日経新聞

株とデリバティブの損益通算、個人投資家の9割賛成


マザーズ先物が伸び悩んでいる原因のひとつに、現物との損益通算が認められないという要素があります。
なかなか実現しない損益通算ですが、あまり知られていない落とし穴があります。

先物は申告分離課税で、現物とは税区分が違います。
同じ年に、現物で利益を上げ、先物で損失としたなった場合は、現物の利益に対して課税され、先物の損失は現物と相殺されません。損益通算出来ないというのはそういうことです。

しかし、先物の損失は翌年移行に繰り越せます。
先物やオプションで翌年以降も損を続けていると、いくら損失を繰り越せても、結局使えません。
年によって勝ったり負けたりして、長期的には利益をあげる投資家だと、いずれ損失は相殺されます。税率も、特定口座と同じ20%なので、この損益通算が出来ないという弱点は実はあまり大きな問題ではありません。そこそこ先物でも儲かる可能性のある投資家にとっては致命的な問題ではないのです。

国民健康保険には要注意

会社員つまり兼業投資家にとって。健康保険というものは強い味方です。
現物でいくら儲けようが、先物でも儲けようが、健康保険料は給与に基づくだけなので変わりません。
先物が利益、現物が損失になった場合も、先物の税金は申告して収める必要がありますが、それによって健康保険料が上がる心配はありません。
また、現物の損失も、申告すれば、翌年以降に繰り越せます。

会社員で年をまたいで均せばプラスになっている人は、結局損失は通算出来、健康保険料は変わりません。

ところが、専業投資家はそうはいきません。

サラリーマンが専業になったときに、最初にぶち当たるのが、国民健康保険の罠です。先物を使わず特定口座を利用している限り、所得税と住民税は特定口座で徴収される20%で、国民健康保険も最低額です。

ところが、先物で利益を出したり、特定口座の損失を繰り越そうとして申告すると
国民健康保険料が跳ね上がります。

専業投資家は特定口座を離れた瞬間に国民健康保険料に影響が出るのです。
もっとも、最高保険額の80万円程度を越えて利益が出るプレーヤーになれば影響は軽微ですが、年収数百万でいいという専業投資家にはこの国民健康保険料は大きな壁として立ちはだかります。

これをクリアするには投資法人を設立して、協会けんぽに加入するしかありません。
法人設立にはほかにもメリットはありますが、デメリットもあります。健康保険料も含めて総合的に考える必要があります。

先物とオプションを振興するには
先物を現物と損益通算出来るようにするだけではなく、同時に先物・オプションにも特定口座適用を要求する必要があるわけです。

 この問題があまり知られていないのは、意欲のある人は法人化したり、80万円が気にならないほど巨額に儲けたりしていて、大半の投資家は国民健康保険料が跳ね上がるほど儲かっていないということかも知れません。