August 02, 2009

百万円と苦虫女

百万円と苦虫女


「百万円貯まったら出て行きます。」

短大を出ても就職先がなく、フリーターをしていた鈴子(蒼井優)。
ただ家を出たかっただけなのに、ひょんなことで前科がついてしまう。

拘置所を出て実家に帰るが、中学受験を控えた弟、仲の悪い(表面的に取り繕う)両親、自分の噂をする近所、鈴子は居場所を失う。

勢いで宣言した百万円を地道なバイト掛け持ちで貯め、鈴子は家を出て行く。

海の家、山奥で桃農家、気分に任せて土地を決め、そこに住み、百万円が貯まったら出て行く。
そこで築いた人間関係も何かもそこに残して、次の場所へ。

そんな暮らしを続ける中で、鈴子は様々な人に出会う。


嫌なコトを嫌と言えない。嫌なコトがあっても苦虫を噛んだような表情で笑って誤魔化す。
自分探しとは違う。むしろ、探したくない。自分からの逃避行。
探さなくたって嫌でも自分はココにいる。

他人と距離を置こうとして距離を置くわけではないが、基本的に人付き合いが苦手な鈴子。
そんな彼女が、誰も自分を知らない土地に住む。
でも、少し経てばどうしたって他人も自分を知っていってしまう、関わっていってしまう。
そうして、他人と言う鏡に映った自分が見えてしまう。

小さな出会いを重ねて、鈴子は少しずつ強くなる。



淡々とした中に、ハッとさせられる言葉が詰まったロードムービー。

他人との関わりの中で鈴子自身も変わるが、彼女に関わった人間も少しづつ変わる。
人は1人で生きようとしても、どうしたって1人では生きられない。それに改めて気付かされる。



主演の蒼井優の魅力で魅せてしまう映画かと思っていましたが、ストーリーもしっかりした映画作品として魅せる作品になってました。

当然、蒼井優はイイのでが、周辺を固めるキャストも味があって、でもあくまで控えめでスゴク良い。
ピエール瀧も森山未来も。良い。

森山未来演じる中島君と鈴子の恋愛は、2人が不器用すぎて心がキュッとなります。


ラスト切ない。ホント、切ない。

大事な大事な人生の分岐点も、自分の些細な選択で逃してしまう。
でも、それが人生。


最終評価 A

know_the_base at 10:24│Comments(2)TrackBack(0) 2009年に観た映画 | 映画 は行

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この記事へのコメント

1. Posted by きぃ   August 03, 2009 15:21
私もこの映画観ました

最後 せつないですよね
こういうゆったりしつつもストーリーのしっかりした映画 好きです
2. Posted by 管理人   August 03, 2009 18:25
>きぃさん
最後、切ないですよね。

原作アリの作品で良いものもありますが、やっぱり映画の表現に合わせたシナリオは良いものです。

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