九条清隆 相場観と金融工学

株式・先物・オプション・FX・仮想通貨など、投資・投機を通じていろいろ考えるブログです。

2018年04月

ガンママイナス=危険
と考えるのは少々短絡的であります。
オプションを始めたばかりで、勉強熱心な方が陥りやすい罠であります。
が、意外とそのように信じる人は多いようです。

オプション売り禁止は短絡的で無意味な発想

まさかと思われるかも知れませんが、過去の上司にそういう方が実在して、大変苦労した思い出があります。
結局その方はオプション買いのみを自ら実践して、予想通り見事に沈没しました。。。


ガンマとは

ガンマとはデルタが変化する速度です。
デルタが変化する速度はATM近辺で最大になります。
適切な対応方法をしらないと、ATM近辺のガンママイナスは相場に振り回されて危険だと感じるかもしれません。

しかしながら、ATM近辺を売って破綻する可能性はそんなに高くないのです。

ATM近辺を売る投資家は、そもそも対応の仕方を知っているということもありますが、
ガンマはインしていくとだんだんなくなり最終的にはなくるという特性が破綻しにくい大きな理由です。その辺を考えれば、一見安全そうなOTMをたくさん売るよりも、ATMを少なく売った方が生き残りやすい理由が分かってきます。

OTMは最初はデルタも小さく、ガンマもそんなに大きくはありません。
ところが、OTMだったものがATMに近づくにつれ、デルタが不利な方向に加速し、その加速度は激しさを増します。最初は苦労するATM。ほとんどの場合安パイながら、どこかでとてつもない目に遭うOTM。世の中ちゃんとつじつまがあうのです。

ATMの売りは目先は乱高下に悩まされるのですが、万が一、一方的な方向に行ってディープインした場合でも、デルタを適切に管理していれば、ガンマはどんどん小さくなり、オプション特性はなくなりあとは楽になるわけです。もちろん、損は避けられませんが。

ガンマの究極的なリスクは、インした場合の最大デルタ(=先物化したオプションのリスク)にあるといってもいいでしょう。(厳密には乱高下にともなうリスクもありますが)。インした場合の最大デルタを考えた上で適切なポジション量を売るのであれば、ガンママイナスのリスクはそれほど恐れるほどのものではありません。そのうえで、現在地におけるデルタを適切に管理していれば、損が出たとしても破綻することはまずありません。


オプション売りが好きな方は

長期的に生残りたければ、安いオプションを多く売るより、あえてATMに近いオプションを少なめに売ることを覚えましょう。

ガンママイナスが怖いと思う方は

オプションの売り買いが1対1になっているスプレッドでも、半分の領域はガンマがマイナスです。
ガンマのマイナスが怖ければ、オプションは買いしか出来ません。オプション買いしかやらないのであれば、出動タイミングは年に数回に絞るべきです。壮大に散った私の上司の話を思い出してください。

ガンママイナスのリスクを過度に恐れる必要はなく、最悪時の最大デルタをきちんと認識していれば十分対応できるリスクです。バランスよく売り買いをまぜ、ガンママイナスとかガンマプラスとかいう表現に過度に神経質になることは、愚の骨頂ということです。
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マネックスの株価は、コインチェック買収正式発表後も材料出尽くしにはならず、上昇しております。
また、大手オンライン証券の参戦により認知度の向上が期待でき、仮想通貨投資家は相場の反転の契機になればと考えています。

長雨はやまず

しかしながら、仮想通貨市場全体の流れを変えるには至らず、相変わらずじめじめした下落が続きます。市場の時価総額は26兆円まで低下中です。仮想通貨投資家の10人中9人は4-5月が底と言って歯を食いしばっています。

長雨が続く中、ICOはお構いなしにどんどん行われております。基軸通貨をはじめ、既存のアルトコインがじり貧なので、ICOによる一発狙いは根強い人気です。

よこしまなクラウドファンディング

ICOはクラウドファインディングの特殊な形態です。出資した見返りに証券や借用書や出資証明の代わりにコインを発行するわです。本来クラウドファンディングとは、見返りはあまり期待せずに、ビジネスモデルに賛同し、長期的に支援する気持ちで行うものだったはずです。ところが仮想通貨というものを間に挟むことで、そのコインが流通してプレミアムがつくかもという期待が生まれてしまいました。また、その期待を利用して安易にICOを行う輩も登場しました。そこに、ビジネスモデルを応援したいかどうかよりも、儲かるかどうかだけを優先する投資家が群がるわけです。発行するほうが幻想をばらまき、それに安易に乗る投資家という危うい構図があちこちで急増しているわけです。


換金チャンスが生命線

たとえ、そのコインがやがて流動性がなくなりデジタルごみになったとしても、一時的に換金チャンスさえあれば、大風呂敷を広げた事業者も事業の失敗(たとえ計画的な失敗や詐欺事業であったとしても)を責められることもありません。そもそもなんの価値も権利もないコインを渡しただけで、投資家が勝手に夢を見ただけですから。

最近は、大げさなビジネスモデルにコインを無理やり盛り込んだ観満載のコインがやたら増えた気がします。数ばっかり増えて、いったいどうなのよという感じではあります。なまじ、上場後の値段という幻があるおかげで、ファンとして事業を応援するという原点が失われているのは残念です。

ババ抜き感高まる

ICOを通じて市場にお金は入ってはいるものの、投資家のすそ野はあまり広がっていないので、上場後のババ抜き感はこれまで以上に高まらざるをえません。額面割れICOが続出しそうな予感です。

そんな状況ですから資産何百倍の億り人狙いはもはや夢物語にすぎず、数倍にでもなれば御の字といえるかもしれません。最初から上場の予定もない詐欺コインや額面割れコインが続出する中では、よほど選球眼を高めないと、ただ分散投資しただけではトータルで儲けるのは難しくなったと思います。「爆上げ」、「ガチホ」はもはや死語となったかもしれません。

取引所と上場

ICOに乗り、手早く資金回収するためにはできるだけ早く上場してもらうに限ります。上場といっても株式市場や債券市場のように厳格な運営がされているわけでもなく、空港の為替交換所に毛の生えた程度のところもたくさんあります。

日本は取引所(交換所)の登録制を採用して投資環境を整えようとしておりますが、それ以外の国においては、禁止という措置を除けば、規制はほとんど行われておらず、まだまだゆるゆるです。そんなわけで、怪しげな仮想通貨交換所まで含めると、全世界にすでに10,000を超える取引所や交換業者が存在するそうです。

通貨の数よりはるかに多い取引所があるわけで、底辺取引所に上場するというのは難しものではありません。これからは上場するから値上がりすると短絡的に考えるのではなく、むしろ上場したら換金ニーズに押されいきなり額面割れするケースが増え、その際の売買判断が問われます。ガチホすれば利子が付くといっても、屑になりそうな通貨をもらってもなんだかなと思います。


なんだか最近仮想通貨ネタが多くなってきたので、新しいブログかユーチューブでも作ろうかと思案しております。


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G20であらたな規制なし

3月のG20で暗号通貨についての規制が議論されることになっておりましたが、「暗号通貨はまだ通貨の体をなしておらず、既存の金融システムの障害にならない」と確認されるにとどまりました。規制なしでほっとしてあや戻ししたところは売り場となって、暗号通貨は3月末に向け再び下げ足を早めました。年初の安値を更新する通貨が続出中であります。

通貨当局側からすると、仮想通貨はいまのところ暗号資産にすぎないという見解です。

この暗号資産のなかから、果たしてどの資産が伝統的通貨に対抗できる「無国籍分散型通貨性資産」となり、はれて名実ともに「暗号通貨」の呼称を勝ち取るのでしょうか。年初から続く下落を経て厳しい生き残りの時代へと入ったのかもしれません。

今のところ通貨と呼べそうなのは

年初来の下げ相場の中で唯一値動きの安定している通貨があります。
テザーと呼ばれるドルの裏付けのある暗号通貨です。USドルという伝統的通貨に裏付けされているので本丸とはいえず、「ぬえ」のようなまがい物の暗号通貨です。裏付けとなるドルがきちんと存在するか疑問視する声もありますが、下落相場においてほかの暗号通貨から退避するときには便利な通貨です。

発行が予想される三菱UFJコインも円を裏付けとする暗号通貨ですから、国内送金には便利な手段となるでしょう。信用力は抜群でも残念ながら、インフレ対策や逃避資産としての利用には向きません。


逃避資産としての通貨の誕生が望まれる

国際送金向けにはリップルという最有力候補が存在しますが、まだまだ安泰とは言えません。送金が目的であればテザーや三菱UFJコインのようなぬえ通貨でも十分だからです。むしろ資産の裏付けがあって信用力の高い通貨のほうがよいともいえます。

やはり市場が待ち望んでいるのは、伝統的通貨に対抗できる無国籍通貨としての退避資産型通貨です。
どういう経路を経て、この無国籍通貨が収束されていくのか。既存の上位銘柄も果たして数年後にも生き残っているか。

宣伝が命の新興通貨

一方で、一部のマニアやサークルの間だけでしか流通しそうにない「宣伝だけは上手な新興通貨」の大半はやがて絶滅するでしょう。何の価値の裏付けもない暗号資産を素晴らしく見せる演出は見事としか言いようがありません。くそコインでも宣伝が見事であれば即売してしまうのが現実です。

規制強化前に駆け込み的に行われているICOの買い手の大半が日本人で、日本はICOの草刈り場になっている感もあります。一攫千金を夢見る日本人が投資した新興通貨をおいそれと市場で買い上げてくれるほど外国人は甘くないはずです。そうなると、待っているのは日本人同士のババの引き合い。宝くじよりは分がいいでしょうが、あくまでもダメ元が肝心ですね。

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