2019年01月02日
『カニバル レザーフェイス』
『カニバル レザーフェイス』
2015年
イギリス
監督:チャーリー・スティーズ
*本記事は、グロテスクな表現を含みます
いつの間にか一年が終り、新年を迎えてしまった。
昨年は海外テレビドラマ中心で、それほどHELLな作品に触れなかった。
いや、前半は『ウォーキング・デッド』にハマり、テレビドラマながらにHELL感を満喫した記憶がある。
かのドラマはやがてゾンビ主流から、極限下におかれた人間同士の関係性にテーマが変わり、バイオレントさを増した。愛着の湧いたキャラが、ゾンビではなく人間に殺される。これは、自分の好むHELL感とは真逆の方向であり、視聴を休止した状態になっている。
HELLにも色々とあり、十人十HELL(ジュウニントヘル)だ。
貴方の好きなHELLは、何かな?
さて、本作。
ジャケット・タイトルからして、十分なHELLが感じられる。
カニバル=人喰い。
レザーフェイス=ホラーの名作『悪魔のいけにえ』に出てくる殺人鬼。メイン・ウエポンはチェーソー。
普通に考えれば、血飛沫系。
激しいゴア描写を内包し、『こいつはヤベェぜ』なんつって独りほくそ笑んでしまう作品だ。
しかしながら、こうもアカラサマなタイトルは、誇大広告の可能性も秘めている。
はたして、その実態はやはり野生の勘を信じるべき内容だった。
冒頭でレザー・フェイス誕生を示唆する場面構成。
とある悲劇が生んだ殺人鬼が、その後どのような人生を送ったのか?
まともな生活に戻れない彼は、日々憎悪を募らせていったに違いない。
勝手に想像するも、劇中にその描写は用意されていない。
口の汚い家族が農場にやってきて、早々に捕えられてしまう。
さあ、レザーフェイスよ、お前の煮えたぎる憎悪を曝け出してみろッ!
素直なマニアなら、きっとそう願うはず。
しかし、チェーンソーの唸りはほとんど聞こえず、逆にこの後の展開が読めなくなってくる。
ゴア描写が無い訳ではない。
電流流れる檻に触れたイケ面は、両手ぶっ飛び~IKKOさん。
でも、その他は?
あれ、覚えていな~い。
グダグダな家族の逃走劇。
人喰いペーソスを入れながらも、食人シーン皆無など、演出がヌルすぎちゃってどないしましょ。
ヒロイン・ジェシカは理不尽な仕打ちに突然覚醒。
まるでランボーのごとく、怒りを露わに奮闘。
そして最後に彼女の執った行動は……。
このラストも安い、安っぽいぜ~。
廉価なHELLにも何かしらの魅力はある。
さあ、2019年。
今年もHELLを宜しくお願いします。