February 02, 2014

終物語(中)

終物語 中 (講談社BOX)
西尾 維新
講談社
2014-01-29


2014.1.31 発売

キスショットと別れて欲しい

終物語(中)
講談社BOX  西尾維新 著  VOFAN イラスト

しのぶメイル 収録

原作・西尾維新が書くのが楽し過ぎて上下巻になってしまった終物語。
さらに何故か自然と挿入された中巻。
作者が自由に巻数を変えているのに、それが嬉しいファン心理。


「しのぶメイル」

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伝説の吸血鬼と春休みに出会ってしまった阿良々木暦。
暦はそれ以来、様々なこの世ならざる怪異との関わりを持ち続け、怪異に魅入られた少女たちと関わることとなった。

夏休みが終わった二学期の始業式の日に、自宅を火災で失った羽川翼。(「猫物語(白)」)
彼女を敬愛し、翼の危機には何をおいても駆け付けてしまう暦が、この時に限って現れなかったのは何故なのか。

その真相が今、語られる。

受験勉強に追われた夏休みの最終日。
受験勉強はしていたものの、宿題の存在を忘れていた暦は、伝説の吸血鬼の残り滓・忍野忍に泣きついた(「傾物語」)。
「やっちゃお」と軽く請け負う忍。
衰えたととはいえそこは伝説の吸血鬼。
北白蛇神社に集まる負のパワーを利用して時の扉を開いた忍と暦。

だが、時を超える暦たちの行動が、思わぬ災厄を現代に生み出していた。

自分たちの生み出してしまった災厄に気付かず、災厄が大きくなるのも知らぬまま別の物語たちは進む。

この世を迷い続けた八九寺真宵。
怪異としての存在意義見失った真宵を、世界は許さなかった。
暦は、追い詰められた真宵を救うため、「何でも知ってる」専門家・臥煙伊豆湖と取引を交わした。(「鬼物語」)

後輩の神原駿河を伊豆湖に紹介する。
その取引を果たすべく、暦は駿河を学習塾跡の廃墟へと呼び出す。

だが、暦と駿河が待ち合わせた場所に謎の鎧武者が現れる。
鎧武者の襲撃を受けた2人は突然の豪炎に助けられるが、その鎧武者の残していった言葉が暦の心に深く突き刺さるのだった・・・・。

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原作者・西尾維新曰く、「傾物語」「鬼物語」に続く物語として「終物語(中)」はあり、これによって暦と忍が不用意にやってしまったタイムトラベルから始まった三部作が完結する。

シャーロック・ホームズは名探偵ゆえに殺人事件に関わる。
コロンボは刑事ゆえ。
では、なぜ、阿良々木暦は怪異と関わり続けることになってしまったのか。

その原因が明らかになる。

怪異と関わることになった暦の一年間を語るこの物語シリーズも佳境を迎え、今までの伏線や語られていなかった謎が明らかになっていく。


ひとりのサエない男の子に魅力的な女の子たちが惚れてしまう。
いわゆるハーレム系だったこのシリーズも、シリーズが進むほどにそこに潜む嘘や御都合が剥がれ落ちていく。

そして今回、暦との関係がひとつの形に落ち着くのは、神原駿河。

一流のバスケットボールプレイヤーであり、学校の誰もが知る有名人、そんな高いスペックを持つ暦の後輩。
駿河は、一流スポーツ選手の一方でボーイズラブ好きで下ネタ好き。
深夜に呼び出した暦の前にノーブラであらわれて「召し上がれ。」なんて挑発的なコトを言う。

戦場ヶ原ひたぎという彼女を裏切ることの無い暦への信頼がそういった冗談を言わせるのだが、その一方で「もしも」暦が駿河を求めたならば受け入れる決意も秘めている。
冗談めかしているものの、自分の言葉に裏の意味なんて持たせない駿河だからこそ、その下ネタまみれな言動が切ない。

暦が自分を求めることはあり得ないと確信しながらも、それでもその「もしも」にほんの少しの期待をかける永遠の二番手。

成仏してしまったり、暦との関係を一切絶ってしまったり、そんな明確な答えではない。
ただ、最高の相棒にはなれても、相手の一番になれない事実が明らかになるだけ。

そんな駿河の苦しい想いが、思わぬ形で吐き出される。


そして、「猫物語(白)」の舞台裏で阿良々木くんが何をしていたかという話なので、猫白のエピソードがそこかしこに効いてくるのが、ファンには堪らない。
あの時の炎が、あの時のメールが、こんなコトを引き起こしてたのかーと、ね。


くわぁー、ラストに向かって加速度を増しているとは言え、切ねー!!!

今回は、暦も、忍も、駿河も、みんな切ねーよ!!

次回の「終物語(下)」で、どんな結末が待つのか、想像するだけで胸が締め付けられます。



know_the_base at 18:52│Comments(0)TrackBack(0) 楽しい本 | 物語シリーズ関連

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