九条清隆 相場観と金融工学

株式・先物・オプション・FX・仮想通貨など、投資・投機を通じていろいろ考えるブログです。

2017年07月

世界的にボラティリティが低迷しております。
日銀を除く金融当局がお金を引き上げようとしています。
これまでならとっくに一波乱あってもよさそうですが、市場は

不感症になったのか
大きな流れは低金利緩和傾向の範囲内とよんでいるのか

反応はまったくありません。

そんななか、VIXの大幅上昇にかける投資家が現れたことが注目されましたが、
それよりも、そういうトレードを受け入れる米国市場の厚みに驚きです。

米国では、ありとあらゆるボラティリティが取引されておりますが
日本では、

日経平均の上場オプションか
オプションを内蔵したリンク債か
レバレッジETFぐらいしか

ボラティリティを取引する方法がありません。

ボラティリティの上昇にかけたくても、選択肢がほとんどないのです。
せめて、日経VI先物でも流動性がつけば、
そのうち日経VIのオプションでも上場しようという機運が出てくるかもしれません。

最近日経VI先物の流動性が少し出てきたようですので、
あと数十人常時参加すれば、立ち上がりそうな気がします。

ちなみに8月限VI先物を@13で1枚買って、日経VIが満期の8/9に万が一0%になったとしても損失は13万円です(もちろん0というのは、ありえませんが)。10%なら損失は3万円です。20%まで上昇すれば+7万円。
オプションよりも単純でわかりやすいですよー。習うより慣れるほうが早いし。
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残存日数のカウントの仕方にもよりますが、365日ベースではATMが10%手前、アウトのコールが9%台です。

日経VIは公表来安値ですが、まだスキューが高水準な分高め。10%割れのコールはまさに、1994年から1995年にかけて、ベアリングのニックリーソンが日経平均を19,000円に固定した時代の水準であります。

今は差し詰め、日銀さんがニックリーソンの役割でしょうか。

オプションプレーヤーは売り手も買い手も頭を抱え、様子見を決め込む投資家が増加中であります。

まさに

泣くまでまとうホトトギス選手権
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7月上旬にETF(上場投信)の分配が行なわれます。
今年は、上場投信が日銀のETF買い入れで巨大になっているので、配当金捻出のために例年より多い約3,000億円の売りが出ると、騒いでおりました。ブルンバーグ2017/7/5


そもそも、ETFの配当原資は、配当金から出さなければいけないはずなので、「おかしな話」だとは思っておりましたが、あまりにも多くの人がこれを話題にするので、上げておきます。

ETFは、3末や9末に配当権利が確定するとそれを「未収配当金」としてファンドの中に計上します。
現物株は配当落ちしますが、ETFのNAV(基準価格)は「未収配当金」を計上するので、配当落ちしません。これを貯めておいて7月上旬に分配する仕組みです。現物を売る必要もないし、ETFは売買益から分配してはいかんのです。

ブルンバーグは投信会社の担当者の話を以下のように引用して

野村アセットの渡部昭裕商品企画部長は、分配金の捻出には「一般的には決算日に合わせて投資している株など有価証券をキャッシュ化できるよう売却することが多い」と話した。

ETFから3,000億円の売りが出る裏付けとしたようです。
これは、一般的な投信のお話です。

というわけで先週までの需給悪を通過したので、今週は反発したという説明はまったく意味がないわけですね。

もちろんアクティブファンドであれば、権利が発生した時点で配当分の先物を買って、分配にあわせて先物や現物を売却するなんてこともできるわけですが、ETFはそんな芸当は約款上できないはずです。

投信会社のひともETFとは言っていません。よくある「切り取り報道」のたぐいでしょう。


2017/7/15追記

日興アセットはETFの中身を開示しているとのコメントいただきました。
それによると、確かに

配当権利発生
配当未収金計上
未収金分を先物ヘッジ
配当金受領未収金回収+先物ヘッジハズし
分配金支払い

という流れになっているようです。
ただし、先物ヘッジはずしは分配金支払いのためではなく、あくまでも配当金未収期間におけるトラッキングエラー回避という点がややこしいところです。ただし、もし分配しなくてもいいのなら、先物を売った分同時に現物を買うので、早い話が先物の売りは分配金捻出のためともいえます。

大変失礼いたしました。
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