2016年09月11日

8121:Visual Snow ビジュアルスノウ 視界砂嵐症候群:雪視症 とは

雪視症 Visual snow (From Wikipediaからの抄訳です)

 「視野に雪がかかったように見える。」というのをVisual snow, Visual snow syndrome,と呼ぶようです。「雪視症」とでも名付けましょうか?視界砂嵐症候群と呼ぶ人もいるようです。

 わたくしのところへも、過去にそんな訴えをもってやって見えた患者さんはお出ででしたが、当時はその説明もまた治療もしてあげることができませんでした。

 若倉先生の記事でその単語を再発見し、Wikipediaの記事を読んでみると、今からならなんとかできるかもしれないという気がしてきました。これは、白内障で「視力が落ちて霧がかかったようだ」というのとは違って、「アンテナの外れかかったテレビのように」「視界に雪が降る」という状態のようです。

 気になる方は、下のビデオをご覧ください。そして、そのような患者さんがおいででしたらご相談ください。

Animated example of visual snow-like noise

なお、緑内障などで、両眼の視力が極端に悪くなっている患者さんで、「幻視とはわかるのだが、小人が自分の周りを駆け回ってうるさい」とか、「色模様のついたハンカチが目の前でちらちらするような幻視が気になる」という患者さん(シャルル・ボネ症候群)も、もしおいででしたらご相談ください。

ーーウィキペディアの抄訳ーー
◎視覚的な雪、または視覚的静止(visual static)は、人々が一時的または永続的に見る視覚的な症状である。雪やテレビ画面のような静的な画像が、部分的またはその全体視野を覆う。それは、日光の下を含め、常にすべての光の条件で見える。

「雪」の重症度や密度は、人によって異なります。 或る状況では、それは明るい日光の下でさえも詳細に見えるが、残像やその他の視覚的ないし非視覚的症状のために、読み取りを困難にして人の日常生活に悪い影響を与える。それは、ドライブ、日常的な作業を困難にします。

 このまれな状態について多くは知られていない。そしてそれは最近は否定されたが、従来は片頭痛における前駆症状(アウラ)の1種と考えられてきた。患者がこの症状を訴えるとき、これは一般的に眼鏡士や医師によってフローターと混同されて、誤診されるだけではなく、視覚的雪視症の過小診断につながっている。

雪視症は現在、持続する残像 、 羞明 、強化されたブルーフィールド内視現象、そして耳鳴りのような類の現象と考えられる。

最近の研究によって、脳の代謝亢進が、視覚的雪視症と右舌状回に存在する脳の代謝亢進の関連が確認された。

 これより前には、雪視症の原因は同定されていなかったし、雪視症では眼科、神経学および精神医学的な検査では、視覚症状以外には体系的問題は見つかってはいなかった。

 この知見によれば、この障害は脳内で発生しており、潜在的な治療の可能性に重要な影響を持っている。 しかし、現在も標準的な治療プロトコールは確立されていない。

◎徴候と症状

 雪視症に加えて、患者の多くは星状の画像(スターバースト)を知覚したり、増加した残像、浮遊物およびその他多くの異常なものを見る。 非視覚的な症状には、耳鳴り、離人症 - 現実感の喪失、疲労、言語障害と認知機能の障害がある。

 二次的な精神的後遺症として不安、パニック発作や原因不明のうつ病などが説明を与えられないことやこの症状が医療現場で無視されるを原因として見られることがある。

◎原因:
 2014年5月には雪視症への最初の主要な研究結果が報告された。この研究では、陽電子断層撮影によって、この疾患患者の右舌状回と小脳片葉前部に代謝亢進が見つかった。この研究者らは、特定の脳領域に機能的な問題への雪視症(および、そのような残像のような関連する症状)を正確に特定することが、治療の可能性を開くことができると述べた。


雪視症はこのほかの臨床徴候や経験によって診断可能な様々な眼科疾患で発生する可能性がある。

雪視症が永続化することにつながる特徴とすることがある片頭痛は、一般的に脳梗塞を伴わない永続的片頭痛アウラ(PMA)と呼ばれます。 片頭痛のアウラは典型的なジグザグ要塞型の形を取らないかもしれない。片頭痛に頭痛はなくてもよく、局所神経症状は多種多様に現れる。

時には雪視症をおこす場合があるのが視神経炎である。 また、様々な病気(例えば、 ライム病 、 自己免疫疾患 )または脱水などの有害事象も雪視症の永続化の原因としてネットでは取り上げられているが、その確証はない。。

雪視症の病因における幻覚剤の役割は完全に明らかにされていない。 幻覚剤は、知覚障害持続(HPPD)、幻覚薬物使用によって引き起こされる状態、時には雪視症に関連している。

◎診断

「雪視症症候群の診断基準が提案されている。
視野全体のダイナミックで連続する小さな点。
少なくとも1つの付加的な症状: 反復視(視覚末尾の残像)
強化された内視現象( 飛蚊症、光視症、ブルーフィールド内視現象、光視症 )
羞明
耳鳴り
夜間視の障害

症状は典型的な片頭痛のアウラ(前兆)に一致していない。
症状は他の疾患(眼科、薬物乱用)に帰属されない。

◎併存疾患

前兆を伴う片頭痛と普通の片頭痛は、雪視症の一般的な併存疾患です。 しかし、併存片頭痛は、雪視症症候群に見られる視覚症状や耳鳴りを悪化させる。片頭痛とは対照的に、典型的な片頭痛のオーラの併存は、雪視症の症状を悪化させません。


◎治療

雪視症の確立された治療法はない。

HPPD(Hallucinogen persisting perception disorder)では、クロナゼパムが、医療の助けを求めている患者における第一選択薬として推奨されている。永続的なアウラで梗塞のないものでは、アセタゾラミドはオーラの状態の反復形を持つ患者のため第一選択薬でよい。バルプロ酸、ラモトリジン、またはトピラメートは、連続型患者のための最初の選択肢となる。これらの経口薬が無効である場合には、フロセミドの静脈内注射または注射が試される。


kiyosawaganka at 23:17│Comments(11)

この記事へのコメント

11. Posted by あん   2017年12月01日 14:44
わたしの場合、先天的でなく、19さい頃から症状がはじまり、徐々に悪化しています。
主な症状は、残像が陽性、陰性ともに残りやすいというものです。調べてみると、視覚保続(visual perseveration)、あるいはpalinopsiaというみたいです。砂嵐もあるのですが、今のところ残像の方を不便に感じています。Visual snowには、視覚保続の症状も併発するのでしょうか?
Visual snowの情報を集めていると、たまに残像にも言及されているのですけど...。

お答え:視覚保続のビジュアルスノーとの併発は聞いていませんが、もしそのへいぞんがあれば、原因病巣が近い所にあるか、オーバーラップしているという可能性について検討してみることは可能でしょう。視覚保続は比較的病巣がはっきりしていそうに思いますが、ビジュアルスノーではここという局所病変の場所は知られてないように思います。


10. Posted by 海   2017年11月23日 03:32
初めまして。
自分もビジュアルスノウ?(物心ついた頃からどこを見てもカラーノイズが見えます)だと知って、周りにも同じ症状の人が居ないか聞いてみたところ、以外とビジュアルスノウの症状がでてる人居るんですね
10人に聞いたら二人同じ症状の人が居ました。私と同じで自覚症状全くありませんでたが。

そして私の家族にも聞いてみたのですが、母は見えなくて父と私と姉もビジュアルスノウだったのですが、ビジュアルスノウって遺伝するのでしょうか?
お答え:いろいろと調べてみているのですが、遺伝性で有ったり家族内発症したはっきりそれとわかる症例にはお会いしたことはありません。閃輝暗点や片頭痛に関連している可能性がありますが、それなら家族内にその体質の人がいても不思議はありませんが。投稿ありがとうございます。お大事に。
9. Posted by 清澤   2017年11月14日 22:17
5 具体的に雪視症と精神疾患の両方を発症しているケースはないと思います。ただし、閃輝暗点やミグレイン(片頭痛)との関連を論じられた症例ならあります。東京都健康長寿医療センターでは「PETによる脳の検査」を希望するビジュアル・スノーを持ったボランティアを研究の目的で求めています。その研究に被検者として参加する意思がおありならば、ご相談ください。
8. Posted by TK   2017年11月13日 22:48
初めまして、20代前半の男です。
私は7年ほど前に視界砂嵐症候群と思われる症状が両目に現れ、現在も続いています。
最初の1-2年は飛蚊症の症状(透明な糸のようなものが目の中を泳ぐ)があったのですが、数年のうちに改善されております。

クロナゼパムが症状に効果があるとのことですが、これは向精神薬に類するものであると認識しています。その点で少し気がかりなことがございます。

私の母親は重い統合失調症の患者で、入退院を数回繰り返しております。
遺伝による影響か分かりませんが、私自身も軽いうつのような症状が出ることがあります。(正式な診断は受けておりません)

今までの事例で、雪視症と精神疾患の両方を発症しているケースはございましたでしょうか。クロナゼパムの話を伺い、もしかすると何らかの因果関係があるのではと考えております。

もし何か清澤様のお役に立てるのであれば、詳しいお話ができればと思っております。

よろしくお願いいたします。
7. Posted by やまぐち   2017年11月10日 00:02
初めまして。私は小学生の頃から、右目だけ砂嵐が見えていました。右の視力の方が悪く左目だけで見ているのか、普段は気にならないのですが、片目ずつ見ると、色も明るさも違って見えます。因みに閃輝暗点にも時々なって、この時は両目とも同じ場所が見えにくくなります。だいたい向かって左側の視野が欠損します。
雪視症が悪化して、視力に影響することはあるのでしょうか?
お答え:気にはなるでしょうが、視力低下は起きにくいようです。閃輝暗点との関連が論じられることがあります。多くは両眼性のようです。よかったら一度お見せください。
6. Posted by たけし   2017年09月27日 22:39
5 初めまして。愛知県在住44才のサラリーマンです。小さい頃から右目近視、左目遠視のガチャ目で、中学校からテニスをしていましたが、遠近感が合わず、ボレーの際にボールがラケットにうまく当たらなかったりと、大変苦労しました。10年前に右目はレーシックにて視力を回復し問題ありません。問題の左目ですが、視力は1.5あるのですが、視界が狭く、まさにビジュアルスノーの状態です。右目てみると明るく見えますが、左目は幾分薄暗く見え、物の大きさが小さく見えます。また、本やパソコンの時も、ぼやけて見えません。眼科には何箇所か通いましたが、皆さん、数値など、定量的なデータで異常がないと、全く話を聞いてくれず、患者がおかしいと言わんばかりの言われ方をしておわります。
本を読んでいても頭の中で内容がまとまらず、音読や筆記でないと頭に入らないなど、脳への影響もあるのではと、感じております。一度相談に乗っていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
お答え:最初から左右別々に見る癖がつていて、両眼視が弱いモノビジョン状態なのかもしれません。視野が狭いというのが、ゴールドマン視野も狭いのか、単にそう感じているだけなのか?月に一度の土曜で鈴木担当のビジュアルスノーの検査日を作ってありますので、可能ならご受診ください。ビジュアルスノウは不同視とは別の現象で重なっているのかもしれません。
5. Posted by memory   2017年02月21日 01:50
20代の者です。自分の症状をコメントさせていただきます。
テレビのビリビリの画面のような、無限の砂嵐は常時見えています。
そこで以下のことはあまりネットで見受けられないのですが(でも少なからずいる)
「ルージュ色のダイヤモンド!エメラルド色!ゴールド!」と念じると、砂嵐の奥から大きい粒の宝石のようなものが溢れ出して見えていました。しかし、何故かこの能力が徐々になくなってしまいました。自分は能天気な者で、これが病気という意識がなかったのでとても悲しいです笑。
なので今では砂嵐は見えるのですが、昔のように砂嵐を変化させる能力が失せてしまいました。
自分は全くvisual snowを苦に感じておらず、治療法があっても治したくないとまで考えています笑。ただ、一体何の幻覚を見ているのかが気になってなりません。小さい頃、色や形を念じて作り出していたことから、脳に関係しているというのはとても納得いたします。
日本では現在殆ど研究されてない病気らしいのですが、誰か何かの参考になればと思いコメントさせていただきました。この先、この漠然としたままの症状が解明される日が来ることを望んでおります。
お答え:意味深いコメントに感謝。興味があればご受診のうえ脳のPET研究にご協力ください。診療は有料ですが、PETのみは無料にできます。
4. Posted by 清澤   2017年01月30日 12:09
えみさん:どうぞ、ご受診ください。その先でご希望があれば、脳のPET検査もお勧めしましょう。
3. Posted by えみ   2017年01月30日 08:53
初めまして。
私も最近ビジュアルスノウらしき症状が目立ち始め悪化しています。
埼玉在住なのでもしよろしかったら診察だけでも受けに伺ってもよろしいしょうか?
2. Posted by こう   2016年11月25日 17:54
私は現在33ですが今年の1月にビジュアルスノウと思われる症状が一気に悪化しました。脳外科、眼科に行きましたがとりあってもらえませんでした。ビジュアルスノウに触れているお医者様がいたことに少し安心しました。現在もそこから少し悪化してる感じです。広島在住なんですが治る治らないしろ1度そちらまで診断受けにいった方がよろしいでしょうか?
お答え;片頭痛に関連したものか?という説もありますが、本体はわかってはいないという学会発表を今日宮崎で聞きました。さてどうしたものでしょうか?東京在住の方であれば、FDGペットの検査を受けていただけるような手配をいたしておりますが?
1. Posted by ゆう   2016年10月29日 17:00
私はビジュアルスノーです。
こちらの記事、大変参考になりました。
もしそちらの眼科へ相談した場合、何か治療はされるのですか?
お答え:現在、確立された治療法は世界中にありません。提案できるのは他施設で行う脳代謝分布で脳機能を評価するFDG-PET検査で、脳機能の異常を探す検査です。これは研究目的なので、その検査部分に費用は発生しません。しかし、当医院で行う通常の視野検査、眼底検査などの眼科検査は普通に有料です。

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プロフィール
院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜午後の神経眼科外来を担当)、2006年国際神経眼科学会副会長。日本眼科医会学術部委員
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