2016年01月08日

7348:眼瞼けいれんやメイジュ症候群に対する脳深部刺激療法(DBS)の適応は?

imagesD4TE3WX8
眼瞼けいれんやメイジュ症候群に対する脳深部刺激療法(DBS)の適応は?

質問:52歳女性です。数年前より眼瞼けいれんで眼科でボトックス注射をしていましたが、首がつる、息苦しいなどの症状が出るようになり、現在は神経内科で目と頸にボトックス注射を受けています。最近はさらに頸より下の方にもつっぱるような症状が出るようになりました。
脳深部刺激療法(DBS)の適応なのではないかと考えています。脳深部刺激療法(DBS)の適応について教えてください。

答:当医院でも診療してくれている神経内科医に調べてみていた結果を伺いました。

「上の図で示されるような脳深部刺激療法(DBS)はパーキンソン病や重度のうつ病などに対してならばそれなりに確立された治療法になってきており、2000年からは保険適応にもなっている様子です。Meige症候群に関しては、近年DBS(特に蒼球内部刺激療法 Gpi-DBS)が治療の選択肢として提示されています。ただ、報告例としてはまだ少ない状況です。蒼球内部刺激療法(Gpi-DBS)とボトックス注射(BTX)を比較した試験や大規模なトライアルは行われていませんが、症例報告レベルでは難治性の眼瞼けいれんから頸部に移行した典型的なMeige症候群でボトックス注射(BTX)の効果が限定的であった症例において蒼球内部刺激療法(Gpi-DBS)が著効した報告があるそうです。(機能的脳神経外科42:96-97:2003)。

また、これまでのMeige症候群(CCD)に対して脳深部刺激療法(DBS)を施行した文献をまとめたものでは69例の蒼球内部刺激療法(Gpi-DBS)を施行された患者で28か月後の評価による評価点数(BFMPRS−M score)が手術前24.5±11.2から術後には8.1±I5.7と改善を認めたとされているようです。ただし、この文献には副作用や悪化の記載がありません。この文献によると、術前のスコアが悪い患者に関しては、ある一定の効果があるのではないかと読むことが出来ます(Neuromodulation 2015)

ジストニアに対する脳深部刺激療法(DBS)の適応については、依然としてガイドラインがありません。Meige症候群(限局性ジストニア)の診断がついていることが必要で、また、脳深部刺激療法(DBS)の効果が得られやすいものとしては脳性麻痺や脳血管障害など脳の器質的ないし形態的な異常を伴っていない場合であるとされています(臨床神経 52:1077-1079;2012)。

結論としては、非常に重く症状の範囲も広い眼瞼けいれんであれば、脳深部刺激療法(DBS)の適応があるかもしれません。しかし、それはまだ実験的な治療法の段階で有って、まだ誰にでもお薦めできるようなものではない、というのが現状のようです。関心のある方は「脳深部刺激療法」をキーワードにして検索して見つかる「大学病院脳外科」などに適応を聞いてみることもできるでしょう。


kiyosawaganka at 19:25│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

プロフィール
院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜午後の神経眼科外来を担当)、2006年国際神経眼科学会副会長。日本眼科医会学術部委員
診療案内
◎診療時間◎
【月・火・木・金】
・9:00〜12:30 
・15:30〜19:00
【水・土】
・9:00〜12:30

【休診日】
水曜と土曜の午後、日曜と祭日


毎週水曜は院長不在のため、代診の医師による診療となります。

診療終了時間30分前に受付をお済ませください。

診察内容によってお時間のかかる検査をする場合もありますので
お時間に余裕をもってお越し下さい。

Archives