「初心者にも簡単」
「誰でも儲かる」
VS
「何をやっても期待値は一緒」

このなぞなぞに挑戦です。

オプションで絶対的に正しいといえるのは
最終日の損益線プット・コールパリティの二つだけです。
これだけは、誰が何と言おうと正しいのです。

それ以外のものはすべて、正しくなるためには必ず何らかの条件や前提をおくことが必要です。
何らかの条件や前提こそがオプション理論なのです。
ありがたいことに、この二つの真実にはややこしい理論は全く絡みません。

たとえば、コールの値段が決まると、同じ行使価格で同じ満期のプットオプションの値段はプットコールパリティにより自動的に決まります。
しかし、それ以外のオプションの値段を決めるには、VLという触媒が必要です。

VLには絶対的に正しいものはありませんから、だいたいの価格しか求めることはできません。
しかしながら、そのVLの意味は知らなくてもオプションの売買はできるのです。

最終日の損益線を相手に勝負をすればいいのです。

株価とリターン1 
株価とリターン3















上の図は現物や先物のデルタ1商品です。
下の図は下値の損失をなくすかわりに、損益線全体が下に下がった商品=コールオプションです。
最終日まで持ち切るのであれば、期待値はどちらも 同じです。

違うのは、リターンの出方です。
何回も同じ条件下で同じことをやり続ければ、損益はそれぞれ標準化され、最終的には一致します。
どちらを選んでも結局は同じわけです。


いろいろオプションを組み合わせても、同じことがいえます。
最終日の損益線を相手にして売買するのであれば、どんなにオプションを複雑に組み合わせたとしても、それだけでは期待値は変わらないということです。(→ 期待値は永遠の実験でしか確かめられないので、寿命が有限な人間にはそれを本当に確認することはできません。中には期待値が収束する前に運よく勝ち逃げしてしまう人もいるわけです。)

オプションの詳しい仕組みを知らなくても、最後の行使価格との差の引き算ができればオプションの取引は行えます。ただそれは、損益線を組み合わせることでリターンの出方をかえているだけに過ぎません。

最終日の損益線だけを見て取引するのは、確かに「初心者にも簡単です」

でも、それだけで突然期待値が高くなるわけではありません。
リターンの出方を変えただけです。
小さく儲かりほとんど勝つような損益線の組み合わせを作れば
「誰でもほとんど儲かる」のは、確かに本当です。


ただし、期待値は変わってないわけですから、「ほとんど」ではないときに巨大な損が出て最終的には帳尻が合うわけです。

最終日の損益線を相手に儲けることができる人がいるとしたら、
その人は実は、オプションを使わなくても儲けられる人なのです。← これが大事です。

つまり、最終日の損益線を相手に期待値をプラスにするためには、現物や先物のデルタ1商品をプラスにする能力(平均以上に上げ下げを当てる能力)が必要になるということです。
それには、オプションの仕組みを必ずしも詳しく知る必要はないわけです。もちろん、知っているに越したことはありません。

これで

「初心者にも簡単」
「誰でも儲かる」
「何をやっても期待値は一緒」

のなぞなぞが解決しました。

結論
  • 最終日の損益線を相手に売買するのであれば、期待値の観点からはわざわざオプションを使う必要はない
  • ただし、リターンの出方は変わるので、リスク管理の観点からは必要になることもある

ということで、最終日の損益線を相手に売買するのは、本当のオプショントレーディングではないといってもいいかもしれません。

衝撃発言です。


「初心者でも簡単にリターンの出方を自由に変えられるオプション」
「でも儲けることは別」
が正しい表現ですね。

つづく