2009年09月20日

1034 サルの色覚異常を遺伝子注入で治癒という記事が出ているらしい

サルの色覚異常を遺伝子注入で治癒という論文(⇒リンク)が出ているらしい
ナショナルジオグラフィックという米国の科学雑誌の日本語版のホームページに色覚異常を持ったリスザルを米国の眼科医が遺伝子治療で治したという記事が出ています。今日はその記事を紹介します。図は、色覚異常ならこう見えるはずという御馳走を前にしたリスザルのコンピュータ処理で作られた画像です。元記事から説明とも見ることができます。

コピー 〜 596
--------部分的な引用開始ーーーー
 新たな研究により、サルの色覚異常が簡単な細胞注入で治ることが確認された。

 色覚異常は人間に最も多い遺伝病だ。発症者の数はアメリカで約350万人。患者は男性の方が圧倒的に多く、この症状を抱えていてもほとんどの目の機能に問題はない。

色覚異常のリスザル
 色覚異常は人間だけの病気ではなく、一部のリスザルもまったく同じ症状を抱えている。色素遺伝子の欠損により、赤と緑の区別が付かないのだという。ナイツ氏の研究チームはリスザルのこの性質を利用して、色覚異常に対する遺伝子治療の有効性を調べた。色覚異常の個体と正常な個体を研究室に集め、研究のために訓練したのである。



コピー 〜 595
 タッチスクリーンのテストを一通り終えた後、研究チームは色覚異常のある2匹の網膜の裏側に赤に反応する錐体細胞を注入した。錐体細胞は、光と色に反応する視細胞の一種である。

 9月17日に「Nature」誌で発表された研究論文によると、それら2匹のリスザルは1週間以内に赤と緑を識別できるようになったという。
---引用終了-------------


コピー 〜 598
眼科医清澤のコメント:
 この記事によると”網膜の裏側に赤に反応する錐体細胞を注入した”とされているが、通常は遺伝子を細胞に導入するのには、目的の遺伝子を忍ばせたウイルス性のベクターを使うことが多いように思われる。果して、この翻訳された記事のままで読んでよいのかどうか?

それとも光を感じるための視物質は視細胞から脱落した後は網膜色素上皮に呑食されて、視物質の再生経路に再度供給されてゆくというように考えて、視物質そのものを補ってやれば当分は良いということなのか?それならばそれ相当の必要な色に対応した視物質を網膜下に注入すればしばらくはその色素で色を見ることができるということか?など興味は続く。

いずれにしても色覚遺伝子の組み込みによってヒトでも色覚異常の治療ができる日が近いということであろうか?本日は探してみたがこの記事が言っている雑誌naturのホームページにはこの記事の元記事は発見できなかった。しかし、今後の展開が楽しみな記事ではある。


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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。




kiyosawaganka at 00:14│Comments(1)TrackBack(0) 網膜、硝子体、ぶどう膜疾患 

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この記事へのコメント

1. Posted by YO   2010年12月05日 12:06
5 一年前にこのニュースを聞いてから、私もとても期待していましたが、その後のニュースがないので、どうなっているのかなと思っていました。
今日偶然、先生のブログを拝見して、日本の医師にもこのニュースに関心を持っておられる方がいることを知り、とてもうれしく思いました。
私は現在30代で色弱なのですが、永遠に眠るときが来る前に妻が見ているのと同じくらい色鮮やかな世界が見られるようになることを楽しみにしています。
日本の医学会の発展に大いに期待し、微力ながら応援しています。

お答え:そうですね、着々と研究は進んでいることでしょう。

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プロフィール
院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜午後の神経眼科外来を担当)、2006年国際神経眼科学会副会長。日本眼科医会学術部委員
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