オプションの道しるべ

日経225オプションについて熱く語ります。

オプションのメリット

流動性の十分ある先物さえあればオプションと同じリターンを生むように売買することは可能です。マザーズのオプションも先物に十分な流動性があれば、マザーズオプションを作り出すことは可能です。

日経平均が絶対に到達しそうもない超アウトのコールはもちろんプットでさえも、理論的には先物を使って同じリターンを出すことができるのです。

だとしたら、オプションというものは必要ないのでしょうか?

答えはおそらくノーでしょう。
オプションを使うメリットは大きく2つあります。


①先物で作り出すオプションはあくまでも理論的なものなので、完全には同じものを作ることはできません。毎回多少ずれが生じても懲りずに何回も繰り返せば、オプションと同じようなリターンを長期的に実現することは可能です。

トレーダーにとっては1回1回が勝負なので、オプションが生み出すリターンを毎回忠実に得るためには
オプションを直接売買することが必要です。

②オプションと同じようなリターンを出すためには、相場に張り付いて常時先物を細かく売買しなければなりません。

手間もかかるし、コストもかかるので、オプションを使えばその手間暇を避けることが可能です。


とくに②のメリットは個人投資家にとって大変大きく、オプションに投資するだけで、複雑に先物を売買するアルゴリズムを手に入れることができるのです。

桃栗3年柿8年

桃栗三年柿八年とは、芽が出て実がなるまでに、桃と栗は三年、柿は八年かかるということです。
つまり、何事も成し遂げるまでには相応の年月が必要だということになります。
これは、人生のいろいろな場面に当てはまることですが、オプションに当てはめてみましょう。

オプションは
買いのみ3年売り8年

といってもいいでしょう。

オプションを買いだけでやって3年うまくいくか生き残ったら本物
オプションを売りだけでやって8年うまくいくか生き残ったら本物

ということになります。

買いのみ

オプションを主戦場にしてトレードする場合、買いのみを続けて3年間生き残るのは大変難しく、もし、3年間生き残ったら、手法としては完成していると自信をもってもいいかと思います。

オプションを主戦場としてトレードせず、3年間に数回だけタイミングを絞り込んで使うというケースであればかなり生き残る確率は高くはなります。しかしながら、このケースではほかの商品のヘッジであることが多く、損益をトータルで考えると判定は難しいところです。

オプションを主戦場にしながら、タイミングを虎視眈々と待ち続けるというのは、頭で理解できてもなかなか実行できないものです。
買いのみを3年続ける間に、試行錯誤しながらも徐々に売りを交えたスタイルになっていくと思います。そのような中、買いのみにこだわって、3年間生き残るケースはかなりレアなケースだと思います。

買いの難しいところは、入口は易いのですが、出口が難しいところです。捨て金覚悟で適正な金額で勝負することは割と簡単ですが、評価益になったところから試練が待ち受けます。買いは勝率が低いのでどうしても取れるときに取っておかねばなりません。結局、評価益をうまく伸ばすことができず、しびれを切らして小幅な利食いで終わりがちです。そうなると、大半の負けトレードをカバーできずに3年持たない結果に終わります。


売りのみ

オプションの売りというものは、よほど運が悪くなければ負けることはありません。2-3年であれば運が良ければ勝ち続けることはそれほど難しくありません。仕組み上当たり前のことなのに、勝ち続けると、オプションは勝ちやすい、オプションは簡単、年金代わりになるといった勘違いが起こります。

自分で勘違いするだけなら一向にかまいませんが、たかだか数年間成功した方法を人に教えてしまうことです。これまで、無数のオプション必勝法というものが名を変え品を変え販売されてきましたが、すべて途中で破綻しています。売りを売り物にする投資家がいれば、本物かどうかは8年基準で判別すればよろしいかと思います。

オプションのブログを見ても、売り専門で行った人のほぼ全数が8年待たずにこっそりと姿を消しています。

鉄則 その3 別のルートを探る

鉄則 その3 ゴールは同じでも別のルートを調べる

たとえ同じ相場勘で同じゴールを考えていたとしても、最終的にそれを実現するまでに複数のルートをとおる可能性があります。

格言にも
相場は容易に想像できる水準にもっとも予想しないルートを通って到達するというのがあります。

追加緩和による今回の上昇もまさにこの格言通りです。

オプショントレーダーにとっては予想しないルートを通った場合に手が打てていたかどうかというのは重要なポイントです。

経路や到達スピードによっては途中の評価損に耐えられなくなったり、強制決済を食らったりするルートがあります。


緻密に相場の予想をしても、きりがありませんが、「おおまかに」いろんなケースを想定する必要はあります。
途中のルートのパターンによって耐えられるかどうかのチェックはかかせません。

また、狙いが同じでもそれを実現するために微妙に違う戦略があります。
そのときの需給によってやや有利な方法、やや不利な方法があります。明らかに違うものはあまりありませんので、何げなくやったのでは気づくことはありません。

この2つの考え方が出来るようにならなければ、本当の意味で初心者から抜け出したとはいえません。
数年儲かることもあるでしょうが、それは相場勘があたり、たまたま運が良かっただけといえると思います。
 

鉄則 その2 損して生き残れ

鉄則2 損して生き残れ

損を恐れてはいけないということです。
この場合の損とは期待利益が減ることを指します。
あるいは損の可能性を追加してでも、生き残りを優先させるということです。
こうした無駄玉こそが、初心者に生き残りのチャンスを与えてくれるのです。


コストを掛けると当然ですが、もともと少ない売りからの利益は減少します。
しかもそのコストのほとんどが結局無駄で終わります。
それでも、無駄玉は長期的に生き残るための必要経費なのです。
無駄と思うか、必要経費と考えるかが明暗を分けます。
最初のうちは、無駄はしたくないでしょうし、そもそも何が無駄で何が無駄でないかもわからないかもしれません。


そもそも、オプションはそれ自体が利益を生む魔法の商品でもなんでもありません。
儲かる手法をノウハウ化して簡単に人に伝授できるものでもありません。

オプションは損益の出方を従来の商品とは違うパターンに交換しているだけに過ぎません。
過剰な利益を求めるとそこには必ず、その利益を生むもとになるリスクが存在します。
勝率が高いオプションの売りにはそれなりの裏があり、それをどう制御するかがポイントなのです。

オプションが「簡単に儲かる」とか「儲けやすい」と勘違いするのは、必要なコストをかけなくても、普段はなにも問題が無いからです。
見えないリスクというのは顕在化しない限り気づくことはありません。


生き残るための戦略は地味で決して爆発的な利益は生みません。

それでも、生き残っていればこそ少しづつでも利益を貯めていくことは十分可能なのです。

このような、おもしろみのない話をわざわざ主張する人はあまり多くはないです。
今、うまくいっている人はおもしろくも何ともない話でしょう。
今はわからなくても必ずいつかわかるときがやってきます。
そのとき、もし覚えておいていただいて、もう一度読んでいただくことがあれば幸いです。



 

オプションを始めたばかりの人に贈るその1

鉄則1
利益はオプションの売りから取れ

まずはこの意外と平凡な基本から

SQ前の宝くじ買いなどはもちろん問題外です。
SQ前のオプション買いはむしろ、損をするための鉄板と考えてもいいぐらいです。

「1万円から始める」という本もありますが、これを書いた人は絶対にSQ前にオプションなんか買ったことはないと思います。買ったことがないからこそ書けるんだと思います。過去に成功した特定のケースを持ち出して、このとき1万円で買っていればどうだすごいだろという話をされても実践的にはたいした役にも立ちません。

本当にオプションで儲けたいのであれば、このような夢物語を信じているようでは道は厳しいでしょう。そもそも書いた本人も実践していないはずですから、しょせん宝くじは宝くじということです。

オプションを1万円からはじめるのはかまいません。でも、宝くじと一緒でほとんど勝てませんから。
競馬、パチンコをやるよりは少しは分がいい、それだけの話です。


といっても、この鉄則1は売りを盲目的に推奨しているわけではありません。

オプションは長期的には買いよりも売りが有利だというのが歴史的な事実です。将来はどうなるかはもちろんわかりませんが、たぶんそうだと思います。


リスクプレミアムが極端に低い時期もありますが、長期的に通算すればオプションの売りにはプレミアムが存在するということです。

ということは
長期的に生き残るために売りを主体にするのはこの観点からいえば賢明なことです。

と・こ・ろ・が

連勝が続き,売りは儲かると思うひとが増え、その人たちが自信を持って売りを増やすと、売り過多となりリスクプレミアムが消滅してしまう時期があります。

しかし、いずれはそのような「不適切な参加者」は突発イベントにあっけなく退場させられ、再び適度なリスクプレミアムが戻ってきます。

市場はこれを長期的に繰り返しています。サイクルはだいたい3-5年です。
5年もたてばプレーヤーはがらりと入れ替わります。
オプショブログも9割以上は消えてなくなります。

でも、これは普通のブログもそんなもんでしょうから、オプションだけの現状ともいえず、あまり参考にはならないかもしれません。

そしてなにごともなかったかのように入れ替わったプレーヤーが再び同じ歴史を繰り返します。
これがオプションの神が作り上げたオプション市場のサイクルです。ひとはどうやら、歴史や先人の教えに学ぶことが苦手のようです。

多くの初心者は鉄則1を額面通り実行し、最初は儲けてやがて予定通り退場します。
その屍を生き残ったひとたちが分かち合います。
これがゼロサムゲームの宿命です。とりわけレバレッジの高いオプションでは顕著です。

欲・油断・勘違い・甘え・楽

予定通りの結果を生む要因はそういった類いのものです。


こうした事実を踏まえて、もう少し正確に鉄則1を書き直します。

最悪時にも死なないようにして売りで取れ
そして絶対に生き残れ



実は、大事なのは「売りで取れ」の方ではなく「最悪時にも死なない」の方なのです。

最悪時とは
日経平均が1000円瞬時に動いてもと極端に考えてください。
そして、多少時間をかけて3000円動いても
最終的に5000円動いても

動く原因がたとえ現時点で全く予測・想像できなかったとしてもです。

これが、初心者の方が最初にマスターすべき最初の関門なのです。
実に難しい関門です。


つづく

 
管理人
専門は日経225オプション
日本でオプションが導入される前からのキャリア
コメントありがとうございます
本日までの閲覧数(PV)
  • 累計:

メッセージ

名前
メール
本文