2017年 10月4日
京都市伏見区にあります「聖母女学院」の赤野孝一理事長先生にお目にかかり、お話を伺って参りましたので、ご報告します。2014年に、赤野孝一先生が大阪聖母学院小学校校長から、京都聖母学院幼稚園園長を経て、聖母女学院理事長に就任なさった時も、インタビューさせていただきました。あれから3年が経過した今のお気持ちをお聞きしたくて、お会いして参りました。
建学の精神
カトリックの人間観・世界観にもとづく教育を通して、真理を探究し、
愛と奉仕と正義に生き、真に平和な世界を築くことに積極的に貢献する人間を育成する。
赤野孝一理事長先生
学校法人聖母女学院のHPはこちらをご覧ください。
赤野孝一理事長先生のお話
「現在、日本では約21万人もの子供たちがカトリック学校に通っていらっしゃいます。これまでも、カトリック学校は日本の教育界に対して多大な貢献をしてきたと思うのですが、一方で現在、その将来に対して私は非常に大きな危機感を持っています。具体的には指導者であった神父やシスター方の高齢化が進み修道会が経営を担っていけない時代が目前に迫っています。カトリック学校内の信徒も非常に少ない中、いかにしてカトリックのアイデンティティーを守り発展させていくかは、今後の大きな課題です。またカトリック学校の多くが4年制大学を併設していない小規模な男子校や女子校が多いことから、現在の少子化や厳しい経済情勢の中で、いかに入学者を確保していくかもまた、日本中のカトリック校の課題になっています。これらの課題はそのまま聖母女学院の課題でもあります。そのような状況の中だからこそ、本学院は果たすべきミッションをはっきりと意識して存続していかなければならないと思います。
命があまりに軽視される風潮、またいつ戦争が起こるかもしれない不安定な社会の中でこそ、カトリック教育は必要です。このような時代だからこそ、全国のカトリック学校は力を合わせて全力で存続していかなければならないと思っています。
聖母女学院で言えば、幼稚園から高等学校までの長きに渡って、一貫して子どもたちの成長に深く関わりながら、本校の建学の精神を、子どもたち一人ひとりの心の中に染み込ませて行きたいと考えています。何よりも精神性を大切にする学校でありたいですね。一人ひとりの心に大切な種を蒔くという事が何よりも大事です。そのためには、発達段階に応じた専門的な教育と宗教的な人間教育を一体のものとして推進していかなければなりません。幼稚園に入園した子供が、そのまま併設校の小学校、中学校高等学校で学ぶことに憧れ、進学を目指すような学校でありたいと願っています。これが、聖母女学院の原点だと考えています。確かに、出口である大学進学実績も非常に大事です。決しておろそかに考えているわけではありません。しかし21世紀は、その先にある社会で、いかに自分に与えられた能力を、「世界の人々と共に世界の人々のために」活かせるかが問われる時代です。その具現化の一つとして、寝屋川市にある香里キャンパスでは、中高を男女共学とし、「21世紀型教育」を柱とする教育改革に取り組んでいます。この教育では、英語教育、ICT教育、PBL教育を推進して、まさに「世界の人々と共に、世界の人々のために」活躍する21世紀社会のリーダーを育てることを目指しています。この「21世紀型教育」は研究すればするほど、一人ひとりが神様が与えられた使命に気づき活かすというカトリック教育を具現化する方法であることが分かります。当然、藤森キャンパスの学校においても現在研修を進めており、学校法人あげてその充実に今後も努力してまいります。
「人生100年時代」という言葉をお聞きになったことがあるのでしょう。今の幼児さんはまさにその時代を生きていくのです。良い学校に入り良い会社に入り定年まで勤めたとしても、人生はまだ5分の3終わっただけなのです。人生の目的は何なのか?本当の幸せとは何なのか?こういった精神性こそ問われる時代です。人の使命は必ず「人と共に、人のために」生きることと直結しています。『自分の使命に気づき、自分の与えられた能力を磨き人のために生きることこそ、本当の幸せではないか』カトリック学校はその生き方を提案します。
理事長の役目は二つあると感じています。一つはどのような困難にみまわれても、人々を幸せにしたいと願っておられる神様のお考えであれば、「乗り越えられない困難は一つもない」と確信を持つこと。もう一つは、その確信に基づいて「決めて実行する」こと。
「世界の人々と共に、世界の人々のために」自信を持って「21世紀型教育」を推進していきます。」
以上です。赤野孝一理事長先生、ありがとうございました。
聖母プリインターナショナルスクールのHPはこちらをご覧ください。
子どもの笑顔を守りたい。幼児教室けいkids+の心です。
