固定した近視に移行します。

近視の仕組みこうなりますと、あとは眼鏡やコンタクトレンズで焦点を後方にずらせて遠見視力を確保するしかありません。

眼球の長さが変わるのを少しでも少なくすることが必要です。

ピンクノ花
最近気がついたことなのですが、-0.75D程度の近視(視力で言えば0.4-0.5くらい)にミドリンMの治療をしばらく(4月くらい)行っていて、裸眼視力は悪いなりに近視の進行が停止していたのに、この治療に飽きてしまって一年程度この治療を中断した後に再診して見えたら、-2.5D(裸眼視力0.08など)にすでに進行していたという例をしばしば見かけます。

あのまま続けていればもう少し何とかと思うケースです。

そう考えますと今の治療としては、やや頼りないですが毎月裸眼視力(眼鏡ヲ外してはかった視力)を測り、ミドリンMの新しい点眼ビンを渡すと言うのは標準的治療と言えるでしょう。 (お答え終わり。清澤眼科医院通信の先頭ページヘリンク


私のブログの別の記事○近視と調節緊張、治療と小児用眼鏡の処方もご覧ください


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この記事へのコメント

1. Posted by fjw2923   2014年01月11日 16:34
はじめまして、こんにちは
先生のブログ大変ためになりました。
わたしが推奨しております商品のブログ
のurlをのせております。
今後ともよろしくお願い致します。

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プロフィール
院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜午後の神経眼科外来を担当)、2006年国際神経眼科学会副会長。日本眼科医会学術部委員
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