九条清隆 相場観と金融工学

株式・先物・オプション・FX・仮想通貨など、投資・投機を通じていろいろ考えるブログです。

2015年07月

適度なインフレが起こせれば、世の中万々歳、多くの問題が丸く収まるのですが、なかなかなかなか。
日米欧中、それぞれの悩みはつきません。

9月利上げ説が中心のエコノミストの皆様よりFRBはかなり慎重そうで、なかなか利上げへの言質を与えません。

「タイミングではなくそのペースだっちゅーに」

市場では疑心暗鬼がぬぐえません。

中国は中国で、どんどん国有化企業を増やす迷走ぶりで、もはや国家資本主義を名乗る資格なし。資本主義もどき社会主義。

 


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日本株、中国株乱調に右往左往 オプションに弱気サイン
証券部 岸田幸子(日経電子版 2015/7/28)

 リスク回避の広がりを感じさせるのが、オプション市場の変調だ。相場下落時に利益が出やすいプット(売る権利)の優位が強まっている。プットの未決済残高(建玉)がコール(買う権利)の何倍あるかを示す「プット・コール・レシオ」は約1.4倍と2010年6月末以来の高水準に高まっている。「相場上昇の期待が後退して、調整への警戒感から(プットの買いなどで)『保険』をかける動きが出てきている」(ファイブスター投信投資顧問の片岡邦夫執行役員)という。実際、この日も8月物では1万9000円など一段安の水準の権利行使価格のプットで売買が膨らんだ。

 じわりとプット優位が進み、警戒モードが浸透する東京市場だが、一方で2万1000円のコールが商いを集めるなど急反発に備える動きも消えていない。先が読めない中国株に振り回される状況のなか、市場参加者の気迷いが透けて見える。当面は身動きが取りづらい、神経質な相場が続きそうだ。

相変わらず、建玉を使った結論ありきの解説。
この方は5月にプットコールレシオでセルインメイの記事を書いた人かな?
コメント採用されたかたも災難でしょう。決してこういう文脈の中で話してないと想像しますが...。

 

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日経平均は19,100円台から急回復する中、オプション市場ではボラティリティが急低下して火曜日には日経VIもATMボラも年初来安値を更新しました。

日経平均の値幅も小さく現物市場は業績にらみの「個別物色」 ともいえる展開でした。
VIW0725

1週間を振り返ると、細かい日経平均の動きとオプションボラティリティは完全に逆相関の関係に終始しました。
結局、日経平均の水準が下がっている分だけボラティリティは上昇。
ザラバの細かい日経平均の動きに合わせてボラティリティは微妙に上下。

これは、ロボットが握るスマイルカーブに逆らう需給の動きがほとんど起こらなかったためだと思われます。オプション投資家も疲れましたかな?



オプション市場のボラティリティ(スマイルカーブ)
は投資家の需給と、需給の鞘を狙うロボットのしのぎあいの結果決まります。

特定の行使価格に需給が発生すると、ロボットが自身で想定するスマイルカーブに沿ってその需給を均します。
需給が一定量を超えると、ロボットは耐えきれなくなってスマイルカーブに不規則な変化が現れます。

先週はそんな動きがほとんど発生ぜず、ロボットの手の内で泳がされた退屈な相場だったといえます。

さて、今週は...



 


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レバETF参加者の裾野が広がり、個人投資家の間で一段と浸透してきました。
なかでも野村のNEXTFUNDSは売買高上位の常連で
最近は下がると買いが殺到し、上がると利食いが出て来るので、順張りでしかけるHFにとって宿敵となっています。

7月第2週の目にもとまらぬ19,100円台への下げで、レバETFの買いが需給を吸い上げたことが急反発につながり、これによって痛手を負ったHFも多かったと予想されます。
順張りで大量に仕掛ければいつも儲かるわけではないのは当然のことではあります。

ETFの新規設定と解約

ETFというのはいつでも市場で売買出来るメリットがありますが、実は指定参加者(証券会社)は前日までに運用会社に申し込むと基準価格で設定解約できます。

通常のETFは現物バスケットを持ち込んでそれを新規設定したETFと交換するのですが、このレバETFは設定も解約も現金で行なうのが特徴です。

NEXTFUNDSの基準価格と純資産額(過去1年)
レバETF

NEXTFUNDSの純資産額はこの1年で2,000億円から5,000億円の間を増減しています。
値上がり値下がりによる増減もありますが、頻繁に指定参加者が運用会社(野村アセット)との間で新規設定・解約を行なっていることがわかります。

日経平均が下がると純資産額が増え上がると純資産額が減る

傾向があります。
個人投資家はある程度レンジを決めてその範囲で買い下がり売り上がる傾向があるようです。

そうすると、このあいだのような20,000円割れ局面では、決済売りよりも新規買いが圧倒的に多くなり、レバETFは日経225現物指数や日経平均先物に較べて割高に推移せざるをえません。


この局面を手ぐすね引いていた指定参加者が日経平均先物を買ってレバETFを売って裁定ポジションを作ります。通常指定参加者はレバETFのポジションは長く持ちませんので、その大半がETFの空売りとなります。

レバETF       個人の買い  指定参加者の売り
日経平均先物    HFの売り   指定参加者の買い

  • 指定参加者はレバETFと先物間の裁定ポジションですから、HFの先物売りを指定参加者を間に入れて個人が受けた形になります。
  • 指定参加者は、レバETFが割高になるまで待たずに、ある程度たまったところで運用会社に新規設定を申し込みます。
  • 運用会社は申し込みを受けた翌日の基準価格で指定参加者にレバETFを渡します。

その際、指定参加者は先物の買いを売る必要があり、運用会社は新規設定に見合う分だけ先物を買う必要があるので、両者のニースは一致し、大引けでそれぞれ売り買いを入れて先物ポジションを交換します。(市場へはインパクトなし)

この結果、指定参加者が空売りしていたレバETFが新規設定で埋められて残高が増えるという仕組みです。


日経平均が上昇し個人の利食いが増えるとこの反対の流れでレバETFの残高は減少します。


新規設定解約の申請は指定参加者のふところ次第なので、残高が増減するタイミングは予想できません。








 


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図書館で借りて読みました。


3回連呼してびっくりマーク
のタイトルどおり
超強気の内容です。

無理やりインフレを実現しようとする日本国の意思を甘く見てはならない。
デフレからインフレへの動きは止まらないし、止められないのだ。
バブルに懲りて株式を極端に嫌っている日本人は怒涛の売り越しを続け、外国人においしいところを全部さらわれる。


ただ、アベノミクスや異次元金融緩和を全面的に賞賛しているかといえばそうでもなく、随所に一歩引いた感があります。

2%のインフレが達成されるまでなんでもありだが
そのあと国債は大暴落とさらりと予言しています。

異次元緩和についての考察はあえて省いているのが大きな特徴です。
まあ、全体のストーリー自体に特に意見はありませんが、先物に関してとんでもない部分があるのでそこだけコメント。

超強気シナリオのなかに40ページさいて日本経済のリスクが書いてあります。
全体超強気論の中のリスクが、HFの先物売買だけというのはいかにもバランスを欠いておりますが、要旨は

  • 公然とSQに向けて操作が行われている。
  • SQは反対売買しないで決済できる欠陥制度だ。
  • 資金力のあるHFは100%勝てる。
  • 1000億単位でSQに向けて相場を動かし、あとは欠陥制度SQで自動決済するだけ。

ああ、このひとも先物の仕組みを知らないのだなと。
さらに、HFによるSQ操作論を延々と述べながら、一方で今年はHFは大苦戦していると同じ章で書いているのは???

この本はこの40ページを読むことに価値があるでしょう。
推奨度 ★★★★



 
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日経VIは本年安値更新という展開ですから、1週間前の騒動はどこへやら。
特にプットがぼろぼろ。

先週末にあまりオプションをやらない投資家と思われる軍団が保険で買ったプットを処分したかのような動きです。

守るべきポジションが無事だったので、よしとすべきところなのか。
それにしてもやたら高い保険でした。

保険は平和なうちに買うのが一番安いという好例。 
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回数が年8回となるのは来年から。
今日はあるようです。
市場は完全にノーマーク。
ボラも朝から低下。 
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結局7/8(水)の急落前の水準に戻ってきた。
守りたいゾーンのプットはボラ的には健在だが、値段は屑の領域へ。
この間、どんと構えた長期投資家には何の影響もなし。
レバレッジをかけた投機家のあいだで、富が右から左へ移動しただけ。
受け取る側の裏側に大勢の失う側。

レバレッジをかけた先物とオプションによる投機の世界。ゼロサムの非情さをまざまざと見せつけられた1週間でした。

  • レバレッジを下げて長期インデックス投資家になるか
  • オプションを使ってアゲインストの状況をやり過ごすか
  • 機敏に流れに乗るか

方法はそれぞれですが、方針がしっかりしてないとただ献上する側に回らざるをえないというのがこの世界。 
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日経平均が19900円を超えたあたりから日経VIはジリジリと上昇。
ギリシャに2週も振り回されたので3度目にも備えてプットを買う動き。
特に18000円から19000円というやや現実的なプットが異常に高く、普段オプションを使わない投資家が自分の資産を守りたい水準で選んでいる感じ。 
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なんでもありの中国とはいえ、最近の市場介入はさすがというところです。
日本の官製相場が可愛く見えてしまいます。

さてさて、素朴な疑問
売買停止銘柄があるときの先物やオプションの理論価格のお話。

理論価格というのは、現物と先物を比べて同等な価値と見なす価格です。
特に、現物と先物、オプションとの間で裁定取引を行なう業者には大切な価格です。
先物だけ、オプションだけを売買する人には参考にすぎません。

今回の中国市場のように、構成銘柄の多くが売買停止になると、売買停止の銘柄のリスクをどうおくかで、それぞれの業者の考える理論価格に大きな差が生じてきます。
現在ついている指数は幻ですから、それぞれの業者が、実勢指数を点ではなくリスクを加味したレンジで考える必要が出てきます。このレンジが業者のリスク強度や体力で異なってきますから、通常働く裁定による現物先物間の調整力がほとんどなくなって、市場参加者の需給だけで先物やオプションが売買されます。

その結果、先物の乱高下はいっそう激しくなります。

ちなみにアメリカ市場でギリシャのオプションがATMボラ100%中国がATMボラ60%程度で売買されているという話もあります。


 
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ユーロを守るためには大きな賭けしかなさそうな気がする。
  • ギリシャとの交渉に応じない
  • しかし、ユーロからの離脱は認めない
  • ギリシャは銀行取り付け騒ぎになる
  • 政府は借用証書を刷るしかない
  • 2重通貨
  • あっというまに(借用証書ベースでは)超インフレとなり
  • 国民が困窮


そこから本当の交渉が始まる。
ただし、この状況から現実的にユーロに復帰できるかどうかは不明だし、大変危険な賭けでもある。
 しかし、ここまできたら安易な妥協はもっと危険そうに見える。
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どちらを選んでもイバラの道
ギリシャ国民の選択は大方の予想を上回る、反対票多数。
専門家の予想はなかなかあたらないもの。

ユーロ離脱を問うものではない
という殺し文句が決め手か。

YESだったとしても一筋縄ではいかなかったでしょうし、まあ、そういう意味ではまだ予想の範囲内か。
今週も孤独な東京の朝が始まる。

 
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ユニクロに引っ張られてマイナス圏に沈んでいた日経平均がジリジリ切り返す中、ボラはジリジリ上昇。
実態はプット主導の上昇で、 コールはプットとの相対取引によるボラ上昇分と日経平均上昇分が加わった結果、朝からずいぶん上昇したように見えます。


ギリシャの国民投票は賛否拮抗で、世論調査もまちまち。
また、投票は自分の地元で行なわねばならず、投票行動がどう出るかもさっぱり不明。
結果はかぎりなく鉛筆倒し状態。

たとえ緊縮にYESと出ても、それだけではめでたしめでたしとは行かなそうな感じ。
2週続けていい迷惑の東京市場。

 
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おかげで、ギリシャについてのにわか専門家はずいぶん増えました。

2次情報3次情報に基づかざるをえないので、同じソースをベースに独自解釈を加えるしかないのですが、同じようなコメントばかりで食傷気味です。

要約すると
実質デフォルト状態は改善するわけでもなく、焦点はユーロ残留かどうか。

国民投票でNoが出ればユーロ残留確率が下がり、ミニショック再来が予想されますが、さてさて。

 
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政治要因に振らされ足によっては醜いチャートになるのはいたしかないところか。
張本人のギリシャ首相もかなり情けない状態ではありますが。

ギリシア情勢で余分に一往復させられたわけですが、この間投資サイクルや敏感度合いによって結構明暗が分かれたと思います。

結果的に良かったのは大外売りの思考停止戦略。
最悪だったのはあわててプット買いでヘッジをあてた戦略。


結果論ですが、全く逆の結果もありうるわけで、今回の成功が今後もうまくいくとは限らないところが、相場のむずかしいところです。


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