2008年09月09日

661 BOTOX注射によるいたみの軽減

1
良性原発性眼瞼痙攣研究財団会報27巻き4号(2008年7−8月号)に掲載された、”BOTOX注射によるいたみの軽減 という記事を邦訳して紹介します。なおこの内容は、以前私のブログにも類似の記事を記載しています。
清澤眼科医院通信 2008年02月05日 505号 ボトックスで顔面の痛みがとれる?⇒リンク


アンドリュー R ハリソン医師 (Andrew R. Harrison MD)



2
眼瞼痙攣と片側顔面痙攣の患者たちは、眼の奥あるいは眼のまわりに原因不明の痛みを訴えて外来にきます。それには、ドライアイや羞明を含むいろいろな原因がありますが、その痛みはまるで痙攣自身とは別のタイプの頭痛である様に見えます。

私たちは、多くの眼瞼痙攣患者が痛みを経験していて、しかもこの痛みがボトックス注射により改善されたということを最近の「眼形成外科と再建手術雑誌」で公表しました。


3
ミネソタ大学眼科で私たちは、このような患者を85人見ました。施設内倫理委員会の承認に基づいて、眼瞼痙攣に伴う頭痛および眼痛の存在に関する簡潔な一連の質問から成る電話調査が行われました。



5
注入されたボトックスの量、ボトックスが注入された部位、およびボトックスの頻度などのようなデータは、カルテから得られました。4回の電話でも接触できない場合には、患者のリストから除きました。患者と連絡がとれなかった理由は、電話番号と住所が間違っていたものを含んでおり、4人の患者は調査に協力することを断わりました。

4
平均患者年齢は69.8歳(41-90歳)でした。毎回の受診で注入されたボトックスの平均量は57.4単位(15-100の範囲)でした。注入されたボトックスの合計量の平均は、1356.1単位(45-5745の範囲)でした。最も共通の注射部位は下眼瞼および上眼瞼で、それぞれが97.6%および95.2%でした。


6
注射の平均頻度は19.5週毎で、一生に1回の注射から、8週に1回の範囲です。
良性原発性眼瞼痙攣を持った患者の注射平均頻度は16.2週毎で、一に生1回の注射から36週に1回の範囲でした。
片側顔面痙攣患者の注射平均頻度は25.9週で、12週に1回から48週に1回の範囲でした。



7

電話調査に参加した85名の患者の内20人(23.5%)が頭痛を訴え、29人(34.1%)が眼の痛みを訴えました。11名が二つの症状を同時に訴えていました。
頭痛という20人の回答者のうち10人がボトックス注射後症状の減軽を述べ、平均レベル3.70(sd±1.06)に達しました(レベル分級は0が減軽なしで、5が完全治癒です)。眼痛という29人の回答者のうち24人がボトックス注射後に症状の軽減を述べ、平均レベルは4.25(sd±0.94)に達しました(レベル分級は0が減軽なしで、5が完全治癒です)。

820人の患者が痛みのための薬物治療を受けました。処方箋薬或いは市販薬で、痛みの軽減のための最も一般的な薬物治療は、ある種の点眼薬あるいはアセトアミノフェン(各々8人)でした。

頭痛および眼痛を持った良性原発性眼瞼痙攣と片側眼瞼痙攣の患者の70%がボトックス注射で軽減を得ることができます。疼痛軽減の理由は恐らく多元的です。いくつかの研究によると、ボトックスがそれ自身脳への苦痛信号を抑制するかもしれません。



6これは、痙攣する筋肉自体の弛緩と関連して、恐らく注入による苦痛軽減の多くを説明します。これらの結果は、良性原発性眼瞼痙攣と片側眼瞼痙攣の患者さんには、疼痛が広がっていることを示します。これらの多数の患者に、筋肉の痙攣を止めるためにボトックスを注射すると、それが眼痛および頭痛を改善する付加的な効果を持っています。

8





best doctors logo vertical (ベストドクターズとは)

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。


管理頁
清澤眼科医院通信最新ページへ(リンク)します


過去90日間で、blog.livedoor.jp/kiyosawagankaにリンクしたブログの数
テクノラティ グラフ


携帯SEO
今日:
昨日:

相互リンクページ,相互リンクstation) 眼科





kiyosawaganka at 20:52│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!眼瞼痙攣、片側顔面けいれん、ボトックス 

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

プロフィール2
院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜の外来を担当)、順天堂江東高齢者医療センターで手術(順天堂大非常勤講師)。2006年国際神経眼科学会副会長。

ジオターゲティング