こんにちは。
本日は先週紹介したヘンリー6世王妃、
マーガレット(マーガレットオブアンジュー)
についてご紹介していきます。

マーガレット

ヘンリー6世の母キャサリンは、フランス王の娘でした。
彼女がヘンリー5世に嫁いでから間もなくヘンリー6世が生まれますが、フランス王の娘である、という彼女への警戒感から子育てから隔離されてしまいます。
そして、そのような環境で育ったヘンリー6世にも、フランスから王妃が嫁いでくるのです。
それが王妃マーガレットでした。
彼女はイングランド王の祖国のひとつ、アンジューからやってきます。


マーガレットはキャサリンとは違い、フランス王の娘ではなかったものの、ヴァロア家傍系の娘であり、フランス王妃の姪という立場でした。
この事は、薔薇戦争の中でも大きな影響を与えます。フランス王がランカスターを支援したのもマーガレット繋がりであり、最後に捕虜となったマーガレットの保釈金を支払ったのもフランス王だったのです。



そうしたマーガレットとヘンリー6世の婚姻話は、百年戦争の停戦へ向けた話し合いから始まりました。
停戦派サフォーク公ウィリアム・ド・ラ・ポールは、好戦派の首領だったグロスター公ハンフリーが暗殺された後に実権を握ります。
彼は停戦工作の一環として、マーガレットとヘンリー6世の婚姻を取り付けましたが、イングランドに全くメリットが無い事が露呈すると、当然ながら怒りの矛先が向かいます。


そしてサフォーク公マーガレットは、議会を無視する姿勢に転じてしまう訳です。
サフォーク公が暗殺された後は、サマセット公がその後を継ぎますが、事態が好転する事はありませんでした。
 
こうしてヨーク公の嫡子マーチ伯エドワードが、エドワード4世となりヨーク朝の時代に入ります。途中、ウォリック伯の裏切りやフランス王の支援で、一時的に政権を奪取する時期はあったものの、結果的にマーガレットは捕虜となりフランス王が保釈金を払いアンジューに戻される人生となりました。
 

次回はエドワード王太子についてご紹介いたします!
それではまた。