2022年 5月1日
今回は、「 誰も知らない世界のことわざ」エラ・フランシス・サンダース 前田まゆみ訳 と、「翻訳できない 世界のことば」エラ・フランシス・サンダース 前田まゆみ訳 を、紹介します。
「 誰も知らない世界のことわざ」
エラ・フランシス・サンダース 前田まゆみ訳
「はじめに」の言葉から一部を紹介します。
ブランドン・スタントンという写真家の作品『ニューヨークの人々(Humans of New York)』の中に、忘れられない言葉があります。「努めて、自分の言葉に慎重になろう。口にしたときには何の意味もないように思える言葉でも、結果的に力を持ってしまうことがある。播くつもりさえなかった言葉の種が、自分を離れて人々の中で育ちはじめることもあるのだ。」
以来、彼のこの言葉は、私の頭の中に刻みこまれています。そして、この本を作る間じゅう、ずっと念頭にありました。私にはもはや、言語が文字や単語の単なる連なりとは思えません。むしろ、私たちがどう生きるべきかを知ろうとしてこの世界をさまよっているときに、私たちのまわりでゆっくり着実に成長する背の高い植物や、小さな種や、するすると伸びて花を咲かせている草の蔓のように思えるのです。」
「翻訳できない 世界のことば」
エラ・フランシス・サンダース 前田まゆみ訳
「はじめに」の言葉から一部を紹介します。
「わたしたちは、それぞれ異なる個人的な経験を自分らしく表現したいし、自分をほかの人と区別したいと思っています。でも、それと同時に、わたしたちはみんな、同じ「素材」でできています。わたしたちは、それぞれほとんど同じように笑ったり泣いたりするし、言葉をおぼえては忘れ、自分たちとは異なる文化の人々と出会って、それでも、彼らのくらしを理解します。言葉は、わたしたちが相手を正確に理解するのを助けてくれるし、文化のちがいから絶えまなく生じる疑問を解決し、境界をこえさせてくれるのです。
言葉は、不変であるかのようにふるまいますが、じつはそうではありません。言葉は進歩するし、死ぬこともあります。そして、ひとことだけ語っても、もしくは何千もの言葉を連ねても、その言葉がわたしたちを形作り、愛や不満や意見を表明して、ほかの人の気持ちを変えることができるのです。
この本が、読者のみなさんにとって、忘れかけていたなにかを思いだすものであったり、または今まではっきりと表現したことのなかった考えや感情に言葉をあたえるものであればと願っています。たぶん、たとえば一世代ちがうふたいとこについて語る言葉や、2年も前の夏の感じてうまく言えなかったことや、たったいま目の前にすわっている人も目が語っていることについての表現がみつかるかもしれません。」
以上です。
不思議な本でした。
子どもの笑顔を守りたい。幼児教室けいkids+の心です。