December 31, 2009

おくりびと

今年100本目を大晦日の朝に鑑賞。

おくりびと


いつか、誰でもおくりびと、おくられびと。

第81回 アカデミー賞外国語映画賞受賞
第32回 日本アカデミー賞受賞


東京のオーケストラでチェロ奏者をしていた大悟(本木雅弘)は、オーケストラの解散で職を失う。
自分の腕を見つめ直し、妻の美香(広末涼子)と共に故郷山形へと帰る。

そこでちょっとした誤解から見つけた仕事は、納棺師。

なり手の少ないこの職業。社長(山崎努)は大悟を即日採用にする。
初めは給料の良さから、右も左も分からないままに指導を受けながら現場に出る大悟だったが、少しずつ人を送り出すこの仕事にやりがいを覚えていく。

だが、大悟は美香にだけは「納棺師」の仕事に就いている事を告げられずにいた・・・。



本木雅弘と山崎努の所作の美しさ。
日本らしい作法と思いやりに基づいた荘厳さがそこにあり、見とれる。

人にはそれぞれ歩んできた人生があり、その最後を飾る葬儀にはその人の生き様が写し出される。
その最後の場で写し出される人生を彩る納棺師。
火葬で埋葬される日本であれば、どんな宗教の人でも必ず1度は彼らの手を通る。


大悟自身の中にも、周囲にも根強くある、死体を扱う仕事に対する偏見。
ましてや大悟が働くのは山形の田舎。都会であれば表に出ないその偏見が、あからさまにもなる。
それでもその偏見に相反して、その仕事の美しさ、豊かさ、大切さに触れた大悟が納棺師の仕事にやりがいと誇りを持っていく。
その過程がスッと心に入る。

きちんと自分の仕事に向き合い、意味も、あり方も自分の中で昇華した時、大悟は何を言われても譲らない一生の仕事とする。


産まれ、食べて、生きて、死ぬ。

ひとは誰でもいつか、おくりびと、おくられびと。

親しい人とも、自分自身も、誰でも死からは逃れられない。
当たり前のこと。
でも、日常の中では忘れられてしまいそうになること。

その意味を再び自分の中で噛みしめる。


アカデミー賞に輝くことに納得の作品。
よくぞこの非常に日本的な心情の揺らめきを理解してくれた。

観る前はアカデミー賞トラップ(期待値が悪いほうに裏切られ、本来以上に評価が下がる)を心配しましたが、全然そんなこと忘れての鑑賞。

2009年最後、100本目を飾る作品として最高の作品でした。


最終評価 A+

know_the_base at 06:36│Comments(0)TrackBack(0) 2009年に観た映画 | 映画 あ行

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