VLという概念自体異次元緩和と同じくらいあやふやなものですから、

なかなか前回の説明だけでは理解しにくい部分があるかも知れません。

いろいろ角度を変えて考えることでその姿がだんだん見えてきます。

こういうあやふやなものを考えるときは
極端な例を考えると意外と道が開けます。

たとえば
C15000がIV20%で売買されていたとします。
そして事後的なVLが20%だった場合

これを裸で満期まで持っていたら、期待値はゼロだということをイメージしてみましょう。

VL20%というのは年率換算で+-20%の範囲に68%収まるだろうということしかいっていません。
上がっている場合もあるし
下がっている場合もあるわけです。

同じVL20%でも取りうる経路は無限にあり、その無限を集めると、+-20%の範囲にだいたい収まる。
ただそれだけの話です。

VLというのは、
満期まで裸で持つというような手法において
1回ごとの結果についてはものすごくいい加減なものなのです。

この場合の期待値というのは
裸で最後までもつことを無限回繰り返す結果から出てくるわけです。
神にしか見ることのできない世界なのです。

期待値の計算をイメージしてみましょう。

C15000のコールの最終日の損益線に
VL20%をつかった累積密度関数を掛け合わせたものです。

要するに12000で終わる確率〇〇%12001円で終わる確率〇〇%... ... 18000円で終わる確率〇〇%...
という計算をするわけです。

頭の中では
C15000円の損益線と釣鐘型のベルカーブの2つのイメージを思い浮かべて
それを頭の中で掛け算するイメージを持つと
なんとなく、なんとなく期待値がゼロになりそうだとイメージできると思います。


事後的にHV30だったら、掛け算する釣鐘がより横に広がったベルカーブを掛け合わせるイメージです。

我々が、遭遇できるのは、無限回のうちのたった1つのケースなのです。

IV20でC15000を買って事後的にHVが30であれば、裸でもったままそれを無限回やればもうかることが期待できるし
HVが20であればとんとんになることが期待できる。

こういうことです。

1回ごとの結果は儲かったり損したりしますから、この1回ごとの損益の振れを少なくするためにヘッジをするわけです。
裸の取引を無限回繰り返す代わりに、途中でヘッジを行うわけです。

ヘッジをうまく当てれば、損益の振れを少なくできますが、
期待値は最初のIVと事後的にはたったひとつのHVによって運命づけられていて変わらりません。

しかも、BSが仮定しない価格の不連続的な変化が起こった場合は損益はふれます。
価格の不連続な変化は、ボラティリティ計算の中には盛り込めませんので
IVが予想HVよりどうしても高くなるひとつの要因です。

かなり哲学的になったような気もしますが、
このあたりをなんとなく理解できるかどうかで
オプションの取り組み方の幅が変ってくると思います。 

ここで、あることに気づきます。
期待値をプラスにするのはどうするか?
その期待値をなるべくうまく1回ごとに実現するにはどうするか? 

つづく