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老後の年金はいくら?年金額の計算方法と増額ポイントを解説(監修)
日本の年金制度は破綻しているのか?⇒ノー
<日本の年金制度は破綻しているのか?>
・そもそも年金とは、長生きするリスクに備えて、早逝した人の保険料を長生きした人に渡して補償する保険であるといえます。65歳を年金の受給開始年齢とすれば、それ以前に亡くなった人にとっては、完全な掛け捨てになります。遺族には遺族年金が入りますが、本人は1円も入りません。逆に、運よく100歳まで生きられれば、35年にわたりお金がもらえます。
・極端に単純化して言えば、年金とは、平均年齢よりも前に死んだ人にとっては儲け損だが、平均年齢以上生きた人にとっては儲け得になるものです。このように単純な仕組みなので、人口動態が正しく予測できれば、まず破綻しません。
・具体的に言えば年金は、数学や統計学を用いてリスクを評価する数理計算に基づいて、破綻しないように、保険料と保険給付が同じになるように設計されています。確率・統計の手法を駆使して、緻密な計算によって保険料と給付額が決められています。年金制度を実施する集団について、脱退率、年金受給者が何歳まで生きているのかという死亡率、積立金の運用利回り(予定利率)など、将来の状態の予想値(基礎率)を用いた「年金数理」で算出しています。
・2004年度の年金制度改革で、給付額についてマクロ経済スライドが導入されました。端的に言えば、保険料収入の範囲内で給付を維持できるように、数理計算で給付額を算出しようということです。物価や賃金が上がると、それに連動して給付額は増えますが、現役世代の人口減少や平均寿命の延びを加味して、給付水準を自動的に調整(抑制)する仕組みです。
・年金は掛け捨ての部分が大きくなれば保障額が多くなり、小さければ少なくなります。つまり、現役世代の人口が減って保険料収入が少なくなろうが、平均寿命が延びて給付額が増えようが、社会環境に合わせて保険料と給付額を上下させれば、破綻しない制度ということです。
・年金不安の根拠として必ず持ち出されるのが、「65歳以上の高齢者1人を、15~64歳の現役世代X人で支えることになる」という理屈です。内閣府の「高齢者白書」によれば、2020年(1年後)には2人、2040年(21年後)には1.5人で1人の高齢者を支えることになります。このような人口減少はすでに十分予測されており、年金数理にも盛り込まれています。つまり、人口減少は予測通りに起こっているので、社会保障制度での心配は想定内であります。
・そもそも年金とは、長生きするリスクに備えて、早逝した人の保険料を長生きした人に渡して補償する保険であるといえます。65歳を年金の受給開始年齢とすれば、それ以前に亡くなった人にとっては、完全な掛け捨てになります。遺族には遺族年金が入りますが、本人は1円も入りません。逆に、運よく100歳まで生きられれば、35年にわたりお金がもらえます。
・極端に単純化して言えば、年金とは、平均年齢よりも前に死んだ人にとっては儲け損だが、平均年齢以上生きた人にとっては儲け得になるものです。このように単純な仕組みなので、人口動態が正しく予測できれば、まず破綻しません。
・具体的に言えば年金は、数学や統計学を用いてリスクを評価する数理計算に基づいて、破綻しないように、保険料と保険給付が同じになるように設計されています。確率・統計の手法を駆使して、緻密な計算によって保険料と給付額が決められています。年金制度を実施する集団について、脱退率、年金受給者が何歳まで生きているのかという死亡率、積立金の運用利回り(予定利率)など、将来の状態の予想値(基礎率)を用いた「年金数理」で算出しています。
・2004年度の年金制度改革で、給付額についてマクロ経済スライドが導入されました。端的に言えば、保険料収入の範囲内で給付を維持できるように、数理計算で給付額を算出しようということです。物価や賃金が上がると、それに連動して給付額は増えますが、現役世代の人口減少や平均寿命の延びを加味して、給付水準を自動的に調整(抑制)する仕組みです。
・年金は掛け捨ての部分が大きくなれば保障額が多くなり、小さければ少なくなります。つまり、現役世代の人口が減って保険料収入が少なくなろうが、平均寿命が延びて給付額が増えようが、社会環境に合わせて保険料と給付額を上下させれば、破綻しない制度ということです。
・年金不安の根拠として必ず持ち出されるのが、「65歳以上の高齢者1人を、15~64歳の現役世代X人で支えることになる」という理屈です。内閣府の「高齢者白書」によれば、2020年(1年後)には2人、2040年(21年後)には1.5人で1人の高齢者を支えることになります。このような人口減少はすでに十分予測されており、年金数理にも盛り込まれています。つまり、人口減少は予測通りに起こっているので、社会保障制度での心配は想定内であります。
年金、就労なら70歳まで継続納付
<年金は「70歳」まで(70歳以上への延長検討)>
・現行制度では会社に勤めて一定の収入があるなどの基準を満たすと、厚生年金に加入し、会社との折半で保険料を払うことになります。60歳で定年退職した後に再び働く場合も同じです。保険料を長く払えば、将来もらえる年金額が増え、老後生活の支えになります。
・厚生年金の上限は以前は「65歳になるまで」でした。制度改正により2002年度からは「70歳になるまで」に延びています。さらに今後、政府は70歳以降への延長を議論してシニア就労を後押しする方向です。高齢者の就業率は60~64歳で69%、65~69歳は47%、70~74歳も30%に達します(2018年、総務省の労働力調査)。
・何歳まで働くかにかかわらず年金をもらい始めるのは原則として65歳からです。年金額はそれまでに払った保険料をベースに計算されます。ただ厚生年金のうち基礎年金部分は60歳時点で期間が終わる仕組みのため、それまでと同様に働いていても年金額の増え方は穏やかになります。
・65歳になった後もさらに働く場合は保険料を払いつつ、同時に年金も受け取ることになります。例えば、70歳になるまで働くとします。この場合は、まず65歳から年金をもらい始め、同じ年金額がしばらく続きます。そして、70歳でリタイアすると、それまで5年間払った保険料分が年金額に上乗せされます。長く働いたおかげで70歳以降の生活資金に余裕が生まれます。中には「保険料を払っているのだから年金額も65歳から増えるはず」と勘違いする人もいますが、「増額はあくまで退職した後に反映される」ことになります。
<専業主婦などシニアで働く人の配偶者が知っておきたいポイント>
・一般に夫が厚生年金の加入者だと妻は「第3号被保険者」となり、原則60歳になるまで保険料負担なしで、基礎年金を65歳から受け取れます。
(妻が年下で夫より5歳超若いという場合の保険料面での留意点)
・年金制度では「夫が65歳になった時点」で妻は第3号被保険者でなくなります。例えば、妻が58歳のときに夫が65歳になると、妻は第3号から第1号被保険者に種別が変わります。そうなると、新たに自分の国民年金保険料を納める必要が生じます。この例だと、60歳になるまでの2年間が対象です。その間保険料を払わないとその分、年金は少なくなります。
<健保は「75歳」まで>
・シニアを含めて一般に、厚生年金に加入すると勤め先の健康保険にも入ります。大企業なら健保組合、中小企業は全国保険協会(協会けんぽ)です。保険料の半分を会社が負担してくれるうえ、妻ら被扶養者は保険料ゼロで医療サービスを受けられます。
・健保は加入年齢の上限が「75歳になるまで」です。厚生年金の上限よりさらに5年長く、シニア就労に有利な面があります。70歳で厚生年金の資格を喪失した後もなお、その会社で働き続けることができれば健保の加入は続きます。健康保険料は払い続けるが、長く健保の被保険者でいられれば、そのメリットも長く受けられます。
(介護保険)
・介護保険では、40~64歳は第2号被保険者と呼ばれ、健康保険と一緒に保険料を払います。同じように働いても65歳になると第1号に切り替わります。介護保険料の計算方法は変わり、給料天引きではなく年金から引かれるようになります。繰り下げを選んで年金をまだ受け取っていない人などは納付書により自分で払う手続きが必要になります。
・現行制度では会社に勤めて一定の収入があるなどの基準を満たすと、厚生年金に加入し、会社との折半で保険料を払うことになります。60歳で定年退職した後に再び働く場合も同じです。保険料を長く払えば、将来もらえる年金額が増え、老後生活の支えになります。
・厚生年金の上限は以前は「65歳になるまで」でした。制度改正により2002年度からは「70歳になるまで」に延びています。さらに今後、政府は70歳以降への延長を議論してシニア就労を後押しする方向です。高齢者の就業率は60~64歳で69%、65~69歳は47%、70~74歳も30%に達します(2018年、総務省の労働力調査)。
・何歳まで働くかにかかわらず年金をもらい始めるのは原則として65歳からです。年金額はそれまでに払った保険料をベースに計算されます。ただ厚生年金のうち基礎年金部分は60歳時点で期間が終わる仕組みのため、それまでと同様に働いていても年金額の増え方は穏やかになります。
・65歳になった後もさらに働く場合は保険料を払いつつ、同時に年金も受け取ることになります。例えば、70歳になるまで働くとします。この場合は、まず65歳から年金をもらい始め、同じ年金額がしばらく続きます。そして、70歳でリタイアすると、それまで5年間払った保険料分が年金額に上乗せされます。長く働いたおかげで70歳以降の生活資金に余裕が生まれます。中には「保険料を払っているのだから年金額も65歳から増えるはず」と勘違いする人もいますが、「増額はあくまで退職した後に反映される」ことになります。
<専業主婦などシニアで働く人の配偶者が知っておきたいポイント>
・一般に夫が厚生年金の加入者だと妻は「第3号被保険者」となり、原則60歳になるまで保険料負担なしで、基礎年金を65歳から受け取れます。
(妻が年下で夫より5歳超若いという場合の保険料面での留意点)
・年金制度では「夫が65歳になった時点」で妻は第3号被保険者でなくなります。例えば、妻が58歳のときに夫が65歳になると、妻は第3号から第1号被保険者に種別が変わります。そうなると、新たに自分の国民年金保険料を納める必要が生じます。この例だと、60歳になるまでの2年間が対象です。その間保険料を払わないとその分、年金は少なくなります。
<健保は「75歳」まで>
・シニアを含めて一般に、厚生年金に加入すると勤め先の健康保険にも入ります。大企業なら健保組合、中小企業は全国保険協会(協会けんぽ)です。保険料の半分を会社が負担してくれるうえ、妻ら被扶養者は保険料ゼロで医療サービスを受けられます。
・健保は加入年齢の上限が「75歳になるまで」です。厚生年金の上限よりさらに5年長く、シニア就労に有利な面があります。70歳で厚生年金の資格を喪失した後もなお、その会社で働き続けることができれば健保の加入は続きます。健康保険料は払い続けるが、長く健保の被保険者でいられれば、そのメリットも長く受けられます。
(介護保険)
・介護保険では、40~64歳は第2号被保険者と呼ばれ、健康保険と一緒に保険料を払います。同じように働いても65歳になると第1号に切り替わります。介護保険料の計算方法は変わり、給料天引きではなく年金から引かれるようになります。繰り下げを選んで年金をまだ受け取っていない人などは納付書により自分で払う手続きが必要になります。
厚生年金保険料が年金に反映される時期は「原則として退職時、65歳時、70歳時」
・厚生年金保険料は、どのような仕組みで受け取る年金に反映されるか。
<退職のタイミングで再計算と加算>
・継続して在籍している間は反映、加算が行われず、退職した時になって初めて再計算されて反映、加算されることになります。
(例)62歳で特別支給の老齢厚生年金の受給の権利ができると、その62歳時点での年金は62歳前までの厚生年金加入記録に基づいて計算されていますが、その後62歳から64歳まで2年間勤務した場合、退職する前までは62歳時点の加入記録に基づいた年金額のままで、64歳で退職した時に初めて24月分の加入記録が追加されて年金の増額がされることになります。
・加算される額は、負担した保険料の額に応じて変わります。給与や賞与が高いと保険料も高くなり、また、在職老齢年金制度により在職期間中の年金が支給されないことにもなりますが、退職での再計算時に加算される額もその分増えることになります。
<65歳からの年金は65歳までの加入記録で計算>
・65歳になると、60歳台前半の老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)はなくなります。その代わりに、国民年金制度からの老齢基礎年金の他、65歳までの厚生年金加入記録に基づいた、65歳以降の老齢厚生年金(報酬比例部分と経過的加算額)が支給されるようになります。
・62歳で、60歳台前半の老齢厚生年金を受ける権利が発生し、65歳まで在籍した場合は、その3年分の加入記録を加えた上で65歳からの老齢厚生年金が計算されます。
<65歳以降も継続勤務している場合の65歳以降の老齢厚生年金の再計算>
・70歳より前に退職した場合は、その退職時点で再計算が行われます。退職から厚生年金被保険者となることなく1ヵ月経過することが再計算の条件です。
・もし、65歳から70歳まで継続勤務した場合については、厚生年金被保険者になるのは70歳までで、保険料も70歳(70歳誕生日の前日)になる月の前月分まで負担することになりますので、70歳時点で再計算されることになります。
・70歳以降も引き続き在職している場合については、70歳以降は厚生年金保険料を負担しませんので、70歳以降の退職時には再計算されません。
<退職のタイミングで再計算と加算>
・継続して在籍している間は反映、加算が行われず、退職した時になって初めて再計算されて反映、加算されることになります。
(例)62歳で特別支給の老齢厚生年金の受給の権利ができると、その62歳時点での年金は62歳前までの厚生年金加入記録に基づいて計算されていますが、その後62歳から64歳まで2年間勤務した場合、退職する前までは62歳時点の加入記録に基づいた年金額のままで、64歳で退職した時に初めて24月分の加入記録が追加されて年金の増額がされることになります。
・加算される額は、負担した保険料の額に応じて変わります。給与や賞与が高いと保険料も高くなり、また、在職老齢年金制度により在職期間中の年金が支給されないことにもなりますが、退職での再計算時に加算される額もその分増えることになります。
<65歳からの年金は65歳までの加入記録で計算>
・65歳になると、60歳台前半の老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)はなくなります。その代わりに、国民年金制度からの老齢基礎年金の他、65歳までの厚生年金加入記録に基づいた、65歳以降の老齢厚生年金(報酬比例部分と経過的加算額)が支給されるようになります。
・62歳で、60歳台前半の老齢厚生年金を受ける権利が発生し、65歳まで在籍した場合は、その3年分の加入記録を加えた上で65歳からの老齢厚生年金が計算されます。
<65歳以降も継続勤務している場合の65歳以降の老齢厚生年金の再計算>
・70歳より前に退職した場合は、その退職時点で再計算が行われます。退職から厚生年金被保険者となることなく1ヵ月経過することが再計算の条件です。
・もし、65歳から70歳まで継続勤務した場合については、厚生年金被保険者になるのは70歳までで、保険料も70歳(70歳誕生日の前日)になる月の前月分まで負担することになりますので、70歳時点で再計算されることになります。
・70歳以降も引き続き在職している場合については、70歳以降は厚生年金保険料を負担しませんので、70歳以降の退職時には再計算されません。