九条清隆 相場観と金融工学

株式・先物・オプション・FX・仮想通貨など、投資・投機を通じていろいろ考えるブログです。

カテゴリ: オプション

ウクライナ情勢はロシアが軍事作戦を開始したことで戦時モードとなりました。

日経平均は昨年来安値を抜け25000円台へ突入しましたが、それにもかかわらず、日経VIは30ポイントを一瞬超えただけの鈍い動きとなりました。オプショントレーダーにとっては、違和感のある日経VIの動きとなっています。


日経VIの持つ致命的な弱点

日経VIは期近(現在は3月限オプション)と期先(現在は4月限オプション)を使って計算します。

3月限オプションから3月VI(満期まで13日)
4月限オプションから4月VI(満期まで41日)

をそれぞれ計算し、3月VIと4月VIを残存日数で案分して満期まで30日となるように合成したものが日経VIです。現在4月VIのウエートは81%です。

VIは正式に設定されたオプションを使って計算します。
4月限の正式に設定されたオプションの下限は23000円で、それ以下の行使価格はオンデマンドで設定されたものなので、いっさい計算対象となりません。

正式に23000円以下のオプションが設定されるためには日経平均が25000円を割れなければなりません。直近3限月のオプションは125円刻みで2000円下までしか正式には追加設定されないためです。

現在4月P23000の価格は300円台です。そこで日経VIの計算は打ち止めとなります。23000円以下のオンデマンドで設定されたオプションがいくら上昇しても、4月VIおよび日経VIの計算には含まれません。


通常戦時モードになれば、玉突き状態でOTMプットがとんでもない価格(いわゆるあほボラ)になり、VIおよび日経VIを加速度的に押し上げますが、今回はそうした状況にはなりません。



限月によって計算対象が全く異なる日経VIは指数として致命的な欠点をもっているのです。
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昨日日経平均が28800円を抜けたあたりから、コールがそわそわし始め、昼休みにぶっ飛びました。

日経2259月限オプションの後場寄りまでのスマイルカーブの変化
20210903SS00003

10:31 少しコールがそわそわ
11:48 コール側が一気に盛りスマイルカーブがほぼ左右対称に
11:55 プット側がほとんど上昇せずにコール側がさらに盛る
11:59 プット側がほとんど上昇せずにコール側がさらにさらに盛る

12:01 全体的に上昇
12:31 プット側が遅れて上昇

とくに11:55 と11:59のスマイルカーブはコール側の方がプット側よりも高い前代未聞の形状。
満期まで1か月ある10月限も、ここまで極端ではなくても過去最高レベルのコールの盛り。


先物の踏み、コールオプションの買い戻し、トレンドフォローのヘッジファンドが一斉にコールを買い上げた足跡がくっきり残っています。

夜間は少し落ち着いたものの、コールの盛りはまだ続いています。
需給がこなれるにはまだ時間がかかりそうです。


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500円幅で上下が続く日経平均ですが、日経平均30000円の水準では1.7%の動きにすぎません。

20000円前半のときと比べれば、1.5倍動いてもよく、10000円の時と比べると3倍動いてもよいわけです。

日経平均が30000円を超えていたのは30年前のわずかに1年間しかありませんから、それ以降の投資家は日経平均30000円の値幅に慣れるのに多少時間がかかるかもしれません。


ちなみに日経VIの24ポイントは、計算上1日当たり日経平均が約1.5%動くことを示していますが、日経平均30000円に対する500円の値幅は、ほぼ日経VIの想定の範囲内の動きにすぎません。


余談ですが

日経平均が30000円の水準になると125円刻みに設定されているオプションが邪魔でしょうがありません。もともと日経平均が10000円台のときに導入された決まり事ですから仕方はないのですが。
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日経平均は10月末に23000円を割れた後、怒涛の快進撃を続け、
24000円の壁を抜けた後はあれよあれよという間に
25000円も抜け
今日にも26000円に乗せそうな情勢です。
わずか半月で実に3000円高。

珍事1

快進撃最初の3日間で24000円に乗せる間は、日経VIは30ポイント台から20ポイントそこそこまで順調に低下しました。

しかし、その後の2000円上げでは、日経VIは下がるどころかじり上がりの状況です。

オプション市場の需給を端的に現すスマイルカーブを見ると

この間、コールがこれまでにないレベルで相対的に割高な状況を続けています。あくまでもスマイルカーブ全体の中での相対的な話です。絶対的なボラのレベルのことではありません。

こうしたコールの割高は長くても数日で終わることが多いのですが、今回は異様な期間異様なレベルが続いています。

コールに大口の買い手がいる可能性と、
これまで連勝を続けてきたコールの売り手が致命傷を負ったことで身構えていることが考えられます。

コールの売りは日経平均が上昇しても通常ボラの低下で証拠金の急激な上昇が抑えられ、インしない限り致命傷を負うことは少ないのがプットと異なる特徴です。

今回の上昇はそういう展開にはならない珍事で
ボラが下がらず証拠金の低減が享受できない上に
インしてまう
という2重苦にあったわけです。

珍事2

日経VIの計算対象となるコール不足現象が起こっています。

現在の日経VIの計算対象は
12月限オプション 61%
1月限オプション 39%
というウエートです。

11/16現在
12月限の計算対象銘柄は 11000円から28250円
1月限の計算対象銘柄は 15000円から27500円まで

昨日の日経平均は25906.93なので1月限については、今日の日中取引から
27625円 27750円 27875円 の3銘柄が追加され日経VIの計算対象となります。

日経平均オプションは直近3限月になると正規の追加設定が125円刻みで2000円上までしかないという弱点を持っています。

今後は日経VIにおける1月限のウエートがどんどん増えていきます。
そのため、1月限のコールオプション不足の影響が顕在化します。
今後、日経VIは実態に比べ低めに計算されます。

日経平均が16500円まで下落したときにはプット不足が起こり実態に比べ10ポイント以上低くなりました。今回はコール不足のため、そこまで低くはなりませんが、要注意です。




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GW中における、トランプ政権の対中政策に対する不安とコロナをめぐる不透明感で、特に6月限の安いプットが幅広く買われ6月VIが上昇し、7月限はあまり反応せず、その結果日経VIは大幅高となりました。

6月ATMボラ 31.3 +4.7
6月VI 36.8 +5.2

に比べ

日経VI 40.15 +8.76

これは

7月VIが 33.8までしか上昇しなかったため、30日を挟んだボラティリティの構造が先安手前高になりました。このため残存41日の6月VI 36.8 より 残存30日の日経VIが技術的に割高になってしまう現象が起こり、これまでに指摘してきたとおりです。とりあえず、とんでもない値にまではなりませんでした。

GW明けは、6月VIの36.8に近づきます。
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マニアックなテーマですが。。。

明日4/28(火)は日経VIの計算対象が変わる限月交代日です。
GWの関係で、今回はかなり早いタイミングになります。

日経VIは期近のオプション(明日から6月限)と期先のオプション(明日から7月限)を使って計算します。

6月限 残存日数 44日
7月限 残存日数 72日

の二つから、残存日数30日のボラティリティを計算することになります。

現状は
6月限(残存44日)のボラ>7月限のボラ(残存72日)となっています。
ボラは満期が近いほど高く、先へ行くほど低いいわゆる「先安構造」(=手前高構造)になっています。

そこで、残存30日のボラは6月限よりは「高いはずだ」という計算をします。
しかも、6月限よりかなり手前なので、6月限と7月限の差をあてはめてるとかなり「高いはずだ」という計算になります。

幸いにして、一時期に比べ6月限と7月限のボラがかなり接近し「先安構造」は小さくなってきたので、多少「高いはずだ」で収まりそうです。

警戒注意報をだしていましたが
とりあえず、明日は2ポイントぐらいの上昇で収まり、あまり違和感のない限月交代になりそうです。


4/28(火)5:10追記

限月交代による上昇分をボラ低下が相殺し、無難な数字となりそうな感じです。
とりあえずスムーズな交代になりそうですが、5/1までは、6月ボラと7月ボラの格差が生じると日経VIにレバレッジがかかる状態は続くので、不自然にぴょこぴょこ動きやすいので要注意。






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5月限オプションSQはGW明けの5/8(金)です。

日経VIの限月交代(計算対象限月の変更)は通常オプションSQ週の月曜日ですが、今回は、途中に休みがたくさんあるので4/28(火)となります。

4/28から日経VIの計算にオプション7月限が使われます。
コロナの問題があり、GW明けどういう相場が待っているかわからず、6月限すら値動きに不透明感があるはずです。そのようなタイミングの中、7月限に果たしてまともに値段が付くかどうか微妙です。

さらに4/28は、日経VIの計算対象として期近となる6月限の残存日数が30日をはるかに超える44日もあるため、残存30日のボラティリティーに変換するためには、6月限と7月限のボラ格差を14日分手前に引き伸ばす必要があります。今回は7月限の影響力が通常限月と比べかなり大きくなります。もし7月限にまともな値段がつかなければ、日経VIは大きくぶれ、場合によっては意味不明な数字になることもありえます。

GW前はしばらく変な動きになることが十分予想されますので、要注意。

VI先物や、最近人気の2035VI先物指数連動ETNを売買する人はとくに注意が必要です。

これは日経VIの欠陥というよりは、変則なカレンダーが重なった不運ともいうべき問題だと思います。ただ、かなり脆弱な指数だということは露呈してしまいます。


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コロナ感染の最悪期を通過したという思惑が広がり、NYダウは前日の1700ドルに続き一時1000ドル近く上昇しましたが、残念ながら行ってこい。

日本の投資家は一晩起きていればくたくた。
早めに寝てしまえば何事もなかった状態です。


トランプ大統領は「ウイルスが通過すれば経済はロケットのように回復」と景気のいい話をしていますが、簡単に元の世界に戻るとはだれも思ってはないでしょう。

むしろ、ウイルス鎮静化後の世界がわからない状態からこその上げだったのかもしれません。
誰にも分らない世界が待っている中で、たまたま目先の短期筋の思惑が一致した結果の動きと考えたほうがよいでしょう。

VIXは50ポイント割れていますが
なかなか短期のVIX9DがVIXを下回りません。
オプション市場は、隙あればまだまだ下攻撃があると警戒しているようです。
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トランプ大統領が影響の長期化を言明したこともあり、日本時間から米国株先はじりじり下げ幅を拡大し、米国時間にはいっても下げ止まらず安値圏での引け。

VIXの高値は60.59で 57.06+3.52 で終了
注目なのは
超短期のボラを示すVIX9D 61.33+1.17 こちらも割と冷静
VIX9DはVIXが80ポイントを超える局面では110ポイントを超えています。


日経VIはそれ以上に小動きで
終盤まで小幅安で推移していましたが
最終的には 50.3 で日中と変わらず。


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日経平均16000円がらみの攻防からの上昇でいったんボラは全体的に下落しましたが
今夜は19000円を中心に大きな値幅が出て
夜間のあいだにボラは再び大きく上昇しています。

まだまだボラ自体の変動が続く超戦時モード中


スマイルカーブは直線状態のまま上方シフト 傾斜(スキューは)フラット化

ATMボラは7%近く上昇し
コールボラの上昇はATMの上昇を上回り8-9%高

23000以下のコールは軒並み、日経平均の下落分をボラの上昇で埋め、値段で見ても上昇しています。

コメント 2020-03-26 051005
5:09時点

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日経平均が16000円割れのピンチに立つたびにATMボラは何度も80%近辺まで上昇しました。
そのピンチをいったん切り抜け、18000円を回復したことでATMボラは40%台まで低下しほぼ半減しました。夜間は19000円あたりまで上昇し、ATMボラは50%近辺まで反発しています。

残念ながら日経VIはこの80%近辺への動きにはまったくついていけず60ポイントどまりでしたが、
VI先物はスクイーズをからめて95ポイントまで上昇し、そこから真っ逆さまに42.5ポイントと半減以下になりました。

4×4の簡便法

ボラは年率で表します。
4で割ればだいたい月次
さらに4で割ればだいたい日次のボラに変換できます。
簡便法としては十分実用的で、日次に直したボラの方が理解しやすいです。

80%のボラは80÷4÷4=5%で おおざっぱにいって毎日5%程度日経平均が動きそれが1年間続くという数字です。

50%のボラは50÷4÷4=3.1%で おおざっぱにいって毎日3.1%程度日経平均が動きそれが1年間続くという数字です。

80%というレベルを維持するのはかなり大変だということがお分かりいただけるかと思います。
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軒並みボラが急落する中、日経VIの下げは緩やかにとどまり

実態的なボラとの差が5ポイントまで縮小し、かなり機能は回復しています。

その一方で、VI先物や日経平均VI先物指数ETN(2035)が目も当てられない崩落をしています。
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歴史に残る相場環境が続いています。
本来は基準になるべき日経VIが機能不全に陥っているので、投資家は独自の基準を見つける必要があります。


今のような超ハイボラ時はATMボラの動きが最も信頼できます

今のような超ハイボラ時には
スマイルカーブが直線状態になります。
外のプットもATMに比べて整然と高くなっています。
外のプットはすでに十分高いので今のボラが想定する日経平均の下落ぐらいでは異常に盛るようなことはありません。

プットが異常な動きをしないので、スマイルカーブは日経平均の上下に合わせて整然と上下に動いています。

このようなときはATMのボラの動きを見れば、市場全体の動きが確認できます。

ただし、4月限のATMボラは満期が近くなるにつれ一段と上昇(あるいは高止まりしたまま)してくるので、
4月限のATMボラと5月限のATMボラを残存日数で按分するのが最も手堅い方法です。
それが面倒なら、とりあえず5月限のATMボラの動きを見ましょう。

見方のコツは

日中の超短期的なATMボラの動き
よほど織り込まれていないニュースが出ない限り日経平均の細かい上下とほぼ逆


②1日を超えるATMボラの動き
日経平均の水準でまずボラのだいたいの位置が決まり
それにプラスマイナスして
直近の値幅拡大傾向でボラ上昇
直近の値幅縮小傾向でボラ低下
が要因として加わります


この動きが変わるときには、相場が新たなフェーズに入った可能性があります。

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日経平均が安値を更新して16552.83で終わったので
ATM16500から16本下の14500までが4月限・5月限・6月限に正規設定され日経VIの計算対象になります。
十分ではないとはいえそこそこの数のプットが計算対象になり、日中の動きが少し回復する見込みです。


なぜプットが少ないと日経VIは過小評価され動きが止まるのか

日経VIはATMを中心に値段のつくOTMオプションを全部含めて計算します。
平時であれば上下4000円行使価格があれば十分です。

もし、OTMコールもOTMプットもすべてATMと同じボラだったら、日経VI=ATMボラとなります。ボラティリティー・インデックスは不要です。

ところが実際はコール側のボラは低く、プット側のボラは高くなっています。

コール側は日経VIを引き下げ
プット側は日経VIを引き上げ

このプラスマイナスを合計すると日経VIは正常時にはATMボラより2-3%高くなり、プットがあほボラになるとATMボラよりかなり高くなります。とくにプットのあばれ具合が影響を与える仕組みになっています。

現在、日経VIの押し下げ要因となるコールは潤沢にあるのに対しプットの数が不足しています。
この状態では、日経VIをATMボラから引け下げる力が圧倒的に大きく、日経VIがATMボラよりも異常に低く計算されてしまいます。

日経平均が上昇するとATMボラは低下しますが
現在の日経VIは計算対象のプットが増え、日経VIの上昇要因となり

日経平均が下落するとATMボラは上昇しますが
現在の日経VIは計算対象のプットが減り、日経VIの下落要因となり


日経平均がどちらに大きく動いても、日経VIはATMボラよりもかなり低い水準で動きがなくなってしまうわけです。

ある程度計算対象となるプットの数が増えてこないと、日経VIは正常に機能しないのです。
今週は歴史に残る週となりVIXは84ポイントまで上昇しましたが、日経VIは60ポイントにタッチするのがやっとで、これが歴史的な週のデータとして残るわけですから、少々困ったものです。
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届きそうもないはずだった日経平均リンク債がノックインしそうな水準まで来ており、もしノックインすれば、リンク債保有者はいきなりコストが5000円近く上の日経平均を持たされるという憂き目にあいます。わずかな金利とひきかえに、とんでもないリスクを抱えていたわけです。

このピンチに対し、何らかのヘッジを事前にせよ事後にせよとるような投資家がそもそもリンク債を買うとは思えません。
ノックインすれば、リンク債の買い方はただひたすら日経平均の回復を祈るしかありません。

したがいまして、このリンク債のポジションを引きうけた胴元がノックインをまたいでどいううトレードをするかにおのずと関心が移ります。

残念ながら
細部は部外者にはわかりません。
あくまでも理路的なお話です。

もし、胴元がデルタヘッジのみでずっとしのいでいれば

ノックインするまで少しづつ先物の買いを増やし戻れば売るの逆張りを繰り返し
ノックインしたら、元本相当の先物を残してお役目終了というのが基本的な動きです。

ボラティリティの認識によってはノックイン直前のガンマが大きくなり元本以上の先物を買うことも理論上可能となります。ただし、ノックインしてしまえば元本以上の先物を決済しなければなりません。
今のようにボラティリティが高い状態でノックインに接近すると早い段階で元本近くの先物を手当てすることになり、ノックイン近辺で先物買いをそれほど増やすことはできません。意図的に増やしすぎるとその分は売らなければならないので自分の首を絞めることにもなりかねません。

もしボラティリティがかなり低い状況でノックイン近辺を迎えるとガンマが高ボラ時より大きくなり、より大胆にノックイン近辺での買いによるガンマプレーが楽しめる場合があります。

その場合もしノックインせずに相場が反発すれば買った玉を利食いして再びノックインしそうになれば同じプレーを繰り返せるので、何度もおいしいグリコ状態になります。今回は超ハイボラなのでここうした壁際のガンマプレーはかなり限定的だと思います。


胴元の大半は、このようなデルタヘッジと併せて、ノックインレベルのプットをある程度売ってしまい、長年にわたってロールし続けていると思います。その場合、もし元本以上のプットの売りが残っていた場合ノックインすると余分に売っていたプットの処理が必要になります。つまり、先物を売るかプットを買い戻し残ったポジションを顧客の元本に合わせる必要がでてきます。

この場合相場の波乱要因となりえますが、どの程度のポジションがそういう状態になっているかは部外者には知る由もありません。
このノックインレベルのトレードは金融工学を超えたトレーダーの勘と経験が試される局面ですので、胴元たちの緊張感はおのずと高まります。ちまたでいうようにノックインを超えたら大量の売りが出るという認識は少しオーバーかなと思います。
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一時20000ドルを割れたNYダウは切り替えし1000ドル余り上昇。
VIXは高値84.83から10ポイント余り低下。

日経平均先物は安値16220円から1000円余り上昇。
派手な動きは続きます。

いっぽう
日経VIは依然として過小評価になっているので低下も限定的で、2ポイント低下の54ポイント程度にとどまる見込み。

依然実態との乖離が12ポイントあり、正常な動きはまだ期待できません。
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歴史的な日となりました。
中央銀行が金融政策を総動員し、
G7では、あらゆる可能な経済財政政策をとると宣言したものの換金売りの勢いは止まりません。

VIXはついに80ポイントのせの82.69+24.86
そのような状況でも日経VIは、計算対象プットの不足が続き、本日は60ポイントには届かない見込み。

ちなみに
4月ATMボラは 83
4月実態VIは 86 あたり

実態と比べ20ポイント以上過小評価される見込みです。

過小評価自体は、そういう仕組みだと割り切れば済む話で、解説者が使う分には大した問題はありません。それでも20ポイントも違えばさすがに多少問題はありますが。

問題は、日中の奇妙な動きです。
日経平均が下落するほど、計算対象となるプットがなくなり、日経VIは下落しやすく
日経平均が上昇すれば、計算対象となるプットが増えてくるので、日経VIは実態に近づくことで上昇します。

ATMボラの動きと全く異なる動きになってしまいます。
これが指標として使えない大きな理由です。
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個人投資家は
耐えた人ほど奈落の底へ落ちやすい
という記事を先日書いたばかりです。

日銀も購入額を倍増させ
ナンピンをパワーアップして耐える人になったようです。


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追加設定によってプットがP15375までが計算対象となったので、多少の機能回復が期待できますが

今週は5月限のウエートが一気に高まってきます。
先週はウエートがほとんどなくあまり関係ありませんでしたが

本日の5月限のウエートは33%です。
週末には4月限よりも5月限のウエートのほうが大きくなります。

MMも頑張ってはいますが、ボラが高すぎて5月限の値段がなかなかそろいません。
そんなわけで、日経VIの元となる5月限のVIがなかなか計算できません。

今週は下方のプット不足にくわえ、5月限の値付きの悪さで日経VIの機能不全は続きます。
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昨日は完全に日経VIが機能停止しました。

6月限のラージを基準にATMが決まり、ATMから上のコールとATMから下のプットを使って日経VIは計算します。

先物の安値が16480円だったので、この時点で計算対象となるプットがP16250 1銘柄だけとなる非常事態が発生しました。ATMボラが70%以上にもかかわらず、日経VIは47ポイント台。VIXがリーマンレベルに迫る中、なんともすっとぼけた値です。

一転先物が18000円近くまで上昇すると、計算対象プットが多少増え、日経VIは徐々に上昇し54ポイント台まで上昇しました。日経平均が上昇すると日経VIが上昇するのはこういう状態になっているからです。もちろんATMボラや実態VI(P8000までを使った計算)は日経平均が上昇すれば下落します。


来週

来週からP15500が正式設定扱いになるので、機能は少し改善しますが、それでも実態よりは10ポイント以上低いので、まだまだ参考にはなりません。
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すごいタイミングで迎えるメジャーSQ

ここのところ証拠金の相次ぐ引き上げで早めにギブアップした人は生き残り、
資金追加でなまじ耐えた人は最悪の事態へ落ちることになります。

粘れば結局勝つという何回かの成功体験が最悪の結果を招く貴重な事例となってしまいました。

両端の一見届きそうもない安いオプションを毎月売って稼いでいる人は、結局将来の自分から将来のとてつもない損失をただ「前借しているだけ」だということに早く気付いてほしいものです。
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VIXは70ポイント越え
ところが日経VIをルールどおり計算すると50ポイントどまり。
完全に心肺停止しました。


これは正規に上場されたP16250までしか計算対象としない仕組みのためです。
オンデマンドで上場されているP8000まで入れて計算するとVIX並みの68ポイントぐらいになります。

正規の設定は今後とも125円刻みの16本限定で2000円下までしか登場しません。日経VI的には恒常的に下方のプットが不足する状況が続きます。

もはや意味のない125円刻みでちまちま追加設定している場合ではありません。

オンデマンド銘柄を含めると指数が恣意的になりますから、新規設定ルールを変えるしかありません。
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わかりにくいオプションの追加設定の仕組みですが、実践で慣れるしかありません。

直近3限月 3月4月5月
日経平均19416.06
ATM 19375
125円刻みで16本下 17375 まで追加設定

4限月以降
日経平均19416.06
ATM 19500
250円刻みで16本下 15500 まで追加設定
※6月限はすでに2018/12に15250まで設定済み


オンデマンド設定
4月限
16000 やっと隙間が埋まりました
9500
9000
8500
8000 10円ぐらいで売買されています。

5月限
まだ正規設定以外の銘柄はありません
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オンデマンドで

4月限
P15500
P15000
P14500
P14000
P13500
P13000
P12500
P12000
P11500
P11000
P10500
P10000

がさっそく設定されました。
なぜだか、P16000がないところは興味深い。

P10000がとんでもない値段となっても公式の日経VIには影響を与えません。

売買できるし時価もとれるので
実態に近い日経VIを自分で仮計算することは可能です。
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日経平均の下落がきつくプットの設定が間に合いません。
3月4月5月の直近3限月は125円刻みでしか新規設定がありません。
新規設定のルールはATMから下16本なので125円*16=2000円下までの行使価格しか追加設定がありません。

中心限月である4月限の下限は16250円です。
2019年7月に4月限は取引が始まり、翌月に日経平均が20261円の安値を付けたときに追加設定されたものです。

上場時点では250円刻みで16本上下に設定され、その後も250円刻み上下16本が維持されます。
ところが

直近3限月になると125円刻みが登場し、
追加設定が2000円上下までしかありません。



4月限は日経平均のATMが18125円以下になるまで、16250円より下のプットが正式設定されません。

この不便な方法を解決すためにオンデマンド行使価格という制度があります。


オンデマンド

正規設定のルールによらずに
投資家(といっても大手証券かMM)の申請によって追加設定は可能です。
トレードする分には正式分もオンデマンド分も変わらず、投資家は見分けはつきません。

ところが、オンデマンド銘柄は日経VIの計算には入りません。

おそらく16000円以下の銘柄はまもなくオンデマンドで上場すると思います。

しかしながら、日経VIには16250円以下が反映されず、たとえ16125円以下が正規に上場しても、常に計算対象は下方2000円下どまりです。

本来は存在するプットが対象とならないため、日経平均が下落しても日経VIはほとんど上昇せず、日経平均が上昇してもあまり日経VIは下落しないという奇妙な現象が起きます。


指標性を求めるならATMボラの動きを見なければなりません。

直近3限月となっても250円刻み16本で追加するルールにすれば、この問題はかなり改善されます。
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今日の日経平均の引け値は19698.76円 125円刻みのATMは19625円 

現在の4月限の下限
125円刻み 18875円
250円刻み 16250円
日経VIの計算対象は16250円まで

明日の4月限の下限
125円刻み 17625円
250円刻み 16250円(変わらず)
日経VIの計算対象は16250円まで(変わらず)

4月限は直近3か月となった限月なので、新規設定は125円刻みで行われます。
ATMから125円刻みで下16本までの17625円までが設定されます。
直近3か月の限月には250円刻みの設定はありません。
P16000が正式に設定されるには日経平均が18000円とならなければいけません。


16250円の時価は@515円 IV70% 午後5時半現在


当面、この銘柄で日経VIの計算は打ちきりとなります。
もし、オンデマンドで16000円以下のプットが設定されても日経VIにはカウントされません。

その結果、日経VIが過小評価され

ATMボラ>日経VIという奇妙な現象がしばらく起きることになります。
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満期前1週間となったその後のP15000

本日夜間日経平均先物が20740円まで下落しても、沖合(ATM近辺)の波はこの前ほどは荒れてはおらず、バタフライ連鎖も湾岸(超OTM)まで届かず、たいした反応はありません。

P15000が200円以上で暴れた先週金曜夜間の下落局面では、証拠金の引き上げをはじめ、世界的株価の底抜け観など、多くの投資家の動揺が錯綜していたということになります。

P15000がもう一度盛り上がるかどうかは、最終的にインするかどうかはほとんど関係なく、あくまでも沖合の荒れ具合とバタフライ連鎖が届くかどうかによります。

本日夜間の動き
P15000 O 2 H 11 L 2 C 5 V 1928

なお、オンデマンドによって
P14500
P14000
P13500
P13000
P12500
P12000
P11000
P10000
が新規設定されています。

※オンデマンド行使価格
通常の追加設定に加え、取引参加者からの申請に基づき、一定の範囲で新しい権利行使価格を追加できる制度を導入しています。原則として申請の翌営業日から取引開始となります。このオンデマンドによって設定された銘柄は日経VIの計算対象にはなりません。

なおP15000はもともとはオンデマンド銘柄です。正規銘柄はP15250まで
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日経平均の高値圏でダブを買い下がり、今回の下落でやれやれの利食いとなった個人投資家は、こんどは一転レバへと参入し、レバの残高が膨らんでいます。

3/5日現在
レバの残高 3920億円
ダブの残高 1960億円
合計 5880億円

この2銘柄を運用する会社による引けにかけての順張りリバランスの影響が徐々に無視できないレベルになりつつあります。ボラ拡大要因です。

日経平均1%の変動で 残高の2%=日経平均先物117.6億円=約560枚の売買
日経平均5%の変動で 残高の2%=日経平均先物588億円=約2800枚の売買
日経平均10%の変動で 残高の2%=日経平均先物1176億円=約5600枚の売買

5%下落したときに2800枚もの売りが出てくるとかなり効きます。
5%上下するたびに2800枚売っては2800枚買います。

かつてはレバの残高が1兆円まで膨らみ市場に多大な圧力を生んだことがありましたが、今回はそこまでいかないことを願います。

※なお、この主要2銘柄以外にも同じ運用するETFがあるので、全部合わせた影響はさらに大きくなります。


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米国株の連日の乱高下
すさまじいジェットコースターです。

それに比べ日経平均はダウの戻しにはほとんど追随せず。
下落に対しては妙に下げ渋る。

じゃじゃうま日経平均がみょうにおとなしい今日この頃です。


さすがに、こうした株価指数の動きの差を反映して
日米のボラティリティー・インデックスが完全に逆転しました。

これまで瞬間的に逆転することはあっても、ここまで明確に逆転したことは記憶にありません。


3/6 午前4時ころ
日経VI 31.7
VIX  40.1
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なんとなくあほボラという言葉は使われておりますが、
これをきちんと定義してみます。あくまでも私見です。
あほなボラですから、どう考えても、逆立ちしても納得できないというのが基準になります。

第1の条件 日経VIが30ポイントの戦時モードにあること

日経VI30ポイントまでは、全体的にボラが上昇すれば到達する水準です。
日経平均が急騰した場合も30ポイントまではぎりぎり到達します。
残念ながら急騰では、それ以上行くことはまずありません。

あほボラはプット特有の現象です。

戦時モードでは、ボラが羽が生えたように舞い上がり、1日で5-10ポイント平気で動きます。
ちなみに、今日の日中は高値から一時13ポイント下落しました。


第2の条件 スキューが通常の範囲をはるかに超えること

スキューとはATMに対するプットの割高さを示す尺度です。
スキューの観測方法はいろいろありますが、肝心なところは「通常の範囲をはるかに超える」
ということです。なんらかのスキューの尺度をもっておかないととんだあほボラを引いてしまうかもしれません。

先週末の夜間にP15000が200円を超えた環境はまさにこの二つが当てはまる完璧なあほボラ状態でした。


今日の日中は引き続き日経VIは30ポイント以上で戦時モード継続中ですが、スキューが異常な状態から通常範囲の最高レベルまで戻っています。
残念ながらあほボラとはいえず、P15000もなんとか納得できる値段に戻っています。

日中 O85 H85 L5 C26 V13112枚
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このような相場では、プットの売り多めのポジションを持っていると、評価損が膨らみ証拠金の引き上げと相まってあっというまに証拠金不足に陥ります。


強制ロスカットは、証券会社が任意に行うとされていますが、実際は寄り付き成り行きというケースが多いようです。市場が混乱していると、銘柄によっては全く売り板がない中をとんでもない約定値になり、さらに被害が拡大する危険があります。


資金に余裕があれば、追加入金したうえで、自ら板を見ながら手動でロスカットしたほうが安全です。


しかし、資金に余裕がない場合はなすがままに強制ロスカットが無難に執行されるのを願いうしかありません。


悪あがき

恥を忍んで、SNS上でどの銘柄がロスカットを食らうかを配信しましょう。
とにかく、誰かに注目してもらうしかありません。だれにも気づかれない中、MMに直前に板を取り消されてとんでもない値で約定する可能性を下げることができます。運よく上級者が注目してくれた場合、MMのとんでもない板の下に指値を入れてくれる可能性があるからです。
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金曜の夜間でP15000円が200円以上で活発に売買されました。
これをインプライドボラティリティベースに直すと、100%以上になります。
しかし、この100%が直接意味するものは何もありません。
年率で日経平均が100%動く可能性といったところで???です。

この100%という数字は、たとえばP16000に比べて理論的に割安か割高かを比べるためなどに使える尺度です。

しかしながら、理論的に割安か割安かを決めるためにはいろいろ仮定や前提をおかなければなりません。

そうした理論的な理屈なしでも、どう考えてもインしそうにないオプションがどういう仕組みで200円になるかの説明はつきます。買う人がいるからといっていまえばそこで話は終わってしまいます。

プットオプションは一つ上の行使価格のオプションと2つ上の行使価格のオプションに価格の範囲を決められてしまうのです。

この縛りによって、P20000やP19000の現実的にインしそうなオプションが異常な値になると、それが下の行使価格のオプションへ順番に伝播されていくのです。

この仕組みをバタフライ関係と呼びます。

週末夜間引け時点の値段と気配
PUT


バタフライ関係とは

たとえば19750のバタフライ

買い P20000 1枚 825
売り P19750 2枚 780
買い P19500 1枚 750
合計コスト 825-780*2+750=15
※最終値段を使っており、アスクビッドを考慮していません

つまり15円払えば19750をトップとするバタフライが組めます。
もし、P19500が735だったらコスト0になってしまいバタフライがタダで組め、絶対に損が出ないポジションが出来上がります。

つまりP19500はP20000とP197500の値段の影響を受けそれ以上下がってはいけない値段が自動的に決まっているのです。

これをバタフライ関係といいます。

この関係がP19250にもP19000にもP17000にもP15000にも同じように働きます。

では15250のバタフライ

買い P15500 1枚 235
売り P15250 2枚 175
買い P15000 1枚 140
合計コスト 235-175*2+140=25

このバタフライはこの値段で組むと25円のコストがかかります。もしP15000が115円で買えたらコストゼロでバタフライができてしまいます。


こうしたバタフライ関係の縛りによって、上方のプットの異常値が下へ下へと波及していき、下方ではにわかに信じられない値段が出現してしまうのです。P15000円だけが異常なのではなく、その上のP15250もP15500も上流の値段を受け継いでいるのです。

このバタフライのコストは上から下まで整然と並びます。この表を使ってバタフライの値段を最終値段で計算すると利益確定のバタフライが見つかると思いまが、実際にはその値段では約定はできません。
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ここまであまり乱高下もなく整然とボラが上がり続けました。
証拠金が一気に引き上げられ
評価損と相まって
アウトのプットの決済に迫られたり証拠金対策のためにアウトのプットを買ったりと
プットの需要が外へ外へ向かい
ついに

あほボラ状態 になりました。

P15000
日中の動き O7 H51 L5 C42 V9494枚 夜間の動き O31 H235 L17 C140 V13775枚

で大商い
IVベースでは100%超え!?


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日経平均先物は夜間序盤の下げをいったん縮めたものの、米国市場が始まると下げ足を速め
午前4時過ぎに22,000円割れとなりました。

ほぼ同じタイミングで推計日経VIも30ポイントに乗せています。
その存在を忘れかけていた戦時モード突入です。

NYダウはその後も下落が止まらずVIXも一時30ポイント乗せ、日経平均先物は21890円まで下落し、その時点における日経VIは31ポイント程度。

5時前に22,000円を回復すると日経VIの戦時モードも終了し、超目先的には日経平均22,000円=日経VI30ポイントが意識されそうです。

ここから全体ボラが上げプットがそのうえで盛ると、ここからの日経VIの上昇は加速します。22,000円割れを待っていた投資家も多いと思いますので、日本時間では予想のつかないルートをさまよいそうです。

VIXも30ポイント乗せ

VIXを判定基準にしてリスクパリティファンドからの売りがこれから大量に出てきますが、現時点でリアルタイムで売っているファンドはまだ一部で、大半はこれからおもむろに出てくると思います。現在は、そうした機械的な売りを後ろ盾にした短期筋の順張りで下げを加速しているといったほうが正確だと思います。

※この内容は05:30時点
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今回のウイルス騒動は、絵にかいたように好調な米国の景気指標が続き第1ラウンドを終えました。

VIXは20ポイントにワンタッチしただけで、そこから急落し、はやくも15ポイント割れの水準まで低下しています。

VIXが20ポイントを超えなかったから、米国市場が反発したのではなく、
あくまでも米国市場が反発したからVIXは20ポイントで踏みとどまったわけです。

ただし、20ポイントを超えてくると、VIXの水準によって機械的にリスク資産を減らす「おばかな運用」が存在するので、下げを加速させる可能性はあったということです。

まあ、下がれば売る上がれば買うというのは、順張りの基本ですので、必ずしも無下にはできないのですが。。。

この辺りの微妙な部分を省略して「VIXが20を超えなかったので反発した」というのはまったくのでたらめでもないところが悩ましいところです。

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夜間で日経VIは推定21ポイントまで上昇しており、日中も20ポイント乗せはほぼ確実な情勢。
日経VIの20ポイント乗せは昨年8月以来となります。

当時は、20,200円台まで日経平均は下落していたので、それよりもはるかに高い水準での20ポイント乗せということになります。

今回のボラティリティー上昇は

プット主導でまずスキューが上昇し
遅れてATMが上昇し、
全体ボラが上昇する過程でもプットの騰勢が衰えない

という最近ではほとんど見られなかった現象です。

それでもまだ日経VIは20ポイント台と水準としてはそれほど高くない位置にもかかわらず、異常に高く感じるのは、いかに低ボラが体に染みついているかがうかがえます。

くわばらくわばら。
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小動きにすっかり慣れ、200円の下落でもかなり大きく感じる今日この頃です。

日経VIは、安値水準からジワリ上昇しております。
全体的にIVが上昇しているのはもちろんですが、久々にスキュー(ATMボラとプットのボラ格差)が上昇しています。

最近はプット主導でボラが動くことは少なかったのですが、とくに夜間ではスキューが一段高となり、まさかに備える警戒感が高まっているようです。




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米中通商協議と英国議会選挙という2大イベントを通過し、目先の不透明要因が後退したことでボラティリティーが急低下しております。

日経VIは夜間では推定12.9ポイントまで急落しており
昨日13.68で終わった日経VIが、本日日中13ポイント割れするかどうかが見ものです。
ちょっときわどいかもしれません。
引け値ベースでの13ポイント割れは、2017/8/2-8/8以来となります。(2017/8/2 12.19)


12.9ポイントの内訳は

1月限オプションから計算するボラティリティーが 12.4 残存日数 23日 ウエート65%
2月限オプションから計算するボラティリティーが 13.9 残存日数 58日 ウエート35%

となっており、1月限の影響が2/3を占めています。
  • 超目先はあまり動かない
  • 年末年始6連休の計算上の影響(残存23日のうち10日が休日のため)
が1月限のボラティリティーを大きく下げる要因となっています。

目先の動かなさはスマイルカーブの形状にも表れています。
1月限のオプションは、ATM近辺のボラが相対的に低くなっており(中剥げ)、目先の膠着間を強く示唆しています。


ただし、日経VIはこれから急速に2月限のウエートが上昇し1月限の超低ボラの影響は急速に薄れていくので13ポイント割れはそれほど長くは続かないものと思われます。
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株高持続、にじむ不安
オプション「売る権利」活況 相場下落に備え(日経新聞朝刊 12/6)

putcall

10月からプットの建玉が急増しているらしい?です。
これ自体は事実なんですが、これをもって弱気と論じる前にもう少し分析してほしかったと思います。

個人投資家に人気の強気の代表格レバレッジETFは残高が2000億円割れまで減少し、弱気のダブは残高が2700億円を超えています。日経平均の上昇につれ値下がりしているので、口数ベースでは日々過去最高水準を更新しています。

プットコールレシオは、個人投資家のETFに見られる弱気姿勢と平仄があっているようにも見えますが、注意すべき点があります。

9月から12月にかけ
日経平均は2000円余り上昇し
日経VIは20%レベルから15%レベルへ低下しています。

その結果、ATMの水準が上昇し
OTMプットの銘柄数が増加し
OTMコールの銘柄数は減少し
また、ボラティリティが低下していることから、コール側で値段がつく売買対象銘柄がプットに比べて激減したという取引環境の変化があります。

こうした環境では、弱気が支配的ではなくてもプットコールレシオは上昇しやすくなります。
また中心限月の12月限は8年前から上場しているため正規の行使価格は11000円-28250円です。それに対しATMが23000円ですから、
圧倒的にプットの売買対象銘柄数が多くなっています。

12月5日現在の直近3限月のコールとプットの建玉残です。

201912

コール建玉 262,509枚
プット建玉 499,627枚
プット/コール 1.9倍


202001

コール建玉 43,215枚
プット建玉 74,416枚
プット/コール 1.72倍

202002

コール建玉 4,602枚
プット建玉 17,101枚
プット/コール 3.17倍


12月限は特に行使価格がはるかに下方の11000円まであるので、満期が接近するにつれ1円になったオプションを順番に宝くじ感覚で買う動きが続き建玉が膨らみやすい特性があります。(※注 オンデマンドで上場したさらに下の行使価格もあります)

1月限はダメもとで買うにはまだプットが中途半端に高いため、倍率は1.7倍にとどまっています。

2月限は建玉が少ないながら、圧倒的にプット優勢(コール劣勢?)で倍率は3.17倍です。

このように、下方行使価格の差は建玉の総枚数に大きな影響を与えてしまいます。

その辺を分別できるように
全体の倍率変化の動きではなく、
どの限月のどの行使価格のプットの建玉がこの2か月の間に増えているか
を調べれば、もう少し信ぴょう性のある分析になるはずです。


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VIX先物の建玉が過去最高水準に積みあがっているため、VIXの動きに関心が集まっています。

11ポイントまで低下していたVIXが、感謝祭明けの2日間でアッというまに18ポイントまで上昇し、

昨年末のクリスマス暴落再来か?
はたまた2018年初頭のVIXショックか?

緊張感が高まりました。

VIXはするすると上下する

昨晩は米国株が急反発したことでVIXは14ポイント台まで低下しています。

相場に影響のあるイベントがある場合は、VIXが強含み警戒情報を示す時もありますが、基本的には株が急落すれば、オプションが買われVIXが上昇し、株が戻ればVIXは低下します。結構簡単に上下します。

VIXの大きな上昇は株の急落度合い次第で、今後の株の先行指標にはあまりなりません。
VIXが18ポイントまで上昇したので米国株が急落したわけではありません。

残念ながら、このよく上下するVIXを直接売買することはできません。11ポイントから18ポイントの上昇を獲得するためには、SP500のオプションで疑似バスケットを作る必要があります。リバランスは結構面倒なので、そこまで厳密にやらなくても、簡便的にATMオプションを買ってデルタヘッジをすればかなり近いものを獲得できます。

幸い、VIXの先物が活発に取引されているので、これを売買すれば、VIXの上昇を狙えますが、VIXに比べ動きは緩慢です。ちなみに今回のVIX上昇場面では、VIX先物12月限では2ポイント強、VIX先物1月限では1ポイント強の上昇しかとれませんでした。

VIXがいくら安くても、VIX先物は簡単には安くなりません。とくに今のような先行きが見通せない状況においては、VIX先物は先へ行くほど割高になる先高構造となっており、この傾斜はかなり大きくなっています。


VIX先物は警戒感満載

9月10月のVIX低下過程において、3か月先以上のVIX先物はほとんど下落せず18-19ポイントで高止まりしています。そこを狙った取引が膨らみ建玉が増えているという面も見逃せません。

高水準の建玉=即危険ではありませんが、
今後VIXが、高止まりしているVIX先物の水準を明確に超えてくると、VIX先物の売り方がそわそわし始めることになります。

建玉の多さだけを気にするのではなく、こうしたVIX先物が示す先行きの警戒状況も合わせて見るとよいでしょう。
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注目のFOMCは予想通りの0.25%利下げ。12月に関しては、オープンな姿勢を残し、ほぼ満額回答という感じでした。

VIXは13ポイント近辺から、少しもたついた後、パウエル発言を確認しながら低下し7月以来の水準まで低下。
日経VIも、VIXとほぼ同じ動きでFOMC前から約0.7ポイント低下。

ドル円は、打ち止めを意識して一時109.3まで上昇するものの、その後は金利低下、ドル安の流れに押され108.8割れまで低下と、忙しい動き。

VIX 12.33 -0.87
推定日経VI 15.2 日中比-0.29 (FOMC前は15.9あたり)
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9月中盤から日米ともに上値が重くなるとともに、ボラティリティーはじりじり上昇しております。

10月に入ってズドン・ズドンと2連発下げが続いたことで
VIXは再び20ポイントを超える動きとなっています。
日経VIは夜間を含め、まだ20ポイントを超えてはいません。

VIXの20ポイント乗せ自体は、米国株の大幅下落に沿ったものなので、あまり大したことではありません。

しかしながら、少し気になる動きがあります。

それは、半年先のVIXつまりVIX先物がジワリ上昇していることです。
10/2は軒並み20ポイント超えとなっております。

最近では、2018年12月のクリスショックのときに半年先のVIXが20ポイントを超えています。
その後は、VIXが20ポイントを一時的に超えることがあっても、半年先のVIXは18ポイント程度にとどまっていました。ところが、米国株が2日下落した程度で早々と20ポイントに乗せたということは、かなり弱気な兆候だといえます。要警戒


VIX1003
VIXの上昇に追随するようにVIX先物も上昇が続く。
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レイバーデー明けの米国市場は、相変わらずの荒れ模様です。
一時400ドル安を超える下落から少し挽回し、VIXは20ポイン超えが続いていたものの引けにかけて危険水域の20ポイントを何とか下回っています。

日経平均先物は、米国株安、ドル円106円割れにもかかわらず20,500円を割り込まず大健闘。売り方もどうせ日本時間に戻るんでしょ?という感じで、及び腰のようです。

そんな感じの展開なので、VIXと日経VIの格差は一段と広がっています。


VIX 19.66 +0.68
日経VI 18.0 日中比変わらず
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先週末の中国報復関税、トランプ大統領の対中関税引き上げの騒動前まで、NYダウおよび日経平均は回復してきました。

騒動前
VIX  16.68
日経VI  17.31

8/30(金)5:15
VIX  17.88
日経VI  18.1

ジャクソンホールのイベント前のボラ水準まで、日米ともに低下しきっていません。
株価は何事もなかったかのように戻ってきましたが、警戒感はほどけないようです。

VIXの長期ボラが水準切り上げ

ここのところ
半年先までのVIX先物がじりじりと上昇を続け、19ポイントを超えてきています。
米中問題や、逆イールドからの景気後退懸念が簡単には晴れないことを織り込み始めているようです。
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米国株の下落時において、日経平均は何回か粘り腰を繰り返した結果、
ついに日経VIがVIXを半日以上にわたり下回りました。

状況はこんな感じ

NYダウは時間外はマイナス圏で推移したものが
取引開始時点ではプラス圏に浮上し26000ドルを回復。
VIXは、この時点までは前日比マイナス圏で推移。
日本時間0時ころから米国株は下落に転じ
VIXはぐんぐんと上昇し21ポイントまで上昇。

その間日経平均先物は夜間序盤の安値を下回らなかったこともあり
日経VIはあまり上昇せず、20ポイントに乗せることもなく、
完全に日米ボラ逆転。

5時15分時点
VIX 20.31 +0.99
日経VI 19.3 (日中比変わらず)

夜間日経VIを計算するようになってからは、瞬間的な逆転はありましたが、ここまで明確に日米ボラが同じ時間に逆転したことはありません。

日経VI>VIXは経験則

日経VI>VIXはあくまでも経験則です。別にこれが逆転したから突然世の中が変わるわけでもありません。
しかしながら、じわじわと変化は起こっています。日経VIは2018年12月に日経平均が19000円割れた際に30ポイント超えした後は、25ポイント超えが精一杯になっています。VI先物は20ポイントの手前からボラの上昇には素直に追随せずディスカウントが広がるようになっています。どう考えてもインしそうもない超アウトのプットがとんでもない値段をつけるあほボラの記憶も薄れつつあります。

低ボラの背景は、そもそも日本株の主役である外国人が日本株を売り続けており、慌てて売るべきポジションが少なくなっていることだと推察はされます。また、「2%の物価上昇目標」のために、短期筋の売りを吸い上げる「株ごころゼロ」の日銀砲がじわじわ効いていることもあります。

ボラの低迷は、このまま長期化する可能性はありますが、その分反動は非常に大きなものになることは、これまでの歴史が証明するところです。
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昨日は9月のボラが大きく下落し、日経VIを押し下げました。
10月限のボラは9月限ほど下落していませんが、MMが積極的にオファーを下げたため、VI先物はあっさり18ポイントを割れ17.5ポイント割れまで下落しました。最後は買い下がっていた投資家の投げが出たような感じです。

流動性が潤沢にあれば、9月VI先物は10月限のボラにある程度連動して動くはずですが、増えてきたとはいえまだまだ十分な流動性がないため、MMの腹次第で、だいたいの水準が決まります。したがってMMの思惑を想像することは大切です。たとえば、55枚の指値が食われても再び55枚にして指しなおす場合は、まだまだ気配を下げるぞと予告しているようにも見えます。

MMは現在
  • 10月限の現時点のボラ水準
  • ボラ全体のモーメンタム
  • 直近のHV

の3つをモデル化して、満期における10月限ボラを推定しながら、マーケットをつくっているように見えます。この3つを見ながらMMの挙動を見ていくと、ぎりぎりでMMの攻撃をかわしたり、MMのオファーを引き付けて買うヒントになると思います。


夜間で日経VIは19.3まで反発していますが、MMは引き続き積極的に売りを出すと思われます。
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VIXや日経VIが原因となって暴落が起きたり、下げを加速することもたまにありますが、大半は日経平均やSP500の動きに追随して動いています。

今週のVIXは20ポイントを挟んで結構大きく動き、
VIXが20ポイントを超えたから下落した
VIXが20ポイントを下回ったから反発した

という原因と結果を巧妙にすり替えた解説がよく行われます。

日経VIについてもしかりで
日経VIが25ポイントを超えると日経平均2万円割れの危険性が高まるのではなく
日経平均が2万円を割れると日経VIが25ポイントを超える可能性がある
ということにすぎません。

日経VIとVI先物の違い

日経VIは、たくさん銘柄がある9月限と10月限のオプション価格をひとまとめにして、ひとつのボラティリティに直したものです。これを直接売買することはできませんが、9月限と10月限のATMオプションをある比率で持つことで似たような動きを実現できます。


VI先物9月限は、10限のオプションをひとまとめにしたボラティリティを対象に売買するもので、9月限のオプションとは関係はありません。また、10月限オプションとも異なるVI先物の独自の需給という要素が加わります。

日経VIはオプション市場の状態を概観するのに適していて、VI先物には投資家がボラティリティーが先物の満期日(9/11)に向けて上がると思っているか下がると思っているかが反映されています。

日経VIとVI先物は、それぞれ対象が違うので、頭を切り替えてモニター、売買する必要があります。どちらも日経平均を見ているだけではわからない情報が入っているので、うまく使いこなせば、いろいろなヒントが見つかります。


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対中関税の一部延期はかえって話をややこしくしたようであります。
FRBに対するトランプ大統領の口撃はますますエスカレートしています。

ボラティリティーの上昇は日米互角

5:15現在
VIX 22.10 +4.58
日経VI 23.20 +4.1(日中比)

VI0815


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夜間前半で先物が20210円まで下がり推定日経VIは23ポイントまで上昇しました。
ところが、そこから一転先物は20750円まで棒上げし、ボラティリティーは急低下。

VI先物は本日19.7ポイント近辺で清算される見込みです。
9月限の残存日数がちょうど30日のため、10月限の影響がなくなり、SQでは日経VI=9月VIとなります。

VIQ0814




15ポイントで買った投資家は1枚当たり4.8万円程度の利益となる見込みです。

8月限は終始ディスカウント(9月限で計算するVIに比べ安い)状態で推移したので、下方のリスクは限定されていたものの、決済するタイミングは難しかったかもしれません。
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日経VIの限月交代とは

SQ週の月曜日(SQの4日前)に計算対象が入れ替わります。
今月ですと
8/5(月)に、8月限9月限オプション ⇒ 9月限10月限オプション となっています。



VI先物の満期とは

SQ週の水曜日またはSQの翌週水曜日の2パターンあります
これは、SQとSQの間が4週間の月と5週間の月があるためです。

8月SQと9月SQが5週間あるので、今月はSQ翌週の8/14(水)となります。
この日が、翌月SQから逆算して30日前(4週+2日)となります。

そういう決まりになっているので
VI先物の満期においては、中心限月であるオプション9月限の残存日数がちょうど30日になります。


限月交代からVI先物満期までの挙動

VI0809


この図は、限月交代前から8/9(金)午前5時15分時点までの
  • 9月VI(9月限オプションから計算するボラティティー)
  • 10月VI(10月限オプションから計算するボラティティー)
  • 日経VI(5時15分の値20.2は推計値 VIXの下落に比べ下げは限定的)
の関係を表したものです。わかりにくさを避けるためVI先物はこの図には乗せていません。

限月交代の手前では、日経VIが9月VIにくっついていていたものが
限月交代で9月VIからいったん乖離し
再び徐々に9月VIに近づく様子がわかります。


今回は10月VIが9月VIより低いため
日経VIは9月VI10月VIよりも高い値となります。

限月交代からVI先物満期までの間は、日経VIは中心限月の外側で決まると覚えておけばよいでしょう。
この乖離は日々縮小し
VI先物の満期で日経VI=9月VIとなり
その後は9月VIと10月VIの間で決まっていきます。
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