2008年11月25日

727 日本メジフィジクスの本社工場を見学してきました(2008.11.25)


メジフィジックス当院職員が当院の近隣にある日本メジフィジクスの本社工場を見学させてもらいました。




1
この工場は癌検診などで知られるポジトロン断層法(ポジトロン・エミッション・トモグラフィー=PET)に使う放射線薬剤である18F標識のフルオロデオキシグルコースの合成をし、関東一円のPETセンターに商業ベースで供給している唯一の施設です。





2
このフルオロデオキシグルコースFDGの合成を世界で始めて行ったのは米国に留学中であった井戸達雄先生でした。

それを飛行機でフィラデルフィアまで運び臨床検査に初めて使ったのがペンシルバニア大学のReivich博士です。時期が違いますが、どちらも私の恩師です。
それから約30年、従来ガリウム新地グラムで行われていた眼の診断の多くがやっとPETで行われるような時代がやってきました。



3
工場は人気がほとんどない大きな実験室の集合のようなところでした。その放射線管理区域中に入るには特別な実験着を着て、靴も替え、キャップをかぶった上、手を洗って、線量計を装着して入ってゆきます。

サイクロトロンは住友重機械の製品で、厚さ1,5メートルのコンクリート壁の中に設置されていました。実際には毎回18MeVで粒子が加速され、ターゲットに照射されます。

4
このラボでの合成は、1)真夜中の12時から2)3時から、そして3)6時からと3回の18F標識放射性物質の製造から始められます。

その18Fを材料にして自動合成装置でFDGに合成され、それが十数種の製品検査を経て製品の形に瓶詰めされます。行く先の病院ごとに一台のトラックが待機し群馬あたりまで検査の試薬は出荷されるのだそうです。日本国内にはこのようなセンターは10か所ということでした。



5
陽電子放出核物質である18Fの半減期は109分ですから、2時間はなれた所に着くときには半分の活性になります。ですから製造も、検定も、輸送も時間との勝負ということになります。

9時に使用するのは12時からの回で作られた18Fです。合成終了から使用までには約2半減期が経っています。



6 私が所属する東京医科歯科大学眼科(お茶の水)と東京都老人研究所PET研究室(板橋区、東京都老人医療センター内)は従来から眼瞼痙攣や片側顔面痙攣などの脳に関連した眼疾患を対象にをPETの臨床検査と研究を協力して進めてきました。

 このPET検査法は癌の診断ばかりではなく、中枢性視覚障害の診断にも大変有効です。


7
今後も、当院では東京医科歯科大学および東京都老人研究所PET室と連携してPETを用いた緑内障での視路変化などの検討も予定しています。

患者さんのPETに関する質問に的確にお答できるようにするための勉強会として今回の工場見学は予定しています。 本日は、その見学会が終りましたのでその報告を掲載いたしました。


8本日はメジフィジックスの関係者の方々には、本当にご親切な説明をしてくださいまして、ありがとうございました。

当ブログ訪問者の方々には今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。


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院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜の外来を担当)、順天堂江東高齢者医療センターで手術(順天堂大非常勤講師)。2006年国際神経眼科学会副会長。

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