「Diggin'」-Digとは-ヒップホップ用語でレコードを探すこと。カレー研究家でありカレーラッパーのスパイシーさんが、カレーを舞台にDig(掘り下げる)しまくる、華麗なるカレーインタビュー企画。東京カレーシーンの重要人物の一人、カレーライターの はぴいさん に、
書き起こし&編集&撮影をお願いしています。
『ディープな内容をポップに』をキーワードにスパイシーさんがDigした意義あるお話を多くの人に届けてい行きたいと考えています。貴重なお話盛りだくさんなので、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは、#1-1の続きを Diggin’でスパイシ~~~~~♪♪♪
「Diggin'」 -Digとは-ヒップホップ用語でレコードを探すこと。カレー研究家でありカレーラッパーのスパイシーさんが、カレーを舞台にDig(掘り下げる)しまくる、華麗なるカレーインタビュー企画。東京カレーシーンの重要人物の一人、カレーライターの  はぴいさん に、
書き起こし&編集&撮影をお願いしています。
『ディープな内容をポップに』をキーワードにスパイシーさんがDigした意義あるお話を多くの人に届けてい行きたいと考えています。貴重なお話盛りだくさんなので、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは、前回の続きを Diggin’でスパイシ~~~~~♪♪♪
ケララバワン5

ポリヤル

「ポリヤル」?
-ポリヤル(Poriyal)-北インド料理や南インド料理の、
ベジタリアン、ノンベジタリアンのドライなスパイス炒め。
料理内容、調理法、呼び名は、地域によって異なる。


:さて話しを元に戻しましょうか。これはポリヤルですね。
 :はい。野菜の内容はいつでも変わります。今日は緑豆、ムングダールですね。それとキャベツの炒め、クラッシュココナッツのポリヤルです。生姜とクミン、カレーリーフなどで炒めて作ります。カレーではなくて野菜炒めですね。
:北インドのサブジに近い料理ですよね?
 :そうですね。ちょっと近い。
:南インドの煮込み料理ではないものでトーレンがありますよね。ポリヤルとどこが違うんでしょうか?
 :一番大きな違いはポリヤルは炒める料理ですね。トーレンは水分を少なめで煮る料理です。 ス:蒸し煮、ですね。
 :そうです。あとからテンパリングをします。ココナツオイルにマスタードとかカレーリーフを入れて油に香りをつけてかけます。ポリヤルは豆を先に茹でて野菜と炒めます。だからトーレンのほうがポリヤルよりさっぱりした仕上がりになって健康的です。
:なるほど、曖昧だったことがすごくよくわかりました!勉強になりますねえ、おもしろいなあ!
:これはなにですか?
ケララバワン6

インジップリ・チャトニ

「インジップリ」?
-中身はタマリンドと生姜と黒砂糖。
カレーリーフやクミンも少し。
ケララ料理で出てくるペーストでごはんや他のものと混ぜて食べる。
「チャトニ」(チャツネ)?
-インドのソースやディップのこと。 様々な種類のチャトニがある。
日本でいう、おろししょうがやわさびなどの「薬味」のようなもの。


 :インジップリです。中身はタマリンドと生姜と黒砂糖。カレーリーフやクミンも少し。ケララ料理で出てくるペーストでごはんや他のものと混ぜて食べます。 
:この間初めて食べましたがチャトニとも違うしなんだろうと思ってたんですよ。
 :インジップリはたぶんだしている店は日本ではうちしかないんですよ。
:ええっ!そうなんですね! 
 :アチャールなんかもみんな瓶詰めでだしますがうちは開店以来瓶詰めは使わないで作っています。
 :これはナーレンガアチャール。レモンのアチャールです。レモンを細かく切って生姜とタマリンドとチリとスパイスでミックス、数日おいてから煮込んで完成させます。
ケララバワン7

アチャール

「アチャール」?
-野菜や果物の漬物。 ピクルス。
もともとは、農作物が不作のときのための
保存食(非常食)として作られたもの。


:へえ〜。僕が一度コーチンに行ったときにレモンのアチャールを食べてあまりに美味しくて感激したんですが、それを思い出しました! 
 :日本のレモンで作ると完全に同じ味には出来ないんですよ。やはりちょっと違うんです。 
:なるほど。そうだ、お聞きしたいんですが、アチャールという言い方とピックルという言い方がありますね。あれは同じものなんですか? 
 :同じです。アチャールという言葉は北インドで使われることが多いです。ピックルは英語ですが南インドで使われることが多いです。もちろん現地の呼び名でインジップリ、ナーランニャピックルと呼ばれることもありますよ。ピックルは野菜と果物だけではなく、小さなエビで作るノンベジピックルなんかもあります。コーチンあたりにいくとエビがたくさんとれるのでね。 
:レモンピックルの作り方を調べたことがあったんですが、外に一ヶ月くらい放置してくださいと書いてあってものすごくびっくりして、、、 
 :それは昔のやり方なんですよ。マンゴーもレモンも外で乾燥、熟成させるんですね。昔は冷蔵庫もなかったし、保存食を作らなければいけなかった。いまのようにたとえばレモンを煮込んで作るスタイルだとすぐにだめになってしまう。昔のスタイルで作ると油とスパイスがゆっくり混ざって発酵すると1年2年と保つものが出来るんです。 
:えー!!1年も保つのですね?すごい! 
 :古くなれば古くなるほど美味しくなるんです。 
:ああ、日本の梅干しみたいですねえ。 
 :そうですそうです。そういう感じ。 
:じゃあ外におくスタイルのピックルはしょっぱい? 
 :そう、すごくしょっぱいです。塩をいっぱい使ってやらないと悪くなっちゃうんですね。 
:ああ、なるほど。僕もレモンピックルをまた作ってみます。
:では次にお隣にあるこのおせんべいみたいのものは、、、 
 :これはケララのパパダン。パッパルは北インドの言い方です。 
:これはなにで出来ているんですか?
ケララバワン8

パパダン・ウラドダール

「パパダン」?
-パパダン/パパダム/パーパド は、
豆の粉などを主原料とし、油でさっと揚げたもの。
そのままパリパリ食べたり、細かく砕いてカレーと混ぜたりする。
「ウラドダール」?
-ウラドダールは、インドで昔から保存食として広く一般的に食べられてきた
「ケツルアズキ」の皮を剥いて、引き割にしたものです。
(日本では「もやし豆」としておなじみ。)


 :豆の粉で出来ています。ウラドダールを使っています。これを作るのはけっこうむずかしくてプロのひとじゃないと作ることが出来ない。お店で買うことがほとんどです。うちのパパダムはケララから持ってきています。日本ではこれを作っているところはありません。なのでケララから何十キロも持ってきて保存して使うわけです。本当は数日で色が変わって風味が落ちますが、ケララから飛行機で持ってくれば一日、それを冷凍します。揚げる前ぎりぎりに解凍するので風味もまったく落ちません。ケララで食べるのと同じ味です! 
:おお、そうなんですね!サッシーさんこれはクラッシュして混ぜて食べるんですよね?それが本当の食べ方でしょ?僕がインドに行ったときにおせんべいを食べるように食べているひとがいたんです。 
 :そういうひともいるかもしれません。でもおよそ90%くらいのひとは割ってごはんに混ぜて食べますね。それが普通です。いまではお酒を飲むひともいてそれに合わせてパパダンだけをそのまま食べるひともいるけれど、ごはんにかけて食べるのがいまだ一般的です。
:ごはんといえば、ケララバワンのごはんが特別なごはんと聞きました!
ケララバワン9

ソナマスリ

「ソナマスリ」?
-ソナマスリはテランガーナ州、アンドラ·プラデシュおよびカルナタカ州のインドの州で主に栽培されている、 中粒米です。インドのお米といえば「バスマティライス」が有名。ビリヤニやプラオを作るときなど、欠かせないものとして日本でも少しずつ知名度が高まってきているが、インドではバスマティライスは香りの強さゆえに日常的に食べるものというよりは、「ハレ」の日の食べ物という位置づけ。バスマティライスが細長いのに比べて、ソナマスリは短めなのも一つの特徴といえる。また、ソナマスリライスはバスマティよりもでんぷん質が少ないため食感が軽く、ヘルシーで消化に良いとされている。


 :ごはんはソナマスリというお米です。バスマティではないんですよ。インド料理のお店ではバスマティライスが多いですよね。でもわたしの考えでは南インド料理にはどうしてもバスマティは合わないんです。インド料理は料理とごはんをよく混ぜて食べますが、バスマティライスをあわせると南インド料理の香りが死んでしまうんです。ケララでも、南インドどこに行ってもミールスにバスマティライスはださないんですよ。このソナマスリやケララの赤米をあわせることが多いです。これを輸入できなかった頃は東京の南インドレストランではバスマティも出していました。 
:いまでもおおいですよね? 
 :そうですね。 
:これはバスマティライスよりちょっと短いですね。日本のお米に近いなあ。で、香りがバスマティより控えめですね。 
 :そうです。このお店をオープンした頃はソナマスリがないのでお客さんにはミールスを食べるときにはバスマティライスより日本のお米の方が合いますよ、と教えてあげていました。すこしべたべたするけど香りのバランスがいいです。 
:そうか、日本の人はまだまだ手で食べずにスプーンで食べるひとも多いので日本米のべたべたも別に気にならないですよね。 
 :うんうん、そうですそうです。 
:うーん、これはおもしろい話しだ。いままでは日本では多くのひとがバスマティライスが正解ってことで考えていましたもんね。そうかあ。パキスタンや北インドではバスマティライスはよく使いますね。 
  :そうですね。あとたとえば南インドでもプラウとかビリヤニとかではバスマティライスも使いますよ。とにかくミールスにはバスマティは合わないですね。
ビリヤニ、ビリヤーニーとは-インド料理の一種でスパイスと米(通常バスマティ米)、肉、魚、卵や野菜などから作る米料理である。ビリヤニとプラオの違いは、プラオは生の米から炊き込むのに対して、ビリヤニは米とカレー(肉か野菜のカレー)を別々に作る点にある。特にビリヤニの製法において米とカレーを層状に重ねることは、カレーと米が融合した香り高い一品を生み出すために非常に重要である。 

【Dinggin’♯1-3 ケララバワン(KERALA BHAVAN)へつづく】