2016年01月09日

7351;「夢の国」東京ディズニーリゾートに異変の兆しという記事です

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「夢の国」東京ディズニーリゾートに異変の兆し;(法政大学経営大学院教授 小川孔輔 2016年01月06日)という記事http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160105-OYT8T50000.html?page_no=1が出ています。

清澤の感想;小川教授は、東京デズニーリゾートにマクドナルド症候群が忍び寄っていると言います。『マクドナルドの顧客が離れていった理由は基本的には、「稼働率(=回転率)」の問題だろう。すべての引き金は、顧客満足(customer satisfaction, CS)を犠牲にして、売り上げと利益を取りに行ったこと。ゴール設定は、集客数や最終利益になる。となると、まずは混雑が軽視される。本当はキャパシティーにあわせて制限をすべきところが「バルブ」を閉めることができなくなる。;これは医院の運営においても、きっと「他山の石」です。
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  −−記事の要点です−−−
 作りこまれたアトラクション、おもてなしの心にあふれたキャスト、ディズニーグッズを身にまとった来園者――。東京ディズニーリゾート(TDR)といえば、テーマパーク業界のトップをひた走る「夢の国」というイメージが強い。しかし、そんなTDRに異変の兆しがあるという。法政大学経営大学院の小川孔輔教授は、この傾向が続いた場合、TDRが苦戦の続くファストフード大手「マクドナルド」と同じ道をたどりかねないと警鐘を鳴らす。

1)暫定順位でTDRトップ10落ち…顧客満足度
「日本版顧客満足度指数(JCSI)」日本最大規模の消費者調査。2009年以来、劇団四季とトップを争ってきたTDRが、トップ10位のリストから外れた。「夢の国」で何が起こっているのか。満足度が低下した原因?。

2)値上げが影響?
TDRの顧客満足度に異変が起こったのは、2014年度からだ。原因のひとつは、入園料の値上げではないか。

3)低下する「お値頃感」と「また行きたい」
知覚価値(お値頃感)とロイヤルティー(継続利用意向)の変化で見る。TDRは、2014年からは、顧客満足と同様に、両方の指標とも低下している。2014年の入園料値上げにより、TDRのお値頃感が低下してCSが下がったことを推測させる。

4)値上げ以外の要因?…失われる感動、増える失望
 値上げ以外の要因。顧客サービスに対する感動と失望の変化である。サービス業では、長期的に顧客満足度を高める要因として、サービスが提供される場(舞台)で顧客が感じる感動(ポジティブ)と失望(ネガティブ)が重要である。データからうかがえるのは、この傾向が続くと、TDRが「来園者からの絶対的な支持」を失いかねない。

5)「マクドナルド症候群」とは
 2014年以降、TDRへの評価で象徴的だった変化は、顧客満足度および値頃感、感動指数と失望指数の変化。こうした指標の低下は、2012年から2014年にかけて、ファストフード大手「マクドナルド」が経験した現象(サービスに対する低い評価に続く客離れ)とよく似ている。

 『マクドナルドの顧客が離れていった理由は基本的には、「稼働率(=回転率)」の問題だろう。別名で、「マクドナルド症候群」と呼ばれる現象である。

 すべての引き金は、顧客満足を犠牲にして、売り上げと利益を取りに行くことだ。ゴール設定は、集客数や最終利益になる。となると、まずは混雑が軽視される。本当はキャパシティーにあわせて制限をすべきところが「バルブ」を閉めることができなくなる。

 マクドナルドのCS低下の最大の原因は、利益が欲しいために、店舗のキャパシティー以上に客数を増やそうとしたこと。カウンターからの「メニュー表の撤去」や、オペレーション効率を上げるための「60秒キャンペーン」もそのための方策だった。人件費の削減と混雑のために、サービスが劣化し店舗が汚れ、居心地が悪くなり、CSが低下した。これが「マクドナルド症候群」である。TDRの施設の混雑とCSの低下は、マクドナルド症候群の兆しにも見える。』(詳しくは、『マクドナルド 失敗の本質』東洋経済新報社を参照)。

 客数と利益で最高を記録した2012年から、すべての指標の低下が始まっている。他の2社とくらべて、2013年以降の下落幅が、とくに激しかった。

 マクドナルドは顧客満足度CSが落ち始めて1年から2年後に、客数(売上高)や利益が落ちている。対照的に、モスバーガーは2014年に客数が増加して大幅な増益、KFCは客数、利益ともほぼ変化なし。今後、TDRのスコアがどのように推移するのか、注意する必要があるだろう。

6)値上げで評価厳しく

TDRが提供しているサービスが変質しかけているのではないか。サービス品質指標SQIの時系列変化は、TDRがマクドナルド症候群に陥りかけている予兆を示す。TDR利用者のサービス品質評価は厳しめ。数年後に開業する予定の新しいテーマパークの原資を値上げと増客で獲得しようとすると、CSがさらに低下してしまう可能性あり。

7)気になる「来園者のマナー低下」
2014年から落ち込みの目立つ指標「一緒にいる顧客のマナーの悪さ」。このスコアが、連続して落ち込んでいる。これはTDRの施設内で次第に「客層が悪くなっている」ことを指す。「一緒の顧客が不快だと思う人」が増えると、リピート(再来訪)にマイナスの影響が及ぶ。本家ディズニーの基本コンセプトは、「雰囲気の良さ」と「清潔と安全」。ブランドの基本価値を壊しかねない、ゆゆしき事態が進行している。

   −−−
結論:TDRの異変の兆しは「値上げによるお値頃感の低下」「感動指数と失望指数の変化」「サービス品質評価指数の低下」「顧客のマナー低下と雰囲気の悪化」のデータに表れている。中でも、TDRにとって、感動指数の低下と舞台(パーク)の雰囲気の悪化が問題であるように感じる。ディズニーのブランド価値の源泉は、「非日常的な世界での驚きと感動」だったはずだからだ。顧客のマナーやパークの雰囲気は、来園者次第という側面もあるが、来園者が自然とマナーよく振る舞えるような施策を探るべきだ。「バルブ」を閉めること、すなわち混雑度の解消もその一つだろう。いつ行っても「楽しかったね」「また来よう」という言葉の出る「夢の国」を失わないためにも、TDRには、問題の芽を早期に摘んでもらいたい。


kiyosawaganka at 20:56│Comments(0)TrackBack(0)

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プロフィール
院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜午後の神経眼科外来を担当)、2006年国際神経眼科学会副会長。日本眼科医会学術部委員
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