2016年03月16日

7577:これからの緑内障視野解析をどうする?

先週の研究会で、緑内障で測定されるハンフリー視野の結果のうち、MD値に注目しこの掲示的な低下をMDスロープ値として評価するという、新しくはないがよさげな話を聞いてきたことは先にお話ししました。

 そこで、当医院で今回測定機械の維持管理の担当をお願いすることになったO君と共に、ハンフリーとリッツメディカルの担当者の方から2つのシステムの説明を受けました。

◎その選択肢1
ビーラインは画像検査ファイリングシステムなどの 開発・販売・サポートを行っている会社で、HfaFiles Ver.5(ハンフリー自動視野計データファイリングシステム)がその機能を持っています。なぜ、そんなに変わりもしない視野を何年物亘って測り続けるのかを理解させるのが「インフォームドコンセント」。そのためのコミュニケーションツールとして、医者と患者との安心と信頼のかけ橋を実現させるという用途があります。
その操作は、比較的簡単な操作で、見やすく機能的で正確に表示され、わずか10秒でHFAの検査結果を診察室に表示すると言っています。

処方薬・眼圧値等の入力により緑内障管理ソフトへ進化;総合チャート
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MD、PSD、TD (HemiFieldMD)に加え処方薬、眼圧、視力を任意に表示可能。
○両眼視視野表示機能という変わった機能がついて居ます。左右眼の検査結果を重ね合わせ、両眼で見た時の視野を表示します。
○上下半視野比較チャートという機能もあるそうです。
○視野異常の判定基準 / 視野欠損の程度分類
 視野異常の判定基準では、緑内障診療ガイドラインにも採用されている、Anderson-Patella分類を、Patella氏の了解を得て搭載。
わずか10秒で、診察室のパソコンに検査結果が表示されます。
データの入力作業は一切不要、通常のプリントアウトを行うだけです。

清澤のコメント:これこそが、私の求めていたもののイメージなのかもしれませんが?カルテビューアーに感じたこれだ!感がありません。
難点はまずその導入に掛かる費用。そして薬剤名まで居れるとなれば、検査員にお任せとは行きそうにありません。
もう一つ、現在使用中のハンフリー700シリーズは製造が中止され、800シリーズへの乗り換えないし増設が今後必要になります。今までの10年で取ってきた700シリーズのデータが今後の800シリーズに持ち越せるかどうかはキーポイントとなるでしょう。MDスロープ以上の機能などは、おそらく私には要らないし、ここでまとめて見ても致し方はなさそうです。4月初めの仙台での学会で現品に触れてみてきたいと思います。

その選択肢その2
 それは、ハンフリー視野計自体に更にお金をかけて、解析機能を与えるという考え方です。同一会社であれば、データが700から今後の800につながらないとは言わないでしょう。
 気に入らぬのは同会社のシラスOCTだけのデータとの共表示が出来ると言って見せたことです。当医院では昨年迷った末に他社の新しいOCTを導入しました。という事はその機能は初めから使えないという事です。顧客を囲い込もうとする姿勢が強すぎるのには好感を持てません。
GPA-Summary-Report-05252012-728x532しかし、このGPA図の出来栄えを見るとこれが今としては決定版かも知らないと感じます。眼科機械は日進月歩で有り、決定版が出たと思うと次の地平線が見えてきます。機械化貧乏に陥らないような長期にも対応可能な戦略を立てなくてはなりません。

ハンフリー視野計のホームページに記載されている内容は以下の通り。

GPA – 今なお進化する視野進行解析
ハンフリーフィールドアナライザー Guided Progression Analysis (GPA) は、ばらつきから真の視野進行を統計学的に区別します。その解析は、多施設が参加した国際規模の臨床研究で得られた研究成果を基に、緑内障視野進行のあらゆるステージでの多様性、臨床経験等多くの知見を含んでいます。

1.ベースライン 初回の検査結果
2.VFI 視野全体を1つとして捉え、年齢別正常視野を100%とし、視野残存率を表現する指標
3.VFI 進行解析グラフ:各回の視野を1つとして捉えた一連の視野検査のトレンド解析1
(清澤注;これが私のイメージに近そう)
4.VFIプロット: 各回のVFI プロットによる進行解析と3~5年先のVFI予測
5.VFIバー:年齢別正常視野を1本のバー(100%)として見立て、現時点でのVFIと3から5年後の将来の予測VFI
6.今回の視野解析結果:VFI, MD, PSD, GPA進行確率プロットとGPA警告メッセージを含む、今回の視野検査結果
7.GPA警告メッセージ:一連のフォローアップにて統計的に有意な視野進行が見られた場合にGPA警告メッセージを伴います

1 Casas-Llera P, Rebolleda G, Muñoz-Negrete FJ, Arnalich-Montiel F, Pérez- López M, Fernández-Buenaga R. Visual field index rate and event-based glaucoma progression analysis: comparison in a glaucoma population. Br J Ophthalmol. Dec 2009; 93(12):1576-9. Epub Jun 16 2009.

本日はここまで。


kiyosawaganka at 21:58│Comments(1)

この記事へのコメント

1. Posted by けい   2018年03月09日 14:54
Anderson-Patella分類で初期、通期の表示でしたが治療はされていません。 どうしたよいでしょうか?
視野に変化の無い段階ですと、前視野緑内障として慎重に経過観察ですが、視野に本当に緑内障変化が出た場合には普通は弱い緑内障治療薬を開始することが多いでしょう。治療を始めると、普通は治療修了にはしにくいので、開始には慎重なこともあるでしょう。担当医にご相談ください。

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プロフィール
院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜午後の神経眼科外来を担当)、2006年国際神経眼科学会副会長。日本眼科医会学術部委員
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