フランス優勝で幕を閉じたワールドカップ。たくさんの感動的な試合やプレーに心が揺さぶられる。スポーツはやっている人も見ている人もとても楽しむことが出来る。ただし勝った時はとても嬉しい気持ちになるが、負けた時は結構ネガティブな気持ちにもなる。考えてみると、ワールドカップ参加32チーム中、優勝は1チームのみ。ほんとうに少ない人だけが、心から喜べたことになる。しかし勝ち負けに関係なく全32チームが掴んだものはなにか・・・

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人生において、「成功」は約束されていない。
しかし、
人生において、「成長」は約束されている。

もし、我々が、人生で与えられる
苦労や困難、失敗や敗北、挫折や喪失を、
自分の「成長の糧」とする覚悟があるならば、
人生において、「成長」は約束されている。

我々は、かならず、「成長」していくことができる。

だから、覚悟を定めてほしい。

我々は、何をめざして、この山を登るのか。
この人生という名の山に登るのか。
それは、「人生の成功」をめざしてだろうか。
「夢」や「願望」を表現することをめざしてだろうか。
しかし、それがこの登山の目的であるならば、
我々がその山の頂に立つことができるかどうかは、分からない。

しかし、もし、我々がこの登山においてめざすものが、
「人生の成功」ではなく、
「人生の成長」であるならば、
我々は、かならず、その山の頂に立つことができる。

なぜなら、「人間の成長」をめざして、この山に登るならば、
その山道で出会う、すべての苦労や困難、失敗や敗北、挫折や喪失を、
自分自身の「成長の糧」としていくことができるからだ。
そして、「確かな成長」を遂げていくことができるからだ。

それが、「あの苦労や失敗や挫折があったからそこ」と言える生き方だ。
我々は、かならずしも、
「あの苦労や失敗や挫折があったからこそ、成功できた」
という生き方をすることはできない。

しかし、我々は、かならず、
「あの苦労や失敗や挫折があったからこそ、成長できた」
という生き方をすることはできる。

では、どうすれば、苦労や失敗や挫折を通じて、
我々は、成長して行くことができるのか。

そのためには、まず、理解すべきだろう。
人生における、苦労や困難、失敗や敗北、挫折や喪失。
その「意味」を、深く理解すべきだろう。

2004年にアメリカのメジャーリーグで、「年間安打262本」という世界記録を打ち立てた、
プロ野球のイチロー選手。
彼に、人生の苦労や困難の意味を教えてくれる素晴らしいエピソードがある。

ある時期、イチロー選手が、ライバルチームのピッチャーに
何試合にもわたって抑え込まれ、ヒットが打てなかった。
そのことについて、インタビュアーから聞かれた。
「あのピッチャーは、あなたの苦手なピッチャーですか?」
その問いに対して、イチロー選手は、こう答えた。

「いえ、そうではありません。
彼は、僕の可能性を引き出してくれる、素晴らしいピッチャーです。
だから、僕も、腕を磨いて、
彼の可能性を引き出せる、素晴らしいバッターになりたいですね」
このイチローの言葉の中に、人生における苦労や困難の意味が語られている。

それは、「できることなら避けて通りたい苦しく不毛な出来事」ではない。
それは、「自分の可能性を引き出してくれる素晴らしい出来事」だ。

だから、君も、思い出してほしい。
もし、君の人生の中で、苦労や困難がやってきたなら、
それは、君の人間としての可能性を引き出してくれる
素晴らしい機会だ。
それは、君が人間として大きく成長することのできる
絶好の機会だ。
そのことを、思い出してほしい。

それが、苦労や失敗や挫折を通じて成長していくために、
忘れてはならない心構えだ。

「未来を拓く君たちへ」 田坂広志著 PHP文庫より
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すべての苦労や困難、失敗や敗北、挫折や喪失は、自分にとって人間としての可能性を引き出してくれる素晴らしい機会であり、その先には「成長」といものがある。

だからスポーツは辞められない!