September 17, 2005

5月25日 東京原発

No.39
東京原発
役所広司主演。
全然知らないタイトルでしたが、社会派作品好きなんで見てみることに。


カリスマ性もあり、実行力の有る天馬都知事。
物語は彼のこの発言から始まる。

「東京に原発を誘致する。東京の電力がどこで作られているか知っているか?」

東京で毎日消費されている電力。
その電力は一体どこから来ているのか? 

毎日、当然のように使っている電気ですが、そんなコトはあまり意識されていませんよね?

答え。 
それは茨城の北部や福島にある原子力発電所から長い送電線が引かれ、東京に送られているんです。

その電力を東京で作れるようになったら・・・?
 
送電線によって景観が破壊されることも無く、国からの補助金で東京都の財政は潤い、発電所から出る排熱を利用して暖房もまかなえる。
まさに一石三鳥にも四鳥にもなる奇跡のような政策なんです!!

え?

そんなの駄目だって? あれ? 何が?
 
安全性?

原子力発電所って絶対安全だって言ってません?
それに、あれあれー? 
原発って実際にありますよ?
 
あーーー! わかった!! 田舎者は死んでも良いってわけでね!!
 
ん? 
そんなこと言ってない? 
んーーじゃあ良いじゃないですか。
安全なんでしょ?

なら、東京に原発を作ったって。ねぇ?


言葉は違いますが、映画の中でこうまくしたてる知事に対し、都政の実務メンバーはたじたじになり、知事主導のまま会議が進む。

そんな時、東京へプルトニウムを輸送していたトラックが爆弾マニアの若者にカージャックされる事件が発生!!

その事件を追う中で次世代の社会を見越した知事の真意が明らかになる。

 
この手の内容の本は読んだことありましたが、映画があると思ってませんでした。
しかも役所広司ほか、メジャーな俳優さんを使っての良く練られた映画。
テーマも内容も非常に深い。

「絶対安全」なんてこの世にあるわけない。
なのにそれを謳って田舎に作った原発には僕自身は矛盾を感じていた。
でも、原子力が電力の大部分をまかなう現代において「じゃあ、どうすんだ」と聞かれれば言葉に詰まってしまう。

そんな問題を、ただ単に原発反対のテーマに留まらず、政治と市民の無責任さ、次世代のエネルギー問題にまで踏み込んだブラックユーモア溢れる意欲作。

それでいながらストーリー自体も飽きさせない展開。

この映画。面白いの一言。

この映画は都民の人だけに留まらず、より多くの人に見てもらいたい作品です。
この映画を見終わった後に聞きたい「あなたはどうですか?」と。


最終評価 A

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know_the_base at 19:20│Comments(0)TrackBack(1) 2005年に観た映画 | 映画 た行

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1. 東京原発  [ CINEMA正直れびゅ ]   October 09, 2005 10:58
「宣戦布告」に続いて、四字熟語シリーズ第2弾(笑)。こっちはコメディ色が強いんだろうなあ。DVD借りてきた。

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