九条清隆 相場観と金融工学

株式・先物・オプション・FX・仮想通貨など、投資・投機を通じていろいろ考えるブログです。

2015年11月

始めて到達するわけでもなく、単なる大台ですが、市場関係者の思い入れは強いようです。

2000年4月、30銘柄の入れ替えを はさんで20,000円の大台を割って以来、日経平均は15年間20,000円以下に沈んでいたわけですから。

金曜日は、東証で20,000円復活の瞬間をとろうと待ち構えていた記者も多かったようですが...。

こうなると行きそうでつかない理由をいろいろ考えないといけません。

  • 外国人が息切れ
  • 外国人が感謝際でお休み
  • 主体は短期筋ではなく長期筋なので、出来るだけ安いところを買おうとしてる
  • 持ち合い解消
  • 個人のやれやれ売り
  • 20,000円コールの防戦売り?
  • 急激に膨らんだ裁定残の重し ?
  • 公的年金のリバランスの売り
こんなところが順番に登場します。

面白いのは日経平均の地主でもある日経新聞

またも目前で足踏み 株2万円を阻んだ3つの要因
証券部 川路洋助

2015/11/27 17:02
 
 
一つ目は価格帯出来高を使った説明
二つ目はECBの追加緩和折り込み説

ふむふむ。まあ、順当ですが新鮮味はなし。

そこで、3つめの最後に登場するウルトラC

市場で聞かれたのが「日経リンク債」の影響を指摘する声だ。日経平均の値動きが債券の利率や償還価格に影響を与える仕組み債の一つ。日経平均が事前に定めた「ノックアウト価格」に届かなければ高利回りが得られるが、万一到達した場合は元本割れで償還される。

 このため「リンク債を買った大口の個人や機関投資家が、ノックアウト価格の2万円到達を防ごうと先物売りを出している可能性がある」(ケイ・アセットの平野憲一氏)。これが2万円到達を阻む3つ目の理由だ。 

受け狙いとはいえ、この説明はさすがにザンネン。
聞いたことをそのまま記事にするのではなく、少しは足やコネを使って「ホントかどうか」ぐらい確認した方がいいと思いますけどね。


 



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手口上、外国証券の買いが続いています。

やれ
買戻しだ
相場勘のいい長期筋だ
追い込まれて年末勝負の短期筋HFだ

いろいろいわれているようですが、さてさて

短期筋だとしたらはしごを外されるのが怖い???
だったら見てるしかないですね。
そういう人に限って上がった後にのこのこついていく。

短期筋が一転売りに回るのを 恐れていてもしょうがないでしょう。

買ったものがなくても新規で別の筋がいつでもいくらでも売ることが出来るんですから。

理屈より流れが出れば早くつくしかない。
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レバETFという怪物を生み出した原因の一つが税制の問題。

多少コスト的には不利でも、現物と同じ感覚で、しかも同じ税制で扱えるレバETFはこの隙間をついた大ヒット商品になりました。

しかし、これ以上の膨張は許されぬ限界まで来ていることは確かです。

SBI証券が

「平成28年度税制改正要望」において、 「金融所得課税一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)」として、「上場株式等」と「デリバティブ取引等(先物・オプション取引、FX、商品先物等)」との損益通算を認める投資家の意見を募集しています。
3分程度ですみますので、関心のある方はご協力をお願いします。

アンケートはこちら 
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11/20現在12月コール20000の建玉は34,000枚あります。
  • 売り方は20,000円に乗せて欲しくないし、買い方は20,000円に乗せたい
  • 20,000円を超えると売り方の踏みがはいって上げが加速する
11/20の建玉の断面だけを取り上げて、解説するとこういう話になりますが、果たして本当か?

ちなみに、12月限が流動性のなかった9/中旬からの12月コールの建玉推移は以下の通り。
6月限と12月限は5年前から上場されてますから、業者同士がJNETで打ち合いをやってずいぶん前から建玉はすでに積み上がっています。


OI2

この表を見るだけで、11/20の建玉だけを取り出して何かを語ることがいかに無意味かがおわかりいただけると思います。

この2ヶ月で日経平均は2,000円あまり上昇。
ATMは18,000円から19,000円を突き抜け20,000円に。

さて19,000円以下のコールの売り方は今どうなっているのでしょう。
どの行使価格も建玉にほとんど変化ありません。
この間、日経平均が突き抜けた19,000円コールですら30,000枚の建玉に全く変化はありません。

追い証に日々追われている???
下がれと祈ってる?

建玉の大半は最初から、ある程度ほかのコールやプットそして先物・OTCで相殺されているのです。

 20,000円を超えてあわててデルタヘッジで先物を買うポジションなんて、ほんの一部にすぎないわけです。
そもそも、買戻し出来るものを先物でヘッジするような投資家は、現時点でもすでにある程度ヘッジをしています。20,000円超えてあわてて20,000円のコールのヘッジをゼロから入れる人は中途半端なしろうとで、全体から見ればかなりの少数派。それを真顔で語る解説者はもっと○○○○。

20,000円通過したら多少ヘッジの買いは出ますが、反対側の買い方のヘッジの売りもあります。 
 
結局、裸で売っている人が踏んで裸で買っている人が利食って終わり。
その結果、建玉が少し減って、あとはほかのコールやプットと先物とセットでロックインされ、日経平均がその後上がろうが上がろうがほとんど関係なし。
 

需給を考える上で大事なのは、静止画である建玉残ではなく
場中に、特定のコールを特定の投資家が大量に買い占めた形跡があったかどうか。
OTCで動きがあっても、需給の歪みは必ず市場に値動きの痕跡を残します。

残念ながら、最近ありません。


 


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野村アセットが日経平均連動型のレバレッジETFとインバースとダブルインバースの新規設定を停止し、1ヶ月が経過しました。

もともと、レバ型とインバース型は現物交換型のETFとは違い致命的欠陥がある商品ですが、導入時にはまさかここまで成長するとは思わなかったのでしょう。


ETFは市場で売買出来る投資信託ですが、市場価格と運用純資産額の乖離を防ぐために追加設定という仕組みがあります。

追加設定という仕組みがあるため、市場価格が運用純資産額にさや寄せすることが担保されます。安心して先物とほぼ同等に売買出来るわけです。裁定業者が、乖離があれば収益を狙って両者の乖離が広がることを防ぐからです。


追加設定が停止されるとこの裁定が効かず、予定通りまず、ダブルインバース型が運用純資産と乖離をはじめました。
日経平均が上昇しても下値不安からダブを買うニーズがあればダブは上昇します。少し物議をかもしてますが、不思議なことは何もありません。

そもそも、クローズ型の上場ファンドが純資産額から乖離して売買されるのは当たり前の話であります。
古い話で恐縮ですが、韓国株に投資するコリアファンドが 50%以上も割高に売買されていたことを思い出します。


1570はまだ、残高が巨大ですから、かろうじて連動しています。
また、少なくとも解約は出来ますから、裁定業者が割安なところは買いますから、下方に乖離は生じません。

まさか、ここまで人気化するとは思わなかったので、多少の設計上のあぶないところには芽をつぶって組成されたのだと思いますが、さすがは野村アセットの英断です。その致命的な欠陥が気になり始めたのでしょう。乖離の問題は、今後この商品はクローズ型だと宣言すれば、そのうち慣れる小さい問題です。インデックスにただ連動するより、変則的な動きをする方が、それはそれで投機家にはたまらないでしょう。

致命的な欠陥

ひとことでいうとこのレバやインバース型の致命的な欠陥とは、純資産がマイナスになり得るという点です。マイナスになる前に償還するようですが、可能性としてはマイナスに転落する可能性を抱えています。ゼロ以下にならないオプションとは全く違うのです。

新規設定停止の直接の理由はリバランスにおける日経平均への影響ですが、この致命的な欠陥を抱えたファンドをこれ以上追加設定するのは危険だという議論もされていると推察します。

安楽死させるには

現物と先物間の損益通算。
これで異常人気はかなり軽減され
レバ型やインバース型はそれなりの適正規模に縮小するはずです。

もともと、先物の対象にすることすら危うい日経平均に、ここまで大型になる欠陥商品をのせたことが問題のスタートだったといえるでしょう...。


 


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今回も政策変更はないとみられていますが、
その後の総裁会見は要注目です。

異次元緩和の大きな後ろ盾となったクルーグマンが、異次元緩和の失敗をあちこちで主張しはじめているためです。正確には異次元緩和を応援した自身の間違い。

記者会見ではこの辺に質問が集中すると思いますが、

どういう回答が出るのか

注目しています。 
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オプションのSQに関係あるのは、SQ決済で勝負する一部のマニアな人たちのみであります。
その人たちの建玉は全体の数%もありません。

SQで決済される建玉が何十万枚あろうと、すべて他のオプションやミニ先物およびOTCで相殺されているので何の影響もありません。よっぽどレバETFの需給の方が影響力あります。


SQに持ち込んだポジションを有利にしようとしても、反対側の建玉が必ず反対のメカニズムで働くのでこれを打ち消すだけでやっとニュートラル。そこから、自分に有利な方向に動かすためにはさらに資金を投入する必要があります。

「あんたお金をいくら持ってるねん?」

オプションSQを境に相場が変わるなんてことはただのオカルトです。
ましてやSQ値が相場の転換点になるなんて極上のおとぎ話です。


今日の急落もオプションとは何も関係ないのに、コメントに「応用する 」人は必ず現れます。
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あらためて申し上げます。悪いことは言いません。FXには近づかないでください。個人投資家のみなさんの来るべきところではありません。

という言葉で締めくくる、外国為替市場の不都合な真実を書いた本




相場と相場解説とのつきあい方がよくわかる本です。
為替市場の話ですが、指数先物にも十分通用する話です。
ネタバレになるのであえて説明はしません。

おすすめ度 ★★★★★

 
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日経225ETF(1321) 残高3兆2,000億円 うち先物保有約2%
TOPIXETF(1306) 残高2兆8,000億円 うち先物保有約2%
レバETF(1570) 残高8,200億円 うち先物保有100%つまり1兆6,400億円 

野村アセットのETFです。
通常型ETFは現物で基本運用するので、先物保有は最低限です。
ちなみに、1321はファーストリテーリング650万株持ってます。
ちなみに、1306はファースとリテーリングは24万株しか持っていません。
ちなみに、日銀さんがせっせと買い入れているのは通常型です。

レバETFは設定解約がとくに激しく、残高は2,000億円から5,000億円の間で動いていましたが、 日経平均が20,000円割れてから急増し8,000億円を超えてしまいました。


ETF

おかげで10/16日から新規設定停止になってしまいました。
その後の残高増減は、相場の上下と解約があった場合のみです。

レバETFの調整売買は

このレバETFは日経平均の騰落率分との2倍先物を売買します。
たとえば日経平均が1%変動すれば引け値近辺で残高の2%の先物を売買します。

現在だと8,200億円の2%にあたる164億円です。日経平均先物800枚弱です。
2%動けば1600枚
3%動けば2400枚。

これがどの程度インパクトがあるかは相場の状況次第です。

8月9月は3%の変動は平気でありましたから、レバETFから2000枚超の先物の売買が引け近辺で機械的にでたわけです。
まあ、これは簡単に予想できますから、事前に先回り売買がはいってある程度調整はされますが、結構大きい順張り要因です。
これが新規設定を停止した大きな理由です。これ以上残高が増えると、マーケットを攪乱する「進撃の巨人」にならざるをえないわけです。

19,000円まで戻りましたが、残高は横ばいのままです。
相場が上昇している分残高は増えるべきですが、それに見合う解約が出ているのでしょう。


個人投資家恐るべし

HFが1兆円2兆円先物を売ったとさわいでも、個人がレバを買い下がればこんなもん。
レバETFが12月先物を8万枚超買い越しているわけです。
おかげで売りHFの多くが降参して最近は平和が戻りつつあります。



新たな黒幕

日経型裁定残の裏の大半は、回り回ってこのレバETFが真犯人。
さて、個人は一体どこで反対売買に出て来るのでしょうか。 



 


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