雇用統計の数字に一喜一憂するのはいかがなものかとは思うけど、市場参加者の最大関心事ですから、どういう動きをしても大きい度量で乗り越えて行かねばなりませぬ。

雇用の状態に大きな注意を払っているといわれるイエレン議長は、雇用統計の結果を受けて「ますます優柔不断になるだろう」とみた投資家は最初は売りで突撃。

しかし、よくよく考えると、世界的に低金利緩和状態は継続中だし、アメリカの利上げもどうやら年内はなさそうだし、ここから売りの回転はそろそろ危険そうだと、少しづつ感づいたようだ。

そして一転買戻しに拍車がかかり、バーゲンハントも加わって安値からの急回復。

毎度ながらついて行くだけの日経平均は 安値から700円近い戻し。

そんな状況のなか、今月は2回も会合のあるわれらが日銀。

新聞報道によると、2%達成目標時期を先送りするという。

官僚にとっては屈辱的な前言撤回だが、ここは突っ込みをいれるよりはあうんの呼吸で飲み込むしかなかろう。総裁会見で、KYの記者から毎度の質問が出るかも知れないが、ここは笑って誤魔化すしかない。

さて、ここからは瞑想の世界

HFのパフォーマンスが振るわない。
2015年は株も債券も上がってないのだから、当然の帰結。
順張りで攻めるが勝ったり負けたりで徐々に負けがたまる。
もし、つかの間の緩和状態延長で足並みがそろうなら、最大多数の幸福である上攻めに向かうのが起死回生の一打だが...。

結局、量的緩和では景気刺激にもならないし、インフレも達成できない。
ただ、上攻めを狙うHFの戦闘意欲を一定期間刺激するだけ。
順回転が効いている間は、緩和が効いている気がするだけの幻想...。

もっとも、株高の間に経済が活性化するソロスのいうところの「再帰現象」でも起これば万々歳ではあるが。