2012年10月6日
赤野孝一園長先生
京都聖母学院幼稚園の赤野孝一園長先生は、昨年まで「大阪聖母学院小学校」の校長先生を長く務めていらっしゃいました。私は、赤野先生が校長先生時代にインタビューさせていただいたのですが、それ以来フアンになりました。優しく、明るく、誠実で温かい方です。今は、園長先生として様々な新しい取り組みに挑戦していらっしゃるのですが、校長先生時代の「面接の思い出」を書いてくださいました。これから、面接を受けられる方の参考になると思いますので、ご紹介いたします。
「面接に思うこと」
いよいよ、私立小学校の入学試験の季節です。まだ就学前のお子さんと親御さんと個別にお会いする面接は、試験を実施する小学校の先生たちにとっても緊張の連続です。なぜなら、試験のなかで、これほどストレートに自らの学校についての思いや、我が子にかける思いを肌で感じる機会はないからです。緊張のあまり、額に汗びっしょりになられて口ごもってしまわれたお父さま。母親としての思いに涙ぐんでしまわれたお母さま。さまざまなお顔を思い出します。けれども主役は何といっても5歳・6歳の子どもたち。必要以上に緊張を強いることは、子どもたちにとって、苦痛以外の何ものでもありません。面接会場を出たとたん、「お母さん、お行儀良かったでしょ?〇〇買って!」と大声でお母さんに話している声を聞きながら、せっかくの面接の機会なのに残念だなぁと思ったことがあります。あくまでも、ふだんの親子の関わりをふだん通り表現できれば良いと考えて臨んでいただきたいです。したがって、準備は日々のおうちでの生活です。そんな日常の微笑ましい関わりが垣間見えたとき、きっと面接をしている先生の心にも、温かな空気が流れることでしょう。そんな体験を少し紹介します。
【手、つないできた】
Aちゃんは、面接室に入って来るなり、とっても笑顔のステキなお子さんでした。「Aちゃん、今日はどうやってここまで来たの?」とお尋ねすると、お隣のお母さんとニッコリと見つめあって、「あんな、お母さんと手、つないできた。」と答えたのです。「電車で」とか、「歩いて」とかの答えがほとんどのお子さんの答えでしたが、とってもユニークで微笑ましいお母さんとの繋がりを感じた一瞬でした。
【お鍋食べる時!】
Bちゃんは、少し引っ込み思案のお子さんのようでした。緊張していてなかなか、大きな声で話せません。でも、「おうちでどんなときが楽しい?」と尋ねると、俄然活き活きした目になって、「お鍋。お鍋食べるとき!」と答えたのです。お話を聞くとBちゃんの家では家族みんなが揃う週末は、毎週お鍋をされるとのこと。「みんなでお話しながら食べるのが好き。」とBちゃん。蛇足になりますが、最近、この質問をしても、黙ってお母さんの顔を見ている子どもさんが増えたのは気になります。正しいことを言わないと叱られると思ってしまうのでしょうか。溢れるおうちの楽しさをどのお子さんにも与えてあげて戴きたいです。
子どもは正直です、普段がそのまま出ます。そしてそれで良いのです。保護者のみなさんも親でなくては語れない“わが家の家族自慢”を大切にして臨んで戴きたいものです。
以上です。
赤野孝一園長先生は「園長ブログ」でも「面接」について書いていらっしゃいます。こちらもどうぞご覧ください。
いよいよ、私立小学校の入学試験の季節です。まだ就学前のお子さんと親御さんと個別にお会いする面接は、試験を実施する小学校の先生たちにとっても緊張の連続です。なぜなら、試験のなかで、これほどストレートに自らの学校についての思いや、我が子にかける思いを肌で感じる機会はないからです。緊張のあまり、額に汗びっしょりになられて口ごもってしまわれたお父さま。母親としての思いに涙ぐんでしまわれたお母さま。さまざまなお顔を思い出します。けれども主役は何といっても5歳・6歳の子どもたち。必要以上に緊張を強いることは、子どもたちにとって、苦痛以外の何ものでもありません。面接会場を出たとたん、「お母さん、お行儀良かったでしょ?〇〇買って!」と大声でお母さんに話している声を聞きながら、せっかくの面接の機会なのに残念だなぁと思ったことがあります。あくまでも、ふだんの親子の関わりをふだん通り表現できれば良いと考えて臨んでいただきたいです。したがって、準備は日々のおうちでの生活です。そんな日常の微笑ましい関わりが垣間見えたとき、きっと面接をしている先生の心にも、温かな空気が流れることでしょう。そんな体験を少し紹介します。
【手、つないできた】
Aちゃんは、面接室に入って来るなり、とっても笑顔のステキなお子さんでした。「Aちゃん、今日はどうやってここまで来たの?」とお尋ねすると、お隣のお母さんとニッコリと見つめあって、「あんな、お母さんと手、つないできた。」と答えたのです。「電車で」とか、「歩いて」とかの答えがほとんどのお子さんの答えでしたが、とってもユニークで微笑ましいお母さんとの繋がりを感じた一瞬でした。
【お鍋食べる時!】
Bちゃんは、少し引っ込み思案のお子さんのようでした。緊張していてなかなか、大きな声で話せません。でも、「おうちでどんなときが楽しい?」と尋ねると、俄然活き活きした目になって、「お鍋。お鍋食べるとき!」と答えたのです。お話を聞くとBちゃんの家では家族みんなが揃う週末は、毎週お鍋をされるとのこと。「みんなでお話しながら食べるのが好き。」とBちゃん。蛇足になりますが、最近、この質問をしても、黙ってお母さんの顔を見ている子どもさんが増えたのは気になります。正しいことを言わないと叱られると思ってしまうのでしょうか。溢れるおうちの楽しさをどのお子さんにも与えてあげて戴きたいです。
子どもは正直です、普段がそのまま出ます。そしてそれで良いのです。保護者のみなさんも親でなくては語れない“わが家の家族自慢”を大切にして臨んで戴きたいものです。
以上です。
赤野孝一園長先生は「園長ブログ」でも「面接」について書いていらっしゃいます。こちらもどうぞご覧ください。