2016年02月18日

8485:「糖尿病による失明防ぐ3つの武器 果物、新薬、新レーザー」の採録です。

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眼科医清澤がコメントをさせて戴いた日刊ゲンダイ2016年2月19日号15ページの記事「糖尿病による失明防ぐ3つの武器 果物、新薬、新レーザー」の採録です。

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糖尿病による失明防ぐ3つの武器
果物、新薬、新レーザー

ただし、食べ過ぎは逆効果

 糖尿病患者の約3分の1が網膜症を抱え、その3分の1は視覚障害を起こしているーー。これは日本を含め、世界35カ国の疫学データをメタ解析した末に弾き出された数値だ。これが本当なら約950万人の糖尿病患者がいる日本では、316万人が糖尿病網膜症をかかえ、105万人に視力障害が出ている計算だ。糖尿病網膜症は成人の日本人の失明原因第2位の恐ろしい病気。身を守る術はないのだろうか?


  ☆     ☆  
「もっとも簡単な方法は果物を積極的に摂ることです。1日あたり200g程度の果物を食べれば網膜症発症リスクを下げる可能性があるという研究が発表されています。これは1日バナナなら2本、リンゴなら1個程度の量。これを毎日食べるといいというのです」
 こういうのは都内の眼科専門医だ。その研究とは「JDCS」。1996年にスタートした、日本人の2型糖尿病患者を対象とした大規模臨床研究だ。

「その分析の結果、血糖値やBMIが網膜症のリスクであることが確認されたのですが、果物の摂取が網膜症を抑える阻害因子である可能性が明らかになったのです」(前出の眼科専門医)
 JDCSの対象となった糖尿病患者を果物摂取量により4分割し比較したところ、最大摂取群(1日あたり平均200g)は最小摂取群より網膜症発症率は40〜50%も低かったという。

「なぜ、そうなるのか、はハッキリわかっていません。ただ、果物のもつビタミンが抗酸化作用により血管の柔軟性を保つことにつながり、網膜内の毛細血管に良い影響を与えたのではないか、と考えられています」(前出の眼科専門医)
 ならば、「毎食後に果物を食べよう」と思う人もいるだろうが、早計だ。
 元東京医科歯科大学眼科教室助教授で、東京都眼科医学会学術委員でもある、「清澤眼科医院」(東京・南砂)の清澤源弘院長が言う。

「果物を摂り過ぎると血糖値が上がり、かえって糖尿病が悪化してしまいます。あくまでも果物は食事療法の範囲内で取るべきです。つまり、普段食べている1日の総カロリーを変えずに、果物を食べる必要があります。例えば、バナナやミカンを食べるぶん、ご飯を減らすといった工夫が必要なのです」

 脂質異常症治療薬の「フェノフィブラート」も網膜症を抑える薬として注目されている。すでにオーストラリアで糖尿病網膜症の進展抑制剤として承認されています。そのもとになったのが2つの研究結果だ。

 ひとつは2型糖尿病患者9795人を対象とした無作為比較試験で、この薬を飲んだ群はそうでなかった群と比べて、増殖網膜症を30%減少させた。

 もう一つはコレステロール降下剤「スタチン」にこの薬を追加した試験(ACCORD Eye)で、40%も糖尿病網膜症の進行を遅らせた」
 不幸にして網膜症が進行して手術が必要となった場合には、「パターンスキャンレーザー」がある。

「糖尿病網膜症が進行して前増殖糖尿病網膜症となると、進行を食い止めるためレーザーで焼いて網膜上の新生血管を抑える汎網膜光凝固が必要となります。今までの装置では広範囲を照射するため、必要な照射数が多くなると、3回以上に分割して照射しなければならず、時間もかかりました。新しい装置では照射回数も患者への負担も少なくて済みます」(都内の眼科専門医)
 さらには血管新生を阻害するアバスチン、ルセンティス、マクジェンといった注射薬で眼内の浮腫を抑える治療も有効だ。
 いまは早めに治療すれば失明から逃れるチャンスがある時代。気になる人は眼科専門医に相談することだ。
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kiyosawaganka at 23:10│Comments(0)TrackBack(0)

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プロフィール
院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜午後の神経眼科外来を担当)、2006年国際神経眼科学会副会長。日本眼科医会学術部委員
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