2006年12月19日

234 トローザハント症候群(Tolosa-Hunt syndrome),有痛性眼筋麻痺

トローザハント症候群の質問をいただきました。
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THトローザハント症候群は有痛性眼筋麻痺とも呼ばれる疾患で、(明かな原因無く、)炎症性の肉芽腫(白血球が集まったようなもの)が海綿静脈洞に出来、其の結果痛みと複視を生ずる疾患です。(図はトローザハントの肖像)

12124海綿静脈洞というのは、左右の眼球の約5センチ後方で左右にそれぞれ有り(写真の出典)、骨膜で囲まれた空間で、其の中には脳を流れた血液が集まって頚静脈に流れ降りてゆく部分です。

THSこの部分では、多くの神経や頚動脈までもが静脈洞を横切っていますので、ここに炎症や腫瘍が発生すると痛みを訴えたり、眼球の動きが悪くなったりすることがあるのです。ステロイドを点滴注射や経口投与で与えると非常によく効きますが、時間をかけて其の離脱を図らねばなりません。

12122ステロイドを減らすと症状が再発することもよくあります。場所が深いところなので、海綿静脈洞の組織検査(切ってみて細胞を調べること)は出来ませんが、悪性リンパ腫や転移性の腫瘍などでも一時的にステロイドが効くので、”症状が軽減してよかった”というだけではなく、ほかの原因がないかをよく見てもらいながら治療をしてゆくことが必要です。

12123もう少し前の部分で、同じものが眼窩内に発生すれば眼窩偽腫瘍と呼ばれ、眼球の前方への突出などがおきます。こちらですと場所によっては生検が可能で、反応性のリンパ球増殖や非典型的なリンパ球増殖などの組織型が決められる場合も有ります。

なお、179 解決 不定愁訴、不明愁訴 眼の痛み(⇒リンクhttp://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50646965.html)にも鑑別すべき疾患など関連事項の記載をして有ります。併せてご覧ください。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜の外来を担当)、順天堂江東高齢者医療センターで手術(順天堂大非常勤講師)。2006年国際神経眼科学会副会長。

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